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国務大臣(
木暮武太夫君) 午前中の会議におきまして御
質問のありました点を逐次お答えを申し上げたいと思います。
まず、
国有鉄道の方から申請が出ておりまする
国鉄貸し切りバスの点についてお答えをいたしたいと思うのでございます。日本
国有鉄道は、
国有鉄道法の第三条第一項第三号の規定によりまして、
鉄道事業に関連する
自動車運送事業を
経営することができることになっておるのでございます。ただ、
国鉄バスと民営バスとの
関係がだんだん複雑の度を加えて参りまして、民営と
国鉄バスとの調整というものがだんだんに大きな問題になっておりますので、
昭和二十九年の四月、
国鉄及び日本乗合
自動車協会に対しまして、
国鉄バスと民営バスの相互に関連する地域について、原則として、相手の立場を尊重して、融和精神にのっとって、お互いに相侵さないようにすること、利用者の利便を確保、増進するため、必要ある場合にはあらかじめ
国鉄と民営バス相互に連絡、打ち合わせを行なって、
公共事業の立場から自主的の調整に努めるよう勧告をいたしまするとともに、各陸運
局長に対して、この趣旨に沿う
指導方を
運輸省としては指示いたしましたが、最近の実情を見ますると、この
運輸省の勧告の趣旨に従いまして、路線バスについてはおおむね
国鉄バスと民間のバスとの間で円滑に遂行されておることはけっこうなことだと思うのでございます。
国有鉄道の一般貸し切りバスは、現在におきまして四十三
営業所について七十七両が承認されていますが、申請中のものは、現在三十九
営業所から七十二両でありまして、これにつきましては、陸運局に対して
調査を今本省としては、命じた段階であります。従いまして、これを利用する国民大衆の利便を確保いたしまするとともに、ただいま申し上げました民営バスとの調整等もよく考慮して、適切に処理いたしたい、こういうふうに
考えておる次第でございます。
それから御
質問のありましたもぐりタクシーという問題でございます。いわゆる白ナンバーのタクシーの問題でございまするが、道路運送法の免許を受けないで、違法にタクシー行為を行なっておる、いわゆるもぐりタクシーに対しましては、陸運局とそれから各地の陸運事務所において、警察当局と緊密な連携のもとに、これが取り締まりに当たっておるのでございます。現在
運輸省の推定いたしまするところによると、全国でまあ数千両あるいは八千両ぐらいのもぐりタクシーが存在しているのではないかというふうに
考えられますので、まことに遺憾に存じておる次第であります。今後もこういう法律に違反する行為につきましては、警察当局と緊密な連絡をとって、一そう取り締まりを
強化いたすことはもちろんでございますが、先ほ
どもお話がありましたように、こういうもぐりタクシーが出るということは、タクシーの増車ということと相関連しておる点も
考えなくてはならないのでございまして、こういうもぐりタクシーの発生を招くような原因を除去するということも、大いに反省して
考えなくちゃならぬことと思うのでございます。横浜、川崎、横須賀地区のもぐりタクシーについても、神奈川県の警察本部と連絡をとりまして、特別班を組織して取り締まりを
推進しておりまするが、県警察の本部長からの申し入れの
事態についても、タクシーの増車等の方向について十分対策を立てて、現在申請受付中のものは極力すみやかに処理いたしまして、タクシーが不足いたしましておるためにこういう法律違反のもぐりタクシーが横行するというような
事態の発生を防ぎたい。一方では警察と緊密な連絡をとって、その取り締まりを厳重にこれからいたしたいと
考えておる次第でございます。
次は、
海運局
関係の御
質問に対して簡単にお答えを申し上げますが、戦時標準船は現在約七十万総トン存在していますが、
運輸省が昨年八月、各船主について
調査したところによりますると、このうち解撤、すなわちスクラップにすることを希望するものは約四十二万総トンであります。この十六次計画造船において約六万総トンが解撤されまして、さらに第十七次以降の計画造船によって約十六万総トンの解撤が見込まれております。従いまして、戦標船対策として解決する必要があるのは約二十万総トンであります。
昭和三十六
年度におきましては、おおむね四万総トンを解撤する予定であります。さらに三十七
年度から三十八
年度になりましては、所要
資金の増額を行ないまして戦時標準船処理を円滑にいたしたい、こういうふうに
考えておる次第でございます。
次に、先ほど御
質問がございました今後の内航
海運の新しい船の建造計画はどうであるかということに対してお答えを申し上げます。所得倍増計画によりますると、内航
海運の
輸送量というものは、
昭和四十五
年度には八百六十億トンキロとなります。これを
昭和三十三
年度に比較いたしますると、二一九%となる見通しでございます。この増大いたしました
輸送量に伴いまして必要な船腹の量は約三百八万トンでございまするが、木船は
昭和三十四
年度末における総船腹量が約百二万トンのまま推移するとわれわれの方では
