○石橋(政)委員 科学技術
会議の方でも非常に心配していろいろ論議しておると思うのです。従って答申の中にもこの理工科系学生、増員
計画の完遂というものがあがっておりますし、それから海外
調査団報告、この中でも一つの例をあげて、たとえばわが国においても同様の
事情から、中堅技術者養成のために、たとえば特色ある専門学校を設け、あるいは再教育を行なう等の
措置をとることが緊要であるというふうに出ておりますが、今大臣の御
説明などを聞くと、これは
調査団の報告であって、まだまとまった科学技術
会議の意向ではないのではないかと思うのです。非常にむずかしい問題なんです。早くたくさん作りたい。しかしそれは速成であってはならぬ。そこのところのかね合いをどうするか、中堅技術者を作るという面からいっても、専門学校というものを
調査団は具体的に報告として述べております。これなどは
政府の方で再三工業専科大学というものを作ろうという案を
国会に出しておりますけれども、三回も四回も
審議未了になっておるわけです。そういうところがどの程度突き詰めた論議がなされておるかとお伺いしたわけですけれども、大臣もどうも私の意見の方に賛成のようでございますから、今後こういった
法案の
審議の過程においても大臣のそういった意向を反映するように、私どもの方も一つ努力したいと思うのです。
問題は、それも一つの問題ですが、やはり諮問第二号に掲げられております大学教官と
研究公務員の
処遇の改善ということにも相当関連があると思うのです。こちらの方をいいかげんにしておいて幾ら教員を作ろうとしても、学生を作ろうとしても、問題は解決しない。諮問第一号にも書いてありますが、他の国家
公務員に比し、より高度の
給与水準を維持しなくちゃならぬということを言っているのですが、これがなかなか実行されない。口頭禅に終わっておるわけなんです。これを生かすことを特に大臣は考えなければならぬのじゃないか。これを生かすためにはどうしたらいいか。やはり私は、人事官の構成というものについて大臣は閣議で積極的に発言をしていかなければだめじゃないかと思うのです。これは過去において
国会においても、人事官は三人で構成されているのだから、少なくとも技術者優先、技術者の
処遇を十分に考えるという立場からいっても、一人は技術者出身の人を入れるべきだということを絶えず言い続けてきたし、議運あたりでは
会議録にまでこれをとどめておる。ところが今度改選されてみても、依然として同じような系統の人、大学の法科系出身の人、そういうような人がやはり三人そろってしまって、技術者は入らぬじゃありませんか。こういう構成をやっているから人事院の勧告を見たって、少しも
研究者、技術者を優遇するような勧告が出てこないのです。もとはここにあるわけですから、科学技術の
振興をおもんぱかる大臣は、もっと積極的にどんどん発言されて、いいかげんな人事、おざなり人事をやるな、今度こそ
国会でも強い要望もあることだし、科学技術関係の
経験者か、そういうものにかわる者を入れないかという発言をなぜされないかという疑問を持つわけなのです。こういう形が伴って初めて口頭禅に終わらずに、頭の中と行動とが結びついてくるのじゃないかと思うのですが、今後大臣一つ積極的にそういうふうにやる意思があるかどうか。過去にやられたのだったらここで一つ大いばりで御報告していただきたい。