運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1961-04-24 第38回国会 参議院 決算委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年四月二十四日(月曜日)    午前十時五十一分開会    ———————————   委員の異動 四月二十一日委員杉原荒太君辞任につ き、その補欠として上林忠次君を議長 において指名した。    ———————————  出席者は左の通り。    委員長     佐藤 芳男君    理 事            鳥畠徳次郎君            野上  進君            相澤 重明君            北條 雋八君    委 員            上原 正吉君            上林 忠次君            谷口 慶吉君            野本 品吉君            林田 正治君            谷村 貞治君            大森 創造君            北村  暢君            千葉千代世君            奥 むめお君   政府委員    防衛政務次官  白浜 仁吉君    防衛庁経理局長 木村 秀弘君    調達庁次長   真子 伝次君    調達庁総務部会    計課長     鐘江 士郎君   説明員    会計検査院事務    総局第二局長  保岡  豊君    ———————————   本日の会議に付した案件 ○小委員会設置及び小委員選任に関す  る件 ○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決  算(第三十四回国会内閣提出) ○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決  算(第三十四回国会内閣提出) ○昭和三十三年度国税収納金整理資金  受払計算書(第三十四回国会内閣提  出) ○昭和三十三年度政府関係機関決算書  (第三十四回国会内閣提出)    ———————————
  2. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。  委員の変更について報告いたします。二十一日に杉原荒太君が辞任され、その補欠として上林忠次君が選任されました。    ———————————
  3. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) この際、お諮りいたします。  国会における決算提出手続及び審査あり方につきましては、従来より種々論議の存するところでありますが、現在の取り扱いは、帝国憲法時代からの手続あり方を大体において踏襲して、政府から両院に対し各別に同時に提出され、両院はそれぞれ別々にこれを審査し議決をしておるのでありまして、両院交渉の議案としての取り扱いをとっていないのであります。しかしながら、財政中心主義の原則をとる新憲法のもとにおける国会決算審査が、旧憲法のもとに行なわれたと同様の方法でよいかどうかについては疑義なしとしないので、この際根本的に調査検討を加えるため、決算提出手続及び審査方針に関する小委員会を設けることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 御異議ないと認めます。  つきましては、小委員の数は自民二、社会一、民社一、無所属一、同志会一の六名とし、その人選は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 御異議ないと認めます。  それでは私より、鳥畠君、野本君、相澤君、山田君、北條君、奥君を小委員に指名いたします。    ———————————
  6. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十三年度政府関係機関決算書を議題といたします。  本日は、防衛庁関係を二月八日、二月十五日の委員会に引き続いて質疑を行ないます。御質疑を願います。
  7. 相澤重明

    相澤重明君 本日は、第一は、過日四月二十一日の九時十五分ごろ神奈川藤沢市での米軍ジェット機墜落事故に対する緊急質問を行ないたいと思うんです。  この米軍機墜落事故というものは、この数年間非常に数が多いわけでありまして、まず、日本政府として、米軍機のこうした不詳事故が起きることについて、どういう交渉米軍側に行なっておるのか、具体的には日米合同委員会の中でどういうふうな話し合いを進めてきておるのか、こういうことを冒頭にこのジェット機墜落事故報告とそれに対する政府の態度というものを、一つここでお述べをいただきたい、かように思うわけであります。
  8. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 御指摘のまず本月二十一日藤沢高倉に墜落しました米軍ジェット機事故の概況、損害の件から申し上げますと、御指摘通り、当日午前九時過ぎに厚木基地を離陸しました岩国基地第三百二十四飛行攻撃中隊所属米海軍A4D−2型ジェット機が、東京電力株式会社所有の高圧線に接触して架線を切断し、炎上しながら藤沢高倉の麦畑を滑走いたしまして沢野一郎さんの家屋に衝突し、沢野家家屋四棟を全焼し、その結果、主人の沢野一郎さんがなくなり、妻のキヨさんが身体に火傷を負ったものであります。さらに同墜落機によってその付近綿貫治助さんの家屋二棟、沢野勇さんの納屋一棟に類焼し、これも全焼せしめております。そのほか、綿貫梅太郎さんの家屋が半焼するとともに、付近一帯の立木及び農作物に損害を与えました。基地周辺等で従来しばしばこの種の墜落事故が起こっておりますが、最近におきましては従前よりもその件数が低下しておることは事実であります。しかしながら、万が一にもこういったようなことが起こるということは非常に遺憾なことでありますので、こうした事故が起こらないようにかねてから機会あるごとに米側に対しては注意を喚起し、厳重にこういった事故に対しては抗議して、本件に対しても今後こういう事案の起こらないように十分注意するよう厳重に申し入れておる次第でございます。
  9. 相澤重明

    相澤重明君 厳重に申し入れておるというだけでは、これはもう話にならぬわけです。申し入れたそのことは、たとえば私はさきほど申し上げたのは、日米合同委員会でどういう話をしておるのか、そういうことを聞かしてくれと、こう言っておるわけです。具体的な政府として折衝した経緯というものはあると思う。いかがですか。
  10. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 最近におきましては、本件事故に対しましてその申し入れをいたしまして、米側でも今後こういう事故が起こらないように万全の措置をとるということを言明いたしております。
  11. 相澤重明

    相澤重明君 私はこの際本委員会で爆音の被害とかあるいは米軍ジェット機墜落事故で、どんなに今まで困っておるかということを、委員諸君にも十分御納得をしていただくために、一応例をあげてみたいと思う。  まずことしになってから昭和三十六年の一月以降すでに六件にも及んでおるわけです。そのほかに、今年のこのジェット機が今の問題が大きくなるまでにどういう経緯があるかといえば、昭和三十三年に神奈川県の神奈川神太寺という所で民家六戸を全半壊して八人に重軽傷者を出した。そうしてそのときには搭乗員が一人なくなっておる。それから三十四年の十二月二十四日には、当時三十三年にサイドワインダーを購入するかどうかということでずいぶん議論をしたことがある。その翌年三十四年の十二月二十四日にはサイドワインダーが空から降ってきて、そして労務者がそのためにけがをした。これはもうその当時私どもが三十五年にそういう議論をして、三十四年にそういう事故が起きたということは、皆さんが御承知通りだと思うのです。そのために日本労務者けがをしておる。それから三十五年になってから一月の十三日に基地内で離着陸のときに事故をやはり起こしておる。それから三十五年の六月には横須賀の長井沖という所でやはりジェット機が墜落しておる。同じ六月にやはり基地内で飛び立ったのが事故を起こして、そしてそばの畠に墜落しておる。それから同じく七月二十九日には小田原市の石橋という所がある。その石橋の山中に双発機が墜落して、そして米軍軍人が二人行方不明になって、ずいぶん当時大騒ぎをやって、ようやくその死体を探し当てた。これは日本人もずいぶん消防団を初め、大ぜい動員をしてやった。それから十二月五日には相模原市の大島神沢という所で小型ジェット機が落ちて、やはりパイロットが死んでおる。ことしの一月になってからは、三十六年の一月十一日には厚木市の妻田のやはりお百姓さんの所に落ちて、農家の人が非常に、実にびっくりして飛び上がってみんな騒いだ。そのときには幸い死傷者はなかったけれども、一月早々でありましたからずいぶんびっくりしたわけです。それから同じく一月の、その翌々日の十三日には基地内でジェット機の着陸するときに、うまくいかないで米軍人が二人、日本人従業員も二人死んでおる。同じくまた五日ばかりたつというと、一月の十八日には大和相模鉄道、この相模鉄道電線に引っかかってそれでジェット機が墜落した。このときに相模鉄道電車通り終わったところだったからよかったけれども、もしそれが瞬間でもおくれたらば大へんですよ。相模鉄道の乗客はまつ黒こげです。電車もたまったものではない。そのあとから来た急行もやはりその通り。これはもう寸秒を争う大きな事故を起こしておる。このため一月、非常に神奈川県の厚木基地周辺人たちは戦々きょうきょうとしておったわけです。こういうようにことしの一月だけでも四件、そして、この三月にもちょっとした事故があって、それでこの四月の事故です。三月にそういう事故があっては困るということを米軍側基地周辺の市民が、あるいは知事や市長が申し入れて、アメリカでも司令官マスターソン大佐等がそういうことのないように一つ米軍にも十分注意しよう、こう言って、注意を喚起したはずです。まだ四月は終わっていない。その直後の四月の二十一日の九時十五分に、電線に引っかかってこういう事故が起きておる。だから今までのこういう歴史的な事故を見れば、事故の数が減っておるという今の次長報告なんかはとんでもない。減ってはいない。ことしの一月になってからも四件もある。しかもその四件というのは、今申し上げたように、横浜から厚木に行く相模鉄道電車に乗った満員のお客さんが分秒電車がおくれたらどうなりますか。こういうようなことを一体政府は知っておるのか知らないのか。知っておってただ申し入れをじんぜんしておりますからというような答弁だったら、これは全く問題にならない。そういうことで私は少なくとも米軍司令官マスターソンでさえ全軍に対して航空事故をなくするように、部下にそういういわゆる指示をしておるのに、当然日本政府日本人の農民なり労務者が死傷しておるのだから、こういう問題をとらえて日米合同委員会の中でやるのは当然だと私は思うのです。日米合同委員会の中でやったとすれば、そのやった経緯というものがはっきりしなければならない。やってないならば、これはやっていないという報告をしてもらわなければならない。私はやっていないということは言わせない。そういうことでは政府の職務怠慢は免れない。だからおそらくこういう問題についてやらぬはずはないであろうし、やっておるだろう。やっているならその経過をここで明らかにして、こういう事故のないようにしておくのが、当然第一にとらるべき措置ではないか、こう考える。これは政務次官どうです、まず政務次官からお答えいただきましょう。
  12. 白浜仁吉

