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石山委員 部長は私が聞かない前に
賃金のお話をしたわけなんですが、あなたの方もそれをお
考えになっているだけ、よその国は
日本は非常にいわゆる高度な
産業力あるいは
工業力といわれるものを内蔵していながら、
国民生活あるいは
賃金というものが非常に低レベルであるということは、あなたが、私が言わないうちから
石山はそういうことを聞くだろうというので、あなたは先ばしって答弁しているわけですが、よその国もみんなそうなんですよ。よその国もおそらくそういう
危惧を持って
日本の
産業、
日本の
工業、その
生産品を見ている、その
通りだと私は思うのです。従って
日本の
国民は非常に安い
賃金で、そして
割合にまじめに働いて、しかも非常に
能力のある働き方をしている、こういうことが
日本の製品を安くしているだろうと思うのですが、その
三つか四つ数えられるいわゆる
コストの要因の中で、やはり何としても安いといわれる
賃金が問題だろうと思う。ですからこの前の
ガットの
総会の中で、場違いである、
日本でILOの問題が批准されるとか批准されないとかいう
話題も出たというではありませんか。それさえ批准されないような
日本の国はなどということが
話題になったといわれている。私はそういう点は非常に残念なことだと思うのです。ですから低
賃金だけが数えられて、われわれの
能力というふうなもの、あるいはわれわれの持っているまじめな、
生産に協力するという
国民性、こういうふうなものがよく見られないで、低
賃金だけ見られて、
日本の
品物はそのために安いのだというふうに誤解を受けている面があるのです。
大蔵省なんか特に私見ていると、私ここに来て二年か三年になって、
定員法等見ているのですが、しょっちゅういじめて、もっと数を少なくしろもっと数を少なくしろとがんばっているのですが、そんなことも私はやはり国際的に見た場合には
考える必要があるのではないかというふうに思われてなりません。いわゆる
国民に
奉仕するために、安い
賃金で
能率を上げるという
建前が、あまりに
日本の
生産コストの中にしみ込み過ぎているという
傾向があるのではないか。
大蔵省の
考え方には特にそういう
傾向があるのではないかというふうに私はいつも見ているのですけれ
ども、
ガット三十五条の問題もそういうところにかなりのかきねがあって、問題が解決しないのではないかと思うので、
為替・
貿易が
自由化になったのですから、これは当然
日本が主張していいことだと思う。主張できない、あるいはその主張が通らないというふうになれば、私はやはり問題は
国内にあるのだ。対外的な
関係より
国内にあるのだから、
国内の態勢を少しでも早く直す必要があるのではないかと思います。
次にお伺いをしたい点は、先ほど
官房長がおっしゃった
業務量がうんとふえるためにという言葉がもしその
通りだとすれば、今度あなたの方が部から局に昇格させようという
直前に、
大蔵大臣が本
年度の
赤字は二億ドルと想定して、それにまた輪をかけるように、
池田首相は十七日に上野の東京文化会館で開かれた
青年会議所の創立十周年
記念会議でお話ししていますが、
日本の場合には四億ドル、五億ドルの
赤字であっても大丈夫だと言っておる。四億、五億ドルは大丈夫だということは四億、五億ドルの最悪の場合の
赤字を想定してこういう発言をしていると思うのです。
輸出入の中で四億も五億も
赤字が出るとすれば、
業務量はあまりふえないのではないかというのが私の意見です。いやそんなことはないというならば、
一つ御答弁をいただきたい。