考えられるので、鋼船は約二百六万トンが必要でございます。一方三十四
年度末の鋼船船腹量は百三万トンで、差し引きをいたしますると、百三万トンの新造が必要となって、年間平均十万トンの所要建造量となるのでございます。
次は、
港湾の荷役の料金の問題について御心配になりまして御
質問がございましたが、これに対してお答えを申し上げたいと思うのでございます。船内荷役
関係の労働組合でありまする日本
港湾労働組合連合会は、去る三月六日、基本給五千円引き上げを基本といたしまするいろいろの要求を行なっております。船内荷役の
経営者の団体でありまする全国
港湾荷役
振興協議会は、
港湾荷役料金の
値上げを行なわなければこの要求に応じがたいという意向を持っているのでございます。なお労組への回答期限が三月十五日までとなっておるので、この問題は日本港運協会に持ち込みまして、日本港運協会として今月十五日に全国地区代表者の会議を開きまして態度を決定することとなっておるのでございますので、
運輸省といたしましては、これらの経緯を見た上で、この問題については慎重に検討、考究をいたしたい、こういうふうに
考えておる次第でございます。
それから御
質問のございましたモノレールの問題についてお答えを申し上げます。モノレールにつきましては、都市
交通機関の新しい問題といたしまして、
運輸大臣といたしましては重大な関心を持っておるのでございます。モノレールが大量かつ高速度の
交通機関としてはたして適格性を持っているかどうかについて、今事務当局をして、技術的その他の
関係から急速に答えを出させるように検討させておる現況でございます。
モノレールで現在申請を受けているのは、新橋——羽田間、これは日本高架電鉄株式会社からの申請でございます。それから広島——比治山公園一周、広島モノレール観光株式会社からの申請、それから北海道不動産株式会社から申請しておりまする日光の霧降高原のモノレール、それから名古屋
鉄道株式会社が申請しておりまする犬山公園のものと、それから大阪南地興業が申請しておりまする大阪市大黒橋から日本橋の間にモノレールを敷こうということでございます。呉市の申請はまだ当局としては受け付けておらないのでございます。ただいま申し上げましたうちで、犬山公園と、それから北海道不動産が出しておりまする日光の霧降高原、この二つのものにつきましては、今適当であるかどうかということを運輸
審議会に
運輸大臣から諮問中でございます。新橋と羽田の間のものにつきましては、御
承知の
通り、羽田から
東京へ入りまする玄関が、いかにも現在交通混雑いたしまして、とかくの批評がございますことにかんがみまして、このものにつきましては、
調査を早急に
実施の上、近いうちに運輸
審議会にこれも
運輸大臣から諮問をいたして、答申を得たいものであると
考えておる次第でございます。
それから、先ほどの御
質問の中で、
気象業務につきまして中共との協定は行なってもよいという総理の
お話があった。その後具体的にどういうふうな状態に、
気象業務については中共との間の連絡ができておるのかというお尋ねでございましたが、現在、中華人民共和国からの気象資料は、予報業務に差しつかえない
程度毎日入手をいたしておるのでございます。しかしながら、これは正式な協定に基づくものではもちろんないのでございますから、もし中華人民共和国側が応ずるならば気象に関する協定締結につきましては話し合いを進めることがよいと
運輸省では
考えておるのでございます。詳細なことにつきましては、後刻
気象庁長官から御
説明を申し上げたいと思います。
最後に、
海上保安庁の
整備について御
質問になりましたことについてお答えを申し上げたいと思います。
海上保安庁の巡視艇につきましては、旧海軍等から引き継いだ昔の船が多いのでございまするが、老朽度がはなはだしいので、毎年これらの代替建造に努めておりまして、逐次古いものを
整理して、老朽船を新しいものにかえておるのでございます。来
年度におきましては、一千トン型の
巡視船の代替といたしまして、九千トン、定点観測用船一隻を初めといたしまして、
巡視船四隻、巡視艇四隻の代替建造を
実施するということにいたして
予算をとってございます。なおまだ質量ともにかなり不十分でありますので、今後ともこの
巡視船の
整備について力を尽くしたいと
考える所存でございます。航空機につきましては、本
年度末におきまして双発で飛行機三機、ヘリコプター八機を全国六カ所に配置をしていますが、なおまことに不足なものがありますので、今後とも航空機の勢力の増大に努力をいたしたいと
考えておる次第でございます。
航路標識につきましては、三十六
年度におきまして
相当大幅に新設、改良、改修を
実施することといたしまして、多額の
予算を盛りまして、ただいま御
審議を願っておりますが、今後とも
航路標識の新設、改良、改修、
整備等につきましては力を尽くして促進いたしたい、こう
考えておる次第でございます。
詳細のことにつきましては、御
質問によりまして
政府委員から詳細に御
答弁をさしていただきたいと思います。