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1961-03-09 第38回国会 参議院 運輸委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年三月九日(木曜日)   午前十時三十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三木與吉郎君    理事      天埜 良吉君            金丸 冨夫君            村上 春藏君            大倉 精一君    委員            井野 碩哉君            鳥畠徳次郎君            平島 敏夫君            野上  進君            大和 与一君            松浦 清一君   政府委員    防衛庁防衛局長 海原  治君    運輸政務次官  福家 俊一君    運輸大臣官房長 辻  章男君    運輸省港湾局長 中道 峰夫君    運輸省鉄道監督    局国有鉄道部長 広瀬 真一君    運輸省自動車局    長       国友 弘康君    運輸省航空局長 今井 栄文君    海上保安庁長官 林   坦君    気象庁長官   和達 清夫君    水産長次長   高橋 泰彦君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    外務省アジア局    参事官     宇山  厚君    運輸省航空局監    理部長     栃内 一彦君    運輸省航空局技    術部管制課長  泉  靖二君    日本国有鉄道総    裁       十河 信二君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○港湾法の一部を改正する法律(内  閣送付、予備審査) ○運輸事情等に関する調査  (運輸施設雪害に関する件)  (自動車行政に関する件)  (海上保安に関する件)  (航空に関する件)   —————————————
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ただいまから委員会を開会いたします。  まず、港湾法の一部を改正する法律案議題といたします。  これにより本案補足説明を願います。
  3. 中道峰夫

    政府委員中道峰夫君) 港湾法の一部を改正する法律案の概要について御説明申し上げたいと存じます。  第五十五条の六第一項では、政令で定めます重要港湾港湾管理者が、地盤沈下によりましてその効用を失った外郭施設または係留施設の従前の効用を復旧維持するための改良工事及びこの改良工事が技術的経済的に著しく困難または不適当な場合の代替施設建設工事、並びに地盤沈下によります海水等の侵入の防止に必要である外郭施設建設工事をいたします場合には、国は当分の間その工事に要します費用の十分の六までを負担することができることといたした次第でございます。第二項におきましては、第四十二条第四項の規定を準用いたしまして、これらの工事について国が負担することとなります金額が予算に組み入れられていないときには第一項の規定を適用しないことといたしておるわけでございます。第三項では、地盤沈下によりましてその効用を失った臨港交通施設——道路鉄道等でございますが、につきましては、第一項と同様な措置をとることを規定いたしておるわけでございます。第四項及び第五項は、以上申し述べましたいろいろな工事を国の直轄で行ないます場合の港湾管理者負担割合につきまして、第一項及び第三項に準じた措置をとることと規定をいたした次第でございます。で、この政令で指定をいたしまする港湾と申しますのは、この場合、地盤沈下が最も著しく、港湾機能、その他市街地に重大な支障を及ぼすおそれのございます新潟港につきましてこの適用を考えるようにいたしておるわけでございます。  以上、はなはだ簡単でございますが、この港湾法の一部を改正いたします法律案の内容につきまして御説明申し上げた次第でございます。
  4. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 本案に対する質疑は後日に行なうことにいたします。   —————————————
  5. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより運輸事情等に関する調査議題といたします。  質疑の通告がございますので、この際、御発言を願います。
  6. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 最初に、今度の雪害の問題で国鉄総裁にお伺いをいたしたいと思います。  この前、その前の委員会雪害に対する施設の問題、あるいはまた当時の状況についての詳細な御報告を聞いたのでございますが、きょうはできるだけそのダブっている質問は避けたいと思いますが、ちょうどその日は総裁がよその委員会お出ましのときで、あらためて総裁お出ましのときに雪害の問題を重ねてお尋ねしたい、かようにお約束をしておった問題でございます。  今度の新潟秋田また北陸県等、この十二県の雪害というものは、もうすでに時間もたっておりますので、十分調査済みだと、かように考えておりますが、それこそ十五年ぶりの大雪雷であったわけでありまして、当時私も参議院から北陸三県の派遣委員として出張をして、つぶさに当時の事情を調べたわけでありますが、それこそほとんど戦後のあの混乱時代のような、旅客また貨物等も非常な、何といいますか、ピンチといってもいいくらいに混乱をしたのでありまして、北陸三県だけでも、当時雪害のために死者が二十名を数えた。また負傷者も二十七、八名出たということでありまして、物質的な産業経済に及ぼす損失というものは、これはもう非常なものでありまして、当時一月十日の調査によりましても、すでに北陸三県で四十二億である。それが二月の十五日の調査では八十五億何千万である。それに二月の月末の調査によりますと、これら関係県の議長団雪害対策特別委員会を作りました。そのときの報告によりますると、全体が、一月一ぱいの締め切りでも百三十七億数千万円だというような数字が出ておるわけでありまして、これは人畜の被害、犠牲というものは、ただいま申し上げました通りであり、また産業経済に及ぼす大きな損失というものは、これはもっともっと、民間損失まで計算いたしますると、おそらく二百億を突破するのじゃないかと、かように考えられるのであります。  われわれは常に、天災あるいは災害という中には、もちろん地震であるとか、あるいはまた台風、伊勢湾のような大きな台風の襲来というようなものは当然考えられており、また、これに対しては応急の処置あるいはまた恒久的な処置が次から次へと、満足とはいえないかもしれないが、相当施設ができ、また、これに対する補償も与えられておる。雪だけはどうも、雪国で雪が降るのは当然だというふうなことで、地元の人たちも何かしらぬマンネリズムに陥っておる。また、関係者の方でも、役所の方面におきましてでも、あまり大きな関心を持たないというのが、過去の雪害に対する一つの答えであった。かように考えるのでありますが、今度の雪害を、災いを転じて福となすというような意味から考えまして、今後また冬季間における雪害に対する国鉄の、これにどういうふうに対処されますか。はなはだ抽象的な質問になるかもわかりませぬが、来たるべさ融雪期、これは非常に大きい問題で、もうすでに昨今新潟方面でも大きななだれが起きておる。しかも、今度のなだれに対しては、過去における積雪量から考え、また、いつものときと違いまして、裏日本一帯の雪は非常にことしは水分が多かったというようなことで、今、温度が相当上がって参りますというと、勢い積雪の中間がブランクになっておるために、今度のなだれは今までのような上すべりのなだれとは違って、底からくるなだれであるというところに、非常に大きな被害が予想されるのであります。これに対しまして、国鉄総裁におかれましては、これに対処されるにどういうような施設、あるいはどういうような御計画をお持ちであるか。過日は、事務的には流雪溝の設置であるとか、あるいはまた、もう少し通信網を拡充するとかということも承ったのでありますが、総裁としてのこの雪害に対する責任の立場上、なだれ融雪期に対処するお考えを率直にお述べを願いたい、お答えを願いたいということと、また、今日までの国鉄のこうむった雪害損失というものはどのぐらいになったか、それはもうおそらく調査済みだと思いますが、それらに対する御報告も願いたいと思います。  それから、これは関係してくるのでありますが、北陸線複線電化の問題が、第一次五カ年計画ではすでに三十六年度一ぱい米原富山間は複線完成するということで、この委員会でも了承しておったのでありますが、第二次五カ年計画というものが発表されてから、また一年延びたように見られるのでありますが、今度の雪害に対しましても、この複線あるいは電化というものが予定通りに進捗しておったならば、今度の被害もおそらく半分ぐらいで済んだのじゃないかと、かようにも、しろうとながら考えられるのでありますが、この複線電化完成雪害との関係についてどういうお考えでありますか、率直に承りたいと同時に、北陸線複線電化完成の正確な責任ある一つ見通しお答え願いたい。最初にこれだけお尋ね申し上げます。
  7. 十河信二

