○中村
順造君
大臣は、また運賃値上げのときと同じような
答弁をされているのですがね。それは、私
どもも国鉄
経理内容が赤字だから、今度の運賃を上げるというふうには聞いておりません。これは私も認めております。これはここ二、三年来国鉄の営業係数というものは一〇〇%を下回っておるのですから、事実今までの決算の中でもそれははっきりしておる。ですからただ私
どもが
理解をしておるのは、今
大臣が言われたように五カ年
計画遂行にあたってのいわゆる財源のために運賃値上げをする。そういうふうに
理解をしておる。しておるから結局ここに新しい問題として出てきたのだ。それとは別に、これは私
どもの主張としては、当然池田内閣の所得倍増といえば経済の発展も必要でしょう。けれ
ども、それは倍増のための経済の発展が必要なんでしょう。そうすれば、これは五年先には、いわゆる職員が現在の給料よりも所得が何パーセントかふえなければならぬというのは、これは当然ですが、それを入れてないところに大きな問題があったわけです。それは私は今この段階でとやかく申しませんけれ
ども、今言っておるように、仲裁裁定のいわゆる
努力の深さが浅いために、いつまでたっても新聞に出ておるように、何か予備費から出すとか、あるいは退職引き当ての費用から三十億、四十億出すとか、こういうようなものは皆あくる年に回ってくるものです。それは国鉄の定年を五十五才を五十七才にすれば別ですけれ
ども、五十五才でやめさすというなら、これはことしやめない人は来年必ずやめなきゃならぬ。これだけのものは来年必ず支出がふえるのです。これは国鉄がやったことがある。非常に問題になったのです。あのとき運賃の審議のときにも私も申し上げましたけれ
ども、兼松
理事はそういうことを言っております。国鉄はかつて国鉄が財政が窮乏したときにやったことがある、これはまずかったということを。ところがそういうことをやらぬわけにはいかぬ。それを計上して、そうして
事務費の節約だとか何とかで、これは合理化で二十億だとか、あるいは今新聞で言う、私が
先ほどから申し上げておる五十億、六十億の剰余金をもってこれに充てる。あるいは鉄道利用債を二十億ふやす。こういうようにして二百億ふやして部内操作をやる。こういうことをやるから一方では運賃の値上げをする。しかし国鉄はしぼればまだ二百億くらいの余裕財源はあったじゃないかという国民に疑惑を与えておる、けしからぬということで、今でこそ運賃値上げが実施段階になったから、国民は泣きの涙でこの運賃値上げを認めておるけれ
ども、事実としてはこれはまことにけしからぬという印象を国民に与えておる。そこで仲裁裁定も、私は心中しましたように、一方では大量の処分者を出しておきながら、
政府もまた公労法そのものを実直には守っておらない。これは
あとで処分の内容につきましては、これは別の機会に間違ったことはどんどん
指摘をして皆、直してもらおうと思いますけれ
ども、私の
調査した内容ではそういうことになる。
それからこれは、総裁にも私は残ってもらおうと思いましたけれ
ども、帰られたようですが、七日の記者会見で、仲裁裁定について当面は国鉄収支のやりくりで切り抜けられるということを総裁は言っておる。ことしは切り抜けられるということは二百億財源があるということです。これは
予算上、
資金上財源があるということになるわけです。もし総裁の言われたのがほんとうだとすれば、兼松
理事はそこに陪席してどういうことを言っておるか。新聞に出ておるのは、さらに同席した兼松
理事はやりくりをしても国鉄の経営は向う一年しか持ちこたえられない。そうなれば高率割引をしている定期券の割引率について考慮しなければならなくなるかもしれない。これもまたけしからぬ、国民としては。一方では二百億の隠し財源があるような表現をしておいて、さらに来年からは、ことしはそれで二百億の隠し剰余金があったから出してそれで済ますが、平たく言えば来年からやれなくなるから、今度はこの定期券の割引率を上げる、定期券の割引というのは大きい
金額です。仲裁裁定をまかなうに足るだけの
金額ですが、これを上げる。これは新聞はどういうことを言っておるかというと、これは国鉄最後の切り札だ、こういうことを言っておるのです。この点は兼松
理事どうですか。なぜ定期券の問題にまで言及しなければ……定期券に限ってどういう気持で言われたのですか、兼松
理事。