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1961-03-02 第38回国会 衆議院 農林水産委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十六年三月二日(木曜日) 午前十時五十九分
開議
出席委員
委員長
坂田
英一君
理事
秋山
利恭
君
理事
大野 市郎君
理事
小枝
一雄
君
理事
小山
長規
君
理事
石田 宥全君
理事
角屋堅次郎
君
理事
芳賀 貢君 飯塚 定輔君 倉成 正君
田口長治郎
君 田邊 國男君
舘林三喜男
君 谷垣 専一君 中馬 辰猪君 綱島 正興君
寺島隆太郎
君 中山 榮一君 野原 正勝君 福永 一臣君 藤田 義光君 本名 武君 松浦
東介
君
松田
鐵藏
君
森田重次郎
君 八木 徹雄君
足鹿
覺君 北山
愛郎
君 東海林 稔君
西村
関一
君 山田
長司
君 湯山 勇君
出席政府委員
農林政務次官
井原
岸高
君
農林事務官
(
農林経済局長
) 坂村
吉正
君
農林事務官
(
農地局長
) 伊東 正義君
農林事務官
(
振興局長
)
齋藤
誠君
委員外
の
出席者
農林事務官
(
振興局園芸課
長) 石井
一雄
君 専 門 員 岩隈 博君
—————————————
三月一日
委員西村関一
君
辞任
につき、その
補欠
として細
迫兼光
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員
細
迫兼光
君
辞任
につき、その
補欠
として西 村
関一
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二日
委員金子岩三
君
辞任
につき、その
補欠
として松
田鐵藏
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員松田鐵藏
君
辞任
につき、その
補欠
として金
子岩三
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
三月一日
農業近代化資金助成法案
(
内閣提出
第一〇八 号)
農業信用基金協会法案
(
内閣提出
第一一一号)
農業協同組合合併助成法案
(
内閣提出
第一一二 号)
農業協同組合法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第一一三号)
農地法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一 一四号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
農林漁業金融公庫法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第九八号)
果樹農業振興特別措置法案
(
内閣提出
第九九 号)
開拓融資保証法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第一〇〇号) ————◇—————
坂田英一
1
○
坂田委員長
これより
会議
を開きます。
開拓融資保証法
の一部を
改正
する
法律案
、
果樹農業振興特別措置法案
及び
農林漁業金融公庫法
の一部を
改正
する
法律案
を議題とし、まず
政府
に
提案理由
の
説明
を求めます。
井原農林政務次官
。
—————————————
井原岸高
2
○
井原
政府委員
ただいま
提案
されました
開拓融資保証法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案
の
理由
を御
説明
申し上げます。 戦後の
開拓事業
もすでに十五年を経過し、現在約十五万戸の
農家
が
開拓地
において
農業経営
を続けております。これら
開拓農家
のうちには、一部安定的な
経営
を
確立
しているもものありますが、反面、
営農
の
基盤
がいまだ十分に整備されず、
経営
不振に悩んでいる
農家
も相当あるのであります。
政府
としましても、
開拓地
における
営農
の現状にかんがみまして、その
振興
をはかるべく、
昭和
三十二年以来、
開拓営農振興臨時措置法
に基づき、
営農振興対策
として諸般の
施策
を実施いたしておりますが、昨年からは、
開拓者資金融通法
による
政府
の
貸付金
の
償還条件
の
緩和等
に関する
特別措置法
によりまして、
政府資金
についてその
償還条件
を緩和する
措置
を講じているのであります。なお、現在実施いたしております
営農振興対策
について、その
目標
及び実施の
方策
に関して再検討すべきであるという意見もありますので、
開拓営農振興審議会
を
設置
して、
振興対策
の
方策
をいかに
改善
すべきか御
審議
願っております。
政府
といたしましては、
審議会
の結論ともにらみあわせ、
改善
を加えるべき点については
改善
を加えて、
振興対策
の促進をはかって参りたいと
考え
ておりますが、
開拓者
の
営農
も逐次伸長を見せておりまして、
経営資金
に対する
需要
も増加して参っております。
開拓者
が必要とする
営農資金
のうち、
農畜舎
、大農具、大
家畜等
の
基本的施設
については、
開拓者資金融通法
による
政府
の
貸付金
及び
農林漁業金融公庫資金
を
融通
することになっておりますが、肥料、飼料、農薬、
肥育牛
その他
中小家畜
など、短期、中期の
資金
については、
開拓融資保証法
により
債務保証
を行なって、
系統機関
からの
経営資金
の
融通
が円滑になされるよう
措置
して参っております。
開拓融資保証制度
の仕組みといたしましては、
中央
及び各
都道府県
の
開拓融資保証協会
が
開拓農協
の
債務
を保証する建前になっておりまして、
中央開拓融資保証協会
の
資本金
五億九千五百六十二万円のうち、四億九千万円は
政府
が出資いたしております。しかし、
開拓者
の
資金需要
の
増大
により、現在の
資本金
による
融資ワク
では不十分でありますので、
昭和
三十六年度において、
中央開拓融資保証協会
に対する
政府
の
出資金
をさらに五千万円
増額
して、
資本金総額
を六億四千五百六十二万円とし、
融資ワク
を
増大
して
営農資金
の
融通
を一段と拡充し、
開拓者
の
資金需要
の
増大
にこたえて、
開拓地
における
営農
の
確立
を促進しようとするものであります。 以上が、
開拓融資保証法
の一部を
改正
する
法律案
の
理由
であります。何とぞ慎重御
審議
の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。 引き続き、ただいま上程されました
果樹農業振興特別措置法案
の
提案
の
理由
を御
説明
申し上げます。 今後の
わが国農業
の
発展
に大きな役割を果たすことが期待される部門の
一つ
として
果樹農業
があげられていることは御
承知
の
通り
でありますが、最近における
果樹農業
の急速な
成長
は、これを裏づけているものと思われるのであります。 今その粗
生産
について見ますと、
昭和
二十五年度に比し、
昭和
三十四年度はおおむね三倍に近い伸びを示しており、
農業
総
生産額
中に占める割合も約五%という大きな比重を持つに至っているのであります。また、今後の
見通し
につきましても、
果実
の
需要
は大幅に
増大
し、これに見合ってその
生産
の
拡大
が見込まれるのであります。 このような趨勢にある
果樹農業
を今後さらに安定した
発展
の軌道に乗せ、
国民経済
の
成長発展
に即応した
農業生産
の
選択的拡大
と
農業経営
の
近代化
に資するためには、国及び
都道府県
による各般の
施策
が講ぜられなければならないと
考え
るのであります。 特に、将来の
果樹農業
の健全な
発展
をはかるためには、
流通
、
加工等
の
改善合理化
と並んで、
果実生産
の
安定的拡大
を
目標
としつつ、
栽培適地
において合理的な
果樹園経営
を
確立
せしめることが必要と
考え
られるのであります。このためには、
果実
の
長期的需結
の動向に即応した適正な
果樹
の
植栽
と
果実
の
生産
を誘導するとともに、今後の
果樹園経営
の
合理化
の方向が
生産
から
販売
にわたって
集団
的にかつ一貫して行なわれるようにすることにあるのにかんがみ、その
基礎条件
である
樹園地
の
集団化
と、効率的な機械、
施設
の
導入等
を
計画
的に推し進めることが緊要と
考え
られるのであります。 この
法律案
は、右に申し述べました趣旨に基づき、
果樹
についての
長期見通し
を立てるとともに、合理的な
果樹園経営計画
に基づく
樹園地
の
集団化
及び
農作業等
の
共同化
を積極的に推進する等、
果樹園経営
の
基盤
の
確立
のための
措置
を講ずるほか、
果実
の
流通
、
加工
の
合理化
に資するための
指導措置等
を講じ、
果樹農業
の健全な
発展
に寄与しようとするものであります。 次におもな
内容
について御
説明
申し上げます。 まず第一に、
果実生産
の
安定的拡大
に資するため、
農林大臣
は、
果実
の
需要
の
長期見通し
に即して、主要な
果樹
の
種類ごと
に、
植栽及びその果実
の
生産
についての
長期見通し
を立て、これを公表することといたしております。 第二に、
果樹農業者
の
集団
または
果樹農業者
が
構成員
となっている
法人
がその
果樹園経営
の
合理化
をはかるため
果樹園経営計画
を作成しようとする場合に、国及び
都道府県
がこれに適切な
指導
を行なうこととするとともに、
当該経営計画
について
都道府県知事
の
認定
を受けた者に対し、
農林漁業金融公庫
からの
植栽資金等
の
貸付
並びに国及び
都道府県
による
助言指導等
を行なうこととしております。 第三に、国及び
都道府県
は、
果樹農業
の健全な
発展
並びに
果実
の
流通
及び
加工
の
合理化
に資するため、
生産
、
流通
、
価格等
に関する
情報
の
提供
、
果樹農業者
に対する
優良苗木
の
供給
の
円滑化
のための
援助
、その他
果樹農業
の
振興
のために必要な
援助
を行なうように努めることといたし、また、これとも関連して、
果実
の
生産
、
販売等
についての
報告
を徴収することができることとしております。 第四に、
果樹農業
の
振興
に関する
重要事項
を
調査
審議
するため、
農林省
に、
果樹農業振興審議会
を
設置
することといたしております。 第五に、以上と関連して、
附則
で
農林省設置法
及び
農林漁業金融公庫法
に
所要
の
改正
をほどこしております。 以上がこの
法律案
のおもな
内容
でございます。 何とぞ慎重御
審議
の上すみやかに御可決下さいますようお願い申す次第であります。 次に、ただいま
提案
になりました
農林漁業金融公庫法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
を御
説明
申し上げます。
農林漁業金融公庫
は、その設立以来八年、
農林漁業
の
生産力
を
維持
増進するために必要な
長期
かつ
低利
の
資金
を
融通
して参っております。この間
公庫
の貸し付けて参りました
資金
の
総額
は、
昭和
三十五年度末において約三千二百億円、その
融資残高
は約二千百億円に達する見込みでありますが、
昭和
三十六年度におきましては、前年度に引き続き、
重要農林漁業施策
に即応して、
農林漁業
の
生産基盤
の強化と
経営
の安定に必要な
資金
の
融通
を行なうこととし、
資本金
の
増額
、新たな
業務
として
林業経営
の
維持
及び
改善
に必要な
資金
の
貸付等
の
措置
を講ずるため、本
法律案
を
提案
した次第であります。 以下
農林漁業金融公庫法
の
改正
の
内容
について御
説明
申し上げます。 第一点は、
資本金
の
増額
であります。
昭和
三十六年度における
公庫
の
貸付予定計画額
は六百億円でありまして、前年度に比較して八十三億円の増加となっておりますが、この六百億円の
貸付
を行なうための原資は、年度内の
資金交付所要額
を勘案いたしまして、
一般会計
からの
出資金
九億円、
産業投資特別会計
からの
出資金
八十億円、借入金といたしまして
資金運用部
から二百六十八億円と
簡易生命保険
及び
郵便年金特別会計
から五十七億円、並びに
回収金等
百五十億円、合計五百六十四億円となっております。以上の
通り
、
政府
が
一般会計
及び
産業投資特別会計
から八十九億円を出資することとなっておりますので、現行の
資本金
に関する
規定
を
改正
することにいたしたのであります。 第二点は、
公庫
の新たな
事業
として
林業経営
の
維持
及び
改善
に必要な
資金
の
貸付
を加えることであります。
林業
は、その性格上特に
長期
かつ
低利
の
資金
を必要とするものであり、従来とも
公庫
は
造林資金
、
伐採調整資金等
の
長期低利資金
を
融通
して参りましたが、今回さらに農山村においてみずから
森林
の
経営
を行なっている者に対し、その
森林
の
保全管理
、
造林
のための土地の
取得等
その営む
林業経営
を
改善
するために必要な
資金
、及び
疾病等
の原因により
林業経営
を
維持
することが困難となった場合におけるその
林業経営
を
維持
するのに必要な
資金
を
公庫
が貸し付けることができることとするよう、
所要
の
改正
を行なうものであります。 第三点は、
理事
の増員であります。
公庫
は従来四人の
理事
をもって
業務
を執行して参りましたが、
事業
の
拡大
に伴う
事務分量
の
増大
に対応し、その執行をさらに適正にいたす必要がありますので、
理事
の定数を一名増加する必要があり、
所要
の
改正
を行なうものであります。 以上がこの
法律案
を
提案
する
理由
及びそのおもな
内容
であります。何とぞ慎重御
審議
の上すみやかに御可決下さらんことをお願いいたす次第であります。
坂田英一
3
○
坂田委員長
次に、
果樹農業振興特別処置法案
の
補足説明
を求めます。
齋藤振興局長
。
齋藤誠
4
○
齋藤
(誠)
政府委員
ただいま
提案
になりました
果樹農業振興特別措置法案
につきまして
補足説明
をいたしたいと思います。 ただいま
提案理由
にも申し上げましたごとく、最近において
果樹農業
は急速な進展を見ておるわけでございますが、さらにまた今後の
成長農産物
といたしまして特に増産の大きく期待されるものでございます。かような状況にかんがみまして、
果樹農業
の今後健全な
発展
を期しますことが何より現在重要なことと
考え
るのでございます。
農林省
といたしましては、これに即応いたしまして
果樹行政
の機構につきまして整備をはかって参ったのでありますが、今後におきましても
果実
の
生産
、
流通
、
加工
の分野にわたりまして総合的な
施策
を必要と
考え
るのであります。このような情勢にかんがみまして、特に
果樹
につきましては従来
行政部面
におきましては非常な立ちおくれを見ておったのでございますが、当面の
措置
といたしまして、
果樹農業
の健全な
発展
を期する
意味
におきまして、これに対する
援助
の
措置
を講ずる必要がある、かような観点から、実は、昨年第三十四国会におきまして、
果樹農業振興特別措置法案
を
政府
といたして
提案
いたしました次第でございます。この
法案
につきましては、御
承知
のように、
審議未了
、不成立という形に終わったのでございますが、この
法案
に基づきまして、その後の三十六年度におきまする
農林省果樹関係
の
予算等
の事情も織り込みまして、今回あらためて
果樹農業振興特別措置法案
を
提案
いたした次第でございます。で、従来の
法案
との比較をいたしながら
法案
の概要につきまして若干補足的な
説明
をいたしたいと
考え
ております。 本法の柱といたしまして、第一は、
果樹
に関する
長期
の
見通し
を立ってこれを公表することにいたしたのでございます。 第二点は、合理的な
果樹園経営
の
確立
をはかりまして、これに対する
指導
、
融資
の
措置
を講ずることにいたしたのであります。 第三点は、
流通
、
加工
の
合理化等
の、
果樹農業
の
振興
のための国及び
都道府県
の
援助措置
を
規定
いたしたものでございます。 第四点は、
果樹農業振興審議会
の
設置
をはかったわけでございます。 逐次
内容
につきまして申し上げたいと思いますが、第一の
長期
にわたっての
果樹生産
の
見通し
についてでございます。これは第二条に
規定
いたしておるところでありまして、この
規定
は先般
提案
いたしました
果樹農業振興特別措置法案
にはなかった条文でございます。言うまでもないことでございますが、
果樹
につきましては、永年作物でございますので、今後の
長期
にわたる
需要
、
生産
の
見通し
を立てまして、これに基づいて
指導
をしていくことが必要であろうと
考え
るのでございます。そこで、本
法案
におきましては、
農業基本法
においても
農産物
の
長期
の
生産
及び需給の
見通し
を立てるということにいたしておりますので、これらに即応して、主要な
果樹
の
種類ごと
に、今後の
植栽面積
であるとか、あるいは
果実
の
生産
の
長期見通し
を立てましてこれを公表し、さらに、これによって
一般
の
果樹農業者
の今後の
果樹園経営
についての指針といたす、かような
考え方
をとった次第でございます。 なお、二項においては、
果樹
のおのずからの性質からいいまして、
立地条件