    説明員十河信二君) 昨年末からの異常な大雪で非常な惨害をこうむりまして、国民の皆さんにも多大の損害をかけ、御迷惑をおかけしたということは、まことに遺憾にたえない次第であります。国鉄といたしましても、今日までにわかっております損害は、大体二十一億ばかりになっております。そのうち十四億は収入上の損害であります。七億は経費損害であります。この損害最小限度に食いとめるために、国鉄といたしましても、かねがねいろいろな研究をいたし、いろいろな用意をいたして参ったのでありますが、まず最も根本的な対策といたしましては、雪についての研究をあらゆる角度からするため、塩沢というところに雪の特別の研究所を設け、この研究所は世界でも珍らしい研究所になっているということであります。荘田博士を所長にいたしまして、各方面権威者お願いしてやっております。せんだってもごらん下すったかと思いますが、テレビでもこの塩沢研究所で、どういう場合になだれがどういうふうに起こってくるか、これをどういうふうにすれば災害最小限度に食いとめることができるかというふうな方法を実地について検討いたしております。そういうようなことが一番根本的なことでありますが、雪が降りました際に、今お話のありましたように、複線化になっているというふうなことが、今回のようなたくさんの列車を途中でとめておく、ふん詰まりになってしまったというふうなことをなくする一番の有力な手段であります。それゆえに、今お話のありました北陸線でも、電化は三十八年、線増は四十年までに完成することに相なっております。その先は順次部分的に線増をいたしまして、でき得る限り輸送力を増加して、そういう場合に損害を少なくするというように努力いたしております。長岡新潟間、上越線も大部分複線にする予定になっております。その他の部分は、順次今申し上げましたようなやり方で、最小限度経費で、資本でもって最大の効果を上げるような方法複線を進めているような次第であります。  そのほかには、先ほどお話の中にありましたように雪のおおいを作るとか、さくをするとか、あるいは排雪濠を作る、防雪林を作るというふうなことで、大体雪の降る区間は、二万キロのうち七千キロある。そのうちで最も雪の多い区間は二千キロであります。今防雪林は約千七百キロぐらい作っております。それから流雪溝は二百二十キロぐらい作っております。雪をおおうさく——さくは五百二、三十キロ作っております。これを順次延ばしていこうということで、五カ年計画でも相当な距離にこれが延びていくことに相なっております。それから雪が降った際に雪を除雪するには大体二通り機械を使っております。一つは車両、機関車であります。古くから使っておりますのはラッセル機関車、その後ロータリーが有効だということになったのでロータリーも使っております。ラッセルにも単線用複線用、あるいは駅の構内を掃除いたしまする幅の広いものも作っております。このラッセルロータリーも今までは蒸気機関車で動かしておったのでありますが、これは石炭あるいは水の補給が必要でありますので、行動がきわめて敏速を欠くというきらいがあります。ディーゼルで動かすようなものを作って試みに使用いたしております。また両頭のどっちでも自由自在に動けるようなディーゼルエンジンを作っております。それからもう一つは、機関車でなく軽便なモーター・カー、これにラッセルをつけるとか、あるいはロータリーをつけるとかというふうなこと、これは軽便なものですから、方々で手軽に使用できます。あとからなり、あるいは前からなり、列車がくれば、ちょっと線路からはずしておくこともできるというふうなものであります。それからトラクター・シャベルというふうな機械も使いまして雪を排除する。それのできないようなところは、やむを得ませんから、ふだんから付近の消防団とか青年団とかというようなところにお願いをいたしまして、大体非常の際にはさっそく手伝いにきて下さるように準備をいたしております。気象台から絶えず詳細な情報をいただいておりますから、その情報を得次第、これらの団体に連絡をとりまして、直ちに出動していただけるように準備をいたしております。  それから、そのほかに最も大切なことは通信であります。この通信が雪のために、裸線では途絶えてしまいます。通信が途絶えたために被害が非常に大きくなる、お客さんに大へん御迷惑をおかけするというふうなことに相なりまするので、これも超短波通信施設をすることが一番であるということで、青森方面から秋田まで、米原方面から富山まで、秋田まではもうできておりますが、富山まで、それから上越線長岡新潟あたりというふうなところを急いでやることになっております。その次には短波の、超短波でなく、短波施設をやっております。これは方々に、十数カ所に中心点がありまして、そこから自動車でもって必要な所へ駆けつけていくように相なっております。裸線は漸次ケーブル化して、水害とか、あるいは雪害の場合に故障のないようにということで、今日までもいろいろやっておりますが、五カ年計画ではさらにこれを強化促進することに相なっております。それらの設施が充実いたして参りますと、漸次被害最小限度にする目的が達成せられるのではないかと、こういうふうに考えておる次第であります。
  8. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 ただいま総裁からじゅんじゅんと詳細にわたって、降雪期あるいはなだれ対策等についてお答えになりましたので、ぜひとも、ただいま総裁のお述べになったように、不測の雪に対する一つのかたい御信念を持って、来年はぜひともそのようなことのないように万全を期していただきたい、かようなことをお願いを申し上げて、総裁への質問は終わりますが、気象庁長官お出ましのようでありますから、雪に対する、気象庁といたしまして、過去、台風なんかに対しては、政府が相当な投資をし、そうしてまた施設をするということによって、あらかじめ台風は時間ごとに一般にラジオ、あるいはまたテレビによって放送され、また発表されるということで、何かしらぬ、そこに民心が安定するといいますか、非常に今日までの経過から見ますと、まだ満足すべきものは、これもないようでありますが、ある程度詳細な報告があるようでありますが、雪に対する気象庁活動といいますか、活動が鈍いというよりか、私の考えでいえば、雪に対する特殊なときの施設が整っていないというようなことからくる現象でないかと思いますが、今度の雪に対しては、どうも国鉄が二日もかかる混乱を、もう二時間か三時間で解消するとか、あるいはまた列車が三十分で発車するとかいうふうな、まちまちの発表をしておったというところに、国鉄自体の現場の責任ももちろんでありましょうが、これはやはり気象庁観測といいますか、またそれらに対する施設が不十分であるということと、また、今日まで雪は、先刻申し上げたように、冬になれば雪が降るものだというふうな安易な考え方から、そこに何か疎漏な点もあったのじゃないか、かように考えられて、気象庁長官として、今度の雪害が何かと手おくれになったということであれば、率直にお認め願って、施設の改憲をどういうふうにしてやるか、そうして再度そのようなことのないようにしようじゃないかというような計画がありましたら、お答えを願いたいと思います。
  9. 和達清夫