    政府委員白浜仁吉君) お答えいたします。御指摘通り日米合同委員会にも、ただいま真子次長からお答えしました通り、厳重に申し入れ事故防止をはかっておるわけでございますが、何分にも非常な高度に機械化されたことでございますので、思うようにいかないのをまことに遺憾に思っておるわけでございます。それから数字の点につきましては次長より答弁させますが、今後もこういう事故の起こらないように、あらためて厳重に米側にも申し入れるつもりでおります。
  13. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) これまで昭和二十九年から三十六年までの間に厚木飛行場周辺で発生しました航空機事故件数は、約五十件くらいございまして、そのうち今御指摘のように相模鉄道電線に引っかかって事故を起こしたものが四件ございます。御承知のように、これらの事故は、飛行場から非常に離れた所でももちろん起こっておりますが、飛行場のきわめて近い所で事故を起こしておるのが非常に多かったので、厚木飛行場は南方に一千メートル、北側に約一千メートルの安全地帯を設けまして、その周辺事故の起こらぬように、危険防止措置をするという手段を講じておりまして、南側安全地帯は完成しましたが、北側は今半ば完成しているところで、半分まだ残っております。なお北側では一千メートル安全地帯を広げますれば、相模鉄道にきわめて接近することになるのでありますが、御指摘通りぐそばにああいったむき出しのままで電車が走る、その上に架線があるということは危険でございますので、その危険を防ぐ方法考えなければならぬということが起こるわけであります。これについては、線路をつけ変えるとかというようなことも一つ方法かもしれませんが、この点は現実的に動かすとすれば非常な金がかかるとか、あるいは時間がかかるとかというような関係もありますし、その他の困難な問題がございますので、将来はこの線路を直接に防ぐ、防護する方法が最善な策と一応考えております。その鉄道を、たとえば横田基地の北の方を通っております高崎線に対して地上にトンネル式のものを作っておるのでありますが、ああいった方法が一番適当かとも考えております。この方法を採用するにしても、建設費の負担の問題とか、あるいは予算措置だとか、あるいは進入角度、いろいろな技術的な困難の問題もありますが、これを解決して早期に相模鉄道事故を起こさないようにいたしたい、こう考えておるのでございまして、これらの点は米側とも話し合い、また国内関係機関とも話し合って、事故防止に努めるようにはかっておる次第でございます。その他、御承知のように進入表面下、あるいはきわめて飛行場に近接したところの危険のあると思われるようなところに対しては、民家についても集団移転させまして、そういった危険が現実に発生しないように努めておるつもりであります。たとえば集団移転に例をとりますれば、昭和三十五年度におきまして十八戸移転することに話し合いがついており、なお予定を最初三十六戸と考えておりましたので、そのうちの残り十八戸と、それからさらに昭和三十六年度にそれにつけ加えまして、合計残り十八戸を含めた五十五戸を移転するということを計画しております。これは騒音防止あるいは騒音に対する被害の軽減ということの大部分の目的もございますが、こういった実際の危険を除くということがまた大きな眼目になっておる次第でございます。いろいろその他のできることは一つこれからも施設の上で、あるいは飛行の仕方の問題その他を解決して、できる限りこういった遺憾な事態が発生しないように努力するつもりでございます。
  14. 相澤重明

    相澤重明君 今の次長最初答弁は、事故をなくすためには基地拡張しなければならない、こういう理論展開をしておると思うのだが、われわれは基地拡張しろということを言っておるのではない、そんなくだらぬことを私は質問しているのではない。現在の米軍機のそういう事故というものはどうして起きるのかということは、これは米軍責任なんだ。従って日本人としては、日米安保条約もあるだろうし、それぞれの条約規定に基づいて交渉する権利を持っているのだから、だからそういう事故をなくせ、事故が起きた場合には当然補償するのはあたりまえの話だ。だからそういうことを日本側として、日本政府として、日米合同委員会の中で当然やる必要があるんじゃないか。何も基地拡張して事故をできるだけ減すようにします、そんなことの答弁を求めているのではない。そういうふうな誤った先入観を持って答弁されることは、私はこれは問題にならぬと思うのだ。われわれ社会党としては基地拡張は全く全面的に反対なんだ。だからそういうことを私どもは聞いているのではない。自民党諸君だって、基地の問題で何も拡張するということは考えていないと思う。おそらくそういうことは表面には言えない。やはり最少限度というものは自民党の与党の諸君だったって仕方がないと思っているだろうけれども拡張していいという考えはおそらく持っていないと思う。だから今私が議論しておるのは、そういう米軍ジェット機によるところの被害というものが続出しておるが、これに対して当然日本政府としてやはりアメリカに折衝しなければならぬじゃないか、その事故をいかにして防ぐかということが大きな責任の度合いじゃないか、こう言っている。そういう点を日米合同委員会の中でどう話したかということを聞いているのに、基地拡張理論展開されては大へん迷惑する。迷惑するしけしからぬと思う。これについては委員長、私は次長に文句言ったってしょうがない。やっぱりこういうことは国務大臣が閣議の中でやることである。そういうことを相手国と話することであって、事務上の問題としては、今次長事官答弁されたが、私は納得しません。今のような答弁をされますと、ふざけたことを言うなという話で終わりますが、私はその基地拡張問題については、私はそういう政府側答弁は全く無意味である。まず今の次長の言われたように、厚木海軍航空隊基地拡張について、基地拡張ということは米軍側も今まで言っていないんですよ。いいですか、次長米側も今まで言っていない。当決算委員会でも、これは私が毎年ここで厚木基地の問題については政府側答弁を聞いている。それで、先ほどあなたの話した南北二十五万平方メートルの拡張についても、これは基地拡張するのじゃありません、エプロンを伸ばすということは、いわゆる安全地帯を設けることであって、爆風をよけることが主たる目的であります、だから決して滑走路等を作って基地拡張するような誤解を受けるようなことはいたしません、というのが当委員会における政府答弁じゃないか。にもかかわらず今日基地拡張をするような理論展開をして、そうして当委員会答弁されても、それは私は納得しませんよ、そんなことは。今までの歴史的な、当委員会における政府答弁を見てごらんなさい。第一に今神奈川県議会においても、その問題で一番頭を痛めているのは何かといえば、はからずも次長が言ったように基地の中に県道がある。最初この県道を、アメリカ軍といえども基地拡張ということでは日本国民の感情を害するから、拡張はいたしません、しかし爆風等が出るから、南北両端エプロンというのをふやして、爆風をよけましょう、しかしこれは基地拡張はしません。こういうことを言っておったわけです。それが、とにかく基地拡張しないけれども、これは基地内であるから一部整備をする必要があるということで、昨年度コンクリートしたわけなんです。あれはおととしの十二月であったか、やったわけです。そういう歴史的なことは全部当委員会に出ている。予算からそういうことをやったことから、全部出ている。そうしてこの県道についても国民権利である、日本人の通っている今までの県道をどうするかということについて、神奈川県議会そのものが頭を痛めている。それを調達庁の方が、いかにも基地拡張のために県道をつけかえなければいけません一もっと発展していけば、今の次長説明のように、相模鉄道線路まで移転して、そこまで基地拡張しなければ基地は安全ではございません、こういう答弁だ、理論的な展開をすれば。これはまことにけしからぬです。当委員会で一ぺんもそんなことは言ったことはないし、政府もそういう基地拡張しませんということを答弁しているのです。こういうふうな問題について、私はやはり政府の問題であるから、大臣に出席を願って説明をしてもらいたいと思う。私は、今事務当局の言う、そういう理論展開をされて私どもを納得させようといっても、これは国会議員として納得できませんよ。政府の言ったことや、米軍の言ったことや、あるいは国会議論をしたことは、やはり尊重されなければならん、こういう建前をとっておりますから、この基地拡張については絶対に私は認めるわけには参らぬし、そういう理論展開をされることは、私は反対します。私は受けたくない、そういうことは。次官、どうですか、この点は。もし私の言うことに歴史的な誤りがあったら指摘して下さい。私は政府答弁も聞いているし、それから米軍申し入れたことについても回答をもらっているわけですから、その歴史的な事実があるからこそ、今神奈川県議会でも大和市でも、この県道のつけかえをどうしたらいいかということで頭を痛めている。臨時県会まで開かなければいけないのじゃないかというところまで追い込まれているのです。そうして相模線鉄道については、これはっけかえなんていうことは、とてもじゃないが、これをつけかえるということになったら、大和市どころじゃない、周辺の市町村が反対していることは、神奈川県知事内山岩太郎氏だって頭をかかえているじゃないか。そういうような問題を調達庁あたりが勝手に拡大解釈されて答弁されるなんてまことにけしからん。次官、どうです。これはそういう今までの私の言ったことに誤りがあれば指摘してもらってけっこうです。私は誤りがないから言っている。そういう理論展開は困る。
  15. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 委員長から真子次長に申し上げますが、先ほどの真子次長答弁について、付言をいたしたいこと、または訂正をいたしたい点がおありでございましたら発言を許します。
  16. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) ただいま相澤先生から非常なおしかりでございますが、私が申し上げておる言葉の足らないところ、また趣旨が非常に誤解を受けやすいように申し上げたことは私どもの落度でございますが、ただいま先生から申し上げられた通りでありまして、この基地南側あるいは北側に幾らか延ばすということは、これはいわゆる基地拡張ということでなしに、非常に航空機離着陸の安全を期すると、そうしてその安全を期するために安全地帯を設けるのだ、こういう事柄がほんとうの考え方でございまして、別に基地を広げて滑走路を延ばしてこうするああする、こういった考え方は全然根底にあるものではございません。従来立川飛行場拡張とかあるいは横田飛行場拡張とか、あるいは小牧の拡張といったようなものは、これは滑走路を延ばすということが眼目であったわけでありますが、本件厚木の場合は全然それと根底を異にいたして、全くこれは安全地帯航空の安全、離着陸の安全、付近通行人あるいは人畜に被害を加えないようにする、こういうことの考え中心でございますので、どうかこの点一つ私の言葉の足らなかった点は御了承いただきたい、こうお願い申す次第でございます。
  17. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、今のまあ答弁が修正されたから私はそれはそれとしまして、その次に従来米軍機墜落事故による日本側損害については、これは協定によって双方が支払う義務を持っておるわけでありますが、今までの経緯を見るとやはり二カ月半、三カ月という長期間かかるわけですね。非常にこれは遺族の人とか、あるいはそのために焼失し、田畑を失ったものについては非常な生活の脅威を受けるわけです。そういう問題について、政府としては、今次この事故発生に伴ってどのくらいの期間をもって、いわゆる補償というようなものについて最終決定が出されるのか、そういう点の目安というものを持って米軍側に折衝される意思があるのかどうか、その点を一つ政府から答弁を願いたい。
  18. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) いついつかまでに補償するということの期限を明示することはただいまのところ困難でございます。調達庁といたしましては、直ちに被害現場調査上の仮事務所を設け、また調査をする、あるいは被害者さしあたり救済措置に関与するということをいたすほか、この関係者からいろいろ聞いたりあるいはものを調べたりするのに現場近くへ仮事務所を置いて、人員も相当数派遣いたしまして早急に調査を完了し、被害者側の御意向を十分参酌して補償額を早急に決定する、しかしながら従来の例から見ましても、相当実際は調査に時間がかかるのが実例でございますけれども、しこうして政府本件の場合は相当大事故でございますので、これを綿密に調べ上げてからということになりますと、非常に時間もかかる心配も御指摘のようにございます。それで私の方もなるべく大体の見当を早くつけて概算払いで一まず支給しておく、その上であとまたこまかい打ち合わせを被害者側といたしまして支給する、こういうようにいたしたい、米側ともこの点はもちろん大体の見当をつければ逐次その話し合いをつけつつ、また今申しましたような概算払いをいたして最後の結末をうまくつけたい、こういうように考えておる次第であります。
  19. 相澤重明