に左右される部分が非常に多いのでございます。そういう見地から、これらの
果樹
の
振興施策
を講ずるにあたりましては、
地域ごと
の特性を十分に考慮して
施策
を講ずるという
一般
的な
指導理念
をここで明らかにいたしたわけでございます。 それから、第二の、合理的な
果樹園経営
の
確立
のための
措置
でございます。第三条から第五条にかけてその
関係
の
規定
を書いておるわけでございます。 第三条、第四条の
果樹園経営計画
については、先般
提案
いたしました
法案
の体裁といたしましては、
果樹振興資金
の
貸付
を受ける場合においては、
果樹園経営計画
を立てまして、それが
知事
の
認定
を受けた場合に
貸付
を行なうことにいたしておったのでございますが、今後の
果樹園経営
の健全な
発展
をはかりますためには、
果樹園そのもの
の
経営計画
を
指導
するということが必要であろうと
考え
るのであります。つまり、
資金
を受けるというのはその
援助
の
一つ
でございまして、
果樹園経営計画そのもの
についての適当な
計画
を
指導
する、これに対して
都道府県
あるいは国が
指導
援助
するということが必要であろうと
考え
るのであります。そこで、今回は、
果樹園経営計画
につきましては、
果樹農業者
が二人以上共同して
植栽
を行なおうとするもの、あるいは
果樹農業者
が
構成員
となっている
法人
が、その
経営
の
合理化
をはかるために
果樹園
の
経営計画
を作成しようとする場合においては、国、
都道府県
がこれに適切な
助言指導
を行なうように
認定制度
というものを設けることにいたしたのでございます。 かような
認定
の
申請
がありました場合に、
申請者
によりましてはこれを達成するために
公庫資金
が必要である、あるいは今回
提案
になりました
農業近代化資金
の
融通
を受けてやりたい、こういう者も出てくるわけでございます。出てきました
計画
によって、国なり
都道府県
なりは
近代化資金
の
融通
をするというふうなあっせんを行なう場合もございます。しかし、
公庫資金
で金を借りたいという者もあるわけでございます。そこで、
公庫資金
を借りたいという者については、今申しました
知事
の
認定
を受けました場合においては、
一定
の
条件
に該当する者については
資金
の
融通
をする、こういうことにいたしたのが今回の
内容
でございます。 この
果樹
の
経営計画
の
指導
に要する
予算
といたしましては、本年度六百六万円の
予算
を計上いたしておる次第でございます。 それから、次に、この
対象
とする
果樹
の
種類
でございます。現在、
果樹
の
種類
につきましては政令で定めることになっておりますが、予定いたしておりますものは九
種類
でございまして、柑橘、リンゴ、ブドウ、ナシ、桃、桜桃、ビワ、カキ及びクリの九
種類
について予定いたしております。 それから、今申しました
認定
を受ける者につきましては、個人である
果樹農業者
または
果樹農業者
が
構成員
となっている
法人
ということにいたしておりますが、いわゆる
農業法人
が
果樹園経営
を営む場合におきましてはこれも
対象
にするという
考え
でございますが、この
農業生産法人自身
の
取り扱い
につきましては、今回
提案
を予定されておりまする
農地法
の一部
改正
の
法律案
によりまして、
附則
で
特別措置法
を
改正
いたしまして
対象
にいたす、こういう
取り扱い
をいたしております。 それから、
公庫
の
貸付金
の
関係
は第五条に書いてございますが、これは先般の
法案
の
内容
と同様でございまして、一応
貸付
の
条件
といたしましては七分以内と
法律
では書いてございますが、実際の
貸付条件
といたしましては、
据え置き期間
を十年以内といたしまして、その間は六分、
償還期限
は十五年以内といたしまして、その間七分とする
考え
でございます。これに要する
果樹
の
植栽資金
といたしましては、本年三十六年度の
資金計画
といたしまして十億を計上いたしております。 それから、先ほど申し上げました
経営計画
を
申請
いたしまして
知事
に
認定
を受けることになっておりますが、
そめ適否
についての
基準
を第四条で書いております。主要な
考え方
といたしましては、今後の
果樹園経営
を
健全化
していくためには、
生産面
における
合理化
、
能率化
という点を
考え
てみますと、どうしてもある程度
集団
的な
栽培
が必要である、のみならず、
果樹そのもの
が
商品生産
でございますので、
一定量
の
出荷単位
が必要であるということを
考え
まして、この
経営計画
の
対象
になっておる
樹園地
につきましては
集団化
ということを
条件
といたしております。この
集団地
の
対象面積
といたしましては、現在、われわれといたしましては、一応
計画対象
の
樹園地
を
目標
といたしまして、おおむね十
町歩
以上
集団
して所在しておるということを
条件
といたしまして、さらに、
立地条件
につきましては、
気象条件等
の最低の
限界条件
を設けて、この
条件
に該当することを
一つ
の
認定基準
として
考え
ておるわけでございます。 ただ、現在におきます十
町歩
という
考え方
につきましては、これは、現在すでに
樹園地
化されているということを必ずしも必要とするものではないのでございまして、将来
植栽
されるものを含めて
計画目標達成
時までにおおむね十
町歩
以上に
集団化
するということをすればよろしい、こういう
考え方
をもって、この点については弾力的な
運用
をするように省令を
規定
していきたい、かように
考え
ておる次第でございます。 第四といたしまして、
流通
、
加工
の
合理化等
の
果樹農業
の
振興
のための国及び
都道府県
の
援助措置
について
規定
いたした条項がございます。第六条、第七条がこれに該当するわけでございます。 第六条は今回特につけ加わったものでございますが、今後の
果樹
の健全な
発展
をはかっていきます場合におきましては、やはり、
果樹自身
が
商品生産
でございますので、一面
長期
の
需要
及び
生産
の
見通し
を策定することが必要であると同時に、できましたものにつきましては、
流通
、
加工
の
部面
におきまして
合理化
をはかっていくということが必要であろうと思うのであります。特に、
果実
につきましては、できたものが一時に
流通
するわけでございますので、一面
出荷面
における
計画性
を持たせると同時に、今後
需要
の
開拓
の余地の多い
加工部面
につきましても、合理的な
取引
ができるような方法を
考え
ていく必要があろうと思うのであります。そういう
意味
におきまして、現段階におきまする
行政措置
といたしましては、これらの
果実
及び
果実
の
製品
につきまして、
生産
、
集荷
、
貯蔵
、
販売
、
価格等
も含めまして国及び
都道府県
が定時的に
調査
をいたし、一方、各府県あるいは
ブロックごと
に定時的な
協議会
を開催することにいたしまして、これに
情報
を流し、結果におきまして、だんだんに
計画出荷
あるいは
加工業者
との
取引
の
合理化
ということが行なわれるように
指導
して参りたい、その結果
果樹農業者
の所得の安定と
経営
の
健全化
をはかって参りたい、かような
考え方
に基づきまして第六条を今回新しく挿入いたした次第でございます。 なお、これに関連いたしまして、第八条で
報告徴収
の
規定
を今回新しく挿入することにいたしました。今申し上げましたような
果実
及び
果実製品
の
生産
、
集荷
、
貯蔵
、
販売等
の
事業
を行なう者に対しまして、これに関する必要な
報告
を徴収するという
規定
を設けたわけでございます。 なおまた、第七条におきましては、今申し上げました
調査
並びに
情報提供
の以外に、
一般
的な国の
援助
、
指導
を書いてございますが、その中で、特に第七条におきましては、
一般
的な
助言
、
指導
のほかに、
優良苗木
の
供給
の
円滑化
のための
援助
という
規定
を特に挿入いたしたわけでございます。これは、今後の
果樹
の
生産
が
増大
するに応じまして、
苗木
の
需要
がふえて参りますことは当然でございますが、同時に、優良な
苗木
の
供給確保
ということが当然必要になってくるわけでございます。これに関連いたしましては、三十六年度
予算
におきましても
優良苗木
の
供給確保
の
措置
の
一つ
といたしまして
予算
を計上いたしたのでございますが、今後この
部面
におきましても
行政
の拡充をはかっていく必要があろうと思うのであります。そういう
意味
におきまして、第七条に今申しました
規定
を挿入いたしたわけでございます。 これらに関連いたしまする
予算
といたしましては、蔬菜を含めまして
果実
の
生産
、
集荷
、
貯蔵
、
販売等
の
調査
に要する
経費
並びに
協議会設置
の
経費
といたしまして二千三百六十一万三千円を計上いたしたのであります。また、
苗木対策
の
予算
といたしまして八百五十五万四千円を三十六年度に新たに計上することにいたしたのでございます。
果樹関係
の全体の
予算
といたしましては六千四百六十万円を三十六年度
予算
に計上いたしたのでございます。なお、これ以外に、
試験研究
に関する
経費
であるとか、あるいは他局にまたがるものでございますが、たとえば農林経済局における
中央
卸売市場に対する
施設
費の
関係
の
予算
であるとか、あるいは
果樹関係
の輸出
振興
に要する
予算
の
経費
等を別途計上いたしておる次第でございます。 第四番目は、
果樹農業振興審議会
の
設置
でございまして、
農林省
の付属機関として、
果樹農業
の
振興
に関する
重要事項
について
調査
審議
する機関といたしまして
審議会
を
設置
することにいたしたのでございます。先ほども申し上げましたように、
果樹農業
の全般的な
振興
につきましては、今後
生産
、
流通
、消費にわたりまして各般の
施策
をさらにさらに拡充強化して参る必要があろうと
考え
るのでございます。そういう
意味
におきまして、本
法案
はその
一つ
の
措置
としての
特別措置法
案でございますが、
審議会
におきましては、今申しましたこれら全般にわたる事項を今後
審議
するということにいたしたいと
考え
ております。 以上、簡単でございますが、
補足説明
とさせていただきます。
—————————————
坂田英一
5
○
坂田委員長
ただいま
提案理由
の
説明
を聴取いたしました三
法案
のうち、
開拓融資保証法
の一部を
改正
する
法律案
及び
農林漁業金融公庫法
の一部を
改正
する
法律案
に対する質疑は後日に譲ることといたします。 これより
果樹農業振興特別措置法案
の質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。倉成正君。
倉成正
6
○倉成
委員
私は、ただいま上程になりました
果樹農業振興特別措置法案
に関しまして質問を申し上げたいと思います。
果樹農業
の重要性並びにその将来性については、
提案理由
で
説明
された
通り
と思うのでありますが、まず第一にお伺いしたいのは、この
法律
の性格についてであります。この
法律
の
内容
を検討いたしますと、
果樹農業
の重要性をうたいながら、
果樹農業
振興
に関する基本的な
法律
としては
内容
がきわめて不十分であり、この
法律
をもってしては今後の日本
果樹農業
の
発展
を期することができないと信ずるのでありますけれども、この
特別措置法
というのは一体どのような性格を持ったものであるかということをまずお伺いしたいと思います。
齋藤誠
7
○
齋藤
(誠)
政府委員
ただいま御質問になりました点は、
補足説明
でも申し上げたと存じますが、
果樹農業
が
成長農産物
として今後大いに
発展
を期待されるものであります反面、これらの
行政部面
につきましては、ずいぶん未
開拓
の分野もあり、
行政
自身としても立ちおくれておる部分もあるわけでございます。しかし、一面また、
果樹農業
自身が民間の手によっては相当進展しておるものもあることは事実でございます。これらを今後
生産
から
流通
、
加工
の段階にわたりましてさらにさらに総合的な
施策
を講ずることの必要につきましては、ただいま倉成先生の御指摘の
通り
であろうと思うのであります。今回の
特別措置法
につきましては、その中におきましてさしあたり増産の期待されるような
果樹
につきまして、今後の
果樹農業
のあり方といたしまして、
生産
の
基盤
ないしは
経営
の
基盤
を
確立
していくということに第一の重点を置いて
指導
していくことがさしあたり必要である、つまり、今後
生産
、
流通
、
加工
の
合理化
をはかっていきまする
基盤
におきまして
経営
の
合理化
をはかっていくということが必要である、そういう面におきまするところの
指導
の体制、さらに、
長期
の
生産
、需給の
見通し
を立て、これに必要な
援助措置
を国が積極的に加えていこうというのが第一のねらいでございます。そのほかに、
振興
審議会
におきまして今後の問題を検討してもらうとか、あるいは、今申しました第一の点に関連いたしまして逐次制度化する。逐次全体の
果樹行政
を軌道に乗せていく。
生産
、
流通
、
合理化等
に関する分野におきましても具体的な
援助措置
を講ずるというようなことも書いておりますけれども、ねらいは今申し上げたようなところに置いておるわけであります。
倉成正
8
○倉成
委員
ただいまの御
説明
によりまして、この
法律
が、
果樹
振興
に関する基本的な
法律
ではなくして、とりあえずその
生産基盤
の
確立
のために設けられた
法律
であるということは了解できるのでありますが、何ゆえに
生産
、
流通
、
加工
を通じて一貫した
果樹
に関する基本的な
法律
の準備ができなかったか、その間の事情を
一つ
ざっくばらんに御
説明
をいただきたいと思うのであります。
齋藤誠
9
○
齋藤
(誠)
政府委員
ただいま若干触れて申し上げたと思うのでございますけれども、
果樹農業
の
生産基盤
以外の分野にわたります
法律
といたしましては、今後特に
流通
、
加工
の段階あるいは価格、
取引
の段階、さらには輸出
振興
の問題、さらにこれらを取り扱う団体の問題等がいろいろあるわけでございますが、とりわけ
果樹
につきましては今回
生産
部面
につきましての特別
措置
を講じたような次第でございまして、
流通
部面
にわたる
果樹行政
につきましてはきわめて未
開拓
な分野が相当あるわけでございます。しかし、また一面、
行政
としては未
開拓
でございますけれども、民間の
取引
の形態においては相当進んだ形態もあるわけであります。これらにつきまして制度化するということになりますと、実態もある程度今後進んで参りましょうし、また、われわれもそれに応ずる各種の統計なりあるいは研究なり
調査
なり一面進めていく分野が相当あるわけでございます。そういうことも兼ねまして、われわれとしては、当面まず
生産基盤
の
確立
、
経営
基盤
の
確立
ということに重点を置いてやったわけでございます。
倉成正
10
○倉成
委員
ただいまの御
説明
の中にくしくも現われましたように、これまでの
果樹農業
の
発展
は、
政府
の力によったのではなくして、民間の力によって
発展
した、
政府
の力があずかるところはほとんどなかったと言っても言い過ぎでないと思うのであります。私は、これらの問題の中に、根本的に
農林省
の部内において
果樹農業
の重要性に関する認識がいまだ十分でないという感じをいたしておるのでございます。私がなぜこういうことを申し上げたかと申しますと、
果樹
の
農業
所得の中に占める地位は五%前後、蚕糸については三%前後と記憶いたしております。三%前後の蚕糸には蚕糸局という大きな局があって膨大な
予算
を組んでおる。
果樹
に対しましてはわずかに園芸課が設けられただけにすぎないし、その
予算
の額も、従来から比べますと増加しておりますけれども、
果樹
の重要性という見地から見ますときわめて徴々たるものでございます。従って、
政府
が率直にこれまでの認識不足を改めて、一大勇猛心を持って
果樹農業
の伸展をはからなければ、これからの
選択的拡大
の中で、畜産と並んで
果樹農業
振興
ということを叫びましても、これはお題目にすぎないことになってくるのであります。その
意味
において、私は、大臣がおられないのでまことに残念でございますけれども、
果樹農業
に関する
農林省
御当局の認識、口では重要だと言うけれども、実際的にはあまり重要に
考え
てないという点に非常に不満があるわけであります。これから先、もっともっと積極的な
考え方
をしていただきたいと思うのであります。 そこで、これらの前提のもとに立って御質問申し上げたいのでありますが、これから先
果樹農業
がだんだん伸展して参りまして増産して参りますと、
生産
者にとって一番不安に思いますことは、価格が下落をして
生産
費を償いがたくなるという不安であります。
成長
部門であり
選択的拡大
であると申しましても、
果樹農業
をやったからその
生産
者が必ずしも
経営
が安定するという保証はないのであります。そういった
意味
において、
昭和
三十五年度に園芸課が新設されたのでありますけれども、その陣容がはなはだ貧弱でございまして、この陣容をもって日本の
果樹農業
振興
をはかろうというのは、まことに木によって魚を求めるがごときものと思うのであります。そこで、園芸課の陣容が一体どうなっておるか、まずお伺いしたいと思います。
齋藤誠
11
○
齋藤
(誠)
政府委員