    政府委員和達清夫君) 雪に対する観測施設は、従来も努力しておりますのですが、今回の積雪にかんがみ、さらにその整備をはかりたいと思っております。来年度の観測計画に、函館及び新潟にレーダーを施設することになっておりますが、これらも雪の観則予報に有力な資料を提供するものと思われます。なお、横雪は局地的な変化がきわめて大きいものでありますので、単に気象庁関係観測資料だけでなくて、農林省、建設省、日本国有鉄道などでなされております積雪観測資料をも気象庁資料と総合して、これを収集、発表するというようなことにさらに努めたいと存じております。  また、予報の問題でありますが、雪の予報につきましては、特に豪雪予報が大切であろうかと思いますが、これは豪雨予報と同じ種類のものでございまして、非常に技術的にむずかしいものでありますが、なお努力いたしたいと思っております。今回も注意報は前前から出しておりましたのですが、大雪警報をもう少し早く出し得るようにさらに努めたいと思っております。なお、積雪に関しましては長期予報も非常に大切でありますので、この方面精度向上もはかるよう引き続き努力いたしたいと思います。
  10. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 自動車局長に伺いたいと思います。  今度の雪害に対しまして、先刻来いろいろ当局としてのお答えがありましたが、今度の雪害質問を何回繰り返してもいいほど未曽有雪害だったことは言うまでもありませんが、普通の毎年の雪の程度では、自動車運行状態も、信越、北陸を通じまして、大体において冬二カ月ほどの間で、大体半月ばかり自動車が運転を中止するというやむなき状態に立ち至るというのが普通であります。しかしながら、今年の雪は、先ほど申し上げたように、あまりにも積雪量が多かったということ、あるいはまた水分が非常に多かったというような関係から、自動車運行停止期間が非常に長かった。前後を通じて、はなはだしいところでは四十日から動かなかったところもあり、また十日に一回や、あるいは十五日に一回動きましても、ほとんど車のエンジンその他の故障によって、全く運行を全然しない方がかえって業者としてはよかったというような結果になっておるようでありますが、過日のこの関係県会議長会議におきまして、この期間自動車税免除を各地方庁へ申し出ておるようでございますが、これはもちろん自治省の関係になりましょうが、自動車局といたしましては、これらに対するどういう御見解を持っておられるか、承りたいと思います。  もう一つは、すでに衆議院を通過しておりますが、ガソリン税引き上げ軽油取引税の増額という点が、大体今年度これが実施されるということになるといたしますならば、大体四百五十億ぐらいの増税になるんじゃないか、かように考えておるのでありますが、四百五十億のものを、自動車を使う人、営業する人、また自家用で使うといたしまもして、いずれにいたしましても、これの原価高というような計算から参りますると、われわれの考えでは、ただいまでもこの貨物、あるいはタクシーにおきましては、白ナンバーとか、いろいろのもぐりが次から次へと現われてきておる。かてて加えて、営業者は経営ますます困難をきわめておる。こういう際に、また燃料引き上げをするということは、これは一方では道路の改修、改良に関連するということで、業者も一応は不承々々ながら納得せざるを得ないというようなことに相なるかもわかりません。しかしながら、これが全部コスト高で採算がいよいよ合わない、バランスがとれないというような結果になるといたしまするならば、先日バラス採取組合理事長あるいはまた労働組合委員長なんかに参考人として本委員会に出てもらったのでありますが、これらも、結局最迎のダンプ・カー事故が非常に多いというその原因確めてみると、あれらのバラス採取業者が不当な無謀な競争をする。バラス販売価格の無謀な競争をする結果が、それが労働者にしわ寄せされて、そうして三回のものは五回にし、一日に五百キロから走らなければ、一カ月に二万五千円から二万三千円しかの収入も得られないというような結果になっておることは、やはり今度の燃料の問題は、これが不当な増加をするという結果から考えますと、またぞろ、タクシーの場合でもトラックの場合でも、大きな一つのノルマの問題に関係してきて、事故というものがさらに増加するというような大きな社会問題を惹起するとも考えられるのであります。これらに対して、今度の燃料引き上げは、自動車担当者としての自動車局長の御見解とまた、これが引き上げの暁においては、全部がこれらに転嫁されるということは、ただいま申し上げるような事故の大きな原因をなすのでありますが、運賃適正化する——いわゆる鉄道も、どうしても施設の改善をやる、また社会奉仕を一そう高めるという意味においての必要上運賃の一部の適正化をはかるということと同じことであって、民間におきましても、これら自動車に対する運賃の一部引き上げというものを考えておるかどうか、この二点についてお尋ねをいたしたいと思います。
  11. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) お答え申し上げますが、第一点の雪害地におきまする自動車税免除に関しましては、これは地方税法規定にもございますのですが、雪害等災害を受けたところの自動車税減免につきましては、道府県知事当該道府県議会議決を経て処置することになっておりますわけでありまして、こういう道府県議会議決を経て道府県知事減免措置をいたすことになっておりますので、私どもとしまして、そういう被災者の申し出がありました場合には、当該道府県知事あてに申請をするように取りはからい、また指導もいたしたいと思っておるのでございますが、かつ、私どもといたしましては、そういう雪害等におきまする災害を受けたところの自動車税免除等につきましては、それらが実際に受けました被害につきましては、もちろん減免されることが望ましいと考えておりますので、十分関係の個所に連絡をして善処したいと考えておりますのでございます。  それから次に、ガソリン税等引き上げに関してでございますが、まあこの自動車に関しましてガソリンは非常に使われておるわけでありますが、昭和三十六年度を初年度とします新道路整備五カ年計画が策定されまして、閣議決定になったわけでございますが、これに伴いまして揮発油税地方道路税及び軽油引取税増税されることになったわけでございまして、これが道路整備費用に充当するという措置がとられるわけでありますが、まあ道路整備という観点から申しますと、わが国の将来の発展のために、実際新道路整備五カ年計画にあるような道路整備措置をとっていかなければならない。この点はまあやむを得ないものがあると思うのでございます。私どもとしましてもそう考えるのでありますが、まあ、ただこれらの財源の使途等につきましては、道路整備効果を十分に発揮するように努めることはもちろんでございますが、私どもとしては、踏切立体交差化とか、あるいは都市内混雑交差点立体化とか、あるいは都市内自動東ターミナル整備促進とかいうものも十分行なって、国民の期待を裏切らないようにする必要があると考えておるのでございます。  まあ、それらのことを希望といたしておるのでございますが、さらにこれらの燃料関係増税に関連いたしまして、運賃等にどう響くか、どう考えるかという点でございますが、この点に関しましては、最近の揮発油税及び軽油引取税増徴等は何回かございまして、その間、バス、トラック等につきましても運賃は据え置きで参っておったのでございます。さらに部分品、修理費等の変動、人件費の増加等、運賃原価の構成費目に変動のあったことは、われわれも資料によって知っておるのでございますが、まあその際にも国民生活に及ぼす影響を考慮して、運賃の変更を行なわないで今日に至ってきたのでございます。で、今回の揮発油税地方道路税及び軽油引取税引き上げ等が行なわれますといたしますれば、やはりそれだけの影響というものが考えられるわけでございまするし、さらに前述の諸変動と考え合わせますと、確かにある程度の影響はあるということが考えられるのでございますが、従来運賃の改定に関しましては、私どもとしては、個々の申請によりまして具体的に実態を調査した上で、物価に与える影響も十分考慮して慎重に取り扱って参ったのでございますが、この三月の七日、火曜日の閣議で、公共事業料金については当分の間原則として一切値上げをしないという閣議了解が行なわれましたので、この閣議了解とも関連いたしまして、今後どういうふうに運賃の問題を扱っていくかということについて、省内及び経済企画庁その他と打ち合せを続けていく所存でおりますので、これら運賃構成の諸要素の変化と、及びこのような閣議了解を生み出しました社会的必要性と両面を考えまして、交渉を継続していきたいと思っておる状況でございます。
  12. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 ただいまの自動車局長の第二のお答えに対しましては、私は必ずしも満足はできぬのであります。と申し上げるのは、この七日の日に閣議によって公共料金の引き上げを一応ストップしようというような新聞記事は、われわれもすでに見ておりますが、これは一般に、普遍的にすべての物価というものから見た場合にはそういうことも言い得られると思いますが、この自動車貨物運賃あるいは旅客運賃、これらは戦前と比較いたしますと、タクシーでようやく百二十三倍か四倍の倍数であります。トラックの場合は百四十七倍か六倍になっておるはずであります。その他のすべてのわが国における物価の値上がりの比率といいますか、また、現在の物価が戦前に対しての比較といいますか、これらを検討いたしますと、大体戦前の物価の値上がり、それらを比較いたしますと、自動車料金に関する限りは大体物価の半額であると、こういうことは言い得られると思います。われわれは、この事業をやる人たちは、お互いに普通の生産事業と違って、相当たくさんの労働者を使っておるというところに大きな問題がある。さような点から考えると、いかにその他の物価と比較して、今日までは何回か燃料その他の高騰を受けたけれども、事業経営をする者は、それぞれ合理化し、また労働者もこれに対して協力をするというようなことで、比較的この業界における労働君の賃金は安い方であります。確かに安いのであります。そういうような関係から、最近、この事業団体に盛んに猛烈に労働攻勢があっちこっち全国的に積極化してきております。同じ労働をする人が、この経済産業の基本となるべきこの輸送、交通の従業員が、その他の労働者よりか非常に安い待遇で働かなければならぬという理由はないと思います。また同時に、物価の指数から見ても、それだけに安い料金であるがために、今日までは、何といいますか、割合に燃料その他の原材料が高くなっても、業者の自粛によって今日まで据え置きの料金できたわけでありますが、今度の燃料税の引き上げは、それこそ戦後初めての大幅な引き上げであります。こういう点から考えまして、一般公共料金が、どういうふうに政府考えようと、これらはまた特殊に考えるべきものではないか、かように考えておりますので、運輸省におかれましてもこの点について十分善処されんことをここで期待もし、要望もしておくわけであります。  次に、白ナンバーの問題でありますが、最近神奈川県にもずいぶん白ナンバーの問題、もぐりの営業の問題からよってくる不祥の問題が非常に続発しているようであります。またその反面に、神奈川県当局としては、大体神奈川県には需要がオーバーしている。需給のバランスがとれないからこういうものがばっこするのだ。もう少し新免が出れば、どしどしと許可をして、そうしてアンバランスでないようにやっていくということが必要じゃないかということを、神奈川県庁がすでに言っているというようなことも新聞で見られるのでありますが、いやしくも法治国として、もぐりタクシーあるいはトラックという問題については、もうすでに今日までに完全にこれが一掃されて、そうして輸送の秩序が保たれ、また事故も大きく激減していくというような結果をわれわれは期待しておったにもかかわらず、最近またぞろ、もぐりタクシーなり、もぐり貨物の力が逆に増加してきたというようなことも考えられるのであります。はたして、これが事実であるかどうか、どういう数字になっておるか、また白ナンバー、もぐりのいわゆる取り締まりというものは、どういうふうにやっておられるかというような実情を、あえて一つお聞きしたい、かように考えるのであります。  もう一つは、自家用自動車の問題であります。貨物自動車の場合は、自家用で自分が貨物を輸送しておるというような場合は、車の置き場、すなわち車庫、ガレージの設備がどうとか、あるいはまた、その他の施設がこうだというような、法によってある程度規制をされておるようでございます。しかしながら、自家用の場合は、単に、私はこういう自家用車を買って仕事をするという——仕事ではない、使いたいという届出をすれば、車庫がどうなっていようと、あるいはその他の施設がどうであろうと、無条件で、直ちにその翌日から自家用として車が動かせるというようなふうになっておるようでございますが、この点はどういうことになっておりますか。もしそうであったとすれば、自家用車の使用にあたっては、もう少し規制をする必要があるのではないか。営業用だけに、ガレージの面積がこうだとか、いろいろの施設が規制されておって、そして自分で自家用というような格好で届出をすれば、直ちに翌日から町に出て白ナンバーで、もぐり行為もあえてやれるというような、ほんとうに結果から見ると、この自家用の使用にあたっての法を一部改正すべきではないかと思うが、この点いかがですか、この二点です。
  13. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 白ナンバータクシーの問題についてまずお答え申し上げますが、この白ナンバータクシーの取り締まりに関しましては、陸運局、陸運事務所におきまして、警察当局とも緊密な連絡をとりまして、鋭意取り締まりに当たっておるわけでございますが、これのもとになります運輸省及び警察庁におきましても、緊密に打ち合わせ、連絡をとりまして、地方を指導しておるわけでございますが、最近、昭和三十五年、昨年のまあ一月あたりで見ますと、私どもの方の調査では、全国でもぐりタクシーが五千三百両程度ありしまたのが、六月ごろには八千六百両にふえたのでございますが、それが本年の、三十六年の一月には七千九百両程度に一応減りましたのですが、最近見てみますと、またふえ出してきておる傾向が見られるという状況でございまして、これらに関しましては、取り締まりを継続しておるのでございますが、減少あるいは絶滅を期せられないということは、まことに遺憾に存じておる次第でございまして、この点に関しましては、法秩序を乱す行為でありますので、今後も従来より一そうその取り締まりを強化いたしまして、措置をしていきたいと思います。と同時に、タクシーの増車等に関しましては、全国にも指示いたしまして、需給調整を適切にやるように、最近自動車の、タクシーの足りないということを非常にいわれておりますので、これらタクシーの増車、増強ということに関しましては、十分その方向に努力するようにという指示をしているわけでありまして、こういうもぐりタクシーの発生を招くような原因を除去していきたい、そして、この絶滅を期していきたいと思っておるところでございます。  さらに、自動車に関しまして何らかの規制をなすべきではないかというお話につきましては、自家用のトラックに関しましては、使用届出を出します際に、車庫の位置とか常置場所とかを届出事項の中に入れておるのでございますが、自家用乗用車につきましては、以前はやはりその車庫及び常置場所の届出をさせておったのでございますが、昭和二十八年のときに、行政簡素化の趣旨から、この自家用自動車について使用届出制を廃止いたしたのでございまます。で、現在のところでは、車庫の届出等もなしませんで、自家用自動車に関しましては、登録の申請をいたしますれば、それを登録する。登録をいたしますれば、運行し得るという態勢になっているわけでございますが、この自動車の使用規制と申しますか、そういう問題につきましては、関係するところが非常に多いわけでありまして、これらに関しましては関係庁とも十分打ち合わせをいたしまして、今後いかなる方法でこの自動車の増加趨勢に対して対処していくかということを検討して案を得たいと思っている状況でございまして、これらの点に関しましては、昨年の十二月に成立いたしました内閣の総理府の交通対策本部等におきましても、審査の項目にお願いしておるところでございまして、運輸省としまして措置すべき点等につきましても、十分検討して参りたいと思っております。
  14. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 大体お答えでよくわかりましたが、自家用の申請の問題です。これはひとり、ただ業者との関係だけでなく、ことに東京なんかの現状を見てみると、道路建設、あるいはまた交通整理ということに、いかにあくせくと検討しましても、なかなか効果が上がるものじゃない。この自動車の洪水に対して、毎日々々の条件がどうあろうと、資格がどうあろうと、実際の自家用車を持つだけの資力があるかないか、また車庫の施設の検討もしないで、あまりにも寛大過ぎる。こういうことでいくならば、一方でいかに事故の減少をはかっても、いかに大きな投資をして事故防止をやりましても、これは百年河清だと思います。やはりここに交通事業というものまた社会不安というもの、あるいは経済あるいは道路の問題とにらみ合わせた新しい一つ方法によってこれを律していく、一歩前進するというような積極的な施策が必要だ。こういうことを私は申し上げているのでありまして、今後一つ、そういう内閣にも機関ができたようでありますから、これを最高に生かしてもらって、これから一年、二年、三年というような気の長いものでは、仕事は生きておるのでありましてて、できるだけ早い時間にわれわれ国民考えておるような一つの秩序ある社会を作っていく、また交通を最高に動かしていくというような結果に持っていきたい。かように考えておりますので、さように善処してもらいたい。こういうことで自動車関係は終わりにいたしまして、最後に、きょうはちょうど外務省関係の方あるいは水産庁の関係の方もお見えでありますので、簡単に一言日韓問題に付属して、平和ラインの問題についてお尋ねをしたいと思います。  一昨年もこの委員会でそういう質問を一回したことはあるのでありますが、当時と、昨今いろいろ実際に調査をして参りますると、以前は李ライン、今は平和ラインと言っておるようでございますが、この平和ラインの昭和二十二年から三十五年までの向こうで拿捕された船あるいは人数というようなものを調べて参りますと、大体に三十五年までで、拿捕された船の数というものが二百六十九隻ということになっておるようであります。向こうで抑留された人が三千三百六十九名ということになっておりまして、三十五年までに見る結果から申すならば、大体に三千三百六十九人の中で八人が死亡して、あと全部幸いにして無事帰還をしておられるようでありまして、また船の場合におきましても、大体に沈没したものが二隻で、あと全部満足にこっちに、本国に送還されておるという結果になっておることは、まことに御同慶にたえないところであります。相当その間に大きな苦心をされたことであろうと思いますが、三十六年本年に入りましてから、あまりこの種の問題はないようでありますが、私のお尋ねしたいのは、三十六年に相なりまして、これらの拿捕であるとか、あるいは人命の損傷とかいうようなことはあったかなかったかという点を一応お尋ねしたいのであります。  それと、向こうでやっておる漁獲は、底びき、一本釣、もう一つ何かやっておるそうでございますが、昨年の一カ年の漁獲高というのはどれくらいあったものか。また一昨年と昨年との比較がどれくらいになっておるかという、漁獲高を一応お尋ねしたいと思います。それから、これは最も零細企業でありますが、一本釣というのが相当行っておるようでありますが、これらに対しての——一本釣あるいは底びき全部を通じてもいいわけでありますが、今日までの拿捕された船の損害、あるいはまた、向こうで抑留された人たちの家族の生活保障といいますか、それらはどういうふうに行なわれてきたものか、そういう点、この三点を一応お尋ねしておきます。
  15. 高橋泰彦