    相澤重明君 概算払いというのはいつごろやるつもりですか。日本側でそういうようなことを言っておるけれどもアメリカ司令官はちゃんと見舞金まで持っていっておりますよ、米軍は見舞金を持っていっているよ。そういうことをやっているのに、日本政府日本国民のこういう大きな問題が起きているのに、概算払いをやります、これから調査をするということではなかなか大へんなことだと思う、すぐとにかく弔慰を表するような形のものができないのですか、お見舞をするということは。米軍はお見舞に行っておりますよ、現在アメリカ側で言っているのは、亡くなった人には三万六千円ですか、それから負傷した人には一万円の金を贈っているんだよ。そういうことをやっているのに、日本政府はまだあいさつもろくすっぽしてないという、こういう態度そのものが問題だと思うのです。だから概算払いをするというのはけっこうだから、概算払いいつごろやります、次長
  20. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 今申し上げましたような相当大事故でありまして、被害というものはおそらく何百万かあるいは何千万をこす被害であるように見受けますので、これをかりに概算払いと申しましてもわずかな額を支給しても意味をなさないので、相当まとまったものを補償するようにしなければならぬと考えますから、きょうあすというわけには参らないと思います。米側で御指摘のように見舞金として三万六千円とか一万円というものをお見舞として差し上げておりますが、調達庁も心ばかりのお見舞金を差し上げ、局長以下関係官が非常に本件に対しては遺憾の意を表し、何とか被害者の救済を早くつけたいということを努力しておりますから、しばらくの御猶予をいただきたい、こう申し上げるよりほかございません。
  21. 相澤重明

    相澤重明君 私ども別に現地を担当する調達庁が誠意がないと言いたくはないのですよ、誠意を持ってやってもらっておると思うのです。思うけれども、やはりおくれていけばそういう国民感情になる、これを私は言っているのです。そこで前回の例もあるので、概括的に一体政府考えとしては、この種事故に対しては死傷者についてはどういうふうに補償を今までしてきているのか、こういうようなことについては政府考えはおわかりになりますか。
  22. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 御承知のようにこの種の損害につきましては、地位協定十八条第五項該当事案として、これに基づいてできました民特法や、あるいは閣議決定になっております支給基準に基づきましてそれぞれ補償いたします。本件の場合にあたりましては、死亡者の場合には遺族に対して遺族補償及び葬祭料、また負傷者に対しては、療養補償及び療養後も、療養いたしましてもなお障害が残るという場合に対しては障害補償をいたす。なお家屋及び農作物に対しましては財産補償をいたすわけでございます。その基準の概略を申し上げますと、すでに御承知かと思いますが、遺族補償は日収の千日分でございます。その他はそれぞれ必要な金額を十分被害者と話し合ってやるつもりであります。  なお先ほど概算払いと申し上げましたが、これは従前は全部清算がつくまでやらなかったのでありますが、これを政府部内及び米側とも話し合いをつけて、概算払いの手段を最近とっておるわけでございます。
  23. 相澤重明

    相澤重明君 ですからせっかくそういう政府があたたかい気持を持って概算払いもするという気になったということは、大へんいいことだと私は思うのです。私はそういう点は率直に努力していることを認めたいと思うのです。だからそれならば概算払いをするのにどのぐらいの時間がかかるかと、こう言っておる、それはただ努力をします、まあ期日は言えないから御了承願いますということでは、ちっともそんなものは進展しない。具体的にいつごろまでに概算払いをやって、そうして最終的には今までの経緯からいっても三カ月もあったらできるのだから、もっと努力すればできるはずなんだから、それをいつごろまでにやるという誠意を示してもらいたい。
  24. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 私どものそれでは、努力目標を申し上げますれば、二、三週間のうちに一応努力目標を置いてやりたい、こういう考えでおります。
  25. 相澤重明

    相澤重明君 これはまあまことに努力の気持については私は率直に買っておきたいと思うのです。そこで遺族の問題でありますが、なくなった人とか葬式というのはそう待てないわけだな、実際の話が。そういう問題についてはあとでこの時点に沿ったところの補償ということは、これはまあ相談の余地もあろうと思うのですが、今までのこの基準に基づくものについては、これはすぐ私は支払って何ら差しつかえないと思う。それを支払わずにいてただ見舞をしました、まあ二、三週間少し調査をしてから概算払いをしますというようなことは少し時間がかかり過ぎるのじゃないか。だからなくなった人とか、葬祭料というのは、これはまあだれが聞いたってはっきりしているのだから、これは別に政府が回りの人に聞いて調査しなければいけないという理由のものでは私はないと思うのです。そういう点はどうなんですか、次長
  26. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 葬祭料につきましても、これは当事者の、被害者の収入によって上下がありますので、日収の六十日分だったと思っておりますが、その収入の計算で少なくともこれを確定的な額を出すわけにはいかないので、しばらくこれもお待ちを願いたいと思います。
  27. 相澤重明

    相澤重明君 しばらく、しばらくはやあしばらくで終わっちゃうのだから。言うことはわかるのだよ、今答弁していることの気持はわかるけれども、今私の申し上げたのは、なくなった人とかあるいはお葬式を出すとかというようなことについては、これは別に調査は必要ないわけです。これはきわめてはっきりしているから、これについては今言った金額の単位をきめることが問題だろうと思う。従って従来の支出している基準というものについては、これはすぐ出せるのじゃないか、あとの幅について問題があるだけだ、こういうのです、私は。だからそういう点については一つ人情の機微をはずさぬように政府のあたたかい気持で私はやってくれないか、こういうことを言っているのです、この点はどうなんです。あなたの言う具体的に日額幾ら、収入幾らということをこまかく細部に調べて、それがまとまらなければそういうことをきめて支出するわけにはいきません、こういうことでやればしゃくし定木になるのです。私の言うのは、いずれは全部補償がきまるまでは相当時間がかかるだろう、それは従来の例からもわかりますが、それは最終的にきまるときにはそういう幅のことは最後はきまるだろう、しかし一応の基準のことについては何もそんな先まで延ばす必要はないのじゃないか、二、三週間も要らぬだろう、葬式を出すなら葬祭料を出してお上げなさい。あとで具体的にお話し合いの上で最終的には幾らという金額はきまるけれども、今までの基準なら基準では幾ら、こういうものはすぐ出しても差しつかえないのですよ。それだけのあたたかい気持を私はとってやってほしいと思うのですが、政府はいかがですか、こう聞いておるわけです。
  28. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 御指摘のような気持は私ども十分にあります。それで部内でも、概算払い前渡しといったような方法はないか、というようなことも検討いたしておりますが、そこまではまだ話し合いが部内で意見が一致しておりません。関係方面ともそこまでは話し合いは進んでおりませんので、遺憾でありますが、概算払いのできるときまで待っていただくほかはない、こう思っております。
  29. 相澤重明

    相澤重明君 政務次官どうなんです。今あなたとにかく政務次官事務上のことを一々やっているわけではないから、私はその事務上のことで政務次官を責めるのではないのですよ。しかし人間感情、国民感情として、こういう問題についてはなるべく早くやはりあたたかい気持を出してやるというのが、私は政府国民に喜ばれることだと思う。またその気持に沿うことだと思うのだ。ところが調達庁答弁を聞いていればやはりしゃくし定木の域を出ない、これはちっとも。部内でもそういう意見があるけれどもまとまらぬということですが、これはやはり大臣なり次官が政治的にものを判断して国民感情というものをできるだけやわらげていくのがとるべき手段じゃないか、次官、今あなたここで聞いているのだが、これはどうなんです。
  30. 白浜仁吉

