○
相澤重明君 この
綱紀粛正という問題は非常に大きい問題であるし、人間的な問題もからんでおりますから、
官房長官の言われる
通りなかなか大事なものだと思う。私
どもは決算上
調査をした中にもたくさんの問題が
各省庁のリストを出してもらえばあるわけです。しかも、先ほ
ども申し上げましたように、三十三年度の決算の中でさえ、
検査院が調べたものでさえ三百五十五件の不正不当の問題があり、十二億余にわたる不正なものがある。こういうようなことを
考えて参りますと、今の
お話では閣議の中で閣僚からも報告を別に受けていないし、また、閣議としても取り上げたことはないと言っておる。私はこういう点が非常に問題だと思うのです。
一つの例を私申し上げたいと思うのです。先日、労働省の項を審査した。たまたま福岡県が六カ年有余にわたって失対事業に対する不適当な支出を行なっておった、こういうことで国に
返還を命じられた。そういうことで労働省の
関係者を呼んで聞いたところが、
昭和二十九年から三十四年までずっと調べてみるというと、それまでは別に労働省自身が警告も発しない、三十四年になって初めてこれはいかぬということで警告を発した、こういうことがわかってきたわけです。これは明らかに何と言おうと、出先の機関に対しては上の
役人の人はいろいろの
注意を与えたり、あるいは指導も適切にしておったかもしらぬ、しかしながらこれは
政府の監督上の問題である。
決算委員会では毎年、今は三十三年度をやっており、昨年は三十二年度をやって、その前は三十一年度をやった、毎年やってきた。決算をわれわれが進めてきて、そうしてたとえば郵政省とか国鉄、防衛庁、農林省、これらは非常に
件数が多過ぎてけしからぬと警告を発しておる。しかし、そういう警告を発しておるにもかかわらず、実は役所ではそういうことは承っておきますという形になっておる。それが累積をして労働省の失業対策のような問題になっておる、こういう点が……。農林省の問題が少なくなったということは、
法律改正が伴ったからそうなったので、結局適切な指導が行なわれたり、あるいはまた国として当然これを現地に対して、改善をしなければならないということを
指摘していけば、そういう誤りを犯させるということはない。従って、上層部のそういう指導の問題であるし、また
国会に対する
責任上の問題であると私は思う。そういう
意味で、私はやはり率直に申しまして、先日の国鉄の汚職の問題や通産省の問題が出たら、
関係の閣僚は国務
大臣として、当然閣議で自分の所管にはこういう問題があったということを話し合って、閣議の中でお互いにこういうことを他山の石として再び起こさせないような処置をとるというのは、あたりまえではないかと思う。そういうことをしないから、結局は
役人まかせであるから、先ほど言うように、人事院に苦情があれば苦情
処理委員会に出したらいい、公平
委員会に出したらいい、こういうようなことで済まされたのでは、私はやはり本質を正すことにはならない。
綱紀粛正の問題は
一つ池田内閣において、あなたが
一つ官房長官としてこの際取り上げて徹底的にやはり究明していく。そうして
国民に対する信頼、
政治に対する信頼を私は回復してもらいたい、こう思うのです。その他についての
質問は、私はきょうは省略をいたしますが、
綱紀粛正だけは私はどうも譲るわけには参らぬのである。そういう点について、
池田内閣として、特にあなたは
官房長官という重責にあるわけですから、そういう点を今後やる気があるのかないのか、率直に
お答えいただきたい。それで私の
質問を終わります。