    政府委員(高橋泰彦君) まず最初の第一のお尋ねは、最近における事故の問題でございます。御存じのように、ただいま日本と韓国の間では予備会談が持たれておるわけでございますが、この予備会談が発足いたしましてから、本年に入りましてからの事故は一件ございました。それは本年に入りまして早々の問題でございますが、入江丸という約十トン程度の、はなはだ小さい船ですが、これは長崎の対馬を基地といたしまする漁船であって、いわゆるラインに入ったか入らないかというような問題もございますけれども、一応拿捕された事件が一件ございました。これは幸いにして船と乗組員ともどもにかなり早期に帰還することができましたことは、御同慶にたえない次第であるというふうに考えております。最近の向こうの動きにつきましては、詳細は担当であられる海上保安庁の方から御聴取願いたいと思いますが、私どもの聞いておる範囲では、やはりまだ今後問題がないだろうというふうには考えられないのでございまして、私どもとしてはやはりできるだけ刺激的な行動を避けて自粛するというような方針で、ただいま関係者を指導しておるような次第でございます。  それから第二点のラインの内外を通しての漁業状況のお尋ねでございますが、やはりこのラインに最も深い関係を持つ漁業の種類といたしましては、トロール漁業、それから機船底びき網漁業、それからまき網漁業、それからサバ一本釣漁業、その他のいろいろな漁業と、各種の漁業、こういうふうに分けられると思いますが、一番生産額として大きいのが——ほぼ同じでございますが、大体底の魚を対象といたしますトロール、底びき、合計いたしまして、約三十億から三十五億ぐらい、それからまき網は、年によって違いますけれども、大体その程度のアジ、サバといったようなものをとっておるわけであります。それからそのほかのいろいろなものも、なかなか見積りがむずかしいわけでございますが、約十億以内の見当であろうかというふうに考えております。このラインのために最も被害を受けておりまするのは、先ほど申しました底びき、トロール漁業とまき網業でございます。この漁業の大体の趨勢でございますが、このラインの設定によりまして相当手ひどい被害は受けておりますが、その後、漁業者の各位の非常な努力によりまして、生産はおおむね順調でございまして、この点だけから見れば、一見数字の上から見ますれば、ラインの被害がないといわれるかもわかりませんが、そうではないのでありまして、それは非常な苦心、たとえばまき綱につきましては、李ラインからはみ出した方々が、新しく東シナ海、黄海における新しい漁場を発見したために、辛うじて回復したためでありまして、それは単にその面における数字だけで判断すべきではない。一応何とか発展はしておるけれども、やはりそういったような問題がある。こういうふうに心得ておる次第でございます。  ただいま御質問のあったことでお答えしそこなったのですが、これらの数数の——ことしは幸い以上のように平和裏に経過したわけでございますが、御指摘のように、従来は相当の被害があったわけでございますが、これらの対策でございますが、私どものとりました——取締りの対策につきましては、海上保安庁その他から御聴取願いたいと思っております。事後処理と申しますか、そういうような対策につきまして概略御説明いたしたいと思います。  まず、私どものとっている一つの点は、いわゆる特殊保険制度でございます。これは拿捕、抑留を受けた場合に、保険加入者に対して保険金を支払う。国がそれを再保険するという格好で、保険加入ということによりまして、まず財産的な損失を船主に対して補てんするという措置を講じております。次は乗組員に対する措置でございまするが、これは李ラインの問題が開始したあと、乗組員給与保険法というのを設定していただきまして、これによりまして乗組員の給与を保険制度によって補てんしていくというような制度をただいまとっております。なお、この二点は、いずれも保険制度でございまするので、おのずから限界があるのは当然でございますので、それを補てんする意味のいろいろな施策を講じて参っております。  第一は、まず漁船について申しますと、保険によって補てんするだけではなしに、事後の漁船の建造につきまして、農林漁業公庫の融資の道を開くというようなことで、漁船の再建について協力する道をとってございます。なお給与保険につきましては、これは船員側から申し出があれば、義務として船主が入らなければならないような制度にいたしておりますけれども、まだ若干入っていない、つかまってみたらば入っていなかったという場合も不幸にしてございまするので、その場合には若干の補てんを国がこれを見ていく、見舞金として交付するというような制度、または不幸にして抑留された場合の差し入れ料としての交付、その他残った家族に対する、もちろん生活保護法の問題もございまするけれども、それでは十分ではございませんので、家族に対する見舞金の交付、また病気になった場合には医療費の補てんというような、私どもの事務的に考えまして可能な制度につきましては、もちろん十全とは申しませんけれども、可能なできる範囲のことはこれをやってきておるというふうに考えておるような次第でございます。
  16. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 ただいまのこの保険制度の問題をまあ大ざっぱに承ったのでありますが、われわれ、聞くところによるというと、今日まで抑留された方の家族で、乗組員で、政府のいわゆる、何といいますか、ただいまのような身分保障というか、損害補てんといいますか、これらに対して非常に納得のいかないものがあるというので、何らか、政府かいずれかを相手にして提訴しておるという、トラブルを起こしておるということを聞いておりますが、そういうことはありませんか。
  17. 高橋泰彦

    政府委員(高橋泰彦君) この保険料の問題等についての意見の申し出はございまするが、ただいま御指摘のようなトラブルといったようなお話はまだ私どもの方では承知いたしておりません。
  18. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 それでは、まあできるだけ今後これらの折衝にあたっては誠心誠意、いわゆる安心してだね、今後これらの問題を中心にして働くことのでき得るような一つの施策をやっていただきたいということを希望いたします。  次に、海上保安庁の方で現在のこの以東以西の警備の状態を一応承りたい。どのくらいの船が行っておるか、どういう方面にどのくらいの船が活動しておるかということを説明していただきたい。
  19. 林坦

    政府委員(林坦君) 海上保安庁におきましては、昭和二十七年から拿捕の防止に当たっておるのでございますが、当初は巡視船二隻をもちまして、大体朝鮮半輪の周辺の警戒水域を行動させておったのでございます。その後状況の変化に応じまして、三十三年の十一月以降常時三隻、それから三十四年の三月以降常時四隻、同年の七月以降は六隻の巡視船を朝鮮水域に派しまして、これをもって事故防止に努めて参っております。ただ、これは実は常時六隻の巡視船を回すということは、現実には第七管区海上保安本部管下の巡視船の数だけでは足りませんので、他の管区からも応援をするように巡視船を派遣いたしましたり、また昭和三十四年度の下半期には、民間船を一、二隻用船いたしまして、穴埋めして参るというようなこともいたして参っております。最近の状況におきましても、大体常時まあ五隻ないし六隻くらいを派しまして警戒に当たらせております。警戒水域で私どもの方の巡視船が活動いたしておりますのは、自動方向探知機あるいはレーダー等によりまして、韓国の警備艇の動静をできるだけすみやかに探るというようにしまして情報をとりまして、わが漁船に接近していくおそれのあるような場合には、漁船に対して適宜警報を発して、漁船が機を逸することなく退避できるように指導をいたしておるというのが現状でございます。韓国の警備艇が漁船に著しく近づきましたような場合に、警備艇と漁船との間に割って入りまして、あるいは煙幕を使用したりして漁船の退避を援助するというような点も努めておるのでございます。ただ巡視船はいわゆる実力行使ということにつきましては、いろいろ国際的な関係になって参りますので、そういうことをしないで、極力指導、あるいはそうした誘導等によりまして、事故を未然に防ぐということに全力を尽くす、こういう建前で参っております。ただいままでそうした指導が相当まあ効果を上げまして、だんだんこうした事故も、件数は少なくなってきて参っておりますが、まだそうした指導の徹底しない場合等におきまして、不幸な事故を起こしておることがときどき起こるのでございます。
  20. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 ただいまの御報告では、大体に監視も十分できておる、件数もおいおい減っているというようなお答えでありましたが、私の方で調べたのによりますると、講和前と講和発効後との数字を見ますというと、講和前の昭和二十七年までには、隻数で九十五隻と、一千二百三十六人が抑留されておる。その次の講和発効後の数字を見て参りますと、ちょうど九十五隻というやつが講和発効後になってもっとふえて百七十四隻だと、人員にしまして二千二百三十三人というような膨大な数字に上ってきておるのであります。そういう点を考えると、今後この公海における監視の仕事という役目も、これはずいぶん大きな責任があるわけでありまして、しかも、李ラインなんて、この前の私の質問にも申し上げたように、率直に言って、国際的にあの天下の公海において李ラインなんかを設定して、そうして不都合にも、かような日本国に対して大きな被害を与え、また民心の不安を招くというようなことをここ十カ年も続けておるということであるにもかかわらず、わが国としてはあまりにも弱腰な外交というか、あるいは軟弱折衝というか、全く国民感情的にも、いつまでもこういうことは許すことができないことであろうと、かように考えますが、この点につきまして、幸い今、日韓会談が続行されておるようでありまして、在韓資産の問題や、また日本人の在韓資産の問題、これらが盛んに話題に上っておりますが、これらはどういうふうになっておるのか。あくまでも、この日韓問題については、やはりわれわれ日本国民としてはもう少し——外交にわれわれがタッチするというようなことはあまりよくないことであろうと思う。やはり外交は超党派的に、政党政派を越えて、国民また国家のためにやるべき仕事であろうと思いますから、あまりこまかいことに私はこの際タッチすることはやめますけれども、少なくも国民感情からいってでも、一日も早くすべてのこれらのトラブルを解消する。そしてお隣同士の一つの立場に返った日韓国際関係でなければいかぬ、かように考えますが、ただいま幸い次官が出られましたし、また外務省の方が出られておるようでありますから、今の日韓会談の継続されておる内容で、お漏らし願えるものだけを、関連しておりますから、漏らしていただければけっこうだと思います。
  21. 宇山厚