園芸課の現在の実人員は二十一名でございます。今お話がありましたようなこととも関連いたしまして、来年度におきましては、
農林省
の
振興
局では唯一の定員増としまして一名園芸課に増員することにいたしました。現状におきましてはかような程度でございます。
倉成正
12
○倉成
委員
二十一名と言われましたけれども、その
内容
を
一つ
少し具体的に御
説明
いただきたいと思うのです。一体、どういう技術者がおってどういう運営をやっておるかということ、給料を払う人もあれば、雑務をやっておる人もあるということになりますと、ほとんど
意味
がないわけですから、これはざっくばらんに
一つ
御
説明
いただいて、今後の
発展
のためにも資料にしていただきたいと思います。
齋藤誠
13
○
齋藤
(誠)
政府委員
果樹農業
の
指導
体制を強化する必要があるということで、御
承知
のように昨年度園芸課が
設置
されることに相なったわけでございます。それまでにおきましては、
果樹行政
につきましては、
生産
部面
につきましては
振興
局、輸出
部面
につきましては経済局、
加工
段階の問題につきましては食糧庁というような多元的な機構をとっておったのでございますが、これは、やはり、
果樹農業
の
振興
という見地から、時代左右によって横割にするか縦割にするかという問題はあるかと思いますけれども、当面の
行政
としましては一元化してこれを統一的に運営することが望ましいのではないかということにいたしまして、園芸課を
設置
する。同時に、今申し上げました他局にわたる多元的な
行政
をこの園芸課で一元的に運営するというふうに、権限等における調整を行なったわけでございます。そういうわけで、現在では、今申し上げました二十一名のうち、技術
関係
者が十六名でございまして、そのうち、
生産
の分野に携わっておる者が五名、
流通
に携わっておる者が七名、それから、種苗検査等の
関係
に従事しておる者が四名、そのほか、課長、庶務を含めまして五名、こういうことに相なっております。来年度一名増員いたします者につきましての担当といたしましては、どうしても今後は
加工部面
についての
行政
を
指導
していく必要があるということで、
加工
係を設けたい、かように
考え
ておるわけであります。
倉成正
14
○倉成
委員
内容
に少し立ち入るようでありますけれども、
果樹
の中でこれから先非常に
成長
していくと思うものはミカンと思いますが、園芸課の中にミカンの技術の専門家は一体おられるかどうか、正直にお答えいただきたい。
齋藤誠
15
○
齋藤
(誠)
政府委員
御
承知
のように、
農林省
の技官でも、稲専門とかあるいは麦専門というのがありますけれども、
果樹
につきましては、ミカン専門とかあるいはリンゴ専門だとかというように必ずしも分かれておりません。また、米でありますと、十数年稲ばかりを担当しておった、こういう技術官もおるわけでございますが、ミカンだけ十数年担当しておったという技官はおりません。しかし、
果樹自身
につきまして長年の経験を持っている技術者は、園芸課には相当数おるわけでございます。
倉成正
16
○倉成
委員
ただいま局長非常に苦しい御答弁をされたようでございますけれども、
果樹
全般に関する専門家というのは、世界じゅうどこを探してもないのです。そこで、
一つ
例をあげて非常に恐縮ですが、政務次官でも局長でもけっこうですが、ただいま、ミカンの輸出が、カン詰あるいはなまのミカンにしてどのくらいあるか御存じか、
一つ
統計表などをごらんにならないでお答えになっていただきたいと思います。
齋藤誠
17
○
齋藤
(誠)
政府委員
今お話しになりましたように、輸出の大宗をなすものは、ミカン、柑橘類でございます。最近における輸出の伸びを見ましても相当伸びておるわけでございますが、
果樹
全体の輸出額は九十二億でございますが、その中で、生果で出ておるもので申し上げますと、生果十八億の中で約十億でございます。それから、カン詰が大部分でございますが、カン詰七十四億の輸出額のうち六十二億が柑橘類でございます。
倉成正
18
○倉成
委員
ただいま数字のお答えがありしまたけれども、私は、もう少し、ミカンのカン詰の世界各国の市場に輸出されておる実態、あるいは静岡だけに例をとりましても、一万トンクラスの船になまのミカンが積み込まれてカナダその他に輸出されておる、そういう実感を
農林省
の首脳部の方々が持たれないと、
果樹農業
振興
を幾ら机の上で叫びましても、それはほんとうの
行政
になってこない、そういう
意味
で申し上げたのであります。おそらく、百億近い輸出の中で、その大宗を占めるものはミカンです。そのミカンに関して十分な知識を持ち合わせている専門の技術者が園芸課の中に残念ながらほとんどないという実情で、
農林省
で
果樹
振興
を幾ら叫びましても、これは私はほんとうに
内容
として恥ずかしいと思うのですが、
一つ
、政務次官、政治的に御答弁いただきたいと思います。
井原岸高
19
○
井原
政府委員
従来の
農業
は言うまでもなしに米麦中心でございまして、
果樹
等はほとんどその存在が認められなかったということがそのままの姿であったと思うのであります。しかし、今日の情勢からいたしますると、御
承知
のように、米麦についてはもはや十二分の安心感を持って
生産
された量が確保されるということになっておりますし、また、生活の度合いが上がりまするにつれて、畜産物、特に
果樹
に対しての
需要
が
増大
しておりまするし、ことに、ミカンのようなものにつきましては、米麦と違って、ただいま御質疑のように、相当量の輸出をいたしておるわけでございまして、ここ四、五年前の
果樹
に対する
考え方
、現実のあり方というものと今日とは、まるきりその重要性が大きく変わってきておるのが今日の姿でございます。なおまた、麦の転作等を
考え
ましても、大豆、菜種、いろいろなことも言っておりますけれども、私は、やはり
果樹
に転作していくことが非常に将来性があるのではないかというような
考え方
に基づいて、
農業経営
者の多数の人もそういう方向に非常な熱意を持って進んでおるように
考え
るのでございます。従いまして、今までは、ほとんど、ミカン等は当該各府県でいろいろ研究してもらったり、
農家
の方々だけで勉強してもらう程度でおったのでございますが、以後は、やはり、おっしゃるように、国において部局を作ってやるようにしなければならないというふうに
考え
られるわけでございまして、早急に省内で意見をまとめまして、そういう方向で進むべく努力いたしまして、御要望にこたえたいと思います。
倉成正
20
○倉成
委員
政務次官は、ミカンの産地の愛媛の方ですから十分御
承知
と思うのですけれども、
果樹
の重要性ということが非常に叫ばれておりながら、現実は今質疑応答でお聞きの
通り
の状況です。そこで、早急にとかいうような言葉はいつもよく言われるのですけれども、ほんとうに思っておられますか。もしほんとうに思っておられたら、大体いつごろまでに
果樹
局を作り、どういう体制にするという抱負を承りたいと思います。
井原岸高
21
○
井原
政府委員
さっそくに大臣とも相談いたしまして、そういうような
見通し
をつけて努力いたしたいと思います。
倉成正
22
○倉成
委員
いつも、大事な問題に関して質問を申し上げますと、今のような御答弁で、いつまでたっても進展しないわけです。これは、私は、根本的に
果樹
に関する認識が
農林省
の中に欠けておるということにあると思います。また、
農林省
自体が認識が欠けておるから、大蔵省その他に対しましても非常に主張が弱い。ほんとうに
果樹
の重要性、将来性ということについて認識を持っておるなら、もっと自信を持って堂々と
果樹
の機構の
確立
あるいは
予算
の獲得についても主張することができると私は確信いたすものであります。 これらの点については、またあらためて大臣の御出席を求めて御質問申し上げますから、おくといたしまして、先ほどからお話しになりましたこの特別法がとりあえずということでございましたが、私は、どうしても、
果樹
に関する基本法、すなわち
農業基本法
と関連した
果樹
全般に関する基本的な
法律
を作って、
生産
農家
が安心して仕事のできるようにすることが必要と思いますけれども、いわゆる
果樹
基本法というようなものについて
農林省
は準備をしておられるかどうか、そして、もし準備されておるとしたら、大体いつごろを目途としてこの基本法を作ろうとされるか、お伺いしたいと思います。
齋藤誠
23
○
齋藤
(誠)
政府委員
果樹農業
振興
の重要性につきましては全く先生のお話の
通り
でございますが、
果樹行政
自身につきましても、今政務次官からお話がありましたように、従来食糧増産ということに重点が置かれて参った経緯もございまして、
選択的拡大
というものは今回の基本法が出ましてようやくはっきりとした方針が立てられるに至ったわけでございます。
果樹自身
につきまして今後いろいろの面にわたりましてさらに
行政
の拡充をはかっていくということにつきましては、全く同様に
考え
ておりますけれども、繰り返し申し上げますように、今後に残された分野といたしまして、
生産面
ばかりでなしに、
流通
、
加工
の分野におきますところの
行政
分野というものが相当あると思われます。また、
試験研究
については現に拡充をして実施いたしておるわけでありますが、この面におきまする
試験研究
の拡充ということも今後に残された問題であろうと思うのであります。また、種苗対策等につきましては、現在も一応の
法律
はありますけれども、なおこれらの情勢に即応するような
措置
が必要であろうと思うのであります。従いまして、われわれといたしましては、この
特別措置法
の
運用
を通じまして、今後生じます各般の問題を新しく
設置
いたしまする
審議会
におきまして十分いろいろ討議していただきまして、その結果に基づいてさらに法制的
措置
その他を拡充するという
考え
を持っておるのでございます。従いまして、現在
果樹
基本法を早急に作るというような
考え方
ではなくて、
果樹行政
全般についてさらに拡充していこう、この
法案
を通じていろいろの問題を検討していこう、こういう
考え方
をとっておるわけでございます。
果樹農業
自身という面を切り離して
考え
れば、先ほどお話がありましたように、人員の問題だとか、あるいは
内容
、機構であるとか、定員の問題だとかいうようなことが問題になりますけれども、しかし、
選択的拡大
とか
農業
全般の
生産
性の向上とかいうような分野にわたりましては、他の分野におきましてもやはり
果樹農業
全体を
振興
するような見地で進めて参ることは当然でございます。たとえば、機械化であるとか
集団化
であるとか、あるいは金融面における
措置
であるとか、こういう面につきましては、全般の問題とも相関連して検討さるべきものも多々あるわけでございます。そういうわけで、この
法案
を通じまして、われわれとしてはさらに研究し検討を続けて参りたい、かように
考え
ておるわけでございます。
倉成正
24
○倉成
委員
ただいま非常に重大な御発言がありましたので、私は個々のいろいろな問題について御質問をする前にもう一度確かめておきたいと思いますが、
果樹農業
に関する基本的な
法律
を早急に作る意思がないというのは、
政府
部内の統一された御見解ですか。
齋藤誠
25
○
齋藤
(誠)
政府委員
現在
振興
局におきます検討の
内容
を申し上げたわけでございます。
倉成正
26
○倉成
委員
農林省
の中において準備が整わないし、また、率直に言いますと勉強が不足だからこの
特別措置法
を出すというふうに理解しておるわけでありまして、早急に準備を進めて、勉強して、そしてやはり
成長
部面
の
一つ
である
果樹
の基本的な法制を整えて、そしてこれから先の
果樹農業
を畜産と並んで日本
農業
の大きな柱にするということは
行政
の大きな筋だと思うのです。これをそうする意思がないというようなことを局長が言われますけれども、政務次官、どうなんですか。
井原岸高
27
○
井原
政府委員
ただいま御質疑の基本法の問題でございますが、今回出しました
振興
特別措置法
が、私たちの
考え方
では、まずその
一つ
の芽を出したというような
考え方
でございまして、むろん、これをもって足れりとしないことは、ただいま局長から
説明
がございましたようにわれわれ
考え
ておるわけでございまして、
審議会
等の議を経まして、おっしゃるような方向に進めるべく努力すべきではないかと
考え
ます。
倉成正
28
○倉成
委員
政務次官、局長に幾らお伺いしてもむだでありますから、これは大臣の御出席を求めてからあらためて御質問をいたしますから、この点に関しては留保いたしたいと思います。ということは、まことに遺憾なことは、
果樹
に関する基本的な
法律
を作ろうと思ってもなかなか技術的にむずかしい問題があることは、私も百も
承知
です。ですから、できないものを今作れといって責めるわけじゃございません。しかし、少なくとも万全の努力をしてこういったものを作って、
生産
農家
のために、また国民の食生活の向上のために努力をするという基本的な態度は、
農林省
として持ってしかるべきだと思うのであります。私は、これらの点について、最初から繰り返して申し上げたように、
農林省
の
果樹
に対する認識不足、実態をよく御存じないという点に根本の問題があるということをあらためて指摘申し上げたいと思います。 そこで、この問題に入っておりますと時間が幾らあっても足りませんから、あらためて御質問するといたしまして、もう一度確認しておきますが、園芸課の中の
加工
班、これは来年度からお作りになるというふうに理解してよろしゅうございますか。
齋藤誠
29
○
齋藤
(誠)
政府委員
その
通り
でございます。
倉成正
30
○倉成
委員
加工
班はどのくらいの機構で作られる予定でありますか。
齋藤誠
31
○
齋藤
(誠)
政府委員
来年度の
予算
で定員増になりますものを含めまして、
加工
係としてはさしあたり二名程度になろうかと思います。
倉成正
32
○倉成
委員
私は、
加工
班の陣容が貧弱であるとかいうようなことはあえて申し上げませんけれども、
加工
班というものの重要性、
果樹
の
加工
というのが現在日本においてどのように進んでおるかということを十分認識された上で、恥かしくない機構を作っていただく、かように申し上げたいのであります。 次に、貿易の自由化の対策の問題でありますけれども、オレンジ・ジュースの自由化は大体いつごろ実施される予定になっておりますか。
齋藤誠
33
○
齋藤
(誠)
政府委員
果樹
につきまする自由化の今後のあり方につきましては、特にわれわれといたしまして十分留意いたしておるところでございまして、競合すべきような
果樹
につきまして、また、輸入の大きな割合を占めますようなものにつきましては、さしあたり自由化するという
考え
を持っておりません。ジュースにつきましても、一応三カ年の自由化という中にはむずかしろう、こういうことで、現在では
考え
ておりません。
倉成正
34
○倉成
委員
私の聞くところでは、
昭和
三十八年から実施の予定であると聞いておりますが、それは間違いでございますか。——それでは、自由化の予定はないと理解してよろしゅうございますか。
齋藤誠
35
○
齋藤
(誠)
政府委員
私から自由化全般の
計画
を申し上げるのは、所管外だと思いますが、三十八年というのは、第一次の自由化の一応の
計画
を三十八年、さらに、その後において可能なもの、それから、その後においても困難なもの、こういうような分類を
農林省
ではいたしておるようでございまして、さしあたり、三十八年といえば三カ年でございますが、三カ年以内には自由化をしないもの、こういうことにいたしておるわけであります。従って、三十八年以後におきましては、その後の国内における状況あるいは海外の状況等をにらみ合わせて検討しよう、こういうことになっておるわけであります。
倉成正
36
○倉成
委員
三十八年から実施の予定でないと理解してよろしゅうございますね。間違いございませんね。
齋藤誠
37
○
齋藤
(誠)
政府委員
今申し上げた
通り
でございまして、三十八年までの
計画
の中には自由化するということにいたしておりません。
倉成正
38
○倉成
委員
それでは、ちょっとお伺いしておきますが、国産ジュースの実態について御
調査
になったことはございますか。
齋藤誠
39
○
齋藤
(誠)
政府委員
ジュースの実態
調査
という
意味
はどういうことでございますか、たとえば果汁の
生産
量であるとか、あるいは、果汁自身についての規格を
農林省
で設けておりますから、そういう規格の
調査
であるとかいうようなことについては
調査
いたしております。
倉成正
40
○倉成
委員
これらの点も、少し専門的になりますから、本日は省略いたします。 次に、
果実
の出荷調整
事業
について伺いたいと思います。
政府
は
農産物
の価格安定を重要
施策
として強調しておりますが、価格安定がこれから先最も重要になってくるのは園芸農作物であります。そこで、この園芸農作物の価格安定のために必要なのは、出荷調整をいかに適切にやっていくかということになってくるわけでありますけれども、
計画出荷
の実施や、諸情勢の変化に応ずる修正等の実務は、官庁みずからではとうていこれをなし得ないということであります。どうしてもこれは民間に適切な
指導
をさせることが必要かと思うわけでありますが、これらの
施策
について具体的にどのように
考え
られておるか、伺いたいと思います。
齋藤誠
41
○
齋藤
(誠)
政府委員
果樹農業
自身の健全な
発展
をはかるためには、
生産
の面から、さらに
流通
、
加工
の面におきまして価格の安定化をはかることが必要であるわけでございますが、
