○重盛
壽治君 今言われたことは、大体私も承知しております。時間がありませんから、こまかいことは申し上げませんが、一月三十日の日に、私
どもは、社会党だけだったかと存じまするが、衆参両院の運輸
委員が五名ずつ二班に分かれて、一班の方に私が入り、二班の方に
大倉君に入ってもらって、それぞれの立場から、今
説明のあった東京付近の一番混雑するという中央線の荻窪、高円寺、新宿等を視察いたしました。その際に、七時二十分ごろに集まって、七時半に、
関係者の協力を得て、東鉄の管理
局長角氏あるいは斎藤さん等もお見えになったようですが、その他
関係者がたくさん来て下さって、いろいろ御
説明を願い、それから一緒に視察をしたのでありまするが、この視察の経過の非常にこまかいことは申しませんけれ
ども、今あなたの言われたように、二分間隔で十両編成でやっているときに増車はできない。しかも、たとえば青梅線の直通が通ると、そのあとは、その直通が一ぱいで来るために、二分間隔ではあるけれ
ども、実際には四分間隔のような形がとられる。そういうときの応急
措置はどうするかといえば、荻窪からさらに始発を出す、あるいは高円寺から始発を出すというようなことで、適宜な
措置をとってきておることは、これは私
どもも見てきて、今御
説明になったことは承知しております。しかし、そういう中で、たとえば乗客の声を聞いても、最近は幾らかよくなった。そのよくなったというのは、
国鉄を
中心に、いろいろ近所の学校とか、あるいは生命保険会社とかいうようなところに話かけをして、時差出勤で協力を願っているというために
相当の効果が上がっておる。当然冬季間は二割
程度の着ぶくれがあって、そういう面からも非常な混雑があり、あるいはあの当時非常に寒かった二、三日というものは、時間ぎりぎりまでみな通勤人はこたつにもぐっておって、これはおくれてはたまらぬというので飛び出してくるので、非常な混雑をきわめるという、こういう
状態は承知しておりますが、いわゆる平常に復したというのは、死人やけが人を出さぬという
程度の
状態に復したということであって、通勤人が安心して乗っていけるような
状態には復しておらぬわけです。その中で通勤の諸君をつかまえて聞いてみると、「最近は幾らかよくなったけれ
ども、何といっても命がけです。また、
国鉄の値下げとか、いろいろな問題が起きておるようでありますけれ
ども、私
どもは何といってもサービスの改善をしてもらい、安心して職場に通えるという態勢を作ってもらうことの方が先決だと考える。」、中にはひどい人は、「国会議員の先生方や
大臣さんの給料は上がったようでありますが、われわれの方は一向上がってもこないで、こういう死にもの狂いで通っているのですから、こういうところを見て
一つものを解決して下さい。」というような皮肉を言う人もあり、いろいろ乗客の声を聞いて帰ってきたのですが、最後に新宿駅で、駅長あるいは
関係者等が集まって、
調査をした結果をいろいろ報告し合い、またどういう
対策をとるべきかということを相談し合ったのであります。
何といっても、当面
国鉄を
中心にし、あるいは
運輸大臣を
中心にして、時差出勤を強力にお願いをする以外にないのではないか。それは単なるお願いをするということではなくて、内閣の立場から、この時差出勤というものは半恒久的なものにやはり考えていかなければならない。十時なら十時、九時なら九時というように、官庁が集まってやれる形を変革しなければならない。もちろん、交通輸送の面では抜本的な解決をつけなければならぬ。それには、今言ったように、
国鉄の道路の増設、しかし、これは言うべくしてなかなかそう簡単にはできないことであります。それから、多摩
地方の開発を考えるならば、これはもっと総合的な施策をやらなければいかぬ。今やっている荻窪までの
地下鉄を急速にやるとか、あるいは道路の改修をやるとか、新しい道路を作るとか、バスの流通をよくするとか、いわゆる縄張り根性というか、そういうものは捨てて、運輸行政をどうするかという立場に立って、
運輸大臣がやはり高度の立場から処理をしなければならぬ段階にきていることは、これは言うまでもありません。しかし、その前に、時差出勤だけであってもよいから、
国鉄だけがその立場に立つのではなくて、
運輸大臣がその先頭に立って呼びかけをし、半恒久的な時差出勤を当面考えなければならぬのではないか。これは国の経済
状態、
国鉄の経済
状態、すべての問題と、さらにはあらゆる総合施策が言うべくしてなかなか行なわれがたい現状からいっても、まずできる問題から解決をつけていくべきではないかということを私は痛感するわけです。
従って、今
お話しになったようなことで、
国鉄の内部だけでやって、ようやくいわゆる人殺しができぬで済むという
程度の通勤の
状態をよりよくしていくというためには、もっとやはり当面の積極政策をしなければならない。それは僕もやはりしろうと考えで、二分間隔を詰めるということは、これはかえって危険でもあるし、増車云々というけれ
ども、増車しても増結できない現状まで目一ぱいやっておる。そうだとすれば、当面暖くなるのを待って、気ぶくれが幾らか少なくなれば、それだけすくのではないかというようなけちなことを考えないで、根本的な時差出勤をお願いし
実施する。これは
運輸大臣はどういう方法をとるか、なかなか困難なことだとは思うけれ
ども、そういう点を聞きたいのです。幸い
大臣もおられるし、根本的にどう考えておるかという点をやはりお約束願っておかなければならぬのではないかと思う。