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野本品吉君 私は、まあ当時お考えがあってのことと思いますけれ
ども、あの当時とすれば、
知事さんのお立場というものは、いわゆる居中調停といいますか、あっせんという、そういう立場にあられたと思うので、私自身も、当時
現地で聞きまして、これは第一組合を支持し、激励するというような印象を第二組合に与える、あるいは
事態の安定を一刻も早く望んでおります一般の者に与える印象としては、私はあまりいいことじゃないなあというふうに実は考えてきたんで、これはあなたと私の見解の相違でありますから、議論をするつもりはございません。
ただ、そういうようなものの考え方が、ややともするというと、今の、ややとの軌道をはずしやすい全日自労の諸君等に与える精神的な影響と申しますか、そういう点もあわせて考えるべきである、われわれとしては、そういうような
気持を持っておるということだけを、もう時間がありませんから、あなたと意見の交換をすることは避けまして、そういう事実のあったことと、その事実が、どういう影響を与えておるか、それから軌道をはずれて行動するような全日自労に、どういう精神的な影響を与えたかということにつきまして、一応、私の関心事であるということだけを申し上げておきます。
最後に私は、この問題は、
委員会でも前に申したのでありますが、
金額の多い少ないとか、あるいは特殊な
福岡県の事情があるからということでなしに、切り離して、
行政というものが、どうしたならば折目がつくか、どうして
行政の筋を通すかという角度から、この問題を眺めますというと、これは黙っておれないということになったので、私は、やや力こぶを入れたわけなんです。そこで、これは
知事さんは、十分御
承知だと思うのでありますが、これはもう時間がありませんから、簡単に申し上げます。地方自治法の百三十八条の二には、
執行機関としての
知事さんの義務づけがされておるわけです、御
承知の
通り。で、この冷たい法律から、法律だけから、今度の問題を見ますというと、この規定されております、
知事さんの誠実に国の事務を管理、
執行するということが、地方自治法の百三十八条の二の規定であります。そこで、この法律の文面からだけを見ますというと、私は、好ましからざる
事態が累年起こっておるという点から見まして、法律の求めておるような、誠実に管理
執行されておらないというそしりも免れないと、かように考える。それからして職業安定法の第七条に規定されております文面から見ましても、
知事に与えられた権限というものが適正、確実に
執行されておらないという、こういう批判も起こってくるであろうと思います。さらには
補助金等に係る
予算の
執行の適正化に関する法律、その第十一条、それからして第三十条、この両条文に照らして、この
事案を見ましたときに、そこにも、また問題がないとは言えないと、こう思う。さらに最後の問題でありますが、国家
行政組織法の十五条の一項であります。これは、まあ国の方針というものに対する
知事さんの立場を明らかにしておるわけでありますが、この国の各省庁の大臣の指揮
監督のもとに、十分な
知事の職務
執行が行なわれておらない最後のぎりぎりの規定といたしまして、御
承知のように、ある
手続を経て、総理大臣が
知事の罷免ができると、こういうような規定のありますことは、もうしろうとの私が申し上げるまでもありません。私は、全般を通じまして、年々繰り返されておるという、そのことが問題なんで、その繰り返されておるという
事態を、今申しましたような、いろいろな法律の規定に照らして考えますときに、
知事さんといたしましても、いろいろと考えなければならぬ点があるだろうと、老婆心と申しますか、私の気づいた点を率直に申し上げます。
先ほど
質問の途中におきまして、非常に力強い御発言が
部長さんからございました。三十五年度には、絶対にかような
事案は起こらない、起こさないと、この御発言に対しまして、私も絶対の信頼をかけ、また期待を持っておるわけであります。いろいろと複雑な情勢の中で、この問題を処理されます御苦労のほどは、私にもよくわかりますけれ
ども、問題は、やはり法律というものの筋の通った
行政にしたい、
行政であってほしい、こういう点を特に考えたものですから、いろいろと申し上げておるわけです。時間がありませんので、いろいろとこまかい点について御
質問申し上げ、意見の交換をすることができませんですが、結論的に、先ほど来申しましたような法律の各条章に照らして、
知事の立場として、どうであったかということについての一応の反省と御検討を願い、同時に、先ほどの
部長さんの自信満々たる、三十五年度は絶対にないという、その
言葉に全幅の期待をかけまして、
敬意を表しまして、私の
質問を終わりたいと思います。