    説明員(宇山厚君) ただいま日韓会談は、御指摘のように約十年間続けて参りました間に、いろいろ両国の間で問題がございまして、その早期妥結の方向に行っておりませんで、今日に至っておりましたものが、昨年、張勉内閣が成立しまして以来、日韓関係を正常化するということを、その内閣の第一の方針といたしまして参ったのでございまして、そのために、昨年の十月の二十五日から、その予備会談を始めまして、今度こそはこの日韓関係の正常化をどうしても実現したい、こういう意気込みで双方当たってきておる次第でございます。しかしながら、何しろ過去十年間にいろんな議論をいたしましたり、いろんないきさつがあったのでございますが、それにもかかわらず、まとまらなかったという過去の歴史から見ても御了解願えると思いますように、これにはいろいろ複雑な事情がございますし、それからまた、韓国におきます日本に対する悪感情のしこりがまだ残っているというような事情もあるようでございまして、今後ともかなり紆余曲折があるのではないかと考えております。ただいま御質問の李ラインの問題につきましては、もちろんこれは公海の自由という国際法上の原則に反するものでございまして、われわれ日本側といたしまして、これを是認できないのは当然のことでございます。公海におきましては、その公海自由という国際法上の原則で示されておりますように、どの国もその公海の水域を耕地的にこれを規制するということは許されないわけでございまして、従いまして、あの水域で漁業をすることをもって生業を営んでおられる漁民の方々が、安全に漁業に従事することができるようにということを考えまして、また韓国側でもたくさんの漁民がおるわけでございますから、双方の漁業が共存共栄をするということも考慮しなければならないかと思うのでございます。それからまた、あそこの漁業資源がどんどん取り尽くされてしまうというような方向になっては、両国の漁業が今後長く繁栄するというわけには参りませんで、この漁業資源の保存という見地から、科学的な調査などをいたしまして、長い間、持続的生産性と申しておりますが、最大限の持続的生産性が続けられるようにという見地、こういう見地から考えまして、漁業協定を結んで、円満な解決になるようにということを目標として交渉しておる次第でございます。  ただいま御質問の中にはかの関連事項ということをおっしゃいましたのでございますが、日韓会談全体を考えてみますと、日本と韓国との間にどういうふうな国交関係を持つかという基本的な関係がございます。この基本的な関係につきましては、その他の諸懸案が片づきましてからその討議に入るということになっておりまして、ただいままで討議をいたしておりません。そこで、その懸案と申しますと、第一に、韓国側が日本に対して請求権を持っておる。いろいろな項目をあげまして、これこれの請求権があるから、日本側からそれらの財産を返すとか、あるいは金を払うようにという請求でございます。それからその第二は、漁業問題でございます。それから第三には、在日韓人の法的地位の問題でございます。平和条約が成立いたしますまでは、これらの在日韓人は日本国籍を持っておったわけでございまして、終戦並びにこれに伴う平和条約によりまして、これらの人々は自己の意思によらないで日本国籍を奪われたわけでございまして、しかしながら、これらの者の中には、全然日本人として暮らしまして、またはその親から日本で生まれ、その他子供はまた日本の学校で教育を受けている。日常日本語をもって近所の子供と遊んでいる、こういう子供もおるわけでございまして、こういう韓国人を一般の外国人同様に取り扱うというのは、これはちょっと筋が立たぬ。若干の人道的な考慮を払うべき正当な理由があると思われますので、そういう点もまた交渉中なのでございます。このようにこの懸案を大きく分けてみますと、請求権の問題、漁業の問題、在日韓人の法的地位の問題と、こういうふうな三つの問題に分けられるのでありますが、こういう懸案が片づきました暁には、先ほど申し上げましたように基本的関係についての話し合いに入りまして、その基本的な関係の話し合いもひっくるめまして、日韓間の関係を正常化しよう、こういう構想で話し合いが続けられておるわけでございます。日本側から申しますと、この請求権の問題と法的地位の問題は、いわば日本側から韓国側に特別の考慮をしてやるという問題でございます。しかしこの漁業権の問題につきましては、これは日本側としてどうしても確保しなければならない、日本にとりまして大事な漁業という産業の問題でございますので、この点をたな上げにすることでは、その他の請求権とか法的地位の問題も取り上げられないという態度で交渉してきておる次第でございます。幸いにいたしまして、韓国側でもこういった事情を了解いたしまして、この二月に入りましてから、漁業の問題についても実質的な討議をやろうということを言って参ったのでございます。このことは振り返ってみますと、一九五二年——昭和二十七年ごろに若干の漁業問題の討議が行なわれたのでございますけれども、それ以来この漁業問題を話し合おうということを言ったのは初めてでございまして、今後何とかうまく相互の理解によりまして、漁業の問題についても話し合いを続け、あの水域に日本の漁民が安全に漁業に従事し得るような状態まで持っていきたい、こう考えている次第でございます。大体最近の状況はそういうものでございます。
  22. 福家俊一

    政府委員(福家俊一君) お答え申し上げます。鳥畠委員のお説ごもっともでございます。運輸省といたしましては、海上保安庁長官からお答え申し上げましたように隠忍に隠忍、自重に自重を重ねまして、平和日本の原則にのっとって、漁民の保護をいたしておる次第でございます。ひたすら、私どもといたしましても、外交問題において一日も早く日韓の交渉を妥結し、両国民が共存平和のために協力する日の来たらんことを願っておる次第でございます。
  23. 大和与一

    ○大和与一君 宇山参事官の御答弁は、政府責任ある答弁と聞いたのですが、当面の懸案を解決しなければ、日韓問題の基本的な交渉には入らない、こう確認していいですね。当面の問題とは、たとえば三本の柱がある。一番大きな問題、その問題が少なくとも完全に解決しなければ、日韓間の基本的な交渉には入らない。もう一回確認していいですね。外務大臣のかわりの答弁としていいですね。
  24. 宇山厚

    説明員(宇山厚君) ただいま申し上げましたのは、これらの三つの懸案の解決をはかって、その上で基本関係の話に入るという申し上げ方をしたわけでございます。この三つの懸案と申しますのは、これまで討議いたしましたところでもすでに現われておりますが、非常に複雑な問題を含んでおりまして、それから関係するところがかなり広範にわたります。従いまして、これらの問題を全部完全に解決しなければ、基本関係の討議に入れないかどうかという点は、私ども、まだ見通しをつけておらないのでございます。大体この各問題とも討議いたしまして、この程度解決できれば、基本関係の討議に入ってもいいじゃないかというふうなところに参りますれば、あるいはこれらの懸案が、完全に解決というところまでいかなくても、基本関係の討議に入ることもあり得る、こういうふうに考えております。
  25. 大和与一

    ○大和与一君 大事なことだから、ほんとうは外務委員会でやるのだけれども、あれですか、そうすると前言を翻して、ひょっとしたら完全にまとまらぬでも基本的交渉にも入ると、こういうのですか。ちゃんとはっきりして下さい、議事録に書ていあるから。あなたの個人の意見ではだめなんです、そんなことを聞いても。政府の答弁なんですから、責任のある答弁をしてもらわないと……。
  26. 宇山厚

    説明員(宇山厚君) 私は前言を翻したつもりじゃないのでございます。先ほどから申し上げましたように、懸案の解決をはかりまして、そしてその討議で大体基本関係の討議に入ってもいいという程度にまで懸案の討議が進みますれば、その基本関係に入ることもあり得る、こういうふうに申し上げておるのでございます。先ほど申し上げましたように、非常に複雑ないきさつもございますし、それから、問題自体の現状につきましても、非常に多岐にわたる問題でございますので、これらのすべてを解決しなければ基本的な関係に入れないということではないだろうと思うのでございます。大体、国際通念から申しまして、この程度に話し合いがついておれば、国交正常化に向かってもいいじゃないかという程度のところまでは話し合いを詰めていかなければならない、そういうふうに考えておる次第でございます。
  27. 大和与一

    ○大和与一君 一番初めに言ったことと違いますからね。事情変更の原則か何か知らぬけれども、今言ったことを一応覚えておいて、これはやめます。
  28. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 私は質問はこれで終わりにいたしますが、先刻来、外務省のほか、次官からも御答弁のありましたように、この日韓問題は、国民あげての大きな一つの関心でもあり、またただいま承るところによるというと、ある程度向こう側も、まあ何というか、円満な妥結をしようというような意欲に燃えて日韓会談が続けられるというように、われわれはただいま聞いたわけなんですが、大へんけっこうであると思います。しかしながら、今日までの日韓会談なり、日韓交渉の上において、常に何らかに便乗するとか、あるいはかけ引きによって、常に今にも妥結ができるかのごとく見せつけては、何かの事件にありついていく、あるいは一方で折衝をずらすというような点が多々あったと思います。われわれは、一日も早く妥結することをこいねがう一人でありますけれども、慎重審議、最後まで共存共栄という一つの旗じるしのもとに進んでいくということに善処されることを、重ねて希望いたしまして私の質問を終わります。
  29. 大和与一

    ○大和与一君 私は羽田に着陸する民間機が、自衛隊機なり、あるいはアメリカの飛行機にじゃまをされて危険がある、こういうことが毎日新聞なんかにも出ておりましたので、そのことについて若干の質問をしたいと思います。初めちょっと違うお話になるかもしれませんが、犬養道子さんというお嬢さんですか、あの人が雑誌に書かれているが、その内容を知っておられたら、あれは結局待遇が悪いとか設備が悪いから、ほんとうのことをいったら日本の飛行機は危なくて乗れん、簡単に言えば、そういうことだったのですが、そのことについて質問したいと思います。
  30. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) お答えいたします。  私も犬養道子さんの、週刊朝日でございましたか、記事は拝見いたしました。その中に、日本の飛行機が危なくて乗れないというお言葉がございましたが、私ども、実際航空行政に携わっております者の目から見ました場合には、管制という仕事が非常にむずかしい仕事であり、一瞬を争うような非常にむずかしい仕事であるという点は十分に認識いたしておりますが、あの記事にありますような表現は、やや誇張したものではないかというふうに感じております。
  31. 大和与一