    政府委員白浜仁吉君) お気持まことに私ども同感でございますが、いろいろ手続上の問題が非常にうるさいことは御承知通りでございます。ただいま次長が申し上げました二、三週間ぐらいという努力目標をなるべく早く、私どもも時間的に早くするということで努力をするということで、御了承願う以外にはないのではないかと考えておるのであります。全く御指摘通りでございまして、私ども被害者の方に対しましてはできるだけのことをして償いをしたいと考えておりますので、御了承をお願い申し上げたいと思うわけであります。
  31. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 私が今申し上げましたことに少し補足いたしますれば、全体の概算払いは二、三週間の努力目標でございますが、遺族補償と葬祭料だけは切り離して、全体の概算払いより前に支給するようにいたしたい、こう思っております。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 それではそういう努力を私も十分理解いたしまして、この点は一つそういう気持でやっていただきたいと思います。  それからその次に、それではこの二十一日の沢野さんの問題についてはまあそういうことで御努力願うことにして、この種事故について今後一体どうするか、特に政府もいろいろ調査機関を設けて調査をしておると思うのですが、私も前回の当決算委員会厚木大和等の基地周辺人たちの爆音対策についてということで当時御質問申し上げたことがあるわけです。当時私の申し上げたのは、今まで大和周辺の学校へ行っている子供はお天気の日、天候のよい日を一番子供としても喜んでおったけれども、あまりにも爆音が激し過ぎるので、雨の降る日の方が子供はいい、飛行機が飛ばなくていい、こういう、雨が降ってくれれば、ということをつづり方で書いている。このことを私は前回に申し上げた。実に私どもの跡を継ぐ、日本の国を背負って立つ子供の教育上私はゆゆしい問題だと思っておった。それがために調達庁としてもこの計画をして、そうして中、小学校あるいは幼稚園、病院等についての防音装置を作ることをきめたわけですね。それからどうしても爆音の激しい所はやむを得ず集団移転も認めよう、こういうことで先ほどの次長の御説明のように、集団移転の費用というものも計上したわけなんです。そこで爆音対策について根本的にやはり米軍申し入れる必要があるのではないか、こう私は思うのです。私ども実は当時米軍側に話をしたことがあるわけです、そのときのことを申し上げますと、昨年の十月十六日ですが、司令官のマスターソン大佐が厚木基地で特に地元の市長、あるいは代表者の人たちにお会いをしたわけです。お会いをして、そのときに市民大会の決定についていろいろと答弁をされていることがある。これには別に私は党派のことを言っておりません、自民党諸君も社会党もみんな当日これを一致した話を聞いておるわけです。それによりますと、基地周辺の市町村の住民が日夜ジェット機その他の飛行爆音及びエンジン・テストの騒音に悩まされて、学校病院などの公共施設はもとより、周辺住民の精神的、生理的に受ける損害の甚大なことを貴官はよく知っておられると思うが、具体的なことはどうだというようなことをお話をしておるわけです。そして爆音の緩和についてもいろいろ貴官が意を用いておるようであるが、現在どういうふうにお考えになったのか、こういう点を質問をしたところが、司令官は、自分は着任以来まだ、その上官のサザーランド少将も、ウイジングトン少将も本問題に深い関心を持って、できるだけ努力をしてきた、今後もまた努力をします、作戦上の許す範囲内で私どもとしては——権限外のことはまあどうしようもないけれども、できるだけこれは一つ皆さんの趣旨に沿うように努力いたします、この問題については、外務省、米大使館、神奈川県知事、神奈川県の渉外部長、隣接の市町村長等との連絡において善処していく、こういうことを司令官答弁をされておるわけです。  それから飛行時間の制限、規制について、これは原則として隔日、朝八時から夕方六時までの間はとにかくとして、できるだけこれを減らしてもらいたい、こういうことをやはりそのときの代表の人が言ったところが、司令官は、厚木基地は横須賀に基地を持つ第七艦隊航空の重要な一機能であるから、飛行回数とか飛行計画についてはそこから発せられるんだと、だから、自分がその権限を持っているんじゃないと、第七艦隊のいわゆる権限である、だからそういうことはやはり日米合同委員会で十分話し合わなきゃいけない、こういう答弁をしているわけです。作戦上の必要性と騒音緩和の二点の最もよい妥協点を私どもとしては作りたいと、こういうふうに当時このマスターソン司令官が代表の方に述べられた。まだそのほかたくさんあります。当時言われておることがたくさんありますが、とにかく、日本政府とそういう点についても十分われわれは、外務省、米大使館、こういうところで話し合っていきたいということを、マスターソン司令官そのものも言っておるわけです。だから私は冒頭に申し上げたように、日米合同委員会でこれだけの問題は当然話にのっていなきゃならぬと、そういうことをどういうふうに解決をしてきたか、こういうことを冒頭に実はお尋ねをしたわけです。ですから、そういう点についてもし公開の席だから言えないこともあるかもしれぬが、公開の席で、当委員会で言えることがあったら私は一つお話をしてもらいたいと思うんです。そうでないと、われわれとしては何を一体政府がやっているのかという気持ちになってしまう。一つ率直にお話をいただきたいと思う。
  33. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 騒音問題につきましては、御指摘のように、まず、飛行機がいたずらに騒音を発して付近住民にあるいは通行人その他に害を与えないようにするという方法と、それから起こる音に対してこれをどう防ぐかという手段を講ずるということにあると思いますが、対米関係におきましては、この前にすでに申し上げてあるかもしれませんけれども、昨年の十二月六日に、合同委員会の下部機構といたしまして、厚木飛行場中心でございますが、飛行場騒音対策特別委員会を設置しまして、騒音及びその被害の軽減ということの具体的措置を検討しておるわけでございます。で、米側自身でも専門家をわが方に派遣して、との騒音軽減措置について研究しておるようでございますが、私どもの方も何回もこの話は協力を申し入れまして、今、先生のお話のように、米側でも作戦上やむを得ない場合のほかは、深夜ジェット機の始動とか飛行をしない、あるいは日曜日の飛行訓練を最小限に、やむを得ない場合以外はしないというふうにはかってきているわけであります。その他飛行頻度についてもいろいろ向こう側でも検討しているようでございます。こういった努力は今後といえども引き続いてやっていくつもりでございます。
  34. 相澤重明

    相澤重明君 実際には昨年の十月にワシントンから音響の専門家が来て、厚木騒音を測定分析をしている、これは実際にやっている。やっておって、エンジン・テストの騒音について、全体のどのくらいの騒音があるかということを、私が司令官の話を聞いたところによると、全体の騒音の一五%というふうに、当時測定分析した結果が出ているわけです。そういうようなことで、米側はかなり積極的な消音対策というものを試みたが、まだ完全なものはできない、こういうことを去年ワシントンから来た専門家が言っている答弁を私は持っているわけです。だから私は調達庁がどういうふうにやっているかということは、むしろ私は米側の話はよく知っている。知っているんだけれども、そういうふうに米側がやっているのだから、日本政府が積極的にお話をしたならば、もっといい解決のできる方法が出てきやせぬかという、こういう私は希望を持っているのです。皆様方——政府側が折衝することに大きな期待を私どもはかけているわけです。そこで今のような御答弁だけではなかなかどうも私どももずいぶん時間をかけてやっているのですけれども、いい答えというものはなかなか出て来ぬ、こういう印象を持つのですが、どうですか。いま少し何とか長い間かけて向こうでも一生懸命やっているのですから、こちら側もざっくばらんに言って、もっと騒音をなくする対策というものを作るということができませんか、どうでしょう。
  35. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 気持の上では先生と同感でありますが、実際の具体的な措置になりますと、まだ十分満足な結論に到達いたしておりません。
  36. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、これはいずれ当委員会としてもあとで十分総括質疑が残っておりますから、そのときにやることにして、一つ確認をしておきたいのですが、調達庁が当委員会に昨年の九月二十日に出された資料があるわけですが、この資料で先ほど次長が御答弁されました学校等の防音装置の問題ですが、三十五年度分までの計画は全部終わりましたか。
  37. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 三十五年度の予算で実施計画のものはなお繰り越しの分がございまして、まだ全部予定の計画のものを実行しているわけではございません。
  38. 相澤重明

    相澤重明君 三十三年度と三十五年度との名前をあげていただいたわけですが、三十五年度に繰越分となっているのは具体的にどこですか、説明をして下さい。
  39. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 今担当者が来ておりませんし明確な資料が手元にございませんが、御承知のように三十四年度までに二十二校を実施し、三十五年度に新規二校、それから病院二つ、それから追加四件、こうなっておりました。それで三十六年度では新規実施計画が一校、これは南瀬谷でございます。小学校でございます。なお三十六年度の教育施設で、追加施設が六校、医療施設が一施設、こういう予定でございます。で繰り越して三十六年度で、三十五年度の繰り越し分と三十六年度と同時に進行していく、こういう計画でございます。
  40. 相澤重明

    相澤重明君 予算的には……。そうすると昨年当委員会報告をされたことと、さらに三十六年度の新年度の予算と合わせて遂行すると、こういうことで間違いないですか。
  41. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) その通りでございます。
  42. 相澤重明

    相澤重明君 それから昨年度、私がこの調達庁の資料に基づいて、なお抜けておるところがあるではないか、こういうことで、公立の若葉保育園であるとか、あるいは南林間の小学校であるとか、あるいは私立であるけれども中央保育園とかというようなことを、幼稚園等に次いで質問をしたのですが、その点については、今年の計画はやはり三十七年度に持ち越すと、こういうようなお考えですか。
  43. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 昭和三十六年度におきましては教育施設、ことに小学校、中学校に重点を置いてやる計画でございまして、保育園とか幼稚園までは手が伸びない現状でございます。
  44. 相澤重明

    相澤重明君 そうするといま一度確認しますが、中学、小学校あるいは病院等については、今年度は全部できると、そうして三十七年度に幼稚園、保育園等について実施をすると、こういうふうに考えてよろしいですか。
  45. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 三十七年度以降におきましては、御説の通り、こういった学校のほか幼稚園、保育園あるいは病院関係等も実施したい、こういう計画を持っております。
  46. 相澤重明

    相澤重明君 次に、昨年の集団移転の問題について、当初五十戸ですか、予算を計上しましたね。当時の御説明ですと、三年計画で全体を移転したい、そして昨年は五十戸で九千万円をとりあえず計上する、こういう考えで昨年御答弁をいただいたのですが、先ほどの経過をお聞きしますというと、十八戸やっている、その次に十八一尺そして次は幾戸ですか、五十五戸ですか、先ほどの御答弁では。
  47. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) お説の通り、昨年は五十戸を移転目標として準備を進めましたが、三十六戸だけが関係者との話し合いがつきまして、そのうち十八戸を移転補償を完了いたしました。そして話し合いのつきました分の十八戸がまだ残っておりますので、これを今後実施し、なお三十六年度では三十四戸実施の計画があります。そこで三十四戸と十八戸で合計五十五戸を三十六年度でいたしたいと、こういうつもりでございます。
  48. 相澤重明

    相澤重明君 なるほど、三十五年度の十八戸の残っておるのと、三十六年度の新規三十四戸と、これを合わせれば五十二戸と、これを三十六年度にやるということですね。
  49. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 五十五戸になっております。
  50. 相澤重明

    相澤重明君 何だい、三十四戸と十八戸では、数字は五十二じゃないか、何が五十五だ。
  51. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 間違えました。これは数字は確かにお説の通り五十二でございます。この資料に五十五と書いてございますので、それを読み上げて失礼いたしました。
  52. 相澤重明

    相澤重明君 それでは特にこの周辺人たち集団移転については強い希望があるので、これは政府としてもっと積極的な私は対策があってしかるべきだと思うのですが、今年はそれしかできませんか。
  53. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) ただいまの計画はそうなっておりまして、今実行予算を編成中でありまして、それ以上こういう見込みだとかいうようなことは、今のところ申しかねる次第でございます。
  54. 相澤重明

    相澤重明君 まあ次長の今の答弁では私は満足しません。満足しないから、これは政務次官、あるいは大臣にも、また丸山調達庁長官にもよく次長から話をされて、もっと現地の実情に沿うように、私は早急に手配をしてもらいたいと思うのです。この点は一つ政務次官の方が答弁はしやすいと思うので、政務次官からお答えをいただきたい。
  55. 白浜仁吉

    政府委員白浜仁吉君) 御希望の点につきましては、私ども予算のことでございますので十分検討して、できるだけ御期待に沿うよう努力していきたいと思います。
  56. 相澤重明

