○
猪俣委員 なお私
どもが
調査したところによりますれば、この
旭洋丸が帰ってきたときに——もちろん
洲崎の言うことでありますからどこまで真実かわかりませんが、
境港の
警察署におきまして、彼らは被疑者あるいは被告人になるとは思わぬ、
景山という
警察の巡査
部長が来て一緒に会食をしておる。そして御苦労さまであると言っておる。そうして、何か
向こうから持ってきたものがあるか、その際に海図と、張という
人物が新浦港で上がって
北朝鮮へ置いてきたわけですが、張が渡した手紙、こういうものがあると言ったところが、船に
警察がみずから行ってそれを二品持ってきて、こんなものは適当に処分したがいいなと言って
本人に渡した。そうしてはばかりに行くなら今のうちに行ってこいというようなことを言って、この二つの品物を破棄、壊滅せしめることを暗に示唆した、これがどうしてもわからないと
洲崎は言っております。これも
洲崎自身あるいは
警察のそういう
景山とか中田という巡査
部長が
関係しておりますが、それを
調べないとわからぬということでありますし、皆さんはそんなことは知らないと御答弁になるだろうと思いますが、非常に私
ども疑惑があります。それで
警察におきましても
調べていただきたい。どうもこの出港する際、帰ってきてからの
境港警察署の態度というものにはなはだ疑惑がある。本庁では御存じないかもしれないのですが、何かそこに私
ども理解できないことがある。そのときの言いぐさでは、
海上保安部に見つかるとうるさいから、これは何か適当に処置した方がいいということを言ったという、その辺がわけがわからない。そういう事実が
洲崎から指摘せられておりますので、それに対しても御
調査願いたい。今直ちにここで御答弁もむずかしかろうと存じます。ただ私
ども、はなはだ疑惑に思うわけであります。
そこで私が
警察の方に要望したいことは、それは治安維持は大切でございますが、今国際のスパイ活動なんかに
警察が興味をお持ちになりますと、これはまたとんでもない
警察が誤解を受けるおそれがある。だからこういうことについては、十分なる御注意を願いたい。私は限られた時間ですから、詳しく彼から二時間にわたって聞きましたことを一々ここで反芻して皆さんに御質問ができない。どうしてもこれはこの
委員会へ
洲崎あるいは
江篭平という
船長その他
乗組員をお呼び出しになって、その実情を聞いていただきたいと思うので、私はただ口火を切ったにすぎないのであります。
それから、これは
警察についても、近ごろ治安を保つためという口実でありますが、右翼団体なりに深入りをしてしもうて、どうも疑惑を持たれる行動があることを厳に慎んでいただきたい。たとえば六・一五
事件のときの維新行動隊の石井一昌のなぐり込み
事件——彼は、刑務所におりました際に、私に数回面会を願いたいと言うてきました。それは何の理由であるかと言ったら、
警察に頼まれてやったんだ、だからその真相を申し上げたいと言うてきましたけれ
ども、ああいう
人物でありますので、私はとうとう行かなかった。数回執拗に頼んで参りました。絶対間違いない、私は
警察にだまされたんだ、こういうことを言うて参りました。しかし彼らの言うことをすぐ私
どもが受け取ることも軽率だと存じまして、私は面会もしませんでしたし、
警察に質問もしません。彼は
裁判所に発表したのですから、
裁判所がしかるべき真相を出すだろうと思いまして、思いとどまったのでありますが、先般も私のところへ参りまして、詳細にそれを述べたいと言う。そういう右翼団体の情勢を探るためにある程度彼らと近づきになる必要もございましょうけれ
ども、よほどその辺を御注意なさらぬと、とんだ迷惑を
警察がこうむるおそれがある。
あるいは新潟の日赤センター爆破
事件、これに対しても私
どもにいろいろなことを言うてきておるのであります。やはり車進という
人物が
警察と一緒になって書いた芝居である、そして逮捕せられた
人間はみんな犠牲者なんだということを、車進のごときは
公判廷で述べておるそうであります。現に車進を逮捕にいくときには、警視庁のしかるべき人が同行していって、おとり
捜査みたいなことをやられたはずです。このおとり
捜査も、極端に全部いけないとも言い切れませんが、少し深入りし過ぎているような気がする。こういう事案がありますので、
警察でも、困難でございましょうけれ
ども、あまり深入りなさると人権じゅうりん問題にまで発展いたしますので、よほど御注意をしていただきたいと思うわけであります。
私はなおここで
海上保安庁の方に
お尋ねしたいと思います。この
洲崎利秋という
人物、これが
北朝鮮へ参りますときに、
冷凍機を一台持ち込むことにして、その
冷凍機が
洲崎の手に入った。この
冷凍機は進駐軍の払い下げ品だそうでありまして、何人がその所有者かわかっておりますが、どういう事情でこれをこの
北鮮行きの
人間に渡したか、不可解でございますが、アメリカ製の払い下げ品であることは事実であります。この
冷凍機を
北朝鮮へ持っていくことになって、そこでこの州崎という
人物が
冷凍機と一緒に写真をとっておる。そうしますと、
洲崎の上半身だけを写真に引き伸ばしまして、これを中島なる
人物が
海上保安庁その他へ回して、これは
北鮮のスパイである、そして彼は新潟県知事の北村さんのところへもぐっておる
人物だということで、
海上保安庁や公安
調査庁、そういうところへこの写真を持って回る。そこで呉憲根という架空の
人物、これが新潟県知事の北村さんの宅へもぐり込んでおる
北鮮のスパイだ、これがその
人物の写真だと言って、この
洲崎利秋の上半身だけを引き伸ばしまして各所へ持ち回った。これは
海上保安庁警備第二課にも行っているはずであります。ごらんになったかどうか、その事情を説明して下さい。