    ○大和与一君 答弁、なるべく簡単でいいですよ、テニヲハは抜いてもいいですから。  その次は、二月二十六日の毎日新聞に「もめる木更津上空」、この記事もありましたが、これもごらんになったら、この中に書いてあることで間違っていることだけ言って下さい。
  32. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) お答え申し上げます。  記事は、私も簡単に拝見したのでございますが、その中で、やや誇張してあることも多少見受けられたと思いますが、大体の事実につきましては、かなり近いものではないかと思います。
  33. 大和与一

    ○大和与一君 それではあれですね、法第九十九条の情報の提供というのがありますね。法律の九十九条に、航空法の。そうすると、民間機が飛んでいる場合に、自衛隊の飛行機なりアメリカの飛行機に、間違いなく連絡は周知徹底をしているかということを伺いたい。
  34. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) お答え申し上げます。  木更津の飛行場を離発着する軍用機につきましては、計器飛行の場合は、すべて羽田のタワーでコントロールいたしております。従いまして自衛隊機が計器飛行で飛行する場合には、完全に民間機と同一の指示のもとに動いておりますから、従って計器飛行で飛んでおる限りにおいては、衝突の危険はないと思います。  それからもう一つ、軍用機が有視界飛行で飛んでおる場合には、一定の雲高なりあるいは視程というものの範囲で、十分視認できる範囲で操縦士が注意義務を持って飛行しておるという状態でございまして、従ってその場合においても、一応建前としては衝突を防止し得るというふうに考えております。
  35. 大和与一

    ○大和与一君 有視界飛行の場合ですね、これは民間機の方は民間機が飛んでいることは軍用機にはわかっておるらしいけれども——こちらの方は、全然わかっていないのじゃないですか。ある操縦士を呼んで聞いたのだけれども民間機の操縦士が、自衛隊の飛行機がどう飛んでいるとか、アメリカの飛行機がどう飛んでいるとか飛ぶということは、知らされていなくて飛んでいるのじゃないですか、羽田で。
  36. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 民間機が計器飛行で入って参ります場合には、管制塔の指示によって飛行あるいは羽田空港への進入をいたしておりますので、従って操縦士としては、必ずしも視認しなくてもいいのじゃないかと思います。
  37. 大和与一

    ○大和与一君 民間機が飛んでくる場合には、若干の制限が、高度とか空域とか時間とかあると思うのです——間違いがあったら困るから。そういう制約というものは、一体どういう法律で、あるいはどういう指示によって明確に自衛隊なりあるいは軍用機になされておるかということをお尋ねします。
  38. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 木更津の上空から羽田に進入いたします民間機は、木更津の飛行場に設置しておりますホーマー・ビーコンの上で二千五百フィートの高度をとりまして羽田に直線進入するというふうになっておりまして、従いまして、その民間機の行動につきましては、すべて自衛隊機、軍用機等に周知徹底をいたしておるわけでございます。
  39. 大和与一

    ○大和与一君 まあ、そんなふうにいったら何も事故が起こりそうにもないわけですけれども、ほんとうはアメリカなんか、何にも問題にしていないのじゃないか。軍用機は勝手に飛んで歩く、それがほんとうだろうと思います。  そこを今言ったように日本とアメリカの飛行基地との間に、どういう正式な書面があるのか、協定があるのか、その辺が、根拠が薄いのじゃないかと思うのですよ。今でもやはりアメリカは少しばかにして、まだ占領しているようなつもりでやっているのではないですか。言うことを聞かないと思うのだがね。
  40. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 米軍機につきましては、実は、最近も米軍の特に木更津の飛行場は、米海軍の一応管理飛行場でございますので、米海軍の責任者に私どもの方からお打ち合わせをいたしたのでございますが、米軍の方も、十分民間機に対する軍用機の飛行が妨害にならないようにという点については常に配慮いたしておりまして、責任者の返事によりますと、現在の米海軍の軍用機の訓練飛行といたしましては週三回、一日二時間、できるだけトラフィックの少ないときに、大体その高度は約一千フィートから六百フィートという間で、これを行なうというふうに申しております。従いまして非常に厳重な注意のもとに民間機との間を調整して行なえば、必ずしも危険は発生しないのではないかと思います。ただこの場合に、パイロット自体のミスなり、あるいはまたパイロット自体が、そういった上司の十分な命令を聞かない場合に事故の可能性も、あるいはあるのではないかというふうに考えられます。
  41. 大和与一

    ○大和与一君 そうするとあれですか、わかりやすく言えば、アメリカも日本の法律を完全に守っていると、こういうふうに断言ができるのですか。それならばアメリカとの協定がありますね、いろいろな。そういうことは、やはり書面でちゃんと持っているのですね、今見せなくてもいいけれども
  42. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 民間機と軍用機との航空の安全確保のための調整につきましては、十分の打ち合わせもできておりますし、また覚書等につきましてもでき上がっております。
  43. 大和与一

    ○大和与一君 計器飛行の場合はいいですけれども、有視界飛行の場合は、少し計器飛行より心配があるわけですね、しろうとから考えても。  そうすると、そのやはりずれといいますか、そうなれば民間飛行機が、こんなに最近ふえるばかりですから、あの場所では、どうも心配だということが当然ある。そうすると有視界飛行に対して、若干制約といっては悪いけれども、よほど注意しなければならぬ。その注意というものは、具体的に運輸大臣は、高度はなんぼ以下になったらいかぬとか、あるいはまた範囲ですね、これははっきりこうせなければいかぬとか、あるいは木更津の方は、絶対海の方は飛んだら困る、こういうことは具体的に自衛隊にきちんと言ってあるのか、あるいはアメリカときちんと、そういう打ち合わせをしているのか、その辺はっきりちゃんと、そういう確約はとってある、そういのはありますよと、こういうふうにおっしゃることはできるのか、お尋ねをしたい。
  44. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 木更津の飛行場の離着陸の管制につきましては、米海軍により自衛隊に現在委任されている状況でございまして、従って自衛隊の方が、木更津の飛行場の管制塔を運用いたしております。従いまして、管制問題につきましては、直接的には運輸省と自衛隊との話し合い、防衛庁との話し合いになるわけでございます。  今御指摘の点につきましては、私どもの方から、民間機の安全運航を確保する意味で、現在の自衛隊のパターン、つまり海の方に設定しているパターンを陸に変えてもらいたい、それからまた有視界飛行で飛ぶ場合に、運輸省側といたしましては、雲高三千五百フィートそれから視程五マイルという線で飛行をやっていただきたいという要望をいたしております。しかしながらこの点につきましてはパターンの陸側への変更は、陸上における問題と関連しまして、自衛隊としても、なかなか踏み切れないという状況でございます。  それからまた、今申し上げました運用規定につきましてのわが方の希望につきましては、まだ妥結に至っておりません。
  45. 大和与一

    ○大和与一君 航空法の百八十七条を見ると、あれですね。間隔は、視界にない程度であればよいというふうに、非常にいいかげんに書いておりますね。あれはあれで十分だとお考えになってるのですか。
  46. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 今御指摘の百八十七条につきましては、計器飛行の場合には、センターあるいは管制するタワーなりが、それぞれの間隔をきめて、それによって飛行さしておるのでございまして、有視界飛行の場合には適当なセパレーションを操縦士自体がとるということになっております。
  47. 大倉精一

    ○大倉精一君 関連してお伺いするのですけれども、有視界飛行の場合に、運航あるいは視界の点について、自衛隊の方と協議中だと、こういうお話ですね。協定はできてないとおっしゃったけれども、この間私木更津へ行って、現地の航空自衛隊の方に聞いたら、文書の上では、確かに運航三千五百フィート、視界五マイルですね。航空自衛隊の方は二千五百フィートの三マイルで協定ができた、こういう報告を受けたのですが、食い違っているのは、どっちがほんとなんですか。
  48. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 私が申し上げましたのがほんとうでございます。
  49. 大倉精一

    ○大倉精一君 協定はできてないのですか。
  50. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) おりません。
  51. 大倉精一

    ○大倉精一君 自衛隊の方おりますか。
  52. 海原治

    政府委員(海原治君) ただいまの、現地の責任者が協定ができておると申しましたのは、おそらくGCA訓練に関しまして、運輸省との間で協定はできておりますが、そのGCA訓練のための条件のところに運航高度二千五百フィート、視程三マイルというのがございます。従いまして、そこで規定されておりますから、反対解釈として今の問題につきましても、運輸省が従来言っておられます三千五百と、わが方の二千五百、千の差がございます。視程は二マイルの差がございますから、このGCA訓練についての協定ができましたことによって、一般に有視界気象状態における条件につきましても合意ができたものと、こういうふうに誤解いたしたのではないかと思います。  私どももちょっとその協定を読みまして、当初そういう感じを持ったわけでございます。これは現地の司令官が、そういう御説明をしたとすれば、その点の誤りであろう、このように私は考えます。
  53. 大倉精一

    ○大倉精一君 こういう重大なことを、現地で誤解するようなことは、非常にこれは、非常にこれは重大だと思うのですがね。現に決算委員会として、あそこへ視察に行ったのです。そのときにこれをお伺いしたら、協定ができておりますと、こうなんですよ。  ですから、たとえば先ほどの新聞の記事にいたしましても、航空局側から「木更津上空の気象状況がよくないかぎり(雲の高さが千百六十メートルで視程が八キロ以上)有視界飛行はやめ」てもらいたい、こういう申し入れに対して、未だに通知がないと、こういう新聞記事がありますけれども、これはもう、こういう問題について通知をして、協議をして協定ができております、ですから、この記事は、誤りであります、こういう工合に、はっきり言われたのですよ。
  54. 海原治

    政府委員(海原治君) ただいまお話の点は、至急私どもといたしまして調査いたしまして、もし、そのような解釈をいたしておりまするといたしますならば、至急訂正させます。
  55. 大和与一

    ○大和与一君 木更津の飛行場で、今度自衛隊とアメリカの関係ですがね。自衛隊の飛行場なんですが、そうすると、アメリカとはどういう約束で使わしてるんですか。
  56. 海原治

