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足鹿委員 これは
一つの事例ですが、私のところで、養蚕が不況である、たばこも減反であるというので、農林二号のカン桃を相当入れたのです。ところが、それを入れる場合に、
農林省にいろいろ実情を聞いてみた。私も、協同組合長をしておる関係で、責任がありますので、その代作の研究をした。どうもカン桃がよろしかろうというので、現在四十町歩ほど入れて、もうことしから
生産を開始しておりますが、安いのですね。とても安い。その安いことについて、先年平塚へ行きましたときに、あそこの場長さんに専門的にいろいろ伺ってみた。ところが、従来、日本のカン詰技術というものは、肉のやわらかい白桃を
中心にカン詰の仕事をしておる。それが、
農林省が奨励しておりますところのカン桃農林二号によりますと、肉質はかたいし、作業はきわめて簡単で、煮くずれもないし、相当手間は省けるというのです。むしろ黄肉種の方がいい、これに切りかえていくことは非常にけっこうだと思うということなんでありますが、
農林省の特産課方面に聞いてみると、海外の開拓ができません。従って現在は九十五円
程度で取引されておりますが、大体
農家の気持としては百二十円というところが他作物との権衡から見て妥当な
価格だと言っておりますが、私もそうだと思います。ところが、なぜ、そういう点くずれのない、加工技術も簡単にいくものが、今のような白桃並みの
価格でしんぼうしなければならぬかというと、これは
農林省の指導よろしきを得ない。
農林省もとにかく値段を下げることばかり考えておられる。ところが、もっとコストを下げていく方法も現にできておるわけであります。私は、もう何かというとカン詰業者の言い分を
中心に
一つの標準
価格ということについて考えておられるのではないかという疑いを持つ。特に、このカン詰業界の機構というものは、集中独占化しておりますし、
産業別によく整理されております。中央で値段をきめて、それを末端に流してくる、こういう形になっておるわけであります。その中央の
価格をきめる規格とか標準というものは、
農林省がどうもタッチしておられるらしい。もっと
生産者の立場に立って、これが有利なものであるということになれば、相当伸びるのではないかと思ったら、あまり伸ばしてもらっては困るというのです。一体だれの立場に立っておるのか。この
振興局所管のこれらの新しい対策というものを進めていく場合には、もっと真剣に、新しい立場に立って、将来の展望に立って御検討なさらないと、業界のひもがついたり、あるいは業界の意向に左右されたり、そういうことでは、
果樹の
振興ということは、はからざる障害にぶつかってくると思います。現在の国内の
流通機構上における
改善の問題もたくさんありますが、どうも私は問題があるように思いますので、この点については、とくとこの機会に指摘をしまして、公正な
価格ができ上がって、そして
生産者も喜んで、他作物から
転換しても、採算もとれ、将来が明るいという方向に
一つ御善処を願っておきたいと思います。これには別に御答弁は要りません。
その次に、共同化対策の問題について若干お尋ねを申し上げてみたいと思います。
生産から出荷、消費に至る一貫的な共同化ということがいかに有利であるかということは、今さら申し上げるまでもなく、他の人々からもずいぶんこの点については論じられたように思います。そこで、私は、
政府は自立
経営を
農業基本法において
中心に考えておるようでありますが、一面において協業化なり共同化という点についても無関心たり得ない、それも進めるのだということを考えておるようでありますが、そういう面から考えてみまして、
生産面については先ほど触れましたから、
一つ三条の二項の三のイ、ロ、ハ、ニのニの点について、「選果
施設その他果実の収穫、集荷、貯蔵又は
販売のために必要な
施設」という条項がありますので、これに
関連をしまして、自治省もおいでになったようでありますから、
一つ具体的な問題としてお尋ねを申し上げたいのであります。
最近、この規格の統一されたものを適期に適量に入荷してもらえば値段もいい、こういうことで、この資本主義体系下にあっても、
一つの限界はありますが、少なくともその他の出荷よりも一割以上の有利な取引が行なわれていることは御存じの通りであります。こういう点から、私どもの県で、二十世紀のマンモス選果場というものが、去年の七月に完成をいたしました。敷地は六千五百五十平方メートル、建坪は鉄骨平屋建千九百五十七平方メートル、実にりっぱなものであります。堂堂たるものが山陰線の窓からすぐ見えるところに建っております。この
経費は二千九百二十五万円という巨費を投じまして、東郷果実農協というのがその
経営管理に当たっておるわけでありますが、集荷区域は東郷町全部でありまして、三百七十戸、集荷面積は大体八十ヘクタール、こういうことになっております。県下の年間輸出量は十三万五千五百九十三ケースでありまして、年間の
生産量は鳥取県におきましては十六万二千箱ということになっておるのであります。二十世紀の産地としてお互いがこの問題については関心を持っておるのでありますが、設備としては重量選果機五台、年間の稼働日数は六十日間でありまして、これは最大限度であります。八月下旬から十月上旬までであるわけでありますが、一日平均七百人前後の労働者を入れまして選果に当たっております。ところが、これに大きな問題が
一つ出てきた。それは課税上の問題であります。固定資産税の問題、不動産取得税の問題、登記税の問題等で、みな合わせますと相当巨額なものが出てきておるわけであります。ところが、年間で最大限度使って二カ月、実際は一月半余りがいいところであります。ナシの最盛期はそういうものであります。これに税がかかってきたために、
理事者としては非常に困っておる。一方においては、市場の有利な取引もありまして、市況は順調に進んでおります。一方においては、共同選果場を作れ、そしてそれには資金の融通もやるというふうに
農林省が指導奨励し、低利資金も貸しておるようなもの、しかも年間稼働しないものに、
一定の固定資産税率でもって課税するということは、少し酷ではないか。少なくとも固定資産そのものはなるほど
一定の価値あるものでありましょう。しかし、その固定資産は、その
利用価値によって判断されなければ、課税標準というものは適正化されないと思う。そういう点から考えまして、私は、当然これは稼働日数
期間中の課税でなければならず、また、それに
関連するところの
関連課税が行なわれてしかるべきものではないか、こういうふうに思うのであります。そういう点につきまして、先般も予算
委員会の席上において
農林省と自治省との間にこの点について十分検討願いたいということを御要望申し上げておきましたが、幸いきょうは自治省がおいでになっておるということでありますので、その点について
調整の方法はあるかないか、いろいろ御検討願っておると思いますが、
一つこの際明らかにしていただきたいと思います。