生産
分野におきましても、今回
果樹園
計画
を立てて十
町歩
を一応の
集団
の
目標
として今後
指導
して参りたいという
考え
を持っております。
生産
分野におけるコストの引き下げ、
合理化
というような点が
一つ
の大きなねらいとなるわけでございます。御
承知
のように、
果樹
につきましては、その防除費用が
生産
費の五割も占めているというふうな状況でございますので、この
部面
における
合理化
がはかられれば、ずいぶんコストの引き下げというようなことも
考え
られるわけでございます。
生産
部面
におきますかような
合理化
に即応して、
流通
部面
におきましては価格の安定をはかるということが当然でございます。われわれといたしましては、やはり、
果樹
あるいは蔬菜のごときものにつきましては、一たん
生産
されたものがどっと市場に出回り、しかもそれが生果で
流通
されざるを得ないというところに、
果樹
、蔬菜等につきましては価格のフラクチュエーションについて非常にむずかしい問題があるわけでございます。将来の方向といたしましては、今先生も御指摘になりましたように、やはりある程度の
加工部面
を通じた
生産
というものが行なわれますならば、これが大きな安全弁になろうかと思うのでありますが、当面は、何といいましても、
果樹自身
につきましても、九割以上が生果で出荷されているという状況でございます。従って、生果としてどのような
流通
の
合理化
、価格の安定をはかるかということが必要になろうと思うのであります。そういう面におきまして、われわれといたしましては、やはり、できるだけの
計画出荷
をはかっていくことが必要ではなかろうか。なかなか、これ自身につきましても、市場の調整、出荷の調整というのは
行政
としてはむずかしいのでございまして、今お話しの
通り
、民間の団体を通じてできるだけ
計画出荷
調整をはかっていくように今後向けていくことが必要だろうと
考え
るのであります。そういう
意味
におきましてこの
法案
の第六条に新しく
規定
を設けたわけでございますが、何をおきましても、現在はまだ出荷につきましての各般の
情報
というものが末端までにはわかっていない部分があるわけであります。
中央
卸売市場の毎日の入荷量あるいは価格といったものにつきましては、そこに出荷している者についてはある程度の事情がわかっているわけでございますが、全般的な出荷なり
販売
なり
生産
の
見通し
なりということになりますと、なかなか
情報
が末端まで浸透していないという状況でございます。現在蔬菜につきましては主要な市場を中心に
情報
を
提供
するようなことをやっておりますが、今後の
措置
といたしまして、三十六年度
予算
に特に計上いたしました点は、出荷団体につきまして、主要な
果実
につきましては、出荷の状況あるいはその出荷先、さらに
加工
段階におきましては
加工業者
のストックなり
販売
量なり処理量なり、こういったものを
調査
するということで、これらの団体に委託費を計上いたしまして、そこで定期的な
情報
の収集をいたします一面、ブロックなりあるいは県なりで定例的な
協議会
を開催いたしまして、そこでその
情報
をもとにして
指導
的な
計画出荷
をはかるようなことにしたらどうだろう、かように
考え
ているわけであります。なお、それ以外に、先ほどちょっと触れましたけれども、やはり現状における
流通
の組織といたしまして
中央
卸売市場等が大きな機能を持っているわけでございまして、従って、
中央
卸売市場の市場網を整備すると同時に、その
施設
に対しましても助成をするということにいたしたのでございます。経済局の所管
予算
におきましてかような
経費
も計上いたしたわけでございます。全般的といたしましてなかなかむずかしい分野でございますが、当面の
考え方
といたしましては、そういう方向で
指導
して参りたい、かように
考え
ているわけであります。
倉成正
42
○倉成
委員
生産
者にはできるだけ多くの手取りを与え、消費者には新鮮な安い
果実
を
供給
するというのが出荷調整
事業
の最終の目的だと思うのであります。これらに関する
方策
としては非常に技術的にもむずかしい点があるということは私もよく
承知
しております。また、その基本的な
考え方
については、局長の言われたこともごもっともと思いますけれども、出荷調整の
事業
は、中途半端でやりますと、かえってこの
流通
機構を混乱させるというきらいがあるということを特に御指摘申し上げたいのであります。従って、ことしは十分な御勉強をされないで中途半端な
予算
を組まれたようでありますけれども、やはり、この出荷調整についてはもっと基本的な検討をされまして抜本的な対策を講ずることが必要じゃないか。せっかく
果樹生産
者がりっぱな
果実
等を作りましても、その手取りがわずかであり、また消費者には非常に高い
果実
を
提供
するということでは
果樹
振興
の本旨に反すると思いますので、これらの点については将来の研究問題として特に注意を喚起申し上げたいと思います。 さらに、これに関連してお伺いしたいのは、
果実
、蔬菜の
流通
事業
の
予算
中、市況通報に関する
予算
約八百万が計上されております。これは三十五年度から実施されておりますけれども、この
内容
、また実積という点について、われわれの聞くところでは、非常に役に立ってないという批評が強いのであります。これらについて、どのようになっておるか、お伺いしたいと思います。
齋藤誠
43
○
齋藤
(誠)
政府委員
この
予算
は三十四年度から計上いたしたものでございまして、特に青果物についての価格安定をはかるためには
生産
者に行き届いた
情報
を
提供
する必要があろう、こういうことで
考え
たものでございます。その
内容
といたしましては、これは時事通信が各地に
情報
収集網を持っておりますので、主要な市場におきます入荷量、それから
取引
価格、これを毎日
報告
しまして、これをNHKを通じて
情報
として毎日定時放送する、それから、
農林省
におきましてはそれらを大体月ごとに取りまとめまして各県の出荷団体に流す、こういうことをいたしておるわけでございます。その主要な委託費が、八百万円ということに相なっております。 この実績並びに効果いかん、こういう御質問でございますが、なかなかこれの効果の把握ということについては困難な面もあるわけでございますが、最近における農事放送の中で
一般
的な市況通報に対する聴取率というものは比較的に高いものの
一つ
に入っておりまして、このNHKを通ずる市況通報につきましても、各出荷団体の聴取率は比較的高いというようなことから、われわれとしてはこの意義を評価しておるわけでございます。ただ、青果物の市況通報といいましても、時間によりまして、出荷の時期が
生産
者によって違うわけでございますので、最も産地に適応するような時間に必ずしもいかないというような点を不平として聞いておるわけでございます。
倉成正
44
○倉成
委員
市況通報の効果については、ここで一々具体的な事例を申し上げるわけには参りませんけれども、出荷事情の
調査
をできるだけ
生産
者団体に委託してやらせるというのも
一つ
の方法じゃないかと思いますし、現在のやっておる
内容
が必ずしも適切でないというふうに、われわれ各種の実際の団体から伺っておるわけであります。これらの点については、十分な御検討をされまして、毎年八百万組むからことしも組んでそのままの形でやるというようなことでないように
一つ
お
考え
を願いたいと思います。 それから、次に、私は、
果樹
団体についての
農林省
の基本的な方針をお伺いしたいと思います。およそ
果樹農業
ほど団体活動が必要であり、その重要度の高いものはございません。団体いかんによって
果樹農業
の
振興
ができるかどうかということがきまると申しても過言でないわけであります。これは各地の実績がこれを証明しておるのであります。ところが、三、四の地方では、府県の専門農協の連合会と、それから農協の連合会との競合が非常にはなはだしくて、中には非常に政治的な問題、感情的な問題にまで
発展
しておる実情でございます。これは農林御当局も御
承知
の
通り
であります。これがだんだん非常に大きな弊害を及ぼしまして、ひいては
果樹生産
の阻害にもなるし、
生産
者自体の生活を脅かすという点にまでなってくるわけでありますので、これらについて一体
農林省
はどういうふうな基本的な方針を持っておられるか、また、方針をお立てになるつもりがあるかどうか、伺いたいと思うのであります。
齋藤誠
45
○
齋藤
(誠)
政府委員
今お話しの
通り
、
果樹農業
を今後
振興
していきます場合に、団体の役割というものはきわめて重要であろうと
考え
るのであります。ただ、この団体につきましては、いわゆる専門農協あるいは特殊農協と、それから
一般
的な農協、いわゆる総合農協で取り扱うものとありまして、これらは
果樹
の
種類
また歴史的に非常に沿革を持って相違があると思うのであります。現在、
果樹
を扱う団体としまして、
一般
農協が約一万、特殊の
果樹
、蔬菜の組合が約六百というように記憶しておりますが、これらは、今後やはり
果樹
経営
がだんだん伸びて参りました実態に即応して、あるものは特殊農協になり、あるものはやはり総合農協でいくというようなことで、やはりその地方その地方の実態に応じて
考え
ていくべきではなかろうか、つまり・
果樹農業
の伸展に伴う
発展
の形態としてその地方の実情に合った形で私たちはいくべきではなかろうかというように
考え
ております。従って、どちらがどうであるべきかということにつきまして、私は今答弁する用意をしておりません。
倉成正
46
○倉成
委員
非常にむずかしい問題でありますから、局長は非常にうまい御答弁をされたつもりかもしれませんけれども、現地の実態を御存じなら今のような白々しい御答弁はされないはずです。これは現地ではもうほんとうに大きな深刻な問題になっているわけであります。ですから、やはり
農林省
としてある程度基本的な方針を
確立
することが急務中の急務だということを特に
果樹農業
の
発展
のために私は申し上げておきたいのでありまが、ここでこれ以上申し上げましても、実態をよく御存じなければ議論がむだでありますから、申し上げませんけれども、しかし、よく現地の実情を
農林省
の御当局で御
調査
になりまして、そしてある程度基本的な方向を打ち出していただきたい、これは希望として申し上げておきます。 次にお伺いしたいのは麦作転換と
果樹
との
関係
でありますけれども、麦のあと地を
果樹
に転転する場合、他の作物と同様に反当二千五百円の助成をなし、
昭和
三十六年度で
果樹
の転換を約五千
町歩
計画
しているようでありますが、この助成に何らの
条件
がつかないということになりますと、不適地にも
果樹
を増殖して、
果樹
のばらばらの産地を育成するということになりして、十分な効果も期待できない助成金になると思うのでありますけれども、麦作転換と
果樹農業
振興
という問題、
計画
的な
生産
という問題をどのようにお
考え
になっておるか、お伺いしたいと思います。
齋藤誠
47
○
齋藤
(誠)
政府委員
麦の転換につきましては、いずれ
関係
の
法案
が出た場合におきまする問題として論議されると思いますが、われわれの
考え方
といたしましては、転換を予定いたしておりましても、現実にはたして転換作物があるのかという点について
農家
が非常に不安を持つだろう、こういうような
意味
におきまして、今後転換を可能とする、あるいは
成長
が期待されるもの、こういうものにつきまして、たとえば小麦であるとか、菜種であるとかビートであるとか
果樹
というものをあげたわけでございまして、これは、必ずしもそれを
計画
的に導入する、こういう
考え方
に立ったわけではないのでございます。
一般
的な転換に対しまして、
果樹
は
果樹
として
指導
し、小麦は小麦として
指導
していく、こういうような
考え方
をもって臨んでおるわけでございます。従って、転換奨励金に
条件
をつけて
果樹
を結びつける、こういうことでは必ずしもないわけでございます。
倉成正
48
○倉成
委員
私のお伺いをしておるのは、
条件
はっけないということになっておりますと、
農家
の自発的な意思によって、
果樹
を作る人もあり、ほかの作物を作る人もあるということになると思うのです。そうなりますと、
果樹
をばらばらに植えていく。いわば、今の
農林省
の
指導
的な方針、この
果樹農業
振興
特別措置法
の精神とも非常に離れてくるものになる。しかも、
特別措置法
の金利が七分です。
近代化資金
で七分五厘です。もちろん
据え置き期間
その他の利点はございますけれども、
近代化資金
で
果樹
が借りられるというので、あちらこちらに無
計画
に
果樹
の増産が行なわれるということになりますと、これは将来の
果樹農業
のためにまことにゆゆしい問題になると思うから申し上げておるのでありまして、そういった問題についてどういうふうな具体的な
措置
を
考え
ておられるか、これをお伺いをしておるわけです。この点についてお答え願いたい。
齋藤誠
49
○
齋藤
(誠)
政府委員
ただいまのお話は、言いかえれば、今後
果樹
を導入していく場合に
一般
的な
考え方
をどうしていくかということではなかろうかと思うのであります。直接的な転換奨励金が
条件
付であるということではないという点は、今申し上げた
通り
であります。そこで、今後
果樹
が伸びて参るわけでございますが、現に、最近の趨勢を見ますると、毎年一万
町歩
くらいの面積がふえて参っておるわけでございます。われわれといたしましては、これらの
果樹
が全体として
集団化
の方向をたどることが望ましいということには
考え
ておりますけれども、しかし、それは、やはり
立地条件
あるいはその他の
条件
によりまして
農家
自身が自発的に
果樹
を
植栽
していこう、こういうこと自身を抑制することはできないばかりか、現に、
需要
の伸びている点に応じて、今申し上げましたように一万
町歩
前後のものが毎年ふえておる、こういうことでございます。従って、この
特別措置法
で
考え
ているような
集団化
の
指導
ということは今後の健全な
果樹
経営
としては必要であろうと
考え
ておりますけれども、一面、これ以外の
資金
によりましても、たとえば
近代化資金
あるいはそれ以外の系統
融資
等で
果樹
をやっていく連中もおるわけでございます。従って、われわれとしましては、この法の
運用
におきまして、たとえば限界地の
条件
がどうである、あるいは
集団
的な
指導
をできるだけやるとかいうような趣旨がだんだんに浸透いたしてくるわけでありますので、そういうことを体しながら府県においても
指導
してもらう、こういうことで
考え
ております。
倉成正
50
○倉成
委員
今の御答弁をせんじ詰めますと、
特別措置法
のワク外であるから、これはもう農民がどのようにやっても
政府
としては処置がないのだというふうに受け取れますけれども、これは、やはり、
果樹農業
の今後のあり方、それから
果樹農業
を
一つ
の産業として育成していくということになりますと、
農林省
としてはもっと積極的な
措置
を
考え
ていく、
指導
方針を
確立
していくということは非常に大事なことだと思います。
果樹
を一万
町歩
くらい増殖しているということでありますが、それは自然発生的にあちこちばらばらに
果樹
の産地ができていく。これをもっと
集団化
していって、もっとコストを安くしていく、産地を形成していくというのが今後の
果樹
にとっては一番大事なことなんです。ですから、特に麦作転換として五千
町歩
というようなこれだけ大きな
果樹
の
植栽
がされるわけですから、これについて御方針を伺っておるわけです。これについては、今具体的な案もお持ちでないようですからこれ以上申し上げませんけれども、十分御研究をいただきたいと思います。 それから、
苗木
の問題ですが、特に
果樹
の増植というのがいろいろな
資金
的な裏づけによりまして急速に伸びて参りますと、
苗木
が非常に不足し、この価格が高騰することが
考え
られるわけでありますけれども、
苗木
の対策について具体的にどういう対策をお
考え
になっているか、伺いたいと思います。
齋藤誠
51
○
齋藤
(誠)
政府委員
果樹
が今後伸びていきますに応じまして、これに必要な
苗木
の
供給確保
ということが第一に必要であります。第二には、この
苗木
につきましては優良な
苗木
が確保されるということが必要であろうと思うのであります。
苗木
自身につきましては、従来とも各県なりあるいは民間の業界を通じまして
苗木
の
供給
が行なわれておったのでありますが、今回の三十六年度
予算
におきまして、われわれといたしましては、
供給
の確保と、かつまた優良な
苗木
を確保する、こういう見地に立ちまして、主要な県、延べ三十三県につきまして樹種ごとに民間母樹園を
設置
するということにいたしまして、この母樹園に対する必要な助成を講ずる、さらに、この母樹園からとれましたものにつきましては、これは穂木でありますので、この穂木を優良な
苗木
として育てて
苗木
業者に
供給
する、そうしてその
苗木
業者から
生産
者団体に的確に渡るような
措置
を講じたいと
考え
ておるわけであります。また、これらの
苗木
自身については、
一般
的に先ほど申しましたような優良な
苗木
を確保するという見地によりまして、従来主要な
苗木
供給
県四県につきましては検疫
事業
を行なっておったのでございます。さらに今回一県追加いたしまして、五県につきまして
苗木
の検疫をさせる。こういうことで、今年度
予算
といたしましては、母樹園
設置
の
予算
としまして五百三十八万四千円、それから、
果樹
