○森本
委員 会長として見た場合は、この間のストは
労働組合が全部悪いのだ、おれの方は悪くないのだ、こう
考えるのは当然でしょう。ただ私は、
労働組合側にも立たず、
協会側にも立たないという第三者的に見た場合は、やはりああいう問題についてもとめ得る能力はあるのではないかということを言えるわけであります。というのは、率直に言って私は労務問題についてはざっくばらんに端的に話し合いをするということが必要であろうと思うわけであります。たとえば、こういう問題については公開の席上に出したならばまだ非常に影響が大きい、こういうことであるとするならば、少なくともこれは絶対に部外に言ってはいかぬぞということで、
労働組合の幹部と
協会側の幹部とが少数で秘密
会議を開いてその
内容をあからさまに言って、こういう
内容であるからいましばらくぜひ待ってくれぬか、こういうふうな話し合いというものがきわめて大事ではないかと私は思う。そういうことがこの間のストライキの場合、私が横から見ておった場合には全然なされておらない。組合の言うことはむちゃくちゃだとか全然だめだ、
協会がそういう
考え方だし、組合側は組合側として、もう
協会の方は全然話にならぬ、てんでに
国会方面、自民党、政府に遠慮してしまって、何が何だかさっぱりわからぬ、こういうことであのストライキがなされたのではないか、こういうふうに思うわけであります。もともとこの
予算が提案せられるという場合には、何としても従業員としてはこの
予算というものがどういうふうに編成をせられるかということについては非常に大きな関心と注目を払っていると思うわけであります。だから私は、管理
運営事項についてあるところの問題について、一々組合側に話をしろということは言いません。しかし
NHK当局が
予算を編成して郵政省に出す前で、そうして郵政省で削られれば別であります、さらに
国会においてこれが
承認を得られなければ別であるけれ
ども、少なくとも
NHKとしては今年度、
昭和三十六年度の
予算を上程する際には、従業員の待遇改善についてはこの程度をわれわれは
考えておる、だから組合側においても
一つ大いに協力してもらいたい、こういうふうに話を持っていってやっていくとするならば、私は組合側との間はそうもめないと思う。またその問題が部外に漏れたら困るということであれば、私が今言ったように少数の秘密
会議でやってもけっこうだ。こういうふうにやらないと、私は
NHK当局の労務管理を見ておると、全くしろうとがやっておるような労務管理でありて、非常にあぶなっかしげな労務管理ではないかという気がするわけであります。私が
会長でしたら、そういう労務管理をやって、十分にやる自信がありますが、それは別として、そういうようなとにかく簡明率直に、しかも端的に組合側と話し合いをする気がなければ、問題は解決はつかないと思う。おそらくきょう動力車労組の問題が解決ついたというのは、あの半日ストというものを背景に持っていって、労使双方がそれぞれの世論とそれぞれの背景に押しまくられて結局妥結せざるを得なかった、こういうことであれは妥結したと思う。だから私はそういう点については
NHKの
理事者だけを責めようとは思いませんけれ
ども、少なくとも日放労が
公共放送であるにもかかわらずあえてストライキをしたということについての
考え方というものはある程度わかる気がするわけであります。今後そういうふうな労務方針をとって、少なくとも
公共放送が国民に迷惑をかけることなしに、みんなに親しまれ、愛される
放送になっていくように、特に労務管理というものをそういうふうな方針でやってもらいたい、こう思うわけであります。重ねて申しますが、
会長は、私の言ったような意見でどこかいかぬというなら、あなたの言う意見のどういうところがいかぬ、よろしいならそういう意見はよろしい、こういうふうに御答弁を願いたい、こう思うわけであります。