    相澤重明君 その次に、私もまあ他の委員の質問もありますから簡単にいたしますが、この次の総括質問のときに、政府から答弁をしてもらいたいことを申し上げておきたいと思うのです。  それはいいですか、次官昭和三十三年八月二十六日に付属協定第九号の締結を行なっているわけです。これは日本労務者に対してジェットエンジン騒音下に作業をする特殊作業手当についての協定なんです。ところが当時私ども日本労務者が希望しておったのは、ジェット・テスト・エンジン等の騒音による屋内、屋外の作業を通じて、これでは大へんであるから、従って騒音手当をつけてほしい。請外国の先進国の例も取り上げて、そうしてこれは話し合いをし、政府が協定をしたところなんです。ところがその協定が、条文ができてくると、手当は支給しないということなんです、手当は支給をしない。手当を支給しないということを何も協定をする必要はないのです。どうです、次官考えてみて下さい。私ども、だからこれは手当を支給するということで話をして、そうしていわゆる付属協定の第九号の締結をしたのにかかわらず、条文が作成をされたら、手当は支給できないようにしちゃった。こういうばかげたことをするようなことであっては、これはもう問題ならぬ。従って早急にこの基地労務者に対すところの騒音手当を支給できるように政府は改定をするなり、あるいは当時の経緯というものを十分話し合いをして、私は答弁を当日してもらいたい、総括質問のときに。いいですか、大臣から総括質問のときに、この三十三年度の決算の際に、三十三年八月に政府が締結をしたこの付属協定についての政府の見解を一つ明らかにしてもらいたい。  それからいま一つは、アメリカ予算削減という名のもとに、日本労務者政府雇用から実は民間に切りかえられているわけですね、民間に。その一つの例が、協和産業という今の会社を作って、軍におったそのときと同じような仕事を日本労務者がしておる。これは例を取り上げればボイラーマン等です。こういう人たちが実際に現在やっている仕事は、米軍に直用されておるときとか、あるいは政府が雇用しておったときと全く変わらない。ところが予算削減のために、日本人がこれを請け負うようになってから賃金は半分以下、基地の中では軍休日というのがある、つまり軍隊の休む日、ところがこの日には強制的に休ませられている。その日は軍が強制的に休まし日本人は金はもらえない。今度日本の休日がある、このときはアメリカの国の休日じゃないのだから、日本人の休日は休めば、これも給料はもらえない。こういうふうにして休日を多く取らせられて、給料は支給されない。しかも、働いている給料は、当時日本政府なり軍の直用のときにおったときから換算すれば半分以下になっておる。こういう労働条件の悪化や生活条件の低下ということが、現実にアメリカ基地内で行なわれておる。しかし、もし日本労務者がこれを拒否をすれば、米軍のいわゆる熱処理というものはとまってしまう。私はそういう点について、なに、とまったってかまいやしないけれども、しかし日本政府としてはお困りになるでしょう。そういうことで、もっとこれらの基地内における日本労務者の問題について、政府としてはやはり考えてやるべき必要があるのじゃないか、こういう点についてどうしたらよいのか。これをやはり総括質問の際にお答えをいただきたい。いいですね、次官
  57. 白浜仁吉

    政府委員白浜仁吉君) はい。
  58. 相澤重明

    相澤重明君 その次にいま一つは、大和厚木、先ほど藤沢と、横浜市、こういう点については、衆議院の内閣委員会でも、ずいぶんいろんな問題を提起されておるから、政府も御承知通りです。ところがここで問題が起きたのは、テレビ、ラジオの聴取料を払うことができないという問題が起きておる。それはどういうことかというと、アメリカ軍飛行機が間断なく飛ぶので映像が出ない。テレビが写らない。波だけが出ておる。こういうようなことで、テレビがあってもテレビの役をしない。ラジオが聞きたくてもラジオの聴取がなかなかうまくいかない。こういうことでNHKに該当の市町村の人たちが聴取料不払い、それからテレビは見る方ですから、いわゆる視聴料を不払いをする。こういうようなNHKとの話し合いをしたわけです。NHKでもさじを投げてしまっておる。どうしようもない。自分たちが現実に現地に行ってみると、テレビが波だけが出ていて写っていない。ラジオが聞こえない、こういうことになるんでは、確かに全国同じように聴取料をとる、あるいはテレビを見る聴視料をとるというても、これは無理なことです。こういうことでNHK自身も困っておる。NHKが困っておるから、これはNHKは民間であるからそのままほうっておいてよいかというと、私はそうでないと思う。政府出資の関係機関ということについては、当委員会としてもやはり重要な問題になる。そこでそういう問題については、これは政府としても考えてやる必要があるのじゃないか。私はむしろテレビやラジオが見えたり聞こえたりするように施設をしてやるのが前提条件だと思うのです、これは。まず国民は見たい、聞きたいのだから。国会のこういう問題についてもいろいろな批判はあるけれども、とにかく国民が、多くの人がやはり直接目で見あるいは新聞で読み、あるいはラジオで聞くというのが、視聴覚が今一番国民から要望されておる。政治の根底はそこにあると私は思う。ところが肝心なものが見ることも聞くこともできない。しかも政府出資の関係機関がすでにさじを投げておる。こういうことになると、これはやはり施設についても政府として考えなければならぬのじゃないか。それからその次には、そのよって来たる聴取料の払えないということについての欠損はどうするのか、これは直ちに私は政府責任とは申し上げません。しかし原因はある。原因は飛行機が飛んでおるから見えない。施設が十分でないから見えないのである。聞こえないのである。こういうことになれば、これは日米合同委員会の中で話し合う筋合いのものであろう。これは十分話し合いできるものであろうと私は思う。そこでこれらのテレビ、ラジオの視聴料金の不払いというような問題について、私は、もう政府が積極的にこの際取り上げてやってほしい。そうしてNHKが設備をする際にどうするとか、NHKの欠損はどうするとか、こういうふうなこともアメリカ側に具体的な事情というものを話しをされれば、私はアメリカ側としても納得をするのじゃないか、こう思うのです。いろいろ私も具体的な資料を調査しておりますが、あります。調査資料はたくさんあります。ありますが、きょうは時間がないからそういうことは申し上げません。そういう意味で、今後政府が努力をされたいと思うのだけれども政務次官いかがでしょうか、この点。
  59. 白浜仁吉

    政府委員白浜仁吉君) 第三のテレビ、ラジオの視聴の問題につきましては、私どもも専門家じゃありませんのでよくわからないのでありますけれども、十分関係各省と相談をしまして、早急に善処したいと思いますので、御了承をお願いします。
  60. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  61. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 速記を始めて。
  62. 大森創造

    ○大森創造君 私は、いろいろ問題もございますが、さしあたり、茨城県の百里原ジェット戦闘基地の問題と、それから水戸対地爆撃演習場といいますか、その二つの問題について、防衛庁並びに調達庁から責任ある御答弁をいただきたいと思います。  この両問題については、今までの記録を見ますと、衆議院、参議院とも内閣あるいは科学技術、その他の委員会で問題になっておりますので、御存じだと思いますが、私は肝心のきめ手が抜けていると思いますので、そういう点にしぼって御質問を申し上げたいと思います。  まず第一は、射爆場の問題でありますが、茨城県の知事は、外務省や科学技術庁、それから調達庁、そういう方面に再三再四、これは数十回にわたって陳情いたしましたが、どうもらちがあかないので、一週間ほど前に知事と県会議長と、それからその他その方面の担当の者を二、三人連れてアメリカ当局——国務省などに直訴をするのだ。アメリカはキューバ問題その他がありまして、今は茨城の地方長官にその問題について会うということはあるいは不可能かもしれませんが、そういう事態でございますので、とにかく茨城県としては、御承知と思いますが、今相澤議員からいろいろ御質問がございましたが、東海村の原子力研究所というものがございます。コールダーホール型の動力炉も設置されておる。茨城県側としては、あの東海村、水戸市、勝田市、那珂湊周辺を一緒にして、政府の施策に呼応して、百万都市の建設をしようとしております。どの観点からしても、私ども考えでは、その他の基地の問題もございまするが、この東海村周辺の、あまり離れていない、対空、対地爆撃演習場の存在というもの、そのものに非常に疑義があると思います。そこでまずお伺いしたいのは、どうも外務省や科学技術庁などは、お伺いしてみまするというと、御趣旨ごもっともだ、できるだけ一つ東海村の原子力研究所、原子力発電所、そういうものとは両立しないのだから——両立するはずはございません。すぐわきでもってトス爆撃の演習をするということになると事故が起きる。もうすでに私どもの方の調査では二百回以上の事故が起こっております。それが百里、二百里離れたところではなくて、すぐそばに射爆場があるのでございますから、両立するはずがない。事故が起きるたびに調達庁や、その他の関係方面では、善処いたします、今後は事故がないようにいたしますと言いますが、これは災害のあった場合のことを考えますと、全国的な問題になるだろう。もう国会だっておちおち審議できないような状況が現出するもはかりがたしということになるだろうと思うのでありますが、この問題についてそのつど交渉という、事故が起きたたびに、そのつどあとから交渉する、補償の問題を取り上げるということでありますが、一体この問題の解決は、政府機関のうちのどこのだれがやるのか、どういう場でやるのか、そのことを第一点お伺いいたします。
  63. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 御承知通り、安全保障条約の実施上のこの種の問題については、日米合同委員会できめることになっておる次第でございます。
  64. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、その方の担当省は調達庁だと思いますが、そのつど事故が起きるたびに——今から一年ぐらい前には、御存じだと思いますが、ゴートン事件という重大事故があって死傷者が出ております。そのつど議題に上せて話し合いをする、理論的にされているんだと思います。茨城県をあげての問題であります。橋本前建設大臣や、それから前防衛庁長官の赤城さんも含めて、このことは自民党と社会党と週に一回ぐらい責任者が集まって、県をあげてこの県下問題に取り組んでおります。日米合同委員会というものについて、施設の提供をするということは行政協定はございましょうが、施設の撤去については何か新しい行政協定の中にございますか、法的根拠をお示し願いたいと思います。
  65. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 問題は一つ、二つあったように思いますが、この合同委員会の正規の担当省は外務省でありますが、その下部機構として、この施設の提供、返還といったようなことは、まず施設委員会で論ずることになっておりまして、施設委員会は、調達庁長官が日本側の議長になって責任を持ってやっておるわけでございます。なお、施設の提供、返還の問題は、新協定の第二条に所定されるところでございます。
  66. 大森創造

