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高田(富之)
分科員 関連して……。御
質問を申し上げたいと思っておったが、ちょうど
栗原委員とテーマも趣旨も同一でございましたので、委員会の
運営に御協力申し上げる
意味で、私は
質問を取り下げまして、特に関連
質問を若干お許し願いたい、こう思うわけです。
ただいま
土地改良について非常に具体的な、切実な
実情を
栗原委員から
お話しになったのですが、私も実は本日特にこの問題でお
伺いしたかったのです。こういう事例は全国どこでも共通なんです。だからぜひ
政府は深刻に取り組んでいただきたいのですが、実は私の
関係しておる
——関係ということではありませんが、
地元で、中部荒川総合開発の用水
工事がいよいよことしから始まるわけであります。それからまた下久保ダムの
工事も始まるわけであります。こういう
関係で、鏑川のような大きな問題は起こっておりません。またわれわれ何とか協力して、
土地の基盤を造成することは、いずれにしでも基礎ですから、何とかうまくやろうということで、
政府にも県当局にも大いに協力して、今日までやっておるわけであります。しかし何としても問題は、もう少し根本的に
政府の方で本腰を入れて
対策を立てていただきませんと、非常な不安でございます。中部荒川の用水
工事の方はことしから始めまして、七カ年
計画ということになっておりますが、これにしましても、今
栗原委員のおっしゃられたことと全く同じでございます。第一はその
負担の問題もあります。それから
負担ばかりでなく、これは一番大きい問題ですが、桑園 やはりあの
地帯は桑園
地帯でございまして、最近また繭の
値段もいいものですから、特にこの桑園のことにつきましては非常に関心が高くて、
計画が明示されない限りとてもこれは判こを押せないというようなことで、なかなかあれは進捗しなかったのです。それを特に県の方で
説明にくるからとか、大丈夫だというようなことで、どうやら三分の二くらいの判はとったのだろうと思いますけれ
ども、事態はそんななまやさしいものではございませんで、特に田畑輪換と申しましても、これはなかなか、今までやって参りました
農民が、そうそれがいいということに理解がついて、踏み切るまでには容易ならぬ。これは実験をしてみせるとか、あるいはいろいろそれについての
政府がある
程度の補償までつけてやらしてみるといったような本腰を入れたものがありませんと、理屈ではそうかもしれぬけれ
ども、とてもそういう大きな転換には踏み切れないということなんです。今のままでいきますと、田畑輪換、田畑輪換といっておりますうちに、実際に末端へいきますときには輪換なんかやらない、そんなことをしないで、たんぼにたるところだけ集めて、たんぼにしてしまうということに終わる公算きわめて大だと思うのです。そうなりますと、最初にも
お話がありましたが、これからたんぼを作るのが目的じゃないとおっしゃいましたけれ
ども、畑地に水を揚げるのが目的だとおっしゃいますけれ
ども、事実はやはり新たに水田を作っていくということに終わってしまう。
ほんとうに新しい形態の
生産性の高い田畑輪換で、収益を今までよりも上げるというふうな形でやるには、その
地帯々々に適応した、
政府自身のきわめて具体的な作付
計画体系から何から全部示しまして、一
地域の中でもまた小さな
地帯別に、ここへ桑畑を集めてこうするのだとか、そういうところまでこまかい
計画ができて、
説明して、なるほどそれはよさそうだという気持にみんながならないうちは、ただ上から言われるからしようがない、判を押すということになる。押したあとどうなるかというと、必ずこれは、途中で脱退するとか、いや金を払わないとかいう問題が当然起こる。しかも、今後の七年間というものは、基本法も施行されますし、いろいろな農業
施策の上にも大きな変化がありますし、経済変動も大きい時期ですから、七年先はわからないのです。七年先がわからないといったら、これは十年先、十五年先はなおわからないと私
どもは言いたいくらいなんです。そうなりますと、その間には工場
