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松尾参考人 農民負担の問題につきましては、先ほど
角屋先生からお話もあり、また、今、
日高理事長からのお話もありましたように、現在のところでは、大体反当り四万三千円という当初の
計画通りにいきますが、まだ、その内容につきましては、先ほど申し上げましたように未決定になっております。これについては、今後できるだけ農民の
負担がスムーズにいくように、この地元農民の
営農指導とあわせて、
土地改良区の方と十分協議して、県としても最善の
努力をしていきたい、かように考えております。
それから、次に、
工業用水と
上水道の問題でございますが、当初われわれが
計画いたしました際に、
工業用水につきまして一番悲観的でございまして、当時の一般の
意見で、
工業用水を、
計画して一体売れるのか、もう地下水で十分ではないのか、名古屋でそんなに工業が伸びるわけがないじゃないかというのが、実際に言いますと一般の多くの地元の
意見でございましたが、その後、
計画が進むにつれまして、
工業用水については、予想以上に名古屋の工業地帯が
発展したというような
事情もあり、また、
工業用水につきましては、当初は
計画されなかったのが、国から四分の一の補助金が出るというような
関係もございまして、われわれが通産省の方とトン当たりの料金——これはネットでありませんで契約水量でございますが、この契約水量で大体四円という線で
計画しましたのが、全体としていろいろ料金の決定をする際に、償還を考えて、当初は、おそらくスタートにおいては半分程度しか
供給できないという見通しでおりましたのが、当初から満度に
供給できるというような
関係上、四円という数字で完全に償還できて経営できるという考えでおります。
ところが、
上水道につきましては、われわれは、この水道におきまして、一方水道という
一つの部局で
事業はやっておりますが、
工業用水と
上水道は全部体系を分けて、当初から別途の経理をやっておるのであります。
上水道につきましては、当初
計画しまして、われわれは需要の点についてはむしろ当初からあまり悲観もしておりませんし、現在におきましてもきわめて希望は多いわけでございます。でありますが、何分にも、この地帯は、本格的ないわゆる
上水道を引くとなると非常にむずかしい土地でございまして、
上水道を本格的にするのは、大体大都市ないしは密集地帯というものを対象にして水道というものは
計画されるわけでございますが、私
どもは、知多半島のような水の乏しい土地には、どんなに無理があってもこの機会に水道の水を飲んでいただくような態勢をとっていきたい、従いまして、コストの面は多少無理になっても、南部一帯まで、師崎まで水道をやりたい、しかも、これはできるだけ安全に、将来永久のものでございますから、完全な水道を作りたいという考えでいろいろ
設計を進めておりまして、また、地元側からも、当時はこういうへんぴな部落には水道を持っていくのはちょっと無理じゃないかという村まで、少しぐらい高くなっても仕方がないからぜひ持ってきてくれという意向もありまして、いろいろやりましたが、
愛知用水の
幹線水路の当初の位置というものが変更になった、あるいは
供給地の範囲、あるいは建設費自身も物価の値上がり等を見まして、当初われわれが
計画いたしました当時より、
上水道の方は約四割程度全体的に
工事費がかさんできている。そうした点から言いまして、この料金の決定について、御
承知のように、われわれは、大体県の卸売は十五、六円、それに町村の費用その他考えて大体二十四、五円から三十円の範囲でもってなるべくならば水道料金はおさめたいという考えで当初考えましたが、今申しましたように、その後のいろいろの経費の増加を考えまして、償還という問題を考えますと、どうしても当初の
計画でいきません。それで、本年の予算のときにもいろいろ水道当局とわれわれ財政の
方面とで検討して、県においてもできるだけは一般会計から当分の間は支出もある程度やるという方針で、大体現在卸売についてはトン当たり二十一円という考え方で決定いたしまして、また、町村の料金は、これは町村の実態によりまして非常に違いまして、密集地帯は割合に町村の費用がかかりません。そうした点で、安いのは三十円以下のもありますが、大体三十円ないし四十円ぐらいに現在
末端料金はなるのではないか。それにつきましては、個々の町村の料金は最終的にはまだ決定していません。まあ、こうした点で水道料金については当初の
予定よりはある程度高くなっておりますが、しかし、これは考えようの問題で、とにかく月十トンといたしましても三百円ないし四百円という
負担で、知多半島のあの現在水に不便しておるところにこの水道が入りますれば、これはきわめて必要なことだと思いまして、できるだけ町村ともよく
協力しまして無理のないように今後経営していきたい、かように考えておりますので、よろしく御了承願いたいと思います。