○長谷川(保)
分科員 予算委員会でありますから、私は
主計官にことに申し上げるのでありますけれ
ども、およそ切っていい
予算というものと、切って悪い
予算、経費というものがそれぞれあると思うのです。こういうようなたぐいのものは、民主主義社会においては、最も重大な基本的人権の問題としても切るべきものではないと私は思います。今の
お話のようにデータがしっかりしていないから仕方がないということであれば、これは
大臣に申し上げるまでもなく、
文部省が三十二年のデータなんといろ、そんな古いデータでおやりになるというようなばかなことはないのでありましても、し三十二年のデータしかないなら、今言ったような厚生行政基礎調査を調べれば、そこに毎年四月にやるデータが出てくるわけであります。でありますから、これは何と申しましても
文部省の怠慢だと私は思います。怠慢だと思いますが、これは何としてでも
一つすぐ改めてもらいたい。ことにことしの
予算を見て参りますと、校長の
管理職
手当というものがふえております。ちょっと記憶しておりませんが、一億円近くふえていたのではないかと思います。これにはいろいろ御意見もありますけれ
ども、そういうものはふやさなくても教育ができないわけではないけれ
ども、こういうようなかわいそうな準要保護児童の子供たちの教育費がないというようなこと、一〇%と思うけれ
ども、七%見二一一%は切っておけなんということは、大よそ今日の時代の政治としてはあり得べからざることであり、ことに、この内閣が二重格差をなくそう、日陰におる者を上に底上げをしよう、こういうことを目ざしております限り、断じてこういうことはすべきものではないというように思うのでありまして、こういう種類のものが各省にありましょうけれ
ども、特にこの点
予算書を読んで参りまして私が強く感ずるところでありまして、次の
予算におきましてはぜひ改めてもらいたいということと、それからさらに、
文部省は、三十二年の調査なんということではなくて、すみやかにこういう問題についての調査をなさるべきであり、もし
文部省で調査する費用がないならば、ほかにも幾らも調査する機関はあるのでありますから、そういうものを十分お調べになって、こういうようなところで問題をいいかげんにごまかして処理するようなことのないようにしてもらいたいということを、強く要望する次第であります。
時間もあまりありませんから、なるべく簡単にお聞きするといたしまして、次は、先般も同僚野原議員から
お話のありました点で、なおお尋ねの足りなかったところを少し伺いたいと思うのであります。先般も公立学校等におきまするやみ教師の問題が出ましたが、私はきょうは直接
文部省の御
関係の国立学校の
関係で、やみ教師の問題についてちょっとお伺いをいたしたいのであります。先般私はある父兄からこの話を聞きまして、さっそく調べに参りました。そうすると、ただ単に私が調べに参りました学校だけではなくて、全国に相当数あるということが雑誌の印刷物にありまして、それを私は手に入れました。残念ながらその印刷物を国に忘れて参りまして、きょうここに持ってこなかったのでありますが、もし御答弁が不満であれば、いずれ文教委員会でさらに伺ってよろしいと思うのでありますが、端的に事例を
一つ申し上げます。
私が調べに参りましたのは、静岡大学の教育学部の浜松分校の付属中学校であります。この学校に参りましたところが、この中学校にやみ学級があるわけであります。この学校は、終戦後何とかして父兄がこの付属の中学校をりっぱにしたいというので非常な努力をいたしまして、当時その
計画につきまして父兄が二派に分かれまして、いろいろな問題を起こしておったのでありますが、一応それが片づきまして、今はりっぱな学校ができました。まず敷地を購入するにつきましては、これは
文部省の方から全額
補助をいたしたように伺っております。しかし、建てました校舎の費用
——鉄筋コンクリートのりっぱな校舎ができておりますが、校舎を建てる費用は全部父兄の寄付でいたしたのであります。そうしてその結果やみ教室ができている、やみ教員ができているという状態でありまして、この先生たちはいわゆる恩給もつかないというような形にあり、この教員の給料は父兄たちで出している、こういうような
実態なのでありますが、一体こういうような事態が全国にどれくらいあるのでありましょうか、伺いたいのであります。