○横路
委員 今度の
防衛二
法案の改正をめぐって、とりわけ陸上
自衛隊の十三個師団の改編について、ただいま
長官から去年の十二月二十二日杉田幕僚長が新聞記者に語りましたその談話について、今一部御訂正がございましたが、もう一ぺん私はそのときの談話について申し上げたいと思います。これは各新聞社とも全部同じですから、
長官一つ聞いて下さい。「杉田陸上幕僚長は二十二日、記者団と会見「第二次
防衛計画で現行の六管区、四混成団の十個単位編成を十三個師団に改編することになっているが、これは国内治安・対策と災害出動がねらいである」と述べた。」この記者団の会見というのは、きょうここにおられる、取材をしておる
防衛庁担当の記者団の諸君です。この取材に当たられた記者団の諸君は、いつもであるならば、あるいは
長官に対して、あるいは幕僚長に対して、それぞれ記者の諸君の方から
質問をして、それに答えられるという形式をとるのだが、このときは杉田幕僚長はみずからの意思で、別に記者団からこういう発言を要求したわけではない。幕僚長自身がこういう点について述べたのです。治安対策とそれから災害出動がねらいだ。ですからこの点については変わりはないのです。私はきのうの
質問の続きですから、
自衛隊法七十六条、七十八条、
安保条約の第五条、第四条について重ねてお尋ねをしていきますが、私はこの点についてただいま西村
長官から御
答弁ございましたが、われわれは杉田幕僚長がそれで取り消しをしたとは思わないのです。なぜならば、あとで申し上げますが、杉田幕僚長が陸上
自衛隊の富士学校の学校長として、そのつど幹部の諸君を養成するにあたって教育された「良い中隊の育成について」という本がここにございます。これはきのう実は私から
関係委員の諸君に要求して見せてもらったのですが、これは前から私は——前に一度詳細に読んでありましたので、私がここで聞き違えたとか思い違いをしたということで話をしてはいかぬ、こう思いましたので、これは念のために出してもらったのです。あとでこの点は申し上げますが、この杉田幕僚長の
考え方は何も今始まったものではないのです。だからその点はあとで私から詳細に申し上げます。
なお三月の四日に私が予算
委員会の
質問のときに、杉田幕僚長が昨年の十一月の九日にそれぞれの部隊に配付している治安行動草案について触れたわけです。ところがその問題はさらに発展をして、参議院の予算
委員会でそれが問題になって、そうして参議院の予算
委員会では
防衛庁としては治安出動時における行動の基準というものについて、参議院の予算
委員の諸君全員に配付をしたわけです。あとで、私が三月の四日に
質問をしたというので、
防衛庁からは参議院の予算
委員の諸君に配付した治安出動時における行動の基準というものについては、丁寧に私のところに届けていただきましたから、この問題もあとで問いただしたいと思っているわけです。ですからこれらを
考えてみたときに、杉田幕僚長の十三個師団の編成というものは、治安対策並びに災害対策である、こういうことについては、決していささかもその後方針が変わっていないのです。ただ北海道においでになられたときに、記者団を集めてどういう発表をされたか、私はよく存じておりませんが、本来からいえばこれほど問題になっている——しかも今まではそういうことはなかったわけです。この十三個師団の編成というものは、国内の治安対策と災害の対策のためである。しかも十一月九日には、その治安行動の草案について配付されている。だから本来からいえば、わが党の
理事の諸君が要求しているように、杉田幕僚長にここに来ていただいて、そうして自分の新聞記者団に対する言明、談話は誤りであったという点を
国会を通して明らかにしない限り、私はこの十三個師団の編成というものは治安対策並びに災害対策、災害出動のものであるという、その印象はぬぐうことができないと思うのです。もしも杉田幕僚長に、西村
長官が言っただけの
考えがあるならば、旅先で記者団に言っただけの
考えがあるならば、本
会議はあさってですから、今晩でも杉田幕僚長は
一つ防衛庁の記者の諸君を呼んで、あらためて自分としては去る十二月二十二日に発表した十三個師団編成は治安出動と災害出動のための編成であると言ったのは誤りである、こういう点を明らかにすべきですよ。もしもここに出てこれないというならば、その点を私は明らかにすべきだと思う。札幌に行って、一月の何日かに、旅先でこういう談話を発表した。その旅先の談話の新聞を読んで、
長官がそれを
委員会で得々と語られて、それで私たちが
国民の代表として、そうでございますかとは言えません。当然あなたはこの十二月二十二日の談話が間違いであるというならば、あなたは直ちに杉田幕僚長に電話をして、きょうは
防衛庁の記者団の諸君全部集まってもらって、そこで絶対に誤りである、こういうことを言って明日の新聞にそれが正確に出れば、なるほどそうだったかなということになるが、一月二十日ですか何日ですか、北海道の部隊の何か視察に行かれて、そのときに随行した記者団といいますか、おそらく
内閣総理大臣や
防衛庁長官についていくのと違う。あるいは北海道の在住記者であったかもしれないのです。どうです西村
長官。幕僚長がここに来てみずからの責任において取り消すべきだと思うのですが、もしもそれができないというなら、きょう幕僚長に言って、きょうは
防衛庁の記者団と懇談をして、そしてみずから誤りであったという取り消しを明日の新聞を通じてやりなさいよ。それだけのことをして、どうしてもここに出てこれないというなら、一月何日かの札幌の旅先の記者団の談話をあなたはここで読んで、それでもってわれわれに
納得してもらうなんといってもそれは無理ですよ。どうですか
長官、私の言うことに間違いございませんでしょう。