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周東国務大臣 湯山さんの御指摘の点はごもっともでありまして、私ども農政を担当する者といたしましては、そう思いつきでぐらぐらと変わるというようなことはよくないのでありまして、それだけに、今度の新しい
農業のあり方、曲がりかどに来た
農業をどっちへ持っていくかということに対する
施策についても、十分検討の上、将来にわたっての
農業計画というものを立てたい。それには、よしんば大きな経済変動がありましてもある
一つの
目標を立てて参りますことが千古不動のものというわけにも参りますまいが、しかし、ある一応の
目標を立てたものにつきましては、それに対する
施策は大体変らぬような行き方で進めていくのが今後の農政のあり方だと、かように私は
考えております。
お示しの
砂糖とか麦あるいは米価の問題でございますが、
砂糖については、けさほども申し上げましたように、本来、私どもは、
自由化問題をいかにするかについては、一面において、
生産費高の、しかも
国内甘味資源を
増産していくという
過程にある今日、いかにして
農家に対する
保護をするかという問題、同時に、
砂糖のごとき一般大衆の必需物資についてあまりこれが値上がりすることもよくない、こういうふうな問題、さらに、
国内甘味資源に対しましては、御
承知のように、一番の問題は、
精製ブドウ糖なり
結晶ブドウ糖がかなりいいものができて参りましたにかかわらず、実は
需要が伸びないということ、そういう点の対策を立てないと、理論的に机上でいろいろ申しましても、なかなか
増産もむずかしいということになりますので、それらを総合的に
考えまして、しばらく
自由化は延ばすが、しかし、これは両方の立場を
考えつつ、今までのような原糖
輸入というような形についても再検討さるべきであるというような立場をとってきたのでありまして、この点についても、途中
経過において
考え方としていろいろ案の出たこともありますけれども、これはそうぐるぐる変わったという形ではないのではないかと思います。その点は御賢察を願いたい。
麦価につきましてのお示しでありますが、これは一番大事なことでありますが、今日、御
承知のように、大・裸等につきましては
需要面がかなり減退いたしました。しかし、そういう面から
考えまして、
需要の減退から来る一般取引における
価格の下落というものをそのままにしておいて作らせて、さらにこれを税金によってまかなっていくということも、麦作
農家に対してある時期としては当然
考えてやらなければならぬ問題でありますけれども、こういう面においては、将来を
考えていきつつ、徐々に
需要に合った形に大・裸を持っていく、また、さらに、二面において大・裸問題につきまして、現在の
生産費高というものを、技術の改良、品種の改善等によって
生産コストを引き下げつつ
農家の手取りを多くする
方向に持っていく、また、大・裸に関する
需要の増進といいますか、新しい分野における飼料としてどう
考えていくかというような問題をも考慮していく必要があるのでありまして、その間においては、大きな立場から
農家の方にも理解していただいて御協力をいただくという形に持っていくことがいいのではないか。これは、急激な変化を与えないように、こういう立場で
考えております。
また、米価につきましては、別に
南條農相が
消費者米価を上げるというようなことを言ったのではないようでありまして、いろいろ前後の
事情から
研究が必要であろうというように言われたことが誤り伝えられておるようでありますので、その点は、
政府としては、一貫した立場において、
消費者米価は今日上げるということは絶対に
考えておりません。そういう点は一貫しておるつもりであります。
しかし、もとに返りまして、お示しのように、農政に関しては、将来の
農業のあり方を
考えて、あまりときどきの思いつきで変わらない農政を進めていきたい、かように私は
考えております。