○木村
説明員 身体障害者の雇用促進法につきましては昨年十二月一日、政令、省令の
関係規定が公布せられまして、それ以来この
法律の完全実施に向かいまして鋭意
努力しておるところでございます。十二月以来のわれわれの活動
状況を簡単に申し上げますると、今職業安定機関部内の体制をまず確立する必要があるということで、全国各ブロックにおきましてこの身体障害者雇用促進
関係業務の
説明会を催したわけでございます。これは一月中旬から二月上旬にわたりまして、全国五ブロックに分けまして各都道府県の担当
事務官を集めまして、この
法案の趣旨なり取り扱い方なりについて、詳細に
説明いたしたのであります。それから官公庁につきましては、
国会、裁判所、
各省庁、各都道府県知事に対しまして安定
局長から、身体障害者雇用率以上となるような計画作成を三月末日までに
労働大臣に
出していただくように要請をいたしまして、またその計画作成のやり方につきまして個別的にお回りいたしまして、あるいは電話等によりまして、いろいろ御相談に応じておる、こういうふうなことでございます。それから市町村につきましては
労働省から直接お伺いするわけにいきませんので、都道府県知事にお願いいたしまして県の方におきまして
会議を催しまして、そうして市町村の任命権者に対しましてこの趣旨を
説明して、計画をやはり三月末日までに作って四月一日からこの計画通りに実施できるように推進しておるわけでございます。
それから民間雇用主につきまして、これは一定の雇用率以上となるように
努力を要請しておるわけでございまして、
努力中でございますが、これにつきましては安定所におきまして安定所の職員が必要なるリーフレット等を配付いたしまして、ここにも持ってきておりますが、そういったものを配付いたしましてこの趣旨を
説明いたしまして、そして雇用率というものが設定せられたので、支障ない限りこの雇用率以上になるように採用していただくよう、回って雇用主訪問ということをやっておるわけでございます。
それから適応
訓練につきましては、昨年十月から始めております。これは昨年度五百万円の
予算が入りまして、現在三百二十五名の身体障害者を各事業場に
訓練を委託しておりまして、そうして旋盤工とか各種機械組み立て工、印刷、木工、縫製等を現在実施中であります。この適応
訓練につきましては、昭和三十六年度はそういうような職種について
予算が通過いたしますれば一千万円の
予算にふくれ上がりまして、これによりましてさらに規模を大きくしてやっていきたい、かように考えておるわけでございます。
それから何と申しましても身体障害者の雇用促進をするには、安定所の職員がほんとうに身体障害者の身になって活動しなければならないわけでございまして、これがためにはその身体障害者の仕事を専掌する職員を職業紹介官というものの中から選び
出しまして、それに対しまして特別な講習を実施する計画でおります。なおまた一般の民間の協力を得るために、全国に職業安定協力員というものを二千名
労働大臣が委嘱いたしまして、そうして安定所になかなかなじまない身体障害者というものに対して、いろいろ職業相談に応じたり、求職の取次をしたりというふうな、そういった職業安定協力員というようなものを委嘱しております。