苗木
の検疫
事業
費といたしまして二百五十二万円を新たに計上するということにいたしたわけでございます。
倉成正
52
○倉成
委員
苗木
の対策につきましてはいろいろ
施策
を講じられているようでありますけれども、絶対量が足りないというようなことから、価格が非常に暴騰するというのが現実の状態であります。ですから、これらの実態をよく御
調査
されまして、
指導
の適切を要望申し上げます。 そこで、最後にお伺いしたいのは、
果樹
の全体の
予算
と蚕糸全体の
予算
、これは大体おわかりでしょうか。
齋藤誠
53
○
齋藤
(誠)
政府委員
養蚕の方の
予算
は今ちょっと正確な数字を申し上げるわけには参りませんが、
果樹関係
の
予算
について申し上げますと、
果樹園経営計画
の
指導
であるとか、あるいは
果樹
についてのいわばモデル実験集落の
施設
費とか、あるいは
果樹
の病虫害の発生予察
事業
であるとか、あるいは
果樹
につきましての農民の研修
施設
の費用であるとか、それから今申しました
果樹
指導
対策というものを含めまして約四千万円、それから
流通
改善
の
経費
が二千三百万円、合計して六千四百六十万円でございます。そのほか
関係
した
予算
といたしまして、
試験研究
の
経費
が一億、
中央
卸市場の整備の
関係
が九千万円、輸出
振興
で
果樹関係
のものが四千五百万円、それから
果樹
の共済についての
調査
費がわずかでございますが、百万円、それから、
果樹
の選果から出荷、パッキングまで一貫したいわゆる流れ作業式にやるような研究を今後していきたいという
意味
で、企業
合理化
の研究費というものを特別に
果樹
のために、昨年度に比べまして約八百万円の
増額
要求をいたしておりますが、これが二千五百万円、
果樹
直接の六千四百六十万円と、それから関連
予算
を含めますと、約三億程度に相なろうかと思います。
倉成正
54
○倉成
委員
果樹
の
予算
が三億、蚕糸についてはあとで御
調査
いただきたいと思いますけれども、私は非常に片手落ちではないかという感じがするわけです。そこで、局長、興津の園芸試験場というのがありますけれども、局長は
振興局長
になってからごらんになったことがありますか。
齋藤誠
55
○
齋藤
(誠)
政府委員
振興局長
になってからはございませんが、官房長時代に二回ほど見ております。
倉成正
56
○倉成
委員
ごらんになって、どういう感じがされましたか。御感想を承りたい。
齋藤誠
57
○
齋藤
(誠)
政府委員
興津は、御
承知
のように、柑橘を中心とした
試験研究
を行なっておるところでございまして、柑橘の適地における
試験研究
として、今後ともいよいよ拡充して参りたいと、かように思っております。
倉成正
58
○倉成
委員
興津は、幸いにして、三十五年度
予算
、三十六年度
予算
によりまして、実験室、本館等の改築が今行なわれつつあるわけでありますけれども、府県の試験場に比較して非常に貧弱なんです。実験室にしましても、研修
施設
にしましても、また、これは、静岡地方のミカンを研究する
試験研究
機関、暖地の柑橘の試験場としては必ずしも適当でないという問題をはらんでおるわけであります。今後の
果樹
振興
については、何といっても技術者をいかに養成していくかということが非常に大事なことであります。私は、今後とも
試験研究
機関の整備拡充について格段の御配慮をお願いしたいと思うのであります。 そこで、最後に特に御要望申し上げたいのは、今までの質疑応答を通じて、原則論としてはあるいは御答弁が妥当な点があるかもしれませんけれども、実感として、
果樹
の実態を知っている者の立場から
考え
ますと、いかにも不十分な感じがするわけであります。
果樹
の基本法の制定の問題等とも関連いたしまして私はあらためて御質問をいたしたいと思いますので、それまでに十分な準備をなさいまして、この次は情熱をもって迫力のある御答弁をいただきますようにお願いしまして、一応私の質問を終りたいと思います。
坂田英一
59
○
坂田委員長
午後二時より再開することとし暫時休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ————◇————— 午後二時四十七分
開議
坂田英一
60
○
坂田委員長
休憩前に引き続き
会議
を開きます。
果樹農業振興特別措置法案
に対する質疑を続行いたします。松
田鐵藏
君。
松田鐵藏
61
○
松田
委員
果樹農業
振興
特別措置法
における、「
果樹
の
集団
的な
栽培
に供される土地(以下「
樹園地
」という。)につき
果樹
を
栽培
しているか、又は
栽培
しようとする
農業
者(以下「
果樹農業者
」という。)の二以上が共同してその
樹園地
における
果樹
の
栽培
を
計画
的かつ効率的に行なおうとする場合における当該
果樹農業者
」、これらに対してこの
法律
によっていろいろな
施策
が講ぜられて、
農林省
においてもこれを推進していこうということになっておりますが、私は前に局長にいろいろとお話を申し上げたが、北海道はあのように
果樹
は非常に適しないところである。だが、私の研究によりまして、中澤茂一君からいろいろと事情を聞き、そうして
調査
の結果、アンズの
栽培
を今奨励しておるのであります。現在、長野県では五百
町歩
以上のアンズの
栽培
がされて、反当二十万から三十万、いいものになると四十万円までにもその成果があがっておる。そこで、昨年、私は、この画期的な
農業経営
を
確立
するというときにあたって、私どもの非常に寒い北海道に適する
果樹
としてアンズの奨励をしたのであります。不幸にして、
農林省
も北海道庁も、アンズに対する勉強が少し足らなかったので、この議論に対してさっぱり耳をかしてくれなかった。ところが、いろいろ調べてみると、これは非常な寒いところにおいて
生産
される
果樹
であり、カナダにおいてはジュノー市という北緯五十八度のところでもってこれが
生産
されておる。満州においてはハルピンが中心になっておる。北緯五十五度、零下四十五度という寒い満州における農民がアンズによって経済を潤しておる。私は、自分の選挙区である北海道でも一番寒いところにおいてよく
調査
してみました。二十八年前に北海道長官であった佐上長官が根室の別海の村にアンズの苗を三本くれてやった。それが、倉庫を建てる
関係
から二本は切ってしまったが、一本だけはえておる。それが年々三十貫から二十五、六貫
生産
されておる。少し暖い方の標準、網走方面において、十四年ぐらいたつというと非常にみごとな成木になって、これまた年々二、三十貫の実を結んでおる。このようなことで、ああいう寒いところにおいて最も適する
果樹
であるということで、昨年私は五万五千本の苗を北海道の奥地である根北から北見にかけて植えることを奨励した。幸いにして今日この
法律案
が上程されるようになった。これこそ寒いところにおける
果樹
としてほんとに適した
果樹
であろうと私は信ずるのであります。その
生産
されたものは、御
承知
のように、アンズは
果樹
のうちで世界一のジャムになり、そのカン詰は白桃のカン詰よりも価格は高い。外国におけるアンズの嗜好というものは非常に旺盛である。今、アメリカや欧州に対してどのような
需要
があるか、そういうことの
調査
を進めておるのであります。昨年の秋持っていったのだから、今年の春それを植えることによって約四百
町歩
になる。そこで、アンズの
栽培
組合を作って年々五百
町歩
から六百
町歩
の増産
計画
を行なわんとしておるのであります。さなきだに非常に貧困に悩まされておるあの寒い北海道における唯一の
果樹
であるのであります。こうしたものに対して、その増産
計画
を立ててやっておる今日、たまたまこの
法律案
が
提出
されることになって、非常に幸いであろうと思うのであります。
農林省
においても、北海道の特殊
関係
のああした
営農
というものに対してよく御理解があると思うのであります。この
法律
の中に政令で定める
果樹
に限るとあるが、私が今申し上げたアンズでも政令に入れていただくよう特別の御勉強の御配慮を願いたいと思うが、御意見はどのようであるか。まだ勉強されていないのならば、勉強してからでもけっこうでありますが、どうか御意見を承りたいと思うのであります。
齋藤誠
62
○
齋藤
(誠)
政府委員
ただいま、今回の
果樹
振興
特別措置法
の
対象
となるべき
果樹
の
種類
につきましてアンズを入れたらどうか、また、これに関連をして北海道における
植栽
の事情等の御意見があったわけでございます。
果樹自身
につきましては、やはり、地域々々におきましてそれぞれの特産的な性質を持っておるものもあるわけでございまして、これが
農家
の
農業経営
と結びつきまして各種の
果樹
が
植栽
されるということ自身につきましては、われわれとして何らこれを制約するとかいう
考え方
はないわけでございます。ただ、今回とり上げました
対象
の
果樹
につきましては、先ほど
提案
の
説明
にもあり、また補足的にも御
説明
申し上げましたように、今後
果樹
を伸ばしていく場合におきましては、やはり健全な
経営
基盤
の上に
果樹
を
振興
させて参りたい。そのためには、やはり、ある程度の商品作物でございますから、
集団
的な形をとることによりまして、いわば
生産
過程における
共同化
が行なわれるということになりますならば、
生産面
におきます
合理化
が相当できるのではなかろうか、特に、最近におきましては防除器具等も入りましたので、御
承知
のように、
果樹
における
生産
費の中で防除費の占める割合はその約半分を占めるというようなことでございまして、これが
合理化
をはかることによって
生産
費の切り下げ等につきましても相当の効果をあげられることになるのではなかろうか、さらにまた、このような過程が進行するに応じまして、整枝、剪定、さらに品種の統一、あるいは
一定
のまとまった荷口を通じて共同
販売
、共同出荷というようなことにまで進みますならば、
果樹園経営
としての
基盤
が固まって参る、そういう
意味
におきまして、
経営
集団
的な
果樹
の育成をはかろうという見地に立ってこの
経営計画
を
指導
して参りたい、かように
考え
ておるわけでございます。そういう
意味
で、それらの
条件
に当てはまるような樹種につきまして、たとえば今後大いに伸びるべきものとして
考え
られた
果樹
の中で、全国的な
栽培
面積の広がりであるとか、あるいは、同じ
果樹
でございましても、たとえば梅のように、どららかといえば散在樹的な性格を持っておる、あるいは
農家
の庭先に家庭消費用として二、三植えておるというようなものは除外いたしまして、
集団
の度合いであるとか、あるいは今後の
需要
の動向であるとかいうような点を
基準
にいたしましていろいろ検討いたしました結果、午前中に申し上げましたように、今回は一応九品目を予定いたしたわけでございます。そういうわけで、一番少ないものでも千
町歩
以上の面積になったものを一応取り上げたわけでございます。従って、今お話しになりましたアンズが、今後北海道におきまして相当の面積になる、あるいはその
栽培
方法におきましても
集団
的な
栽培
が可能であり、共同防除体制が整えられるというようなことになりますならば、今後これを入れることについては十分検討いたして参りたい、かように現在においては
考え
ております。
松田鐵藏
63
○
松田
委員
ただいまの当局の御意見はよく承りました。私は、北海道における、私どもの近所における
農業
のあり方というものに対して非常に心配をしておった者であります。いろいろな統計から言っても、資料からいきましても、一年の収入が三十万か四十万というような零細な収入である。しかもその耕作面積は三町五反から五
町歩
である。あとは草地になって、酪農をやろうというようなことで、全体を合わせて三十万か四十万の収入である。今日の農民の一年の収入が三十万や四十万ではたして満足な
営農
ができるかということから、
政府
においても
農業基本法
を作って、そうしてその行く先を見守ろう、
指導
していこうという
考え方
を持っておられる。私は、一軒の
農家
が百万以上の収入なくしてどうして
営農
が続けられ得るかということに心配を持っておった。また、
開拓者
は離農するにもし切れないような状態である。であるから、これに対して、私はまだ詳しく調べてはおるけれども、時間の
関係
であとの駄弁は省くといたしまして、この
栽培
をすることによってのみあの寒いところの北海道の
営農
というものが安全になっていこうという
考え方
から、一軒の農民は五反歩を植えろということで年次
計画
を立てさしたのであります。しかして、一
町歩
も二
町歩
もということになれば、あまりに
生産
があがって、そうして、社会党諸君の前で言うと悪いけれども、せがれが今度は全学連に行くようになったら一体どうなるかということで、(笑声)まじめな農民として経済の安定をしていかなければならないということで、五反歩以上は植えてはいかぬ、もしそれによってこの
栽培
をやらないというような者はその村から所払いすれとまで言いつけてやっておるのであります。しかも、それには、重粘土地帯であるわれわれのあの方面において、それを九尺幅の四方にして一メーターも堀って、それに床作りをして、完全な排水をやって、反当十二本を植えるようにということで、鋭意
計画
を進めておるのであります。長野県の中澤茂一代議士のところへ行きますとあの
通り
成果があがっているのであります。そのようなことで、長野県の
指導
を受けて、そうして、北海道の寒冷
果樹
として大いにやらなければならないということでもって努力しておるのであります。先ほども申し上げたように、今年は四百
町歩
、明年度の春植えるものは五百
町歩
、年々そのように
集団
的に
発展
し、そうして、
加工
工場も作り、それから耕作組合も作り、もうこれは何もかにも
農林省
が
考え
ておる先にそのように
指導
しておるものであります。今まだ五百
町歩
や六百
町歩
ではだめだというから、近い将来に千
町歩
なり二千
町歩
になったら、局長も
一つ
見学に来てもらって、そうしてどのような
営農
の仕方をやるかよく御研究下さって、この品目の中へ入れていただくことを私は希望しておくものであります
齋藤誠
64
○
齋藤
(誠)
政府委員
ただいま北海道の
果樹
振興
並びに
農業経営
につきまして貴重な御意見を承りまして、得るところが多々あったわけでございます。今後十分研究して参りたいと存じます。
坂田英一
65
○
坂田委員長
次は、八木徹雄君。
八木徹雄
66
○八木(徹)
委員
果樹
は、長い間、非常にもうかる産業として、自前
農業
というようなことで、
行政
の分野においては全く放任されておったことは局長も先ほど認めたところであります。その
果樹
が今時代の脚光を浴びて、日本
農業
の救いは
果樹
と畜産であると言われているが、それに対応するごとくここに
振興
特別措置法
が出たことに、非常に大きな意義を見出すのであります。 さて、この
振興
特別措置法
のうちで特に大事な
一つ
として、
長期見通し
ということがあろうと思うのであります。その目的の中にもうたっておるように、「
果実
の
需要
の動向に即応してその
生産
の安定
拡大
を図る」、そういうように言っておりますが、そのためには、その
需要
なりあるいは
生産
なりに対する
長期見通し
が的確で権威がなければ、根本がくずれてしまうと思うわけです。そこで、第二条に、
農林大臣
は
長期
の
見通し
を立ててこれを公表しなければならないとなっておりますけれども、その
長期見通し
はどういう要領で立てられるか、その
長期見通し
の権威を保持するためにどういうことを
考え
ておられるか、まずその点から伺いたいと思います。 〔
委員長
退席、大野(市)
委員長
代理着席〕
齋藤誠
67
○
齋藤
(誠)
政府委員
お話の
通り
、今後の
果樹
につきましては、永年作物であります
関係
上、十分指針になるような
長期
の
生産
見通し
を立てるということが必要であろうと思うのであります。ところが、
果樹
につきましては、現在までのところなかなか統計の整備もいたしかねておるような状況でございます。各国のこういうものに対する
見通し
の方法等を検討いたしてみますと、やはり、
果樹
の樹齢別の構成を見まして、これに基づいて
一定
の結実面積を想定する、さらにまた、その間におきます技術的な
改善
によりまして反収の増がどういうふうに見込まれるか、それに、気象
条件
が
果樹
には非常に影響いたすわけでございますから、そういうものを織り込んで、将来の結実面積、樹齢別構成に応ずる結実面積、それに応ずる
生産
量というようなものを見込んで
生産
見通し
を立てておるのでございます。わが国におきましては、今申し上げましたように、実は
果樹
の樹齢別の正確なる面積なりあるいは統計等が十分にはいまだそろっていない現状にあるわけでございます。しかしながら、すでに、
果樹
振興
の要請にもかんがみまして、われわれといたしましては、各県から大よその樹齢別の
果樹
の面積というものをとっておるわけでございます。従いまして、今申しましたようなものを基礎に置き、さらに統計の資料に基づき全体の面積も押えていきまして、だんだんに、そういう試行錯誤といいますか、鋭意検討を続けることによりまして、将来の
生産
の
見通し
というものをつけて参りたい、かように
考え
ているわけでございます。これらの問題につきましては、
需要
の
見通し
等もあわせまして今後樹種別にきめていくということになりますので、
果樹
の
振興
審議会
におきましてさらに専門的に検討を進めて参りたい、かように
考え
ているわけでございます。 一面、
需要
の
見通し
