○野原(正)
委員 そこで、大臣が今、米の現行食管
制度というものについてはこれを維持するのだという抱負をはっきりと明確にされました。実は、この基本問題
調査会が答申しました、特に
価格政策の中での米の
価格と
管理というものについては、これは必ずしも明確でないのでございます。「米の
管理は、供給著たる農家に対して
価格安定の機能をもち、
所得の均衡的
効果に資するとともに、他方、消費者家計に対して特に減収等の異常な事態に対してもなお
価格と供給の安定を期し縛るものでなくてはならない。」、あるいはまた、「需給の円滑および
価格の安定を期しうるような市場構造を考える必要があろう。そのような市場構造としても種々考えられるが、その一つとして次のような考え方がある。需給の操作及び
価格の安定に必要な数量は
政府が買い入れ、
生産者は
政府に売却の義務があるものとし、
政府は主として消費地のためにこれを売却する。この場合この数量をこえる部分についても、
生産者の申込みにより
政府は買入れの義務を持つものとする。ただし、買入
価格については売却義務によるものとの間に
格差を設ける。」ということがある。「(イ)
管理の対象たる米の買入、売渡
価格は、米の再
生産、消費者家計、需給事情等を参酌したうえで一元的関連のもとに定めることとする。この場合・米の再
生産は、上述の意味で
所得均衡を目標とした再
生産である。」というようなこともありますが、このあとの方の(2)に非常に重要な問題が指示されておる、まあ一つの示唆があります。「むろんこれに対して現行
制度のあり方と
運営をそのまま継続すべしという見解もあり、また他方いわゆる間接統制に移行すべしとの見解もありえよう。」、どうも、基本問題
調査会の答申を流れておるものは、あまり断定的なことを言わないで、
政府の賢明なる
施策に待つというような示唆に富んでおるということになるわけでございますが、特にこの点などは、何か読み方によるといろいろなふうに見られる。現在の食管
制度はもちろん完璧なものとは申しがたいわけでございますが、いろいろと矛盾もあるというような点から、議論としては間接統制とかいろんなことがございます。そういうことを強く言う方もございます。私どもは、現在の米の食管
制度というものの中身については非常にあきたらない面もございますので、これはできるだけ
生産者も消費者も十分納得できるように改善をしていただくという必要はあると思います。しかし、その本質はあくまでも食管
制度というものは貫いていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。その点についての
政府のお考えを伺いたいと思います。
次に、麦の
価格と
管理というものについては、基本問題
調査会もだいぶ頭をひねったところだと思うのでございますが、麦の問題については必ずしもはっきりしておりません。「麦の
管理のあり方を歪曲しておる内麦買入
価格と麦の売却方法を是正する必要がある。」としまして、「(ア)内麦の
価格支持のための
食糧管理特別会計の負担の合理的処理をなすこと、輸入外麦の品質と
価格について需要者の必要により的確に反映させるため
管理の弾力化を図ることを考慮する必要があろう。(イ)麦作は作付体系において重要な
地位を占めているので、内麦の買入
価格については、逆ざや相当分程度は裏作飼料作物を含めた反別補助と麦作
合理化の補助への切替えを考慮すべきである。なお、反別補助等への切替えについては、同時に作物保険の機能を取り入れることもあわせて考慮する必要があろう。(ウ)麦価の支持水準は、麦作の
合理化に伴い漸次引き下げられるべきであろうが、その際も主産地の
生産者手取りについては、少なくとも現在程度の水準を維持すべきである。(エ)麦の売却には、現地売却、競争入札の方法を大幅に取り入れる要がある。」というように、麦についてはだいぶ苦労したように、これを見ましても出ております。麦については麦対策
委員会の答申もございまして、大体、基本問題
調査会が答申しておったこのような麦作の転換対策と
合理化に対する補助金を出すことによって麦の買入
価格を漸次
自由化の線に持っていこうというような考え方が、いわば非常な経済合理主義的な立場で答申がなされたわけであります。これに対しまして、
政府では、そういう立場でいくことが基本政策との関連において非常に問題があるということから、これまた非常な御苦労の上で今日お示しになったような麦の転換対策ということになったわけでございます。むしろ、この基本問題
調査会の麦の
価格と
管理に対する考え方よりも、
政府の考え方の方が一段と明確になっておる。おそらくその点においては
生産者も十分私は理解されることと思う。米と麦に対しましての
政府のお考えを、この際一つ明確にしていただきたいと思います。