○松前
委員 この問題はこのぐらいにいたしましょう。ただ再免許という武器が一番大きな武器だと私は思う。従って再免許するかしないかの基準のバック・グラウンドを作って、そのバック・グラウンドの圧力――圧力といえば語弊があるけれども、その判断を尊重しながらやっていくという態勢をとることによって、私はやはりある
程度相当な自粛態勢がとれるのではないか、こう思うのです。現に浅沼事件が起こり、この間の嶋中事件が起こってからもうそろそろ自粛するのではないかと思って見ていると、相変わらず殺し屋がどうやったとかこうやったとか毎日やっている。小さい子供はそれがおもしろいからしょっちゅう見ている。十七才の少年が犯罪を犯すということは今までの
日本の歴史にない。これは
テレビの責任だというふうに感ずるのです。そればかりではないでしょうけれども、非常に大きく子供の心理に
影響していると思います。この点特に電波監理当局は何も一々干渉なさいとは申し上げませんけれども、ただ再免許ということを背景にして
一つの圧力と申しますか、
政府コントロールができるように、またさせるように仕向ける必要があると思います。ものを言う必要はございません。再免許のときにはちゃんと調べておいて、いわゆる初めに免許をとるときの条件として出した、それに反するものは再免許しない。それだけのことはできる。この点を特に
一つ考えて、非常に大事な
日本の将来の歴史に関連したものですから、留意していただきたい、こういうふうに思うのです。
それから
チャンネル・プランと免許に際して今まで
NHKに対する免許の方式、民間
放送に対する免許のやり方、こういうのを見ていると大体県単位におやりになっておる。たとえば関東平野は大体地理的には同じような条件のもとにある。それにもかかわらず県単位、大体
日本の電波の配当というものはそういうふうになっておる。ところが電波の特徴というのは昔と違って県境やその他に左右されるものでないことは言うまでもありませんし、しかも遠いところにまで飛んでいくというところに特徴がある。カバレージ・エリアが広いということが、この
放送局の設置場所というものに対するメリットがあると思うのですよ。そういうものであるのにもかかわらず、今までの免許の方式というものは大体県単位です。佐賀県にも
一つとか――あそこなんか九州の有明海のまん中に
一つぐらい置いておけば、佐賀県も何もカバーしてしまう。ですから、いわゆる県境とかなんとかいうような、封建的な昔の区画よりも、やはり地理的な条件というものが非常に大事になってきておる。そういうときに、あくまでも電波監理局という局を大体東海、近畿、中国、四国、九州、北陸、長野か信越か、それから東北、北海道、ずいぶんたくさんあるようですけれども、あんなところへたくさん作るということそのものが――この電波時代というものはそんな狭い時代じゃないです、宇宙にまで飛んでいっている時代ですから。行政機構そのものが、ほんとに昔の封建的なちょんまげで
考えてできているんじゃないかと思う。それに対して
チャンネルを配当されるときに、大体県単位でやられる。むしろある地勢のところでは、その地勢の一番中央部の、一番高いような山の上とかなんとかに相当の大
電力――というと語弊があるが、比較的大きなパワーのものを作って、電波を節約して、全国に普及せしめる。このような方式の方がむしろ新しい時代に即応したやり方じゃないか。前に
テレビのときにもそういうことを私は主張したわけですけれども、多少マウンテン・トップを実行されたんだけれども、それにもかかわらず、なおまだまだ徹底したやり方になってないと私は思うのです。そういう
意味からしてあまり狭い範囲ばかり
考えて電波の配分をやられて
チャンネル・プランを組まれるということは、さなきだに少ない電波を非常に不経済に使うことになると私は思うのだが、これは今後の
チャンネル・プランの設定に非常に大事な問題であると私は思います。たとえば非常に高い山がある。その高い山に置くとあらゆる電波監理局にわたって電波が飛んでくるんだから、それはちょっと行政上困るというような御
意見もあったようです。そんなことは、行政上困るというくらいに、もうすでに世の中というものはそこまで飛躍してきておる。だから、やはり現在の技術の進歩と、そしてまたそれに即応した行政の機構というものを作って、そうしてこのとうとい電波を節約して、できるだけ
能率的にこれを使うということが必要じゃないだろうか、こういうふうに思う。それが
一つ。もう
一つは、地方の、四国や九州、北陸や山陰等の県に対しては、やはり県単位のローカルなものも、先ほど
森本委員が申しましたように、必要である。必要であるが、これに対する電波をどういうふうに選ぶかという問題については、これは私は波長によって
考えることはできると思う。そういうふうな波長とカバレージ・エリアとの
関係、あるいはもう
一つは、非常に広い範囲の、電波監理局が三つ、四つもまたがるような
放送、こういうふうな二段がまえでこれらをやっていったらどうか、こういうふうにも
考えられるのです。そうすれば、今までのような県単位にのみこだわってきたようないわゆる
放送局の免許
方針というようなものが、この弊害が除かれる。そうしてまた、そういう県単位でやるような
放送に対しては、波長において、超短波帯なりあるいは何々なりの特別な波長をこれに配当することによってそれを除いてやる、こういうふうな二重の方式によってやれば、その今までの弊害を除くことができるんじゃないかというふうにも
考えられるのですけれども、現在電波監理局全体として長く流れておる
一つの免許の指導
方針というものが、どうも何だか前進しないような傾向にあるような気がするものだから、新
局長においては今後どういう
考えを持ってやられるかを伺いたい。