でございますが、これも諸外国の例によるわけでございますが、大体年々の
果実
についての一人当たりの消費量を算定いたしまして、今後の人口の増加による
需要
の増、さらに所得の増加に伴いまする
需要
の増、つまり所得弾性値と言っておりますが、所得の増に伴いますところの
果実
の一人当たりの
需要
の増、さらに、今後価格がどういうことになるかということにも関連いたしますが、価格の動きに伴いまして
需要
がどのように変動してくるか、かりに、だんだんと
果実
の
生産
がふえて、価格も
長期
的に見れば総体的に安くなるということになれば、それに応ずる
需要
の増が一応過去の統計から算定されるわけでございます。こういうような計数を用いてある程度の経済予測をすると同時に、現実の実際の
需要
の消費の動向等を織り込みまして将来の
需要
増を算定するということになろうかと思うのであります。 現に、国民所得倍増
計画
におきましても、私が今申し上げましたような方法をとりまして一応の十年後における
需要
の
見通し
を立てておるわけでございます。今後、基本法におきましても、主要
農産物
について
長期
の
生産
、
需要
の
見通し
を立てることにいたしておりますので、本
法案
におきましては、さらにそれの樹種別の
需要
あるいは
生産
の
見通し
につきまして具体的に検討を進めていく、こういうことに
考え
ておるわけでございます。
八木徹雄
68
○八木(徹)
委員
私は、その
需要
の
見通し
というのが一番大事なところだと思うのです。
生産
の
見通し
というのは、努力することによって大体の見当はつき得ると思いますけれども、
需要
の
見通し
というのは、率直に申し上げて、今構想されている園芸課の陳容の中でそういうものを的確に把握することはなかなか困難である。先ほど同僚倉成君の鋭く指摘したところであるわけでありますけれども、園芸課だけでそういうものを
考え
るのか。九品目だけでございませんが、特に九品目の品目別の
需要
の動向というものを園芸課だけでやるということはなかなか困難でないかと思うが、これは
振興
審議会
の方にはかるといったような構想を
考え
ておるかどうか。
振興
審議会
にかかわらないが、園芸課以外で
需要
動向を察知するような何らかの
方策
を
考え
ておるかどうか。
齋藤誠
69
○
齋藤
(誠)
政府委員
今お尋ねになりましたこれらの
需要
、
生産
の
見通し
につきましては、この
法律
におきましては一応
果樹
の
需要
の
長期
の
見通し
に即してというふうに書いてございまして、
果樹
一般
につきましては、あるいは基本法におきます主要
農産物
の
一つ
といたしまして
長期
の
需要
の
見通し
を立てるということになろうかと思うのであります。従って、基本法によりますれば、これは
農産物
のいわゆる
選択的拡大
という方向に即しまして全体の
農産物
についての
需要
の測定をいたし、これを農政
審議会
にかけて公表するということにいたしておるわけでございます。従って、そういうものができまするならば、その
需要
をさらに個別的な樹種に分けて、われわれとしては
生産
の
見通し
を立てる、こういうことにいたしたいと
考え
ておるわけでございます。この
事業
自身につきましては、もちろん何もかも園芸課でやるというわけではございませんので、広くこれらについての専門家の知識、経験を活用していくという
考え
でございまして、たとえば、来年度の
予算
におきましても——実は、
果樹
の消費統計というものもまだできていないわけであります。この
果樹
消費統計につきましても、来年度は七十万円の
調査
委託費を計上いたしまして、消費者の段階における
果樹
需要
の測定をいたしたいという
考え
を持っております。しかし、これ以外の分野におきましても、広くこれらの経験者あるいは専門家の方を活用しまして、資料の収集、分析等の仕事はやっていかなければならないと
考え
ております。なおまた、これと若干関連いたしますが、統計
調査
部におきましては、本年度から短期の
農業
観測を広げまして
長期
の観測までやるというふうなことになっておるわけでございます。従って、この統計
調査
部における各般の資料等に基づいて
長期
観測が行なわれる場合におきましては、これらの資料もまたわれわれの参考質料になろう、かように
考え
ております。
八木徹雄
70
○八木(徹)
委員
今伺いますと、いわゆる
果樹
全体の
需要
動態というものは基本法の方に譲って、その方の大ワクがきまって後に内部の個々の品目については園芸課の方で統計
調査
部の方のデータ等を中心に
考え
るということであったのでありますが、私は、こういうことをなぜ聞くかと申しますと、この
長期見通し
というものを中心に次の
果樹園経営計画
というものが生きてくるのじゃないかと思う。
長期見通し
と
果樹園経営計画
というものの結びつきが的確でない場合に、この
特別措置法
そのものが死んでしまうということになる。そこで、
果樹園経営計画
によりますと、
一定
面積を持って、そして
知事
がこれに対して
認定
をしさえすれば
融資
の道を講ずるということになっておるわけですが、その
見通し
と
知事
認定
というものの結びつきをどういうふうに
考え
ておるか。
知事
が勝手に、リンゴ地帯はリンゴをどんどん
植栽
する、ミカン地帯はミカンをどんどん
植栽
するということになって参りますと、全体としての
果樹
の
生産
というものはやはりふえざるを得ない、過剰
生産
になるというおそれが多分にあると思うのですが、その
知事
の
認定
と
長期見通し
との結びつきをどういうふうに
考え
るか、伺いたい。
齋藤誠
71
○
齋藤
(誠)
政府委員
お尋ねの点はごもっともな点でございまして、われわれといたしましても、将来各府県が
果樹園経営計画
の
認定
をいたします場合におきまして、今御心配になったような点が
一つ
の問題になると思っておるわけでございます。従って、
長期見通し
につきましても、できるだけ各府県の指針になるようなことでできることが望ましいわけでございます。しかし、現段階におきましては、
果樹園経営計画
の
認定
ばかりでなしに、広く
果樹農業者
、つまり、この
対象
になる以外の
果樹農業者
につきましても
一つ
の指針を与えるという
意味
で、これはやはり全国的な
生産
の
見通し
にならざるを得ないという点をまず御了承願いたいと思うのであります。しかし、そういたしましても、
果樹
にはおのずから立地立地がございます。
需要
につきましては、これは何々県の
需要
ということはないのでありまして、結局、東東にも出、大阪にも出る全体的な
需要
にならざるを得ないわけでございます。その
需要
にいかにして各県の
生産
を適応させるかということになるわけでございます。今申しましたように、府県別のところまでの
計画
ということにつきましては、現実問題としてはまだそこまでの具体化は困難ではないかと
考え
ております。従って、
一般
論の指針という
意味
と、さらに今後のこれを具体化する方向でものを
考え
ていきたいという
意味
で、第二条の第二項におきまして、国、
都道府県
は今後の
施策
を進めるにあたってはできるだけ
立地条件
の特性を考慮して
指導
に当たるという旨の
規定
をいたしたわけでございます。従って、今の御質問に対しましては、直接的な結びつきとして
考え
ることが困難である、こういうことでございます。
八木徹雄
72
○八木(徹)
委員
非常に意地の悪い質問をするようで恐縮でございますが、卑近な例が、ことし十億の金を
融資
するということになっている。この十億の金をどういう形でことし配分されるかということがすぐ問題になってくる。同じ
果樹
全体がいわゆる
成長
産業であるといっても、その
果樹
の中でも大宗を占めるミカンとリンゴとでは、将来に対する
見通し
は相当違ってきておると思う。ところが、各県ごとの
立地条件
ということで言うならば、リンゴに対しても相当大幅ないわゆる
植栽
計画
というものが起こり得るのではないか。同様に、ミカンももちろん起こって参るわけでありますが、たとえば青森県から百
町歩
の要請があった、あるいは愛媛県から百
町歩
の要請が起こった場合に、
資金
配分はどういう尺度でやるか。これは本年のことにすぐつながって参るわけでございますが、どういうふうに
考え
ておられるか、伺いたいと思います。
齋藤誠
73
○
齋藤
(誠)
政府委員
まず第一に、われわれといたしまして早急に取りかかりたいことは、全体の
果樹
の
生産
の
見通し
、
植栽
の
見通し
というものにつきまして、個別の樹種ごとの
植栽面積
なりあるいは
生産
の
見通し
なりを立てていくということが早急に取りかからなければならない作業であろうと
考え
ておるのであります。それで、ミカンなりリンゴなりの
生産
の
見通し
を立てるということに引き続きまして、各県の従来の
生産
の
立地条件
あるいは
生産
の状況、出荷の状況等が当然その次には想定されるわけでございます。午前中にも申し上げましたように、
果樹自身
といたしましては、現在すでに毎年一万
町歩
くらいの面積の増加をいたしておるわけでございます。しかし、今後
指導
して参りたい、特にまた
果樹園経営計画
の
認定
の
対象
にして参りたいというふうに
考え
ております
樹園地
につきましては、大体十
町歩
くらいの単位を予定したものについて
認定
をしていきたい、かように
考え
ておるわけであります。従って、十
町歩
の面積といいますと、
計画
段階ではこれは
計画対象
面積として
考え
ておるわけでございますが、やはり数十戸の共同
申請
みたいな形でおそらく
経営計画
が立てられて
申請
してくるということになろうかと思われるのであります。従って、これが毎年ふえて一万
町歩
が全部
集団化
の要請ということで出てくることがきわめて望ましいことでございまして、もしかような事態があれば、この十億を来年度はさらに大幅に
増額
するというふうに
考え
るわけでございますが、現在までのかような
集団
の形で
栽培
される面積につきましてはおのずから制約があるのではなかろうか。現在まで
集団化
されている
樹園地
の面積を見ますと、大体総
栽培
面積二十三万
町歩
の三分の一あるいはそれよりちょっとふえたところくらいではなかろうかという資料もあるわけでございます。そういうことで、今後は
集団化
の
指導
をしていきたいと
考え
ておりますけれども、現実問題としては、初年度でございますので、十億という
資金
で一応発足してみたいという
考え
でございます。なお、
資金
といたしましては、この
公庫資金
のほかに、御
承知
の
農業近代化資金
もあるわけでございます。それらの
資金
量との
関係
を見ますれば、初年度としてはわれわれは一応これで十分こなせるのではなかろうか、かように
考え
ておるわけであります。
八木徹雄
74
○八木(徹)
委員
私は、今十億円の金が少ないのではないかという質問をしたのではなかったのだす。もちろん、私も、少々少ないのではないかとは思っておりますけれども、
集団化
で要請されてきたものがいわゆる十億以上の金になる場合はもちろん問題になるのですけれども、そうではなしに、たとえば、将来一番
成長
が見込まれておるミカンと、それからリンゴとでは相当違うと思う。そこで、はっきり申し上げて、たとえば、リンゴの要請の方がたくさん来て、ミカンの要請の方がその割に来なかったというような場合が起こったときには、それをそのまま認めるのか、それとも、
長期見通し
というものを
一つ
立てておるのだから、将来
生産
過剰になるおそれのある
果樹
の場合にはそこでチェックをしてやらさないようにするのか、それらの
考え
をどうしておられるかということを伺っておるのであります。
齋藤誠
75
○
齋藤
(誠)
政府委員
お話の点がちょっとのみ込めないのでございますが、かりにミカンが来、リンゴが来て、その
申請
額が十億以内であれば、もちろん認めていったらいいんじゃないかと思います。問題は、その十億をこえたような場合にどちらを優先するかというようなことで問題になるんじむ、なかろうかと思います。 それから、御質問の点をいま少しく私なりに理解して御答弁しますならば、かりに、リンゴが非常にたくさん来た、もちろんミカンも来た、ところが、いずれも
資金
量としては十億以内である、その場合において、各県の
認定
をするときに、これはいささかのみ過ぎではないか、これはいささか少な目ではないか、こういう場合にどう
考え
ていくか、こういう御質問でありますならば、大体、今後十年なり五年なり、樹種によって違うかと思いますが、樹栽面積等が各県別に大体の
生産
見込みとしてあるわけで、従って、
需要
に見合う
長期
の
生産
見通し
があれば、年率大体どのくらいで伸びるべきものであるか、想定がつくのではなかろうかと思います。ただ、その場合に、伸びるべき面積がすべて
集団化
されるというわけには参らないだろうと思いますが、 〔大野(市)
委員長
代理退席、小枝
委員長
代理着席〕
集団化
率の状況いかんによって、この
申請
率もまた変わってくることになると思います。従って、これらの全体の
長期見通し
と、各県には具体的なある程度のそれに応ずる見込みというものが立ち得るわけでございますので、そういう趨勢等を勘案してやれば、今のお話の点については、私は
指導
としてできるのではないかと思います。もちろん、これは今後に残された大きな
行政
指導
分野でございますので、われわれといたしましても、今後だんだん実地に応ずるような
生産
の
見通し
ができるように、各県とも
指導
してもらうようにしたい、かように
考え
ております。
八木徹雄
76
○八木(徹)
委員
それでは、言葉をかえて伺いますが、ことしの東京市場におけるミカンの価格あるいはリンゴの価格、これはもう局長よく御存じのはずだと思うのです。リンゴは価格の面から言うとどうも今でも相当
生産
過剰の傾向があるという心配があるんじゃないか。そこで、現在局長の
見通し
として、十年先のリンゴの
成長
率というものと、ミカンの
成長
率というものをどういうふうに
考え
ておるか。申し出てきたらすぐにその
植栽
を許可するということではほんとうの救済にはなりにくいと思うのだが、その伸び率というものを絶えず頭の中に入れながら、いわゆる的確な
長期見通し
を立てながら、新植の場合、これは
集団
であろうとあるいは個人の新植であろうと
指導
してやるということが親切なやり方だと思うのだが、それではその伸びをミカンとリンゴだけについて
考え
た場合にどういうふうに見ておられるか。伺 いたいと思います。
齋藤誠
77
○
齋藤
(誠)
政府委員
先ほど申し上げましたように、われわれの第一次着手の仕事といたしましては、
生産
の
長期見通し
を樹種別に立てていきたい、それに応ずる
植栽面積
等の具体的な
計画
も立てて参りたいという
考え方
でおるわけでございまして、これらの
計画
につきましては、
審議会
等におきましても十分専門家の検討を待って最終的にきめたい、かように
考え
ておるわけでございます。従って、今どういう
計画
であろうかということにつきましては、いまだ十分ここで公表すべきような資料を持ち合わせておりませんけれども、大体、今までの各県からの
報告
なり、あるいは所得倍増
計画
等において
考え
ております
需要
量を頭において
見通し
ますならば、今先生の御指摘の
通り
、柑橘の方が伸びは高いし、リンゴはそれよりも劣る、おそらく柑橘でありますならば二倍以上にはなりましょうが、リンゴはそこまではおそらくとてもいかない、こういうことになろうと思うのであります。数字についてはいろいろございますけれども、この機会において私が無責任な数字を申し上げるのもいかがかと思いますので、その点は
一つ
御了承願いたいと思います。
八木徹雄
78
○八木(徹)
委員
それでは、次に伺いますが、
公庫資金
の
融資
利率は、
据え置き期間
中が六分で、償還期間中が七分だというふうに承っておるのですけれども、これは、いわゆる高利だとも言えない、
低利
だとも言えない金利だと思うのですが、これは、もうかる産業であるからこれくらいの金利は負担さしてもさしっかえないという見地でこのようなきめ方をされておるのか、それとも、いわゆる
公庫
のプロパーの金の使い方等による、いわゆる
公庫
事情によってそうならざるを得ないのか、伺いたいと思います。
齋藤誠
79
○
齋藤
(誠)
政府委員
果樹自身
につきましては、もうかる産業といいますか、とにかく最近におきまして非常に伸びておりますし、また、今後伸びる傾向にあるわけでございますが、少なくとも現在までにおきましては、何らの
政府
からの助成なり、あるいは
融資
措置
というものが講ぜられなかったわけでございます。もちろん、その中で共同
施設
的なものにつきましては、
公庫
融資
があり、あるいはおそらく系統
資金
からも出ておると思われるのでありますが、しかし、
植栽資金
につきまして、十年据え置き、十五カ年償還というふうな
長期
の
融資
につきましては、何ら今まで
融資
措置
というものが特別に講じられていなかったのでございます。にもかかわらず、先ほど申し上げましたように、一万
町歩
も年々ふえておるというふうな動向にあるわけでございます。そこで、この金利を
考え
ます場合に、われわれとしては、まず償還期間の延長という
長期
の
資金
が必要である。
果樹
の性質上、当然経済樹として
成長
するまでの期間は何らの
果実
も生じないわけでございますから、そういう点に重点を置いた
植栽資金
を
考え
て参りたい。金利につきましては、これは安ければ安いほどいいわけでございますが、従来の個人金融等の
公庫
における金利を
考え
まして、それよりは優遇するという
意味
で、
