○曾祢益君
ラオス問題について、
森委員からも当然の
日本国民としての関心を表明されたわけですが、私は、こういう機会に、
外務大臣が、ただ
アジアの片すみの問題と言われたばかりではありませんが、幸いに
平和解決の
方向に進んでいるのはけっこうですけれ
ども、そういうときであればこそ、しょっちゅう
通常の
外交ルートを通じて
日本もいろいろ意見を述べておると思いますし、そういうものもあったのですが、むしろ明確に、
日本政府として、
内閣として、こういうふうに
事態を持っていくべきじゃないか、こういう基本的な点くらいは、むしろ
森委員の御
質問等の際に、こういう機会をとらえて、意思を中外に発表した方がいいんじゃないか、こう思うのです。そういう
意味から言うと、ちょっと物足りないような気がします。そこで、まあわれわれがただ、
アメリカの
ケネディの発表された意見、あるいは
ケネディ・マクミラン共同コミュニケついてイエスだとかノーだとかと言うことは、これは、もちろんそういう場合もあるでしょうけれ
ども、それよりも、
日本政府としてはこういう原則で解決を望むというようなことがあっていいんじゃないか。あるいは、同じようなことを言うことになるかもしれませんが、たとえば、これをきわめて常識的に
考えて、いわゆるまず即時停戦
——停戦ということとからめて、やはり双方ともに、いずれの側にせよ、軍事的援助ということは、これはとにかく少なくとも停止する、それから停戦、そうして
大臣も言われましたが、第二は、ジュネーブ
会議の際の国際的な監視
委員会というものを復活する、それで、そういう停戦を現実に見届け、第三に、これはどういう形でどういう国が入ってくるかは別として、かなり広い国際
会議を招集して、そうしてさらに政治的な
事態収拾をはかる、その場合の基本的な原則としては、つまり最も幅の広いすべての政治的傾向も含めて、つまりパテト・ラオも含めてという
意味になろうかと思いますが、そういう
意味で、厳正な中立な
政府であるなら、最も広い基盤の
政府ができて、これが中立として平和安全を守るということが、そういう基礎の上に
関係諸国の国際
会議によって
事態の収拾をはかることが望ましいというようなことが、私は、だれから見ても、この問題に東西冷戦の非常に特別なこだわった
立場のものでない限りは、当然そういったような第二の基本的な望みというか、要求というか、解決の原則というものがあってしかるべきだ。そういうものを出して、その上に立って、たとえば、
アメリカの今度の提案がこういう点はいい、
方向はいいけれ
ども、だめな場合には第二の
SEATOを動かすというようなことは困る。そういう
方向でなく、第一段でやってほしい。あるいは、
ソ連に対しては、
日本の希望なりあるいはアドバイスというものをぶっつけていくというようなことで、そういう
外交の折衝をやっておられることを希望するが、それは、やはり国民に対する
関係からも、ただ何となく対岸の火災視しているわけではないでしょうけれ
ども、私も、先般の
外務委員会の席上でも言ったが、東南
アジアのこういう
事態は、もちろん
安保条約下における
日本の安全からいっても、その地域が
極東の
区域に入る入らないの単なるテクニックの議論ばかりではなくて、やはり自由陣営と共産陣営がしまいに
戦争に行くか行かないかということは、これはもう
日本として死活的な重大な関心事なんですから、それに対して
日本はこう
考えるというようなことはやはり中外に示す、
外務省でやっておられるのは当然であるけれ
ども、これは、
内閣としても、閣議決定の線はこうだというようなことをやっぱり示されるのが私はいいんじゃないか。そういう
意味からいって、まあ同じことかもわかりませんけれ
ども、そういったような解決、基本原則についての
政府の
考え方をこの機会にお示し願えればけっこうだと思います。