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中田吉雄君 これはまあ実際、地方税としては必ずしも的確な税金でない。その所在が普遍的でないわけであります。大宮の工場では数千万入る、鳥取県にあります米子工場でも三千万入る、ちょっとしたところで五百万ぐらいは大てい入るわけであります。なるくべ普遍的であるのが地方税としてはいいんですが、その普遍性からいって、所在が非常にアンバランスにある。特にこの税を創設さしたのは、地方税が赤字でどうにも持ちも投げもならぬ、再建整備法を作って、準禁治産になるような町村もたくさんあるという、そういうときにできて、まあ納付金も、
国鉄も協力してくれというような、いわば暫定的な性格もあったわけなんです。
一つ五百億も各種の政策
割引をしておられるわけですから、それぐらいは自信を持って私は主張されてしかるべきじゃないか。まあこれはうるさいから、
運賃にはね返らせればいいのだというような安易なことじゃなしに、そこらは私は強く
一つやっていただきたいということを申し上げて、ただいまの資料は後日いただきたいと思います。
私一昨年アメリカに参りまして、アメリカでは鉄道と軍用機生産は斜陽
産業、アフタヌーン・インダストリー、午後の
産業といっておるわけであります。私は今回、
国鉄がこの
交通事情の革命的変化というものとの関連において
運賃改定をやられないところに問題があると思う。これはもう
国鉄からいただきました、図表で見た
国鉄運賃の問題点というのを見ましても、まず
貨物輸送において重大なる変化が起こりつつあります。たとえば
国鉄と自動車と船舶で
貨物をどういう形で、二十五年を基準にして三十四年から四十年までの推計をしてあるのですが、その推計によりますると、
国鉄の
貨物輸送は、二十五年を基準にして四十年に三倍弱であります。ところが自動車輸送は八倍になるわけであります。それから船舶の輸送が二・四倍、私はこのトラック輸送というものは予想以上に
政府の道路整備
計画等と相待って重大な変化が起こると思う。それから先度私の郷里で東大の先生を、農業基本法の講義をしてもらおうとしまして、講師に頼んで、じゃ先生、一等の特急の指定券を買っておきますから、
一つそれで行って下さい、こう言ったところが、
中田君、それは飛行機の方が安いのだから飛行機にしてくれ、こういうことで、なるほど一等料金をかけ、特急券を買い、指定券を買うよりか、ビジネス
割引でやりますると、実際国会の交通公社で計算をしてもらいましたら安いんです。なるほどいただきましたこの資料を見ても、東京−大阪間では、一等で参りますると六千百八十円です。ところが全日空でありますると五千五百円なんです。これを往復買って三日以内に帰るというビジネス
割引ですと五千円なんです。なるほどこれならまあ羽田に行ったり、大阪から伊丹に行ったりする若干の時間はありますが、これはもうちゃんと航空会社で輸送して、要らないのです。私北海道の人に聞きますると、いいお客はほとんど飛行機で来るというのです。飛行機で来る。私はこういう際に、まあアメリカにおきましてはもう鉄道はまさに斜陽
産業の最たるもの、しかもミサイルに切りかわって、軍用機生産はもう首切りの最中であります。
そういう際に、割の悪い不
採算路線を新しく作ったり、いいところはみんな私鉄にやらせ、そうしていいところはみんなバスにやらせ、トラックでやりです、これで
国鉄が成り立つかどうかです。これはもう
交通事情の革命的な変化ということを考えて、
国鉄が省営バスなりトラック輸送は、私企業圧迫というようなことで手も足も出ぬで、ますます赤字になっていく、これは私の同僚の羽生議員ですか、当分、五年ですか、新幹線を作る間
運賃を上げないと言われておるが、私はそういう保証はあり得ないと思う。ですからもう飛行機、トラック輸送、バス輸送、特に道路が
政府の急速な整備
計画とマッチして、私はこれは急速に行なうと思うのです。
国鉄がそういう変更に十分対応した、交通政策の転換なしに、今のようなことでやっておられて、はたして新幹線をやられる間だけやれるかどうかです。私は、
国鉄がもっと
貨物輸送、トラック輸送というような問題に、単に私企業圧迫というようなことで、もうカタツムリがじっとしているような格好でなしにやっていただかぬと、もちろんアメリカ等とは違って、そうアフタヌーン・インダストリーというようなことにはならぬと思いますが、私は決して楽観を許さぬと思う。わが郷土鳥取県においては、国道三十九号線等がどんどん整備されて、もうがらあきの汽車が行きおるし、バスの方は満載だというようなことになりつつあるわけであります。もちろん、こういう点は、やはり
国鉄のこの各種の政策
割引に基づく五百億の赤字、同時にいただきました資料が明らかに示すように、もう
貨物輸送の重点が飛躍的にトラック輸送にかわりつつある。ドアからドアにというような新しい交通
運輸機関の変化というものを
経営の中に織り込まなければ、私はこういう
状態で
国鉄の労組の諸君が待遇
改善をやっても、なかなか見解が狭い、もっと大きな問題と取り組まねば、私はその労働運動の実効を上げるのは少ないではないかということを至るところで言っているのですが、私は、
国鉄総裁が、まあ生涯を
国鉄のためにささげるというので、レールを枕にしてというそういう気持は非常に薄いと思いますが、この変化しつつある
事情を十分
運輸政策全般に取り組まずにやられても、私はこの
運賃改定はきわめて短期なものになるのじゃないかということを、一昨年欧米各国を見まして特にその感を深くしたが、特に十河総裁にこういう問題について、私はそういう問題を含めて
運賃改定というものをやられない点に、きわめて視野が狭いし、根本的な解決にならぬのじゃないかと思うのですが、十河総裁いかがでしょうか。