据え置き期間
中六分、償還期間中は七分、平均して六分五厘程度の金利を
考え
たわけでございます。従来の
公庫
金利の体系から見れば若干有利になっているという状態でございます。
八木徹雄
80
○八木(徹)
委員
そうすると、局長の気持としては、まあこの程度なら、平均もとれるし、よかろうということで、将来これをもう少し安くしてやろうとかいったような気持は、もはや放擲されておるのか、もっと安くする努力をするつもりか、それはどうなんですか。
齋藤誠
81
○
齋藤
(誠)
政府委員
今申し上げましたように、金利は安ければ安いほど
果樹農業者
には有利なわけでございますから、われわれといたしましては、
公庫
の
一般
の金利体系がどうなるかということとにらみ合わせて、今後とも安くなることについては十分検討して参りたいと思います。
八木徹雄
82
○八木(徹)
委員
次に、とにかく、これからその
集団
的
樹園地
というものに対して
融資
していこうということであるわけですが、その
集団地
の面積を十
町歩
というふうに先ほど言われたわけですけれども、午前中の倉成さんに対する答弁の中には、十
町歩
の
計画
目標
が達成できる見込みが立てば、とにかく現在何
町歩
であろうと
融資
をするという、そういうようなお話であったように思ったのですけれども、そこで、具体的に
一つ
伺いたいと思うのです。現在すでに
植栽
をしておる面積がかりに七
町歩
、そこへ新規に三
町歩
導入したいというような場合には、その三
町歩
は
集団地
として、この
公庫
の金が借りられるようになるのであるかどうか、伺いたい。
齋藤誠
83
○
齋藤
(誠)
政府委員
対象
にしたいと
考え
ております。
八木徹雄
84
○八木(徹)
委員
その場合には、私は、今三
町歩
と言いましたけれども、かりに一
町歩
でも
対象
にしますか、そこらの限界はどういうふうに
考え
ておられるか。
齋藤誠
85
○
齋藤
(誠)
政府委員
そういう場合も
対象
に
考え
ております。
八木徹雄
86
○八木(徹)
委員
それでは、先ほど倉成さんからも
苗木
のお話があったのでございますが、御存じのように、本年度の
苗木
事情というものは、大へんな払底をしておるという事情にございます。私の聞いた範囲では、たとえば高知県に、ことしは時ならぬときに大雪が降りましたが、そういうことで、ミカンの
苗木
がほとんど葉が落ちてしまうというような、通常では商品価値がないと思われるようなものさえ、とにかく全体的な
果樹
ブームの影響を受けましてどんどん買われていっているという実情であり、しかもなお足りないというような状況にあるのでございますけれども、先ほど、優良な
苗木
を
供給
する方法として、民間業者の母樹園というものを指定して、そうして本年は五百三十八万四千円の金をこれに与えて確保をはかるんだというようなお話がございましたが、これで大体
苗木
というものをどの程度確保しようとするのか、あるいはこれで必要とする一万
町歩
に見合う
苗木
が確保できるというふうに
考え
ておられるのかどうか、その点伺いたい。
齋藤誠
87
○
齋藤
(誠)
政府委員
午前中倉成
委員
の御質問に答えましたように、来年度の
予算
におきまして種苗対策の
経費
を計上いたしたわけでございます。この種苗対策の
内容
といたしましては、
一つ
には
供給
量の確保、第二には優良な種苗を確保する、こういう見地に立ちまして、三十余府県にわたる母樹園の指定、それからその母樹園でとれました穂木を
苗木
業者に
供給
して、
苗木
業者から
生産
者に配付する、こういう種苗に対する
予算
でございます。
供給
量といたしましては、大体新植面積を一年一万三千
町歩
と見まして、その半分を今申し上げました母樹園の指定をやりまして、これは民間のものでありますが、指定をやりまして、これからとれた穂木を
供給
する、つまり、全体の一万三千
町歩
の新値に対しまして、必要な
苗木
需要
量の約半分をこれによって
供給
して参りたい、かような
計画
でおるわけでございます。
八木徹雄
88
○八木(徹)
委員
次に貿易のことについて伺いたいと思うのですが、本年度の
予算
でいわゆる
果樹
に対する貿易対策の
予算
を組んでおられますが、その貿易の
予算
の使い方、また、特に局長は将来貿易対策として具体的にどういう構想を持っておられるか、伺いたい。
齋藤誠
89
○
齋藤
(誠)
政府委員
御
承知
のように、生果として出るものといたしましては、主としてミカンがカナダに出ておるわけであります。また、カン詰といたしましては、欧州等に出ておるわけでございます。従来とも、これらの消費宣伝、海外市場の
開拓
ということにつきましては、日本貿易
振興
会、通称ジェトロと称しておりますが、これに
予算
を計上して助成をいたしておるわけでございます。本年度はそれらの
予算
といたしまして四千五百万円を計上いたしておりまして、海外の市場
調査
、
需要
増進の
経費
に充てるということにいたしておるわけでございます。今後といえども、東南ア地方に対するリンゴ、ナシ等の輸出だとか、それ以外の
果樹
につきましても
需要
の
開拓
には努力いたして参りたいと思うのであります。お尋ねの第二点は、輸出の体制についてはどうであるかという点でございます。これは、御
承知
のように、ミカンについての例をあげますならば、英国のミカンの
需要
が非常に多いということで殺到して輸出した
関係
で、非常な値くずれを来たし、結果において輸出の阻害になったというような面もあったわけでありまして、その後におきましては輸出について輸出入
取引
法で規制をいたしたようなこともございますが、やはり輸出について最も有利に
販売
する体制を
指導
することが一番望まれることではないかと思われるのであります。また、
果樹
の輸出についての問題といたしましては、検査とか、規格とか、いろいろ問題があると思うのでありますが、今後
審議会
等におきましてこれらの分野につきましてもいろいろの検討をお願いいたして参りたい、かように
考え
ております。
八木徹雄
90
○八木(徹)
委員
そうすると局長は、日本の
果樹
の輸出というものの将来に対してどこに重点を置いて推進するかという、確固たる
見通し
といいますか、そういうものを現在お持ちになっていないのですか。たとえば、今断片的なお話として、リンゴ、ナシを東南ア市場に向けるようにやっている、現在はミカンのカン詰が欧州市場に行っている、あるいはなまミカンがカナダへ行っている、それは今までの実情を言われたわけですけれども、ジェトロに四千五百万円の金を委託をしておるから、そこでジェトロの方で
調査
、研究をしてもらう、市場
調査
をしてもらうというようなお
考え
のようですが、ジェトロの場合でも、たとえば重点をどこにおいて使わそうとしているのか。もちろん、世界の大
果樹
消費地帯である欧州というものを無視することはできないと思いますが、欧州市場の
開拓
に四千五百万円のうちどのぐらいのお金を使われると思っておられるのですか。
齋藤誠
91
○
齋藤
(誠)
政府委員
先ほど申し上げました輸出
関係
の
経費
でございますが、米国の
果実
カン詰の
需要
調査
費といたしまして三千ドルを計上さしております。それから、英、米、西独を含めましてミカンのカン詰の宣伝費に三千万円、それから、カナダの温州ミカンの宣伝のために五百万円、あとは、
一般
的な食品の宣伝であるとか、あるいは貿易事情の
調査
、研究だとかいうような
一般
的な共通的
経費
が含まれているわけでございます。
八木徹雄
92
○八木(徹)
委員
最後に御要望申し上げておきますが、承るところによりますと、アメリカ、ラテンアメリカ、あるいは地中海地帯、あるいは日本は世界の三大
果樹
地帯といわれておりますけれども、特に地中海地帯の国々、モロッコであるとかアルジェであるとかいった地帯が急速な勢いで伸びようとしている実情にあるように聞いているのです。そこで、ミカンのことだけ申し上げてまことに恐縮ですけれども、今いわゆるカン詰が、国内競争の分野において足並みが乱れて、それがために値くずれがしたというようなお話がございましたが、これらは、今の地中海地帯全体が大攻勢に転ずる前に、日本独自のいわゆる市場
調査
、市場宣伝、そういうものを今急速に実行しさえすれば、販路
拡大
というものは期して待つべきものがあるのではないかと思うのですけれども、今お話しのような三千万円ぐらいの金を欧州市場向けに振り向けるといったことでしかもそれをジェトロにまかしておくというような、そういうあなたまかせのような格好だけでは、それらの地中海地帯に対抗できるような市場争奪戦に勝っていける対策にならぬのではないか。非常に注文をつけることばかり急であって、発足間もない園芸課に対しては無理なことだと思うように聞こえるかもしれませんけれども、やはり、日本の
果樹
というものの将来を、国内の消費だけではなしに国際競争に打ち勝っていこうという立場に立って
考え
る場合には、現在が一番大事な時期ではないか、ここ一、二年の間に日本のこの対策というものが
確立
せぬことには、これらの地域に対する将来の日本の立場というものは非常に低いものに追いやられるおそれがあると思うのでございますが、この
特別措置法
ができたらやれやれ一安堵だといったような気持でなしに、先ほど同僚倉成君が指摘したようにこの
特別措置法
はあくまでも臨時的なものである、これは、率直に申し上げて、
融資
法にすぎないような、それに幾らか色がついた程度のものであって暫定的なものであるというような観点に立って、局長自身も午前中みずから認めたように、ただ単に
生産
の面だけに目を移しておったのではいけないのであって、
加工
から輸出
振興
に至るまで、やらなければならぬことが山積しておると思いますから、
一つ
これを橋頭堡にして早急に永久的ないわゆる特
措置
ではない
振興
法を作られるように強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
小枝一雄
93
○小枝
委員長
森田重次郎
君。
森田重次郎
94
○森田
委員
加工
の点について二、三ただしておきたいと思います。 この条文を見ますと、
加工
の点が何カ所か出ておるようであります。第一条の目的
規定
の中にも一部出ておりますし、第六条の
加工
の
合理化
などというような点にも出ているけれども、これはただ
情報
を収集することだとかなんとかいうことで、
加工
問題については何も実体的な
規定
がないわけですね。これはどういうわけなんですか。
齋藤誠
95
○
齋藤
(誠)
政府委員
午前中にも申し上げましたように、今後
果樹
の
振興
をはかります上においては、将来の市場分野として
加工
分野を重視すべきことは御説の
通り
だろうと思っております。ただ、現在におきましては、
果樹
のほとんど九割が生果として出まして、一割も
加工
用には振り向けられていないような状態でございます。従って、今後
加工部面
におきます
行政
としては、たとえば、
加工部面
における
取引
の公正化だとか、あるいは
加工
業それ自身についてのいろいろの
指導
であるとかいうようなことについても今後加えていきたいと
考え
ておるわけでございますが、現状においては、いきなり
加工
業自身についての制度的なものとして
考え
る段階までに至っておらないものでございますから、さしあたりのところ、
加工部面
についての
情報
、特に
販売
数量、
販売
価格だとか、こういうものを
生産
者団体に流すことによって
加工
業との結びつきを
合理化
して参りたい、こういう
考え
でございます。
森田重次郎
96
○森田
委員
そういうお
考え
で作られたからこういう消極的な立法になったのだと思うのです。私らから見ますと、むしろ、なまのままの
生産
を盛んに奨励して、平素
加工
業との連携がスムーズにいっていないものですから、いろいろの点で
生産
過剰等になる。私は青森県で、リンゴの
生産
には若干の関連性があるのですが、これではリンゴなどやったってしょうがないじゃないか、むしろ木を減らそうじゃないかという傾向がここ数年来一部に出てきたようなことなんです。ちょうど時代に逆行したような形が行なわれております。そこで、私らとしては、リンゴの
加工
というようなことについて助成方法を政治的に講ずるのでなければいけないということを
考え
ておったわけです。そこで、この
法律
については相当この点を期待しておったわけなんです。そこで、
加工
するということと、
加工
によってこれを
販売
することの宣伝というのは、単純に
果樹生産
者にまかせておいたのではとても問題にならない。どうしても、やはり
加工業者
に宣伝さして、
加工
したものの
販売
を拡張するという方法をとらなければならない。その点から
考え
ると、こういうふうな
生産
の面だけ盛んに助成しておる、そして
加工
業の方を非常に軽く見たという点は、どうしても納得のいかないことなんです。そこで、
加工業者
一般
の声を聞いてみたのです。これは、中小企業の方の金融
関係
を求めても、なかなかリンゴの
加工
の方には回してくれない、同時に手続も非常に複雑だ、それで非常に困るのだということを盛んに言っているわけであります。そこで、これはどうしても
加工
という面の早急な助成方をお
考え
下さって、
加工
した品物の
販売
市場拡充のためにはこれらの方々に責任を持たせるような体制をとっていくことが必要だろうと思うのですが、どうですか。早急にそういう方面を追加的に立法するお
考え
があるのでございますか。
齋藤誠
97
○
齋藤
(誠)
政府委員
お話のように、
加工
企業につきましての今後の育成
指導
につきましての必要は、もちろんお話の
通り
だろうと思います。食品工業
一般
といたしまして、
加工
業は中小企業が非常に多いという実情でありますので、特に
融資
等の面におきましては必要な
融資
が行なわれるようにする必要があろうと思うのであります。ただ、今この面についての立法というふうなお話がございましたけれども、これは、中小企業もありますけれども、大洋とか日冷とか大きな
加工
企業もあるわけでありまして、従いまして、これらにつきましては自主的な
資金
調達もはからなければならない。われわれとしても中小企業に対しましては積極的な必要な
融資
のあっせんをするということを現在いたしておるわけでございます。従って、この
法律
分野にない
部面
につきまして非常な片手落ちではないかという感じをあるいはお持ちになるかと思いますけれども、しかし、この
法律
の分野以外におきまして、各種の制度金融を通じて
融資
を行なうとか、あるいは
行政
的な
指導
によって育成をはかっていくか、あるいは
試験研究
の
部面
におきまして現にやっておるようなこともあるわけでございます。従って、われわれとしましては、
加工部面
につきまして今後早急に何か立法化するかということを離れまして、もし立法化すべきものがあればもちろん今後検討いたすわけでございますが、ただ、現実におきましては、ほとんど
融資
ということが一番大きな問題ではなかろうかと思うのであります。むしろ、今後の問題といたしましては、
加工
企業と
生産
者との間の適正な
取引
形態ができるということを
指導
して参ることが必要ではないだろうかと
考え
るわけであります。この
部面
におきましては、ある程度事実上契約
栽培
といったような形で行なわれているところもあるようでございますけれども、今後、出荷団体と
加工
企業とを結びつけまして、
計画
的に安定した
取引
ができるようにいたしたい、かような
考え
を持っておるわけでございます。
森田重次郎
98
○森田
委員
今の局長の答弁によりますと、大体業者の現実に触れているような感がするのであります。もちろん、リンゴの
加工
などというものは中小企業の中に入れられておるのでしょうけれども、その方面では重点がほかの方にもあるものですから、結局軽く見られる。そういう傾向にありますので、やはり、こういうような
果樹
の
生産
を奨励するというふうな場合には、この
加工
面まで一貫するのでなければいけないというふうに、関連立法としてやはりお書きになられてほしかったというのが私らの希望なんでございます。将来この点お
考え
おきを願いたいと思います。 次に、さっきこの問題につき若干触れたようでございますが、輸出の問題についてお伺いいたします。この問題について、主として具体的にリンゴを取り上げてお伺いをしてみたいと思います。リンゴも輸出
関係
でやはり統制の
対象
になっておるわけでございますか。
齋藤誠
99
○
齋藤
(誠)
政府委員
先ほどミカンについて申し上げましたが、リンゴにつきましても、輸出入
取引
法に基づく輸出入組合で、東南アなどに対する輸出については規制をいたしておる次第であります。
森田重次郎
100
○森田
委員
特にリンゴについて統制しなければならないのだという
理由
はどこにあるのですか。
石井一雄
101
○石井
説明
員 リンゴにつきましては、他の輸出
農産物
と同じであろうと思いますが、特に量がふえまして、たとえば向こうにおいて価格が非常に下落する場合に、やはり他との
関係
でダンピングその他のそういう非難を受けるおそれもあるわけでございます。それから、
一つ
には、その規制がありませんと、かつてございましたように、向こうに行きましてから向こうで値くずれを起こして下落する、こういう危険があるわけでございます。それらを防止するために、数量あるいは価格、これらの規制をあの
法律
に基づいてやっておるわけでございます。
森田重次郎
102
○森田
委員
今の御答弁によりますと、やはり過当競争等があったりして価格低落等を来たしたりするということが統制の中心
理由
のように聞こえるのです。ところが、最近になりましてリンゴ等の
