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河野(密)
委員 非常な決意を持って行かれるのだということであります。
会談は、今
お話によりますと二日ということでありますが、二日の
会談の
あとには当然
共同コミュニケを発表されるのでありまして、
日本としましては、この
日本の
外交政策の将来というものに対して非常なこれはワクがはめられるような結果になるので、この点は十分
警戒をしなければならないことであると思うのであります。
そこで私は
池田総理に率直に
お尋ねしたいのでありますが、
日本政府としては、この
会談に臨まれる際についての
外交方針というものを私は当然はっきりしてかからなければならないと思うのであります。ただ
アメリカ側の
意見を聞くんだとか、打診してみるんだというようなことでなしに、
日本の
考え方をこちらから積極的に出して、
日本国民の希望、願望というようなものを表面に出して、私はむしろ
日本側から
アメリカの反省を求めるというような態度こそが望ましいのではないか、こう思うのであります。と申しますのは、これは世界共通の
考え方であると私は思う。もしそれに反対されるならば、その反対される人だけの見解だと思うのでありますが、世界共通の
アメリカ外交に対する批判というものは、
アメリカ外交というものは実に幼稚なんだ、
アメリカ外交というものは非常に拙劣なものだということは、私は国際的な
評価であると思うのです。そういうことを率直に言うか言わぬかは、これは
池田総理におまかせしますけれども、その
アメリカ外交が金を使って
軍事援助をやって、それにもかかわらず、至るところで反米勢力というものを生み出して、元も子もなくしておるという、
アメリカ外交がきわめて拙劣なものであるということは、これは世界共通の
評価であると私は思うのであります。そこでわれわれはただ
アメリカ外交方針というものに追従するのではなくして、ほんとうにわれわれの願望を積極的に述べて、そうして
アメリカ外交に対して、その拙劣だといわれる点の反省を求めるということが私はこの際一番必要なことではないか、こう思うのであります。特に東西両陣営の接合点であり、核武装の谷間にあり、原子爆弾の洗礼を受けた唯一の国である
日本国民の切実なる希望であるところの積極的なる中立政策というものを
アメリカに理解せしむるということが、私はこの際の最も必要なことではないか、こう思うのであります。
アメリカにおきましても、昨年の安保改定当時におきましては、
日本に対する理解が非常に薄かったように思うのでありますが、最近においては
日本に対する理解も深まり、
アメリカの有識者の間にも
日本の真情というものの理解が深まりつつあるように見受けられるのであります。この間読みましたウォルター・リップマンの中立主義に対する論文なんかもその
一つの現われだと思うのでありますが、幸いにして、
政府の中にも野にあるときからいろんなそういう点に理解のある
意見を発表しておりましたチェスター・ボールズが国務次官になっておりまするし、
日本の大使もライシャワー教授がなられるというようなことで、私は
日本に対する
アメリカの
考え方というものも変わりつつある、また変わらせなければならない、こう思うのであります。そういう
意味合いにおきまして、この
会談を通じて
池田総理から
日本の
立場、
日本の実情から見た
アメリカ外交というものに対する率直なる見解を述べていただきたい。
日本の
国民は積極的な中立政策というものに対して非常な期待を持ち、またそれによってこの東西両陣営の冷戦の中に介入したくはない、いわんや熱い戦争の片棒をかつぐようなことをぜひとも避けなければならないという、この率直なる
気持を私は
池田総理にこの
会談を通じて表明していただきたいと思う。積極的中立政策と申しますると、
池田総理は中立政策は幻想であるとかいうように、総理自身も非常に理解を欠いておられたのでありますが、最近はそうでもないと思うのでありまして、
極東の
情勢から、中立に対する再
評価というものが上がりつつある。ほんとうに共産勢力の浸透を防ごうとするならば、そういうものに対処しようとするならば、これは積極的な中立政策というものが必要であるということが、ウォールター・リップマンの論文をかりるまでもなく、かつて前々からわれわれが主張してきたところでありますが、この点について
池田総理はどういうふうにお
考えになりますか。私は、この点を積極的に
外交方針として打ち出すべきである、
アメリカの反省を求めなければならぬだろう、こう思うのでありますが、依然として従来の
考えのままでありますか、承りたい。