○田中(織)
分科員 私の申し上げ方が十分でなかったかもしれませんが、原木のままで日本へ持ってきたいという
考えが、先方との話し合いでいれられなくて、パルプとして加工するということにせざるを得なかったのであります。この
関係から見て、創立は、この会社はかなり――昨年の九月で十五期の決算期になっているわけですから、かなり古いわけです。古いわけですけれ
ども、大蔵大臣お認めになるように、三十八年までは返済が据え置きで、まだ返済が開始されない。こういう
関係からくれば、現在の段階において、日本のいわゆる輸入バルブについて、できるだけコストの安いものをアラスカで製造して内地へ持ってくるための、その意味から見れば、長期的な投資として長い目で見てもらわなければわからない、こういう点は、私はあなたたちの言い分がわからないではない。しかし、当面の輸出振興の問題には、この
関係が役立っているとは私は思わないのです。三十八年度以後に収益を上げて返済をしてくるということが始まれば、そのときには輸出振興、実質的な意味における貿易じりの改善に
一つの貢献をするんだということは認められますけれ
ども、私はそういう点から見て、この会社のそういった内容というようなものもあまり国民は知りませんから、そういう点から見れば、輸出入銀行の一年間の、一億以上の大口貸し出しの一割にも当たるものをこの会社が受けている。私はほかの
質問を申し上げたいと思いまするから、輸銀
関係についてはそれ以上伺いませんけれ
ども、たとえばアラビア石油の
関係についても、約五十億近い金が出ておるようであります。この
関係でも、きのうある私の、
経済界におる友人が参りまして、やはり山下さんなんというものはけっこうなもんで、パリで遊んでおる。そういう資金、事業
関係については、必ずしも一部株式新聞に書き立てるような、そういう内容のものではないということもわれわれの耳に入ってくるのであります。私はそういった観点から見まして、一番最初にお伺いをしましたように、言うてみれば、民間産業です、たとえばパルプ会社、アラスカパルプにすれば、日本の木材資源というものに深い
関係もありましょうし、アラビア石油も、日本には原油が乏しいのでありまするから、私はこの事業が成功することを国民の一人として祈るにやぶさかではございません。しかし、やはりこういうものに、野放図ということではなくて、輸銀が相当精細な
審査の上に貸し出しをやっておるということでありますけれ
ども、アラビア石油には相当保守党系の政治家とのつながりを云々せられるような人たちが出てきているだけに、何千億、何兆という
予算が組まれるけれ
ども、それがどういうように扱われているのだろうかと、
予算書を見る国民はひとしく疑問に思うのではないかと思う。その点から輸銀を
一つの実例として私は伺ったわけでありまするが、たとえば開銀の
関係については、具体的にはもう伺いませんけれ
ども、確かに地方開発の資金を出されております。三十五年度は、九州、四国和歌山開発等の
関係で七十億、それに百億ふえて百七十億になる。ところが、私の郷里もこの地方開発資金ワクで出てきておりますけれ
ども、本社が
東京にある会社が開銀の本社へ申し込んだら、これは
一つ地方ワクでやってくれという。ある大きな観光バスの事業会社に対して一億五千万円。開銀の融資先のなには資本金一千万円以上ということになっているから、あなたたちは、地方開発という
関係から見たらやはり――資本金一千万円の会社というものは、たとえば私の和歌山県を例にとりましても、数えるほどしかございません。だから、せっかく開銀の中へ地方開発資金というものを百七十億本年度は入れていただいたわけですけれ
ども、開銀の貸付対象になる会社が、やはり資本金一千万円以上でなければならぬということになると、
ほんとうは地方開発促進法に基づいてわれわれが伸ばしたい郷土産業というものは、開銀を通じての国家資金を受け入れる恩典にあずかれないんですね。観光ホテルを建てるために三億申し込んでおるということも聞きます。そういうことになると、
ほんとうはやはり資本金一千万円以内で、少なくとも、中間をとっても五百万円程度のところにまでは、こうした地方開発の資金は貸し出されなければ、
中小企業を
中心とする地方業産の振興ということに役立たないと思うのでありますが、この点は大蔵大臣いかがでしょうか。開銀の
関係で、地方開発
関係の貸し出しの対象は、特に地方開発に関する金は五百万円くらいまで下げるということ、それから、地方開発の資金ワクの中では、本社が
東京にあって工場はそれぞれ現地にありましても、本社で調達できるというようなのが地方資金のワクなり百七十億の中へ割り込むというようなことは、遠慮してもらうべきではないかと私は思うのですが、この点について、開銀でそれができないということになりますと、たとえば商工組合中央金庫の
関係であるとか、あるいは
中小企業金融公庫の
関係でちょうど開銀の中に地方開発資金のワクを設けたような
考え方を、これは別に
法律がなくても、私は
運用でもできることではないかと思うのですが、必要あれば
法律を変えてでもやっていただきたいというのが、地方の、特に低開発地域の希望だと思うのです。この点についてのお
考えを伺いたいと思うのです。