    ○大森創造君 新協定の第二条に施設の撤去という条項があるということであれば、これは従来調達庁でそのつどの事故に対処する対策を御相談になったことは相当ございましょうが、県が要望するように、あるいは外務省や科学技術庁が要望しているように、施設の撤去そのものについて、まっこうから問題を打ち出されたことはございますか。
  67. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 水戸の射爆場の問題につきましては、いろいろこれまでにお説の通り国会でも問題になり、地元でもその返還を非常に強く希望しておりますけれども米側では非常にまた必要度の高いものとして、これを重視しておりまして、われわれがこれまで好意ある米側の返還についての検討をいろいろ話し合っておりますけれども米側でもその返還にはとうてい応ぜられる見込みはない現状であります。われわれは、この問題は、公式には昭和三十一年十二月二十六日及び昭和三十二年四月二十六日に、調達庁長官が在日米軍責任者に対して公文書をもって一部返還の要求をいたし、それに対して米側では、自分の方ではきわめて重要度の、必要度の高いものであるとして、断わってきております。その後非公式会談を通じて、今申し上げますようにいろいろ検討をアメリカ側にさせておりますけれども米側は返還に応ずる色はないのでございます。
  68. 大森創造

    ○大森創造君 非常にアメリカ側からすれば重要度が高いということは私ども察知しておりますが、しかし、私どもの方の立場からしまするというと、国策をもって原子力研究所というものはあそこの場所に設置をした。だんだん拡大強化する。事故は二百回ぐらい今までできている。米軍の都合ばかりを言っておられません。行政協定は、いろいろ成立の事情もございましょうが、こちら側の態度を十分に出すということは当然許されていいのではないか。施設の撤去という原因が日本側にあるということで、このことは遠慮なくお話として出していいだろうと思います。今のようなお話だというと、一体茨城の知事が、一地方長官が、米軍あるいは国務省、ケネディ大統領などに直訴をするということは、これはお話によると意味がないということになりますか。いかがですか。
  69. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) ただいま申し上げますように、これは施設特別委員会で正式に政府交渉すべき事柄でありまして、茨城の知事さんが最近渡米して、この問題を米側の要路の方にお話をするということは聞いておりますが、この点については、知事さんは調達庁長官や在日米軍に茨城の実情を話されておりまして、アメリカに行かれましても知事さんの用事はこれが主だということではなくして、ほかにたくさんいろいろと重要な件を持って行かれたようで、そのついでに茨城の県内の実情を要路の人に話をする、こういう考えのように私は承知いたしております。
  70. 大森創造

    ○大森創造君 知事の渡米目的はいろいろございましょうが、主たる目的は射爆場返還の問題にあることは、自民党を含めての県会議員の意見でありまして、知事もその渡米目的について県議会の関係委員会でそのことを明らかにしております。そこで米側としては、調達庁長官や池田科学技術庁長官などのお話によりますというと、茨城の知事さんがアメリカに行って交渉をすることに期待するということでございます。外務省に行くと、外務省もそれらしいことを言う、科学技術庁も。お話のように、この問題をあくまで正面から取っ組んで解決をはかるのは、施設関係について担当省である調達庁であろうと思います。私の言わんとするところは知事も言った。いろいろ意見もある。科学技術庁は、あそこで射爆場と東海村の原子力研究所というものは併立してしかるべきものじゃない——私の考えからするというと、どだいあそこに射爆場があるのに東海村の原子力研究所をあそこに設置するということ自体に問題があったのだと思います。それは現在になりますから伏せておきますが、とにかく、私の要望したいのは、事故が起きた、そのつど一つ今後の予防措置について相談をし合う。あるいは茨城の知事が渡米するとか、そういうことでなしに、まあこの問題を本質的に一つ解決をはかり、しかも日本国としては、茨城県としては、日本の施策からしても、どうしてもこれは両立しない事柄で、原子力研究所、発電炉というものの存在と射爆場、射爆撃をするというものについての存在は、絶対両立しないという立場から施設の撤去ということを日米合同委員会の方に積極的に打ち出していただきたい。今後のお見込みはどうですか、そういう決意で臨まれますか。
  71. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) この問題は、ただいま申し上げますように、米側が非常に必要度の高いものといたしておりまして、見込みについても、今申し上げましたようなわけでございまして、今後の交渉をどうするかということについては、政府部内でも関係機関ともよく相談をし、十分なお検討の上で対処すべき事柄だと考えております。
  72. 大森創造

    ○大森創造君 あなたは米軍側の必要度が高いということを強調されておりますが、日米合同委員会、あるいは施設の撤去あるいは施設を日本側からアメリカ側に提供するということは、共同の立場、その間に上下の差はない。日米行政協定あるいは安保条約の成立そのものの過程においてはアメリカの比重が強かったかもしれないが、一たん行政協定が結ばれたということになれば、その行政協定を基準にした論議では、アメリカが十なら日本も十のはずです。そういう御見解をお持ちになりませんか。
  73. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) もちろん、わが国が独立国として対等の立場においてこれらの問題はすべて論議し、決定すべき事柄であり、わが方の立場を説明すべきことは説明し、要求すべきことは要求し、話し合いを続けて解決していかなければならない、こう考えております。
  74. 大森創造

    ○大森創造君 御了解だと思いますが、行政協定や安保条約の成立の原因、過程については、当然アメリカが十で日本が五か六かわかりませんが、しかし一たん成立した協定を相互に守っていくという立場からすれば、相互平等であろうと思う。そこで、さてお伺いしてみますというと、あの水戸の射爆場はアメリカの必要度が高いということを今言われましたが、それなら日本側の必要度はそれより劣るのですか。
  75. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 私も専門的なことはわかりませんが、ただいまの御質問の前段でもお話しになっておったように、この射爆場は原子力関係機関の施設のできる前から存在し、この射爆場があることを知りながら、あるいは十分承知の上で原子力関係機関の施設を作られたものでありまして、それらとの関連は、私は専門家がもう少し検討して、ことに返還問題についての処理を高度から検討されなければならないものと心得ております。
  76. 大森創造

    ○大森創造君 私が今お伺いした範囲において、それからあなたが答弁された範囲においては、衆議院段階でも、あるいは参議院段階でも、従来そこまでは言っている。私は、質問することによって新たな発展を要求するのは何かというと、再三申し上げておるように事故が起きた、人が死んだ、誤投下があった。そこで五千フィートだけ海上に爆撃目標を移動した。そのつどやった、三月二十二日と二十四日、続けて二回やった。事故は起こさせないようにするという再三の言明にもかかわらず、二百件あって、この間は三月二十二日と二十四日にばたばたと二つ落ちておる。一発のものは実に東海村の原子力の本館から三キロしか離れていない。ハンドルを切りそこなったら原子力の本館のどまん中に落ちることになる、そこで私は論議を発展させるために、今の日米合同委員会というものが、今申し上げたように行政協定、安保条約そのもの、あるいは行政協定の成立の原因、過程については、平等とは申し上げませんけれども、あれだけ苦労して成立させた新協定を運営する現在の立場からすれば、比重は対等だというふうに考えます。米軍の必要度が強いならば、茨城県並びに日本国の必要度はそれを上回るであろう。一地方長官である茨城県知事が、社会情勢を厳密に判断して、県民の世論に押されてアメリカに行って一つ直訴しようということは、赤城前々長官もくるめて茨城県民としては、アメリカの都合は悪いかもしれないが、日本人として、茨城県民として、これは人道上の問題である。また、アメリカ軍についていえば、このようにえらい事故が起きた場合に、これをアメリカの担当の国務省なり、要路の人に訴える。ひいてはこれはアメリカのためになることである。こういうことで自民党の前々防衛庁長官の赤城さんを含めて運動を展開しておる。ですから、私が、担当の省は一体どういう立場で解決するのかと言えば、今の御説明のように、調達庁中心とした日米合同委員会だというので、その日米合同委員会でもって私が今申し上げたような意味で一つこれを撤去する、一対一ですから、向こうの必要度は高いだろうが、それを上回るのはこっちの必要度だ、あれを撤去するという必要度の方が高いに違いない。その前に、そういう日本人の意向を受けて、茨城県民の要望も受けて自民党の要望も受けて、社会党の要望も受けて、日米合同委員会に新たな問題としてはりきり撤去するということを打ち出すというお約束ができませんか。あなた御自身答弁することが不適当なら、これはきょう調達庁長官は忙しいようですから、帰ってから相談されて、この点の責任ある答弁を願いたい。米側との問題、政府部内の問題等もございましょうが、あと三カ月とか半年とか期間を置いて、そのときからぴったり中止する、撤去するというお約束はいただけませんか。何も茨城県知事が旅費をかけてアメリカに行かぬでも、政府日米合同委員会という機関にかけて、そこで担当者であるあなた並びに調達庁長官に一つそのことについてのお約束することが不可能ならば、何も茨城県知事が行ってみたって仕方がない。日本政府機関がやってできないものならば、何も茨城県知事が行く必要はない。そのことについて明確なる、うやむやでない、政府の統一した意見、高度の政治的判断に基づく御答弁を、きょうそれがむずかしければ、二十六日あらためてお伺いします。そのことの御答弁をなさらない以上は、この問題は同じことをぐるぐる回って、衆議院の論議と同じでありますから、私が新たに問題を提起する必要はありませんから、政府全体の意向というものを責任を持って、日米合同委員会というものに対して、重要議題として、この水戸射爆場の返還について出す意思があるかどうか。その目標は、きょう、あす中止するということでなくてアメリカ側の立場も考えて、三カ月先とか半年先とか、論議をしてみるということに対しての決意の御表明をいただきたいと思う。今その御答弁を求めません。それからこれは、悪いくせで、茨城県の東海村の原子力研究所、あの場所は遠いから、われわれは関係がないということでなしに、事は日本国対アメリカ、あるいは人類に対する被害考えた場合には、政府としてもまともに取っ組む必要がある。池田総理がアメリカに行った場合に、いろいろ沖繩の施政権の返還だとか、防衛二法だとか、いろいろございましょうが、これを一つ重要な議題として中に入れる意思はございませんか。あなただけでは御答弁できないと思いますが、そのことを御相談いただきたい。こういう問題を扱うと、アメリカ側はへそを曲げるというような御遠慮をなさらずに、日本アメリカ関係考えた場合に、これはマイナスばかりではありません。日本は相当向こうに対していろいろやっている二ともあるから、こういう問題はアメリカのためにもなるから、国民感情を極度に悪くしないために、三年先になって解決しようということでなしに、池田総理がアメリカに行かれる、そのカバンの中にこれを一つ入れて、はっきりした態度を示していただきたい。これはきょう中、午後から私も質問を続行いたしますが、御答弁をお願いしたい。事務的な答弁は、今までの記録を私は調べてありますから、衆議院段階でも相当問題になっている、それ以上の発展する質問を申し上げたいと思いますので、この二点、もう一回申し上げますが、日米合同委員会において積極的に撤去するという問題について、新たな問題として、これを調達庁の一事務官の言う問題でなく、日本政府の意向を受けてこの問題を解決するようにいたすという態度の御表明、もう一つは、幸いに池田総理が渡米されるから、この問題も一つ一緒にしていただきたい。この二点、私は午後から、あるいは二十六日の総括質問において責任ある——調達庁政府の一機関でございますから、政府全体の意向をまとめて、私の質問に答えてもらいたい。今まで十人くらいこの射爆場の問題は質問をされたのでありますが、どうも発展的に突つ込んだ態度の表明がございませんので、あえて私はこのことを要求いたします。  それからちょっと申し上げますが、科学技術庁あるいは防音の問題なんかについて文部省や、これは水戸の射爆場がない方がいい、その通りでございますということを、われわれが陳情すると言う。しかし、それならば、原子力研究所というもの、発電炉というものと射爆場というものは両立するかというと、両立しない。両立しないとすればあなたはどうするかといえば、手がないのです、科学技術庁にしても、あるいは文部省にしても、外務省にしても。これはやるのはやっぱり調達庁並びに日米合同委員会だと思います。その意味で、あくまで強調いたします。  それから、一つ、この問題について付随的に御質問申し上げます。三月二十二日と二十四日に二回事故が起きました。そうしたら中止をいたしましたね。演習をなぜ中止をして、なぜまた再開をされたのですか。中止をした理由、並びに再開をしたのは、前と違ったような演習方法でも発見をしたのですか。中止をした原因が根本的に除去されないのに、また再開したとは思えない。何か事情の変更があったのか。それとも気なぐさめに、一回一週間ばかり演習中止をしてみたのか、その辺の事情を一つ説明していただきたい。
  77. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 先月の二回にわたる事故によりまして、米側は専門家によって、その事故の原因を検討するために一時演習の中止をしたのは事実であります。しこうして、その検討の結果、米側では、この射爆場の陸上標的に対する高空からの爆撃——模擬爆弾の投下が事故の原因である。こういうように判明した。そこで、この高空というのは、従来約二万フィートくらいのところから投下しておったということだそうでありますが、それをもっと低空の、約一万フィート以下から投下するということの演習をする、こういうふうに方法を改めれば、事故防止ができるという考え方を持っておるそうであります。そこで、そういう演習方法によって、四月七日から演習を開始するということになっております。
  78. 大森創造

