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政府委員(荘宏君)
山田先生仰せのように、確かに
特定郵便局関係に
犯罪が多いことは事実でございます。この点につきましては、
郵政省といたしましても非常に苦心をいたしておりまして、何とかしてこれを絶滅したいと、かように考えて努力中でございますが、何と申しましても、
特定局の
犯罪か多いということは、小局でありまして、
事業経営の点から多人数が
配置できないということから、
相互牽制の組織がどうしても大きな局ほどうまくいかないということが根本にあるわけでございます。その間にあって
犯罪を起こさせないためには一体どうしたらいいかということで苦心をいたしておるわけでございますが、何と申しましても、当事者に
犯罪を犯してはならないという意識を強く持たせる、こういうことが根本であると考えております。そこで、
業務考査にあたりましても、また各種の会議等におきましても、
特定局の
局長その他に対しまして十分その点を指示をいたし、強調いたして、注意を重ねておる次第でございます。また、
特定局におきまして、最高の責任者として、局内で
事故、
犯罪を出さないようにしなければならない責務を持っておりますところの
特定局長に対しまして、特にその点を強調する必要がございますので、
昭和三十四年度以来、
特定局の
局長の重立ったところを各地域ごとに集めまして、防犯指導の研究会というようなものを催しておる次第であります。これが非常に効果が上がっているように見受けられるのでございまして、その後漸次
特定局ことに
特定局長自身による
犯罪というようなものは減少して参っておる次第でございます。私
どもにおいてそういうふうな措置をいたしましたのに応じまして、また、
特定局長自身におきましても、
特定局長の会の中におきまして、いろいろ防犯
委員会とか防犯協力会とかいうようなものを作って、みずから、みずからを戒めるという態勢ができつつある次第でございます。
それから、何と申しましても、
犯罪が起こらないように十分
業務考査あるいは
監察の目を届かせるということが必要なわけでございまして、その点につきましては、先ほど
政務次官からもお話がございましたように、従来の
監察官だけでは人的にも不十分でございますので、
監察官補というものを相当数作りまして、もっぱら防犯
関係に力を注いで、機動的な
考査をやらしておるという実情にございます。
さらに、貯金
関係の
犯罪が非常に多いわけでございますが、この
特定局におきまして貯金
関係の
犯罪を
発見するということは、実は非常に困難でございます。と申しますのは、
特定局にございます証拠書類を見るだけでは、なかなか
犯罪があるということが
発見しにくいわけでございまして、従いまして、この貯金
業務に関連をいたしました大きな
郵便局に調査局というのがございます。さらに原簿を所管しております地方貯金局というのがございます。また、今貯金のことを申し上げましたが、保険につきましても、地方保険局があるわけでございますが、これらの調査局とか地方貯金局、地方保険局、ここにいろいろ証拠書類があるわけでございまして、こちらの面の
考査をやることによって、
特定局の
犯罪を見出すというようなことにも努力をいたしておるわけであります。また、ただいま申し上げました調査局、保険局、貯金局等において
仕事をやっている間に、これはおかしいぞということをそれらの局において感づくこともできるわけでありまして、従いまして、それらの局の人たちに対しまして、いろいろ、こういう場合は
犯罪が裏に隠れていることが多いから、十分防犯的な意識をもって証拠書類を扱ってもらいたい、こういうふうなことを頼みまして、その面からもいろいろと協力を求めており、それによって相当数の
犯罪を
発見しておる実情にございます。その他、いろいろと
犯罪を犯す場合の態様につきまして分析をいたしまして、目のつけどころを
関係方面に連絡をいたしまして、防犯の
充実をはかり、さらに個々の
局長あるいは
職員等の服務ぶり、身辺の
状況というようなことについて何かおかしなことがないかということを絶えず注意をし、また広く情報をとらえまして、そうしてなるべく早い機会に調査に着手して、
不正行為を
防止するということに努力をいたしております。
なお、ただいま申し上げましたことのほかに、いろいろと
犯罪の事例等がありますれば、それがいかなる不備、欠陥に乗じて起こったものであるかということを克明に調べ、反省をいたしまして、
業務の取扱規定、あるいは取扱手続といったようなものに改善を要することがあれば、
関係の部局に
監察当局といたしましてはお願いをいたしまして、どしどし改善をしていただいておる、こういうことでございます。
まあ、いろいろと手を尽くしまして、何とかして
特定局における
犯罪をなくしたい、かようにせっかく努力中でございますので御了承いただきたいと存じます。