○永野護君 私は非常に成功だと思うのでありますが、その
委員には当然外務
大臣が一番、まあリーダーと言っちゃ悪いんだけれ
ども、
外交折衝の
責任者としての
発言の機会があると思われるわけで、あらかじめ私の感じを申し上げておきたいんですが、たとえば経済同盟とか何とかいうことの
意味に解しますと、すぐ貿易の
現実の問題に、クォータを増せとか、
税率の問題だとかいう問題が、事務的に
考えると出そうなんですけれ
ども、私は、そんな問題は、それはそういうトップ・レベルの話じゃなくても、本来の外務官僚にまかしておおきになって、
日本で一番ほしいのは、
日本の底の浅い経済は、あるいはこういう順調なときにはスムーズにいきますけれ
ども、何かちょっと波乱が起きるとつなぎがとれない。そこで、例が少し悪いのですけれ
ども、いなかの銀行なんかが、何も必要のないのに中央の大きな銀行の親銀行を持っているのは経済界の波を打つ間のつなぎをとるという、その必要性を感じているから、
現実の目先の問題にはそう親銀行のお世話になることがなくても、親銀行を持たないと、地方銀行は非常に基礎が弱いようにだれも感じているわけです。そういう
意味で、
世界の経済界が波を打ちます、いろいろ変動がありますときに、具体的のことじゃありませんけれ
ども、一般的に
日本の財界に大きい変動が起きたときには、全力をあげて、つまりその普通の
日本の例が悪いのでありますけれ
ども、地方の地方銀行と中央の親銀行のような
関係に置くという一般的の取りきめができたら私はまあ大成功だと、こう思うのであります。すぐ具体的にあのクォータは幾ら増してくれというようなことをその議題にされるのはどうかとまあ思う気がしますから、そういうときに
日本の財界で一番
希望しているのはそれだと思うのであります。これは少し話が横へそれるのでありますけれ
ども、
総理と外務
大臣が今度外遊から帰られまして、
日本の財界の、これは政界というよりは、私は聞きたいのが財界の人の心がまえでありますけれ
ども、一面、先ほどから話が出ましたように、
日本の国際的の
立場が非常に向上したということを喜ぶとともに、反面これは大へんなことになるぞという、その
責任を感ずる。これは、御承知の
通り、
日本の生産業というのは、ほとんど原料は外国から輸入し、できた製品も外国へ売るものですから、すぐ万一の場合が起きたときにどうなるであろうかということは非常に心配するのであります。これは、理屈は何もないのでありますが、からだで感得する、そういう気持があると思います。そこで、すぐ核戦争が起こるような、第三次
世界大戦というふうにはなろうと、これはほとんどの人は感じておりませんけれ
ども、経済的に見ますと、その戦争が起きたと同じような現象が起きはしないか。たとえば、非常に国際間の
緊張が起きますと、たとえば運賃など非常に暴騰してくる。そうすると、ほとんどの原料を外国に依存している
日本の産業では、そのときの手当をしておかなければならぬ。ごく一口に申しますと、原料の買いだめなんかをある程度しておかぬと、その間のつなぎがとれぬというような気持にこれは
現実に今なっているのであります。従って、私がお伺いしたいのは、これは外務
大臣に、あなたはどう感ずるであろうかということを聞くのも適当でないかもしれませんけれ
ども、ほんとうの戦争にはならぬまでも、経済的に見ると、ほんとうの戦争と同じような結果の起こる、そういう危険のまあプロバビリティと申しますか、その点が今の財界人が最も聞きたいと思っている点だと思います。これは、こういう席での
質問応答の材料としては非常に不適当であるということは、私もよく心得ておりますから、そんな心配は絶対にないと言われても、あると言われても、そこは適当に
判断いたしますけれ
ども、今
現実に心配しておりますので、そういう手当を
現実にやっておるところが多いのであります。それくらい、これは一面において非常に喜ぶとともに、一面において非常な
責任と申しますか、リスクをからだで感じておるのです。そこで、直接衝にあたられた、ことに
世界の大勢をよく知っておられる
大臣から、それは
杞憂だという……。