○谷口
委員 こういうやり方をすれば、政府が何を考えておるか、あるいはあなた方が何を考えておるか私
ども大いに勘ぐります。(上林山
委員「勘ぐることは自由だ」と呼ぶ)上林山さんは盛んにヤジっておるけれ
ども、国
会議員が
公共料金を決定するのに向いておらぬというのです。こういう
意見は正しくないと政府
委員が言っておる。だけれ
ども国
会議員に見せる必要があると思って、大いに
審議会に忠実を尽くされた。今度の
改正案は、こういう皆さんの
考え方が貫かれておると思う。それは
郵便事業をもうけ仕事に
利用しようとしておる。社会政策の
立場からいって、他の面を安くしても、
郵便事業の本質からいって、どっさり
料金をとるべきだという
考え方にならぬはずだ。しかもそういう
考え方を持っておる皆さん方が、国会から
料金決定の権限をいただこうと言っておる。こんなものに賛成できますか。
そこで私は第三の問題に入ります。この前、私は
郵便の遅配の問題に関連して御
質問申し上げたのでありますが、
郵便事業の円滑な運営と健全な発展のためには、
従業員の問題、職員の問題が非常に重大です。今度の予算の中で若干の
ベース・
アップの問題もきまったし、それからさっきお聞きしますと、毎年定期昇給のことを考えておる、
ベース・
アップのことは考えていないということですが、これは労働者の要求も出てくるだろうし、いろいろと今後は問題になりましょう。しかし政府の
考え方としては、さっきの
お話がございましたように、定期昇給は考えておって本将来の
ベース・
アップのことは考えてないということでした。しかしことしの仲裁裁定で二千円ばかり全逓の労働者の賃金が上がるということになりましても、もちろんあれは決して労働賃金の増額ではありません。物価が上がったためにわずかにそれに追いつこうとしただけで、物価が上がった分にすら追いついていない。低賃金を打ち破るという労働者の要求からいったら、非常に違った、それに達しない、まだ低いものです。だから今後は大いに問題になると思うのですが、こういう労働者の要求というものをすなおに聞き取って、そして労働者の
待遇なり労働者の要求というものを十分に当局側が聞くことなしには、
郵便事業のほんとうの健全な発展、運営というものは私はできないと思うのです。そういう点では皆さんのお考えは依然として変わりませんか。この間二、三日前の
委員会で、長野県の塩田
郵便局の問題につきまして、自民党の羽田さんが御
質問になった。私、速記録からいただいてきまして読みました。皆さんこの
一つの小さな事件をごらんになっても、
郵便局なり
郵政局なり、つまり管理者側が働いている職員に対して、労働者に対してどういう態度をとっておるかということがわかるじゃありませんか。この間の羽田さんの
お話では、労働組合が突き上げて、とうとう局長は自殺した、こうおっしゃったのでありますけれ
ども、そういうことを私は聞きましたが、羽田さんはさすがです。全部を読みますとそういうことは言っておりません。
言葉の端々ではそう言っておりますけれ
ども、ここで言われていることは、定員が足りなかったり、欠員があったりして、そこで働いている労働者がどうしても
郵便事業なり電話交換なりをスムーズにやりたいから、欠員を入れてくれという要求をやったことに対して、局長は長野
郵政局にぜひ欠員を入れてくれということを頼んだけれ
ども、入れてくれぬので、
郵政局と労働者との間に板ばさみになって自殺している。そういう悲しい事実なんです。小さい二十人か三十人しかいない特定局、そこですらこういう事件が起きている。私、あちこちいろいろと見ましたが、至るところに物量がふえているけれ
ども、定員がない、労働者の賃金が安い、いわゆる臨時職という人々なんかに至ってはまことにニコヨンのおばさんよりも安いところで使われているというところに問題があるので、全逓の諸君はこういう不合理を解決しようとして闘争をやっている。ところがこの間、春の闘争の中で、
郵政大臣が何回も何回もおっしゃったが、おそろしい処分をやったわけです。弾圧を加えておるわけです。こんなことで一体
郵政事業はうまくいくと思いますか。(「君らがおだてているからだよ」と呼ぶ者あり)われわれがおだてて動くようなばか
どもであれば、
郵便局はそれを使わなくてもよろしい。労働者というものはその
事業を愛し、その
事業をうまくやらすためにいろいろな職場の中から出てくる要求や解決案を持って、それで対抗しています。これはあたりまえです。しかしまるきり言うことを聞かない。だれが見てもやらなければならないことをやらない。定員の欠員を入れないのだ。だから
郵便局長が板ばさみになって自殺するということになる。こういう態度をやっておるとすれば、これはうまくいきません。どうです、こういう点についてもう少し労働運動なり、労働者階級の
立場をよく理解するという
立場に立てませんか。