    ○大森創造君 専門外でございますが、一体あなたは、あと三年、四年たって、そしてコールダーホール型の動力炉が導入されて原子力センターということになって、いろいろやって、付随的な工場なども設置されるという場合に、米軍側の需要度が高いという理由が示されることによって、そのつどのお話を理論的にされていく、従来みたいに。それでよろしいと思いますか。  私は、三年先を予想したならば、あくまでこれは、私が今言いましたような立場から、この際、撤去ということでいかなければいけないと思います。そこであなたは、まあ科学技術庁の方にでも聞かないとわかりませんでしょうが、しかし、しろうとでも大体わかる。今、相澤委員から、いろいろ問題になりましたが、日本のうちで、一番射爆場に適していないのはあそこの場所ですよ。この間は、原子力研究所本館の三キロわきに落ちている。しかもあそこには空気の層が逆転層という問題がある。だから、これは両立するというお考えはないと思いますが、両立するとお考えでございますか。これはどうもああいうものの安全性の問題なんかについて、多分にせっかちな発言ばっかり政府や学者はしておりますが、わかりませんが、あなたは率直にお答え願いますが、あの場所と、ああいう東海村原子力センターと、こういう爆撃訓練をするあの場所が両立すると思いますか。
  79. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) この水戸の射爆場では、陸上にあった標的を海上に移すとか、あるいは原子力研究所機関の上は飛ばないとか、あるいはその他飛行機の進入角度をかえるとか、いろいろなこの原子力関係施設に被害を及ぼすことのないように、いろいろ措置を講じておりますので、この事故が起こらないようにやっていけば、両立し得るものと考えます。
  80. 大森創造

    ○大森創造君 そういう態度だから、日米合同委員会だってはっきりした態度の表明ができないと思う。いつでも調達庁関係方面は、あなたが今答弁されたような答弁をして、そのたびに事故が起きておるのです。私の方の調査では——調達庁調査ではわかりませんが、二百件以上ある。ゴートン中尉事件というのは、人を殺しておる。そうして尾翼でもって人間を引っかけたり、海水浴客の上を飛んでいる。それから誤投下が続々あります。それで補償の問題や何かというと、ただ、事故があったから、その対策を一つ早急にやらなんということでもってお茶を濁されて、また一カ月たつと、もう一回爆弾を誤投下される。私が今まで声をからして、るる申し上げましたことは、事故ができてしまってから釈明をしたり、頭を下げたりしたのでは済まされない。これは今まで何十回もやっておることです。どう考えても、両立するはずがないのだから、東海村の原子力研究所の上を通らないとか、飛行機が退去するときには、原子力研究所の前をよけて通るとかいうことをやったってだめです。標的を海上五千フィートに移したって事故は起きておる。そうして事故が起こるというと、 こうだ、ああだということを釈明されておる。事故が起きてしまっては、泣き寝入りは地元の人である。だから私は、視点をかえて、先ほど申し上げておるように、本腰を入れて政府も……茨城県の知事がアメリカに行くほどの重要な問題なんです。それならば、科学技術庁とか、外務省関係も、文部省の方も、これはもう、何とか撤去してもらいたいというのだが、好ましくないという態度で、そのことを一身に受けて、あくまで解決をはかるのが、先ほどから御説明のように調達庁であり、日米合同委員会の場なんだから、ここでがっちりやってもらいたい。方向転換したとか、標式をこっちに移したとかいう問題じゃない。そういう私の言わんとする趣旨、まだ不徹底のようでありますから、もう一回答弁を求めますが、おわかりになりましたか。
  81. 真子伝次

    政府委員真子伝次君) 科学技術庁の方でも、こういった射爆場が、原子力施設の近在にあるということは好ましくないことではあるが、あってはいけないということはないというように国会答弁したように聞いております。御承知通り、しかし地元の要求あるいは政府でも、いろいろこれに異論があるようでございまして、米側も、これが廃止について検討をするよう要求し、米側でも、いろいろ検討はしておるようでありますけれども、このわれわれの要求、あるいは話し合いというものは、この種のものは一ことに返還とかあるいは提供とかいうことになりますと、非公式に相当話を詰めて、正式の場に持ち出すという段階をとるのでありまして、これまで何回も、非公式に返還関係の話はいたしておりますが、これが明るい見通しが立たない限りは、文書をたたきつけていってみたところで、ノーという返事しかこないから、それに至るまでの話し合い、あるいは措置というものがいろいろあるわけで、これについて、われわれはいろいろ努力を重ねてきておるというのが現状であります。
  82. 大森創造

    ○大森創造君 科学技術庁の方が、飛行する場合の方向をかえるとか、標式を海上五千フィートのところに移すとか、そういうことをやるというと、東海村の原子力センターというものと両立するというような話を言ったとするならば、それはとんでもない間違いです。両立するはずがない、常識的に考えて。ただ、何でそういう答弁をするかといえば、政府部内が調達庁を含めて防衛庁も文部省も、これは当たってみると、米軍がこちんと固い、茨城県の要求を、赤城前防衛庁長官を含めて、超党的にこの返還要求をしている。これに対しては、抗弁の余地がない。さてしかし、茨城県の要望や、それから自民党、社会党超党的な要望というものは、お説ごもっともということになってくると、私の言う通りになってしまうから、これは例の原子力の安全性の問題と同じように、多分に政治的に発言しているのだろうと思う。私の言うのは、そうでなくして予備折衝も必要だし、アメリカ側の立場をも考えることが必要だろうと思うのです。だけど、そういう期間は過ぎたのだ、二百回以上の事故、原子力の本館から三キロしか離れていないところに誤投下している、続けざまに二回。そこで茨城の知事もアメリカに行っているという主たる目的が、そこにあるということになれば、しかも相当期間にわたっている、三年、四年にわたって、国会でも十二分に質問している。だから、ここらあたりで先ほど私が御提案したように、日米合同委員会の主たる議題……何も遠慮は要りませんよ、米軍の需要度が高いということは、言われなくたってわかっている。米軍の需要度が高いから、再三再四の陳情にもかかわらず撤去しない、それ以上に需要の高いのはこちらだ、一対一だ。先ほど来申し上げているように、できる前のいきさつは、とにかくとして、できた協定を相互に協議するのは一対一のはずだ。  私は時間がないから締めくくりを申し上げますが、一つ、きょうの午後、できないなら、二十六日の総括質問のときに政府部内の意見を統一して、私に御返答いただきたい。茨城の議会で全部このことで質問をいたしておりますが、ぐるぐる回りでなく、一つ新たな転回をするような御答弁をお願いしたいと思います。調達庁長官、それから関係の方面の政府部内の方々、大平官房長官や総理などと相談して……。いいですか、もう一回言います、日米合同委員会に対して、従来のように、そのつど主義の交渉をやめて、これはもう日本的な立場から、一つ東海村の原子力センターというものと、こういう事故を起こしている射爆場というものと両立するはずがないのだから、できないできないといっても、これはやらなければできませんから、こいつは今度は、はっきり政府の意思として、がっちり日米合同委員会の方に対して撤去という問題にしぼって提案されることを決意していただきたい。それについてのお見込みはどうかということ、これは今御答弁は求めません、同時に、半年先とか三カ月先でもいいですから、当然、一定の期間はかかると思いますから、そういう期間なども一つ体的にお示しいただきたい。できないものはやれないというのでは、淺沼さん事件や嶋中事件のテロ事件と同じように、こっちがすくんで、今後同じテロが起こるかもわかりませんと言って、そんなことをやっていては、こっちがだめだ。一つらちのあくように、答弁をしていただきたいということが一つ。それからもう一つは、池田総理が、幸いなことにアメリカへ行かれるから、そのカバンの中に、この書類を持っていっていただいて、このことをアメリカのいろいろの人に、しっかり言うてもらう、これは話は聞けないはずはありません。原子力研究所センター——アメリカに対して、いろいろな協力を日本はしてやろうというんだから、その場合に、あと三年たってから、コールダーホールの動力炉が導入されることになっても、そんなことでは、キューバ事件みたいに、国民は安保闘争以上にぽかっときますから、茨城県は、熱が高い方だから、これは御用心願いたい。池田総理のカバンの中に入れて議題として持ってゆくように提案する。この二つをきょうの午後、そうでなければ二十六日に私の方からあらためて責任ある、それこそ政府責任ある御答弁を求めますから、お願いしたいと思います。きょうはあなたに、このことについて責任ある御答弁は求めません。もう少し時間をおいて、がっちりふんまえた答弁をお願いしたいと思います。今まで十人以上質問しておりますが、そのつどの事務的な資料をもらって、らちがあくような問題でございませんから、私は、この回答いかんによっては、那珂湊の射爆場の問題については打ち切ります、質問をいたしません。このことは、がっちり午後でも、あるいは時間をおいて二十六日に、今の二点御答弁をお願いして、この那珂湊の射爆場についてだけは質問を打ち切りたいと思います。あとは、百里原の問題について、委員長にお手配をお願いいたします。
  83. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 大森君の質問中、日米合同委員会日本として強く要求すべき案件、これに関連して、池田総理渡米の際に交渉せられたい問題については、政府の方でただいま御答弁がないと推測いたしまするので、これは、他日質疑の際に、十分御協議の上、的確な答弁を願いたい。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  84. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 速記を起こして。
  85. 白浜仁吉