需要
というものが世界的に相当高まってきておる。むしろ
需要
に応じ切れないというのが今の現況なんです。にもかかわらず、統制の数量等の不当に押えているというふうに見える現実があるのですが、この点についてはどんなような
見通し
を持っておいででございますか。
石井一雄
103
○石井
説明
員 御
説明
申し上げます。 具体的な問題でございますと、三十五年度東南アに向けましたリンゴの初めにきめました輸出量が途中で変更されるやに私ども伺っております。今資料を持って来ておりませんので、数字は後刻調べましてお知らせいたしたいと思います。が、ただいま御指摘のように、初めにある程度数字を想定いたしまして、それで実際は出発するわけでございますが、途中においてそれよりも伸びが好調であるという場合には、さらにそれらの事情を分析して、年度途中において、規制いたしましてた数字をまた上げるということ、これは可能でございます。そういうようなことでやはりそれぞれ
取引
の現状に合わせて弾力的に運営いたしておるわけでございますが、そういうことが最も現状に合った適切な方法ではなかろうかと私どもは
考え
ております。
森田重次郎
104
○森田
委員
これは、実情をまた御
調査
下さると、もう少しはっきりすると思うのですけれかも、今の答弁では抽象的なお答えのようです。しかし、それはそれとしていいのですが、やはり、
一つ
の統制というものが制度として立てられておって、バイヤーというものも数が限定されている。これが固定的な格好になるものですから、ただいま香港あたりでは相当量の
需要
があるけれども、この統制されている組合のようなものでがっちり押えていて、何か別個の目的のもとに輸出しようとしてもなかなか輸出が困難だというような実情が現に起こっているのです。そこで、やはり、そのときそのときの市場の実情に応じて、そういう固定した制度については、監督権を持っていられて、ある程度の
指導
を行なって、実需に即応するような体制をとるのでなければ、
果実
のような長持ちするものでないものは、
生産
者にいろいろの損害を与える危険がある。これらの点について、何か実際の陳情なりあるいは実情等を御
調査
になられた事実がありますならば、お伺いしたいと思います。
齋藤誠
105
○
齋藤
(誠)
政府委員
お話の
通り
、出荷とさらに輸出の面における自主的統制ではございますけれども、現実には、輸出先の
需要
と、業界内におきまする統制ワクによってコントロールするということでちぐはぐな状態があり得るわけでございます。こういう点につきましては、第一次的には、生果物でございますので、その部分におきましては自由な輸出体制が必要でありますけれども、フリーな場合におきまして、とかく
生産
者団体において不利な状況になる場合が多々あるわけでございます。そういう観点から、いわば生果物という特殊な性格と、同時に、過当な競争状態になりがちなこの種の業界とのコントロールを兼ねまして、今申しましたような輸出入
取引
法の規制という形になっておるわけでございます。しかし、これらはあくまでも業界の自主的統制ということを中心に
考え
ておりますので、今お話はなりましたような事態に即応いたしまして、物によりましては、四半期、あるいは二期、年二回というような形でそれぞれの自主的ワクを調整するというような方法をとりまして、事態に即応するような
指導
は一応いたしております。もっとも、これはあくまでも業界の自主的な組織によるということを中心といたしておりまして、
農林省
が、
政府
が認可する立場で積極的に割当をするというふうなことには相なっておりませんで、業界の自主的な話し合いによってそういう調整が行なわれるわけでございます。しかし、今申し上げましたように、一時的なそういう状態の
措置
といたしまして非常なフリーな形にすること自身が、結果的には弱い立場にとかくなりがちであるという点もございますので、やはり、出荷団体における組織の強化という点をまず第一に
考え
て
指導
していかなければならない、かように
考え
ております。
森田重次郎
106
○森田
委員
そこで、出荷の自主統計とおっしゃるのですが、そのいわゆる自主団体のメンバーというのはどういうような人々がなっているのですか。
齋藤誠
107
○
齋藤
(誠)
政府委員
大体は農協が主体になっておりますけれども、それ以外に、持殊農協でございますから、
一般
のそういう団体も入っております。
森田重次郎
108
○森田
委員
そうなるとちょっと話が食い違うようです。リンゴに関しては横浜とかあるいは神戸のいわゆる商業者の方々がほとんど大部分を占めているというふうに聞いているのですが、今の御答弁はいかがですか。
齋藤誠
109
○
齋藤
(誠)
政府委員
今私が申し上げましたのは、
生産
者団体としてのいわば全国団体を申し上げたのでありますが、輸出入組合につきましては、もちろん、
生産
者団体のほかに輸出商も入り、それ以外の商人も入るわけでございます。
森田重次郎
110
○森田
委員
今のそれをもう少しお調べ願いたいのですが、実際は、神戸なら神戸のいわゆる輸出業者、リンゴ等を専門とする輸出業者というようなものがおりまして、その方々がほとんど実権を握っている。それで、具体的に、私の県では、その中にわずか一人業者として入り、ほかに
生産
者団体という団体機関がメンバーとして形だけ入れられるが、何も割当がない、私の
調査
によればこれが実態なんです。そこで、私非常におかしなことだと実は
考え
たのは、日本全体のリンゴのほとんど五割以上を
生産
している青森県で、これが輸出しようという場合に、全部神戸まで持っていって、神戸のその業者機関を通してでないといけない、しかも、一ぺん全部倉庫の中に入れて、それから検査をする、そして、どんな
理由
かわからないが、ずいぶんよさそうなものもどんどんだめだといって除かれる、除かれるとたたき値で二束三文に売らざるを得ない、といったようなことが実際行なわれていると聞いているのです。 〔小枝
委員長
代理退席、大野(市)
委員長
代理着席〕 そこで、これでは、この
法律
などでさあ
生産
しろ
生産
しろといって奨励しても、最後に幾らか
生産
者の方でふところ工合をよくしようと思えば輸出の面でそんなたたかれ方をするというようなことでは、こういう
生産
奨励をしてみたところで画龍点睛を欠くといったようなことになるのじゃないか。従って、この
流通
の面、つまり
販売
の面、特に輸出等の面である程度商業者の団体を通す形の統制も必要でしょうが、しかし、
生産
者団体等をも有力なるメンバーとして重視する形の団体構成をしてもらわなければだめじゃないかと私は
考え
るのですが、局長の御所見をお聞かせいただきたい。
齋藤誠
111
○
齋藤
(誠)
政府委員
まことにごもっともな御意見でございまして、かつて水産物につきましてはそういうような問題等もございまして、輸出水産物の輸出
振興
法というものもできたわけでございます。われわれといたしましても、今後大いに輸出を伸ばす分野でございますし、現状におきましても
農産物
の十五%が
果樹
である、そういうふうなことでございますので、大きく輸出の増加に期待しておるわけでございます。その間に、今お話しになりました
取引
分野における
合理化
という点につきましては、今後十分検討していく必要があるのではなかろうか、かように
考え
ております。
森田重次郎
112
○森田
委員
そこで、もう一点具体的にお伺いしておきたいのですが、今リンゴを輸出しようとすると、今申し上げたようなことから、結局神戸港を通さないとほかの方へ出ていかないというのが実情なんです。ところが、青森から神戸まで送ってやるということになりますと、一箱について五十円か六十円の運賃がかかるわけです。その上に、倉庫へ入れます。そうすると倉庫料というものもとられる。どうしても一箱について六十円くらいのよけいな費用がかかるといったようなこと、これは争う余地のないことなんです。そこで、問題は、青森からじかに香港なら香港に輸出することができないかということなんです。御存じの
通り
、青森は輸出港になっております。だから、青森で船をチャーターして香港に送ってやる。そうすると運賃がまず第一に省ける。従って、利益も
生産
者の方に多く入る。こういうことが言える。これが
一つ
。もう
一つ
の点は、青森港は、輸出港になっておりますけれども、取り扱う品物が非常に少ないというので、輸出港としての資格を喪失するかしないかの線をいつもたどっておるというようなわけなんです。それなのに、自分の県の品物があるにかかわらず、それを神戸まで持っていって、神戸からでなければ輸出できないというような形、これはどう
考え
ても合理的ではないと私は
考え
るのです。そこで、今までは、青森で船を雇うといっても雇うことができないじゃないか、こういうことをよく言われたそうでありますけれども、御存じの
通り
、海運界の事情が変わってきております。青森で雇おうと思えば何ら困難なく雇えるような実清になっておる。だから、こんな場合は青森から直送させるのが当然のことだ、こう私は思うのですが、局長はどんなふうにお
考え
てすか。
齋藤誠
113
○
齋藤
(誠)
政府委員
従来ともいろいろの商品によりまして輸出すべき港が特定されておるというふうなことになっておるようでございます。これにつきましては、あるいは従来の
取引
先との
関係
できまり、出荷団体と貿易業者との従来の
取引
の慣行とか、あるいは船荷の
関係
であき腹を活用するとか、いわゆる
果実
専用の船というわけではないわけでございますから、そういう船荷の
関係
であるとか、あるいは輸出検査の
関係
であるとかいうようないろいろの
関係
によって、おそらくそういうことに従来なっているのではなかろうかと思われるのでございます。これからのことにつきましては、なおよく今後の
指導
の指針といたしまして検討させていただきたいと思います。
森田重次郎
114
○森田
委員
これで結論に入ります。 そこで、いま二点だけお伺いしたいのは、輸出の今の団体のメンバーとして、
生産
地の
生産
者団体、これは個人ではいろいろの点でめんどうなことが起こるかとも思われますので、
生産
者団体ならばいろいろの点で十分そういう団体のメンバーとして重視していい資格を持つものだと私は
考え
る。また、いろいろの意見を徴してみましても、これは大丈夫だという意見を聞くのであります。そこで、今のようなやはり業者としてのそれも一面必要であることは私も認めます。認めますが、
果実
の
生産
地の
生産
者団体の利益をはかる、こういう
意味
において、その団体にも
一つ
の割当を相当量するような方向に
指導
していってもらわなければ、結局、先ほど申し上げましたこの業者にだけうまいことをされるといったような結果を招来する、こう思うので、ぜひそういう
生産
者団体を重要なるメンバーとして参加する資格を持たせ、しかもそれに相当量の割当を実際的にやる、こういう方向に
指導
してもらうのが、やはり本法制定の趣旨などから
考え
ても当然の結論じゃないか、こんなふうに思うのですが、これに対する局長の御見解を伺いたい。
齋藤誠
115
○
齋藤
(誠)
政府委員
輸出組合の構成メンバーになり得るのに、
生産
者団体というものがどのようになっているのか、今ここにちょっとつまびらかにいたしておりませんけれども、従来は、日園連だとか、あるいは全国団体というものがメーバーになっておるわけでございまして、それらに出荷割当があるわけでございます。個々の産地の出荷団体がいきなり入るのか、あるいは、たしか従来とも
取引
慣行がある
生産
者団体が入るのではないかというふうに私は思いますけれども、なおこの点は調べましてお答えいたしたいと思いますが、
生産
者団体なるがゆえに組合に入るということにはおそらくなっていないのではないかと思われるわけでございます。そこで、そういう
取引
関係
のある
生産
者の団体がこれに入りまして、これに必要な割当がふえるということは望ましいことと思いますけれども、従来、業界の話し合いあるいはいろいろの業界の話し合いに基づく
基準
によりまして、そういう出荷の調整をいたしておりますので、それらの
指導
にあたりまして、できるだけ
生産
者が取り扱う実績に応じてふえるて参るというようなことが望ましいと
考え
るわけでございます。
森田重次郎
116
○森田
委員
そこで、今の
生産
者団体というようなものがそのメンバーとして参加の資格を持つようにするということ。ただ、問題は、なぜいわゆる業者だけが実力を持つかと言えば、要は資本の問題だと思うのです。それに実権を握られて、これに屈従しておるというのが今の制度下における現実の姿だ、こう思う。そこで、本法等を見ますると、いわゆる
生産
するということについては相当の
融資
をしてやるというのが本法の目的なんです。ところが、今のように
生産
者団体がバイヤーの一人の資格を持って輸出をするという場合に、何が困るかといえば、金に困るということになる。その金に困るから、結局金を持っておる者に押えられるという結論になる。だから、
生産
するということにだけ
融資
するという
法律
では結局最後の目的を達しないということになるのですから、私の
考え
としては、そういう場合には、やはりバイヤーの一資格として持ち得る
資金
の
融通
というものを、それらのものに政治的な助成をしてやる。そこまでいくのでないと、
果樹
を盛んに奨励してみたところで、依然として農民諸君は下積みになるという結果を招来するものだ、こう
考え
ますので、それらの点を十分考慮して将来
指導
していただきたいと
考え
るのであります。これに対して
一つ
御所見を承りたい。
齋藤誠
117
○
齋藤
(誠)
政府委員
従来から、
取引
段階におきまする
融資
につきまして特別の
措置
を講ずべきである、こういう御要望をわれわれも
承知
いたしておるわけでございます。そういう要請に対しましては、農林
関係
の企業でございますので、商工中金なり
公庫
等から
融資
をするというあっせんをいたしておるわけでございますが、しかし、今回の
法律
の基本におきましては、やはり、今後
一定
の荷口単位で出荷される、しかもそれが同一の品種で出荷されるという形にだんだんなっていく必要があろう、そうなりますると、おのずからそれに基づいて出荷団体も強化され、
生産
者団体も強化されることになるわけでございまして、そういうような
意味
で、従来いわば各個人の
経営
でできた
果樹
を商人が買い集めるという形態から、
生産
部面
からまず
基盤
として
集団化
をはかっていって、それに基づきまして、
生産面
の
共同化
から、さらに選果、出荷までも
一定
の荷口になるような形態に持っていきたい。つまり、主産地形成みたいな方向に今後これを持っていきたい。そういうことがやはり
基盤
にない限りは、
生産
者団体といたしましても、物が生果でございますので、
計画出荷
とかいうこともなかなか困難ということに相なるわけでございます。今、そういう
考え方
で、もとをだんだん強化していくことによって、
生産
者の団体の
流通
部面
における力も強めて参りたいという
考え方
をとっておるわけでございます。ただいま先生のお話しになりました
流通
部面
における出荷団体の
資金
援助措置
についての必要はもちろんあると存じますので、この面に対する
融資
につきましても、あっせん等の
措置
は今後とも続けて参りたい、かように
考え
ております。
森田重次郎
118
○森田
委員
本法制定の
提案理由
等を見ましても、
果実
の
流通
、
加工
の
合理化
といったようなことが
提案理由
になっております。ところが、
内容
を見ますと、
加工
の方に対する助成とかあるいは今の輸出などに対する
生産
団体の助成とかいう点が欠けておって、ただ
情報
を収集するといった形の結果に終わるということについては、非常に不満を覚えさせられるものがあります。ほかの方法で救い得るのだというようなお答えも先ほどありましたけれども、とても、今、それぞれの機関というものは、もう大体やり方が固定しておりまして、新
部面
に対して順応するということに対しては順応力が非常に鈍くなっておることは御存じの
通り
だと思う。従って、私は、この
法律
でこの点は
規定
すべきだったということを
考え
ておる者の一人であります。また、
一般
業界あるいは
生産
に触れておる人々の希望もそこまで来ておるということを
一つ
十分御考慮下さいまして、適当な機会にこれらに対しても本法同様の
規定
を置いていただきたい。しかし、今のところこれはやむを得ないでございましょうから、ほかの
運用
面でできるだけやっていただきたい。局長の私に対する答弁の中で、同意する旨のお答えを得ましたから、それらの面は現実の法規で
運用
してその目的を達成せしむるよう
一つ
御
指導
をお願いいたしたい、こういうように思います。
齋藤誠
119
○
齋藤
(誠)
政府委員
ただいま
果樹
振興
につきましていろいろと御鞭撻いただきましたわけでございますが、
加工
、
流通
部面
におきまして、法制上の
措置
といたしましては、御指摘の
通り
、必ずしもわれわれも満足しておるわけではございません。ただ、制度上
運用
面に残されている面が多々あるということを先ほど申し上げたのでございますが、なお、この
法律
に掲げましたゆえんのものは、今後
審議会
を設けることによりまして、この
審議会
におきまして
果樹
振興
の
重要事項
を
審議
していただきまして、これに基づきまして必要な
施策
をさらに拡充して参りたい、かように
考え
ておりますことを御了承願いたいと存じます。
森田重次郎
120
○森田
委員
終わります。
大野市郎
121
○大野(市)
委員長
代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十一分散会