    政府委員(海原治君) 木更津の飛行場は、米だ米軍の管理でございまして、自衛隊の所管財産とはなっておりません。
  57. 大和与一

    ○大和与一君 そうすると自衛隊が借りてるのですか。
  58. 海原治

    政府委員(海原治君) はい。
  59. 大和与一

    ○大和与一君 そうすると今度は、政府とアメリカの関係を聞きますけれども、木更津の飛行場は、アメリカに貸している。そうするとそのアメリカで、たとえば船でどんどん、どんどん飛行機を持ってきて、あそこで組み立てて何かやっているとしますね。そうすると、それを横田とか立川とか厚木とか、みなあるわけですね。特に厚木などは、海軍の飛行機がおるわけです。それなのに木更津でことさら、民間機がこれだけたくさん往復して、頻繁に発着をする場所に、アメリカが勝手にどんどん船で持ってきて、飛行機を組み立てて、勝手に訓練されたら私は、危険性があると思うのです。そういう点は、どういう話になっているのですか。
  60. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) その点につきましては、米側と私どもの方で折衝したのでございますが、今後、米側があの基地を訓練に使う場合といたしましても、米側としては、日本側の民間機の安全運航のために規制をやる必要があれば、いつでも十分に応ずるという態勢をとっておる。  従いまして、機数の増加とかその他につきましては、米側としては、一方的にやるということはないと思います。
  61. 大和与一

    ○大和与一君 そうすると、民間としては、どんどん、どんどんふえるばかりだから、今おっしゃったように、政府としてはこの辺で、一つなるべくやめてもらいたいということを、もう言うべき時期じゃないかと思うのですが、今のお話はわかりました。わかりましたけれども、もっともっとふえるから、海軍のほんとうのやつは、厚木でやればいいのだから、船で持ってきて、ついでだから基礎訓練のほかに、勝手に飛ばして遊ばそう、それでは迷惑だから、そういうことをきちんと言ってもらいたいと思う。それが一つ。  それから、自衛隊も、アメリカから借りておるのだったら、どこかほかの方にいけないでしょうか、それは、どのくらいおるか知らないが、その二つ。
  62. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 今、先生のおっしゃいましたように、こういった点につきましては、なおよく米軍と、十分折衝いたしまして、誤りのないようにいたしたいと思います。
  63. 海原治

    政府委員(海原治君) 米軍が現在使用中でございまして、航空自衛隊の方は、共同使用協定によって使っておるわけでございますが、私どもの承知しております限りでは、やはり木更津の飛行場というものは、当分の間、米海軍の方におきまして、きわめて有用な飛行場であって、これをよそにいってくれというようなことを申し出すまだ機会ではない、このように考えております。  ただ、仰せになりましたような、航空機が輻湊いたしまして、事故が起こりやすい状況につきましては、関係者におきましても、十分認識し、事故のないような予防的な措置も、現在やっておりますが、今後とも、その方面の努力を重ねていきたい、このように考えております。
  64. 大和与一

    ○大和与一君 そういうことを言っても、それは自衛隊の立場はわかりますけれども政府としては、運輸省としては、そんなことで事故が一ペンに起こったら大へんですよ、可能性はあるのだから。それをやっぱり抜本的に、ここら辺で腹をきめて、何とか対処するように努力しなければならぬ。その努力を積極的に、具体的にどうするかということが、この委員会の目的でなければならぬわけです。そういう意味で聞いているのですから、今やっているとか、こういう話をしているというときじゃない。これはほんとうに起こり得るのですから。そうなると、政府は一体、どうしたらいいのだということのお答えがないと、私は幾ら聞いても、さっぱり結論が出ないと思う。  たとえば自衛隊が運輸大臣の指示で、大体の区域はやっておりますが、そうすると、それ以外に「特別の事情があり、かつ自衛隊以外に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。」一体この百八十九条の自衛隊は、特別の事情があるということは、どういうことですか。戦争もないのだし、何もないじゃないですか。ちゃんということを聞いて、その通りやっていればいいと思いますが、それはどういう意味ですか、たとえば。
  65. 海原治

    政府委員(海原治君) 百八十九条につきましては、特別の事情と申しますのは、先生も御存じのように、自衛隊の航空機というものは、有事の場合にいろいろな行動を行なうことが任務となっております。従いまして、たとえばある目標が現われました場合に、直ちにこの目標が、友好的なものか、あまり友好的でないものかということを確かめるために、私どもの方でスクランブルという言葉を使っておりますが、直ちに発信をして、これを確認するという訓練をやらなければなりません。そういうことにおきまして、航空法の規定は一般の民間機が安全に航行するということが大前提でいろいろ作られておりますが、自衛隊の各種の飛行機は、ある特定の条件のもとに、一般民間機はおそらく取り得ないであろう行動をもやらなければならないという要請がございます。その要請に従いまして、航空法の一般的な規定は、ときによって度外視していただかなければならない。今申しましたようなスクランブルとか、あるいは編隊で飛び歩く場合、そういうふうなことによりまして、教育訓練のために、所要の範囲におきましては、一般の航空法の適用の除外をお願いしておる。こういうことです。
  66. 大和与一

    ○大和与一君 そうすると、編隊飛行で飛んだりすることも、特別の場合に入っておるのですか。有事の場合、その他の場合——その他の場合といっても、戦争がないのだから、人を助けるとか、救難とか、そういうことが主ですね。それ以外に、一体あるのか。それを特別の場合というのか、その辺を、ちょっと内容をはっきりしていただけませんか。
  67. 海原治

    政府委員(海原治君) 私どもといたしましては、特別な場合ということについて考えておりますのは……。
  68. 大和与一

    ○大和与一君 それから実例、そういうことがあったということ、たとえばこういうときにやったということがあれば、特別の場合というのは、こういう場合に、こうだったということを、具体的に例を言ってもらいたい。
  69. 海原治

    政府委員(海原治君) それは木更津につきましては、今御質問のありましたような事例につきまして、具体的な数字は持ち合わせておりません。しかし、ここにおきまして、やはり先ほど申しましたような任務上の要請からしまして、低飛行の場合とか、あるいは追い風の場合の若干の制限、あるいは低高度における旋回の問題、あるいは編隊離陸の問題、こういうことが、自衛隊のパイロットにつきましては、一応任務上の要件になっております。それを果たす範囲におきましては、特別の場合として、一般の航空法の適用の除外をお願いする。このように理屈の上でなっておるのです。ただ先生、先ほど言われましたような具体的な例と言われますと、私、現在ここに数字を持ち合わせておりません。御了解願います。
  70. 大和与一

    ○大和与一君 もう一つは、日本の飛行機が、大島から木更津に行って、それから羽田に入るのです。アメリカの飛行機は大島にきて、横田、厚木ですか、このルートですね。それがあるために、日本の飛行機は、ほんとうはまっすぐに、羽田から箱根の芦ノ湖を通って大阪に直行して行けるのに、わざわざ回ってるわけだ。それをアメリカの方が正ルートになってて、こっちは回り道する。どうして、こっちの方が親元なんだから、家を貸しているのだから、貸した方に入れなくてもいいと思うのです、それを解決する場合に、一つはレーダーが、ややりっぱなものがあれば、そのアメリカの飛行機が入ってくる間隙をぬって、日本の飛行機は箱根に直行していけるということであると思うのです。それが一つ。  それ以外に、こっちの方が、あたりまえの道をまっすぐいけるようにしなければいかんと思うのです。それはどういうことになっておるのですか。
  71. 泉靖二

    説明員(泉靖二君) 厚木、横田ラインに入ります軍用航空機と、大島から木更津を通りまして、羽田に入ります民間機、これのトラフィックの問題を最も有効にさばく方法は、一つは、特別管制区を設けまして非常に混雑しているところを、有視界飛行では通過しない。完全にいつでも管制されているという方法が、一番いいと思います。このためには、あの区域で大島をカバーいたします長距離レーダーが必要だと思います。従来三百マイルのレンジを有します長距離レーダーを箱根におきまして、あの区域全部を特別管制区にして、この問題を解決する方法考えております。
  72. 大和与一

    ○大和与一君 だから、ちょっと今度逆な言い方をすると、米軍が、横田とか立川とか厚木とかを使って、それで勝手に飛んでいる。それで木更津も軍用機ですから、相当自由に飛んでいる。そうすると、民間機は一体どこに行っていいかわからぬわけです。非常にこれは迷惑していると思うのです。これはほんとうに冗談ごとでなく、やはり不測の災いを防ぐために、よほどしっかり対処して、米軍にもきちんとしておかないと、そういうことではみんな心配だと言われておるのだから、十分その点を考えておいてもらいたい。  もう一つは、航空法律が、まだ国内法として十分に完備されていないのじゃないかと思うのです。たとえばICAOに入っておるわけです。それじゃICAOの法律の場合、出発の間隔とか時間とか、そういうものは政府のあなた方だけが知っておるのじゃなくて、民間の日航、全日空も全部知っておかなければいかぬと思うのです。そこがちゃんとできていないと思う。  一体日本の航空法は、やや完全なのか、まだ未熟であって、もっと整備をして完全なものにしていかなければいかぬと、こうお考えになるか、そこでICAOに入っておるその内容というのは、やはり民間会社自身にも、そういう趣旨をわかってもらわなければならぬために、そういう周知徹底を間違いなくやっておるかどうか、こういう点をお聞きしたい。
  73. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) ICAOに日本も加盟国でございまして、日本の航空法は主としてICAOにおきます各種の決定、勧告等に基づいてででき上がったものでございまして、昨年第一次の改正を行ないました。今私ども努力をいたしておりますが、先生のおっしゃったように、部分的には、まだ未熟な点があると思いますが、さらに今後十分、これを完全なものにしていきたいと思います。  なお、ICAOのいろいろのレギュレーションなり、あるいは勧告なりというものは、民間会社に周知徹底せしめておるかどうかという点でございますが、現在民間会社が、航空機を運航する場合には、その基準になるレギュレーションというものは、航空機の整備につきましては整備規定、それから運航につきましては運航規定がございますが、こういったものにつきましては、その内容等につきましては、ICAOの現在の整備運航についてのレギュレーションをベースにいたしまして、各会社がこれを作成いたしまして、航空局で十分その内容を審査した上で認可しておるということでございます。  従いまして現在の民間航空に対するICAOの各種のレギュレーションについての周知は、私どもとしてできる限りやっておるということでございます。
  74. 大和与一

