○
政府委員(坂村
吉正君) 一般市場の問題と中央市場の問題でございまするが、先ほどの数字でございまするけれども、青果物と水産物とを合わせまして、これは
合計が、数量にいたしまして、総販売高に対しまして中央市場の扱っておりますものが大体三六%でございます。しかし残りの六四%といいまするものが、必ずしも全部一般市場を通じているかどうかというところは明確ではないのでございまして、これはこの中の
相当部分がその一般の市場を通じているだろう、こういう工合に考えられるのでございまして、市場を通じないものもございましょうから、そういう
関係で大体半々、あるいは半々よりも中央市場の方が少ないのじゃなかろうか、こういう見当でございます。
それからついででございまするから、先ほど神田の市場の取り扱い数量の御質問に対しまして、数字がございまするので、お答えを留保しておきましたけれども、三十四
年度の数量が四十万三千トンでございます。
金額といたしまして百四十七億ということでございます。毎年大体一〇%
程度ずつの増加の趨勢にございます。
それから一般市場につきましては、おっしゃる
通りに
農林省の直接の行政
監督といいまするものは、現在まあほとんど見るべきものはないというふうに言っていいのじゃないかと思いますが、その考え方はこういう考え方からきているわけでございます。と申しまするのは、生鮮食料品のようなものは、御
承知のように消費地に出荷をされまして、大量のものが出荷をされて、そこで消費者に配られるわけでございますが、そこでこの出荷——大消費地に対する出荷と、それからそとにおきまして公正な値段がきめられて、それで公正な価格で消費者に行く、あるいは生産者にとりましても公正な値段が取りきめられる、こういうようなものは、
全国的に見ましても、大体その青果物、水産物が大量に集まってくるところを中心にいたしまして、そこで価格決定、あるいはその取引の
方法というようなものが公正に行なわれますれば、これは全体の生鮮食料品の価格や出荷の調整に役立つ、こういう考え方のもとにだんだんとその大消費地から始めまして、そうしてそういう中央卸売市場を作っていく、こういう考え方できておるわけでございます。その卸売市場におきまして、せりをやることによって生産者の保護ということにもなるわけでございまするけれども、一面におきましては、そういう消費地に対しまして生産者の出荷のいろいろの調整をやって参る、出荷調整をやっていく。たとえば漁業協同
組合の共同出荷であるとか、あるいは
農業協同組合の共同出荷であるとか、そういうようなものを促進することによって、生産者に対する利益も確保できまするし、そういうものを通じまして、大消費地におきまして、公正な価格がきめられていく、こういうようなことになるのでございまするけれども、大体そういう観点から、大きな消費地から中央市場を作っていきたいという考え方できておるわけでございます。従いまして、そういうような
関係で、中央市場ができておりますのは非常に大きな都市に限られております。今までそういうことでございましたが、最近におきましては、中央卸売市場自体も
相当地方の都市まで中央市場を作ろう、こういうようなことで、たとえば新潟であるとかというようなところも最近中央市場を作ろうということで動いてきておりまして、これらについてもいろいろ具体的な
建設等が行なわれておる、そういう機運が大体
全国的に現われてきておるのでございます。しかしながら、そのままて大消費地中心でいきますということは、
全国的に見ますると、今言いましたように、生鮮食料品の価格の公正な決定というような点を考えてみましても、
全国的に見れば
相当目的を達するのじゃないかというふうにも考えられまするけれども、
地方的には
地方的にまた集散地があるのでございますから、そういうところにおきましても、十分中央市場と同じような機能を果たすために、十分
監督のできる規制等を行なう必要があるだろうというふうに考えられるのでございまして、昨年でしたか、一昨年でございまするか、中央市場の
調査会におきましていろいろ
検討された場合におきましても、一般市場についても政府としての規制の
方法を十分考えるべきである、こういう御意見も非常に強くございまして、そういう意味からいたしまして、私ども現在考えておりまするのは、大体中央市場については、これはもちろん
農林大臣が直接
監督をするということで考えるべきことであると思いますけれども、
地方的な集散地で、
地方ではそういう影響のあるものにつきましては、都道府県知事に
相当責任を負っていただいて、そこで施設の整備等も行なわれるようにいたしたいと思っておりまするし、また、その中で取引の規制等につきましても、大体中央市場と同じようなことに準じまして取引の規制も行なわれるように、そういうふうに考えていきたいというととで、そういう考え方のもとに
検討いたしております。