    政府委員白浜仁吉君) 大森委員の御質問のことにつきましては、十分政府部内の関係各省と相談をしまして、二十六日に答弁させるよう手配をいたしますので、御了承をお願いいたします。
  86. 大森創造

    ○大森創造君 それでは今の問題は、まことに建設的な態度で、一つ……これは、すっぱりこのことは打ち切ります、以後この問題については、質問をいたしませんから御了承を願いたいと思います。  百里原の問題、時間がありませんから手っとり早く申し上げます。この問題も、再三問題になりましたから、今までの経緯はくどくど申し上げません、端的に御質問いたしますが、今まで予算を何ぼ使ったか、予算の実行した金額、それから残っている仕事は、どういうものがあるのか。
  87. 木村秀弘

    政府委員(木村秀弘君) ただいままでに支出いたしました予算につきましては、昭和三十一年度から三十五年度まで七億九千七百万円でございます。それから三十六年度以降に予定しておりますものが九億九千七百万でございまして、その主たる用途は、通信施設それから用地買収の経費、それからアラート施設、そういうものが主たる施設でございます。なおそのほかに飛行場の施設、後方支援施設、居住施設がございます。
  88. 大森創造

    ○大森創造君 現在、ジェット戦闘機百里原基地は、でき上がっておりませんが、あそこに駐屯しております部隊は何で、どういうことをやっておりますか。
  89. 木村秀弘

    政府委員(木村秀弘君) 現在、百里原に駐屯いたしております部隊は、航空自衛隊の第二教育隊の一部でございます。
  90. 大森創造

    ○大森創造君 あすこの場所については、昭和三十一年ころとっかかったのでありますが、私は地元だから言うんです。幡谷前町長と友末前茨城県知事は、姻戚関係にございます。それはともかくとして、誘致運動に乗り出した、しかし反対は非常に強い。というのは食糧増産の立場から政府部内、農林省の方から入植、増反ということの勧奨を始めたのです。非常に悪条件を克服して、ここ二、三年になって成果が上がってきた。今日では農園を作って、農林省が言うことを百姓がやっていこうという心がまえができたところへ、今度はジェット戦闘基地ということになった。そこで私の申し上げたいのは、そういう際における農民感情というものは、おわかりになるだろうと思うのです。よろしゅうございますか——入植しろ、増反をしろ、そうしてイバラを刈って、戦争負けちゃったのだから、今度一つ出直して、入植して一生懸命百姓やろうということで、すきくわとって営営辛苦農園を開拓した。そこへ今度は防衛庁の方から、その農地を全部ジェット戦闘基地の土地に転用しなさいということを言われた場合に、反対する農民側の感情、おわかりになると思いますが、おわかりになりますか。
  91. 木村秀弘

    政府委員(木村秀弘君) ただいま仰せになりましたごとく、開拓農民が、終戦後あすこでもって農耕にいそしむという考えのもとに入植をされたのでございまして、この土地が入植された方々にとって、非常に貴重なものであるという点については、十分われわれ了解をいたしておるつもりでございます。
  92. 大森創造

    ○大森創造君 あと七、八分でやめますが、そういうお気持が了解にならないというなら話にならないので、おわかりになっているという、そこで、やり方を見てみますると、今まで私は、あすこに十二年問いたんだが、それで見てみても、防衛庁よりも、そういう点は詳しいつもりです、そうすると、まずじゃんじゃん仕事を起こしてしまって、そうしてコントロール・タワーを作る、隊舎を作る、それからヘリコプターを動員してビラをまく、そういう誘致側の方は、防衛庁や調達庁と直接関係ございませんが、金にあかして地元からバス何台も繰り出して、これは選挙運動にひっからめてのことですが、東京タワーを見学する、そうしてジェット戦闘基地ができるというと、ああだこうだというお題目を並べた、そうでしょう。今そのことは、主たる問題でございませんから、今さら申し上げませんが、そうして既成事実を作って、反対する農民側が、がっかりしてしまうような巨大な建物をにょきにょき作ってしまう、そこで予算執行、そこであとに残ったのが、わずかだからのいてくれ、のかない限りにおいては、まるで国策に協力しないような、かつての戦争中のような雰囲気でやってしまうという、何とか一つということです。ところが、ここで一つ念を押しておきたいのは、昭和三十二年の四月において、農用地ですから、農林省所管のそれを転用して、ジェット戦闘基地にするというんですから、それについて農林省の事務次官の方から、防衛庁の方に覚書が出ておる。農地転用するについては、左の条項を順守しなければならない。それは営農者、農民の完全な同意を得ること。——同意を得ること——さもありなんと思います。農道の問題や、防風林の問題も、ちゃんと処理するというような覚書がついている。これは予算を実行するということでもありますが、今までのいきさつにかんがみて、どこまでも民主的な話し合いというものをもとにして、この仕事を進めるおつもりでございましょうね、一つ念を押しておきます。
  93. 木村秀弘

    政府委員(木村秀弘君) ただいままでのところ、皆さんもよう御承知のように、昭和三十一年から足かけ六年であります。非常に遅々としたやり方ではございますけれども、地元の方々の同意を得るということを第一の方針としまして進めてきたわけでございます。そのために、その土地の買収につきましても、大半は買収に応じられまして、ようやく今日に至っておるわけでございまして、まだ買収が残っておりますのは五人の方々だけでございます。もちろん防衛庁といたしましては、従来の方針を受け継ぎまして、できるだけ話し合いの上に立って、円満に土地の買収を実行いたしたいというふうに考えております。  しかしながら、ただいま申し上げましたように、残るところもう五戸でございまして、その五戸の中におきましても、またある程度の部分が御納得をいただけるという段階に立ち至っております。最終的に話し合いだけで進むかどうかという点になりますというと、われわれといたしましては、かりにここで二戸、あるいは二戸というような、若干の方が、どうしても応じないというような事態に立ち至りました場合におきましては、法的に許されている手段、方法もあわせ検討しなくてはならぬような段階に至るのではないかということを考えております。
  94. 大森創造

    ○大森創造君 既成事実をどんどん作ってしまって、あと残ったのがわずかだから、こいつの方も抜きさしならなくしてしまって、建物を建ててしまって、あとは一つ何とかしよう、人身御供に目をつけるようなことではいけないと思う。そこでしゃにむにやっちまおうという態度ではいけないと思います。日本人の悪いくせで、こう百人の人がいいから、一人の人を殺してもいいという理屈はないので、これは戦争中に、たった一人の人間を救うために貴重なるヘリコプターを何台も出したというのはアメリカ軍だ、日本軍じゃない。こういう際における政府、防衛庁の態度というものが、私は非常に重大だと思います。それから法制的に云々と言ったって、私は、そうは言わしておかない。江崎前防衛庁長官、それから茨城県の赤城防衛庁前々長官も、衆議院の答弁ではっきり、納得いかない以上やらない、憲法だって御都合次第で、そのつど解釈する政府については当てにならないが、今のようなお話は、江崎さんと赤城さんに、よく相談してから御答弁願いたい。そんなら、そのようにこっちだって考えがございます。そういう態度なら、こっちだって大いに法制上の解釈について考えがある。今までの江崎長官、それから赤城長官の御答弁の趣旨とも、まるっきり食い違っている。これは前段、あなたの御答弁されましたように、よく政府、防衛庁のお話もわかります。腹の中もわかりますが、あくまでもこれは話し合いというものを主体にしてやっていただきたいと思うが、どうですか。これで打ち切りますが、御答弁によっては三十分くらい、また一つ
  95. 木村秀弘

    政府委員(木村秀弘君) 先ほども申し上げましたように、できるだけ円満な話し合いによって事を処理するということは、これは前長官、前々長官時代からも、防衛庁の大方針でございます。従って、今後におきましても、その方針を土台にいたしましていく。現に六カ年この問題でかかっておりますのも、そういう方針できたがためでございまして、その点については、私たちもそれを原則として、そういう方針を堅持しているということは、これはもう何ら……。
  96. 大森創造

    ○大森創造君 これで終わりますが、とにかく赤城さんは、本県出身の防衛庁長官であるし、江崎さんにしても、百里の問題については、格別御関心をもって当たられた方でございまして、そういう方が、責任ある立場から、今あなたが御答弁になったように、あくまでも納得づくでやるという御答弁でございますから、衣の下から甲冑などをちょいちょいのぞかせますと、こっちにも考えがありますから、そういうことのないようにお願いしたいと思います。以上で終わります。
  97. 相澤重明

    相澤重明君 最後に一つ次官にお願いしておきたいのですが、きょう御答弁をもらうのじゃなくて、この次の総括質問のときに、防衛庁から説明してもらいたいから申し上げておきますが、ロッキードの生産についての債務負担行為について、年度別に明らかにしてもらいたいのです。  それから、この前当委員会で、いろいろそういう点については、もう質疑がかわされておったのですが、政府の最終的な生産費というものが決定をしておらなかった。私が聞くところによると、政府も、最終的に一機当たりの生産額幾らということも、お話がまとまったように思うのだけれども、まだこの点は、決算委員会で確認をしておらぬわけです。従って、その方針というものが確認できれば、一つわかりやすく資料で、年度別に、そうして一機当たり幾ら、こういうようなものを作って、御説明いただきたいと思います。これは、債務負担行為の問題ですから、非常に重要な問題ですから、わかりやすいようにお願いしたいと思います。これは、資料を要求しておきます。
  98. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) ほかに御質疑はございませんか——。別に御発言もございませんようですから、それでは昭和三十三年度決算中、防衛庁に関する質疑は、これをもって終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時二分散会