    ○大和与一君 次に、自衛隊の施設ですね、たとえばGCAといいますか、さっき言った、あれなんかは正式なライセンスは持っていないけれども、これはやはりりっぱなものだと思うのです。それを民間の方で、やはり危険度を少なくするために使いたい、こういうふうなかりに話があった場合に、正式なライセンスがないからいかぬということも、こう言って、けとばすことも必要だけれども、実際にアメリカの生徒といいますか、それを全部使って、その教育を受けた人がやっておるのだから間違えることはない、自衛隊はそんなものはらもわなくても、自分の飛行機で飛んでおるのだから間違いないと、こういう自信を持っておられると思う。それがもしも危険の度合いが心配ないのだったら、これを使ってもいいじゃないか。これは厳密に言うと、少し発言が無理なんですけれども、しかし、おわかりになっておるだろうと思いますが、政府と自衛隊と民間会社が話し合いをして、そういう自衛隊のりっぱな施設は、やはり着陸のとき、出発のときの危険度を減らすために、安全度を増すために、それはやはり話し合いをしてやってもいいんじゃないか、こんなふうに思うのですが、その点はいかがですか。
  75. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 先生のお話の具体的な点が、どうも私はっきりのみ込めないのでございますが、自衛隊の管理する飛行場で、そういうふうな安全な着陸誘導施設を持っているとこいへ着陸する民間機は、当然に自衛隊の施設を使わせていただいて着陸しているのが現状でございます。
  76. 大和与一

    ○大和与一君 レーダー着陸装置とか何とかいって、一応資格要件があるのでしょう、それにやっぱりパスをしていないと、正式に、第三者に対抗する力を持たないのじゃないですか。  だから、今おっしゃるように、ちゃんと話し合いができておって、ほんとうに使われておるのだったら、私はいいと思うのですが、もしそうでなくて、しゃくし定木に言うと、まだ政府から正式に認められていない、運輸大臣の許可がない、こういうふうに言うと、どうなるのかと思って、そこのところを聞いているのですよ。
  77. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 先生の御質問意味がわかりましたので、先ほどの私の答弁をちょっと訂正させていただきます。  現在、自衛隊の管理する飛行場のいわゆる着陸誘導施設等につきましては、現在、やはり先生のおっしゃったように使っておらないようでございます。昨年航空法の改正をやりまして、自衛隊の管理する飛行場につきましても、管制を運輸大臣に一元化する意味におきまして、運輸大臣が権限の委任をいたしまして、自衛隊の管制官が、法律上の有資格者として管制を行なうようになるわけでございますが、目下、その政令案につきましては、自衛隊と協議中でございますが、これができ上がりますれば、自衛隊の管理する飛行場につきましても、管制の指示並びに管制上の必要な諸施設民間機が合法的に使えるようになるということでございます。
  78. 大和与一

    ○大和与一君 もう一つ、小牧飛行場で民間と自衛隊の飛行機は、普通到着順に着陸するのだそうですね。自衛隊の飛行機はジェット機だから、日本海に演習にいって帰ってきて、油がないといえば、すぐに下りなければいけないのですが、九十六条によって、これは公平に使わなければいかぬですね。その辺が、これはほんとうかどうかわからぬけれども一つ公平にやっていただきたい。民間機だから、少しその辺で遊んでおれというようなことのないように、その辺を一つ、これは要望です。これを最後に終りますが、しかし、もし事故が一度でもあったら大へんなんだから、それを私たちは非常に心配して、こういうふうにいろいろ御質問申し上げたのです。  僕らは、自衛隊が木更津で、特別に大へんな演習をしているとは思わない。そう大したことはないと思う。やっぱりアメリカが兵隊さんだから、大体あなたのおっしゃるように、法律に従っていないとは考えませんけれども、やっぱりこれは行き過ぎがありますよ。その辺をある程度、どこかでしっかり押えておかないと、必要上やるのだから、勝手に当りまえだというのでやっておるのでしょう。そうすると、何か起こったらえらいことになるから、その辺を十分に注意して、特に米軍との関係の調整をうまく、意見交換もやって、しっかりやってもらいたい、これを要望したいと思うのです。
  79. 大倉精一

    ○大倉精一君 関連してお伺いしたいのですけれども、やはり新聞記事の中で、昨年の十一月にKLMの飛行機と米軍と衝突しそうになった。これを木更津の自衛隊のコントロール・タワーに開いたら、どの米軍機がどんな飛行計画で飛んでおるのかというと、わからない、知らない、こういうふうに響いてある。実際わからないのですか。これは米軍の飛行計画、訓練計画というものは、木更津の自衛隊のコントロール・タワーではわからないのですか。
  80. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 今御指摘のKLMの航空機の上空をジェット機が飛んだという状況でございますが、この際私どもの方から、その飛行機を調査いたしましたら、わからないということで、先生のおっしゃった通りでございます。私どもの方から問い合せたわけでございます。
  81. 海原治

    政府委員(海原治君) この新聞記事についてのお話でございますが、実は、私どもこのあとに、基地の木村二佐と名前を書きました談話のような形式で載っておりますが、これにつきまして、事実このようなことを言ったのかどうかということを、昨日実は確かめたわけでございます。これは何か毎日新聞の方から電話で連絡がありましたときに、一応の応答はいたしておりますが、この新聞記事にあるような応答はいたしておりませんという本人の話でございます。しかし、何分にも、電話での応答でございますので、詳しくどういうことであったかということにつきましては、何とも過去のことでもございますので、私どもとしましては、いずれが正しいということは申し上げられませんが、このようなことは、現地に照会いたしますと、そういうことはないというのが、私どもの感じ方でございます。
  82. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは現地で聞きましたら、確かにそういうことがあったが、これは管制圏外で起こった問題である、こういうお話でありましたが、そのときにはわからなくてもあとから調査したらわかった、こういうことじゃないんですか。
  83. 海原治

    政府委員(海原治君) 今の先生のお話でございますと、管制圏外という条件がついているようでございますけれども、そういうところで、実は聞きますときに、聞き方によりまして、自分らの責任範囲の中で起こったかどうか、自分の責任範囲で起こったか、責任範囲外で起こったかということの聞き方によりまして、やはり答える方がお答えの趣旨を間違い得るということもあるかと思いますので、なお、その点は調査いたします。
  84. 大倉精一

    ○大倉精一君 じゃ局長が、時間が制限があるようですから、先に聞くんですが、いろいろ大和委員の方から質問があり、御答弁があったのですが、結局アメリカ軍と、かれこれ言っておっても相当日時がかかると思いますよ。ですから早急に、これは何とか危険のないようにしなければならぬ。  それには、方法一つだと思うんです。民間機のホールディング・エリアといいますか、これをよそに持っていったらどうですか。そういうような猛烈な訓練をしている上空に民間機のホールディング・エリアをおいでおいで、危険だ、危険だと譲っても始まらぬですよ。だからあすこへおいておかなければならぬ理由が何かあるのか。だからよそへ持っていけない理由があるのか、これをしろうとにわかるように説明して下さい。
  85. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 今の先生のお話通り、私どもの方としましても、来年度の予算要求で、高度の保安施設であるVORが二個とれまして、これは東京コンプレックスの航行援助施設として設置いたしますので、その際にこのホールディング・エリアをほかの方へ移すという計画でおります。
  86. 大倉精一

    ○大倉精一君 どこに移すかということは、まだきまっていないんですか、計画はないんですか。
  87. 今井栄文

    政府委員(今井栄文君) 管制議長から説明いたさせます。
  88. 泉靖二

    説明員(泉靖二君) お答えいたします。  一つは、現在東京にニジと申します霞ケ浦の近くにあるステーションの周辺にする予定でございます。もう一つは、銃子の北になると思いますが、片貝、その周辺に作る予定でおります。
  89. 大倉精一

    ○大倉精一君 新らしく作るホールディング・エリアは、これはもう自衛隊とか、米軍の訓練等によって脅威を受けるようなことは絶対にないんですか。
  90. 泉靖二

    説明員(泉靖二君) お答えいたします。  新らしく予定しておりますホールディング・エリアは、ほかの航空交通から、一番影響を受けることが少ないところに選定しようと思っております。
  91. 大倉精一

    ○大倉精一君 続いて防衛局長にお伺いするのですけれども現地で伺ったところによりますというと、アメリカ軍の飛行訓練の状況、今何がどんな工合に飛んでおるかということがさっぱりわからないのですと、こういうような話でありましたが、そうなるというと、自衛隊の訓練機とアメリカ軍の訓練機との危険というおそれはないものかどうか。
  92. 海原治

    政府委員(海原治君) 先ほど航空局長からお答えいたしましたように、米軍の訓練につきましては、木更津の管制塔との間にあらかじめ連絡がございまして、先ほどの航空局長のお話ですと、週三日、こういうことでございますが、私どもの一応承知しております基礎的なデータでございますと、たとえば月曜日と金曜日に限る、それの午前中である、もしもこれを変更する場合にはあらかじめ二十四時間以前に変更の通知がある、こういうことに一応なっておりますので、先生の御心配のようなことはただいまのところはないと、このように私ども考えております。
  93. 大倉精一

    ○大倉精一君 それは大和委員も非常に心配しておられたように、確かにこれから先の飛行訓練の頻度も多くなるだろうし、飛行機の性能も非常によくなるだろうと思うのです。ですから空中における危険度というものはますますふえるわけでございますが、こういう状況でありますので、運輸省の航空局の方とさらに綿密なる連携のもとに、さらにまた特に米軍、なかなかあなた方の言うことなんかよく聞かぬと思うが、米軍の方とよく連携を取りながら、わが方はわが方としてのきぜんたるものを持って、航空整理についてやってもらいたい。
  94. 福家俊一

    政府委員(福家俊一君) 御質問はございませんが、運輸省の立場でお答えしておきます。  この問題は率直に申し上げまして、つべこべ答弁の、この場逃れの問題ではない、万一事故が起きた場合におきましては、取り返しのつかない大問題、大新聞、あるいは雑誌が取り上げておるように、政府委員の答弁でも、この点ある程度事実を認めておるということでありますならば、火のない所に煙は立たないはずでございます。御指摘の通り、運輸大臣と直ちに相談をいたしまして、十二分にかかることのないように、関係当局と討議して、運輸委員会に御報告申し上げます。
  95. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 本日は、これにて散会いたします。    午後零時五十三分散会    ————————