地帯になるようなところもずいぶん出てくる。すでに二、三年前に
計画されておったところで、受益
面積に入っておったところで、何とかして工場を誘致したいから、かんべんしてくれというのがあちこちから出てくる。数年のうちには、どんどんそういうところが出てくるのじゃないかと思う。これはよほど初めに、そういう可能性のあるところならば、ここは将来工場なり住宅を持ってくる
地域として、初めから除外してしまう。そしてここはこういうふうにして田畑輪換でやる、ここはこういうふうにしてたんぼにするのだ、ここは桑園にして残すんだというような、最も緻密な
計画をして、その上に今言った
負担の問題は、効果が出てから取るというような方式に改めませんと、途中でどうなるかわからぬというようなときには、とてもこれは払い切れないだろうと思うのです。ですから、これからはこういう大きな
計画については、ただ漫然と、
工事がどんどん建設省の方で進んでいくというようなことではいけないと思いますので、
工事の始まる前に、少なくとも着工されてしばらくたったところでは、それ以上進行しないうちに、その方に力を入れてもらいたいのですよ。どうも総合開発になりますとダムが先にできちゃって、そしてそっちの方で発電
計画とか、あるいは下久保ダムの方でいいますと、東京の飲料水でしょう。そっちの方は
需給関係もきちっと計算がつきますし、能力がきまりますから、これは実にはっきりしておるのです。しかし今度は農業に使う方になりますと、どういう利用
方法をとつて、どれだけの実際の経済効果があるというようなことが全然わからないのですね。ですから、私はどうもこういう形でやられる開発は、
地元から申請があったからやります
——これは形式はそうでしょうが、実際はそうじゃないと思うのです。いろいろ上から出てきた
——多目的ダムから出て参りまして、そこへたまたまそういうものがくっつけられてきた。従って上の方からぐんぐん
計画が押しつけられてくる、こういった形にならざるを得ないのですね。これは本来からして非常にそういう性格を持っておると思うのですよ。ですからそういう
計画については、
農林省としましては、特段の本格的な取り組みをしてもらわないと、幾らわれわれが協力しようと思っても、実際にそれには協力のしようがないということになってしまうと思うのです。ですから先ほ
どもこまごまと具体的な事例の
お話がありましたことは、他にも全部共通するのだということを特に私は申し上げて、早急にその具体的な精密な、
農民を
指導し、
ほんとうに協力して立ち上がれるようなものを
農林省は出してくれと言うのです。それが出せないのではこれは始まらぬ。私はこういうことを第一点に申し上げたいのです。
第二点には、たまたま始まったものを見ますと、今も群馬で実例が出ましたけれ
ども、私のところにも実例があるのです。これは四年
計画で始めて、千何百町歩かのかなり大きな団体営の
事業なんですけれ
ども、忍領の
土地改良、これも荒川の総合開発の中にそのまま入ることになるのですが、これなんか四年
計画で当初始めたものが、七、八年たっておりますが、いまだに幾らも進んでいない。当初の二割も進んではいない。いつごろ終わるのですかと聞いてみると、わかりませんね.十年で終わるか、どうもわかりません、二十年か、どうもわかりません。こんなような調子で、これは事実なんです。その間にやはり
負担金は、
工事をやっちゃったところの
工事費はしようがないとしましても、払えなくなって払わないというものがどんどん出てくるわけです。共通費については今御
説明になった
通り、自分が実際
工事をやる、やらぬにかかわらず、事務所がある限り永久に払わねばならぬ、こんなばかげたことがあるかということになりまして、あれしておるのですが、今そういう点もありますから、ここで
一つお聞きしたいことは、全国でそういうような状態で
計画通り進行せずに困っておる
土地改良区、不振
土地改良区といいますか、あまり振わない
土地改良区についての全国的な御調査があると思うのですが、大体どんな状況にあるかということをちょっとお知らせを願いたいのです。