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1961-03-28 第38回国会 衆議院 地方行政委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年三月二十八日(火曜日)    午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 濱田 幸雄君    理事 丹羽喬四郎君 理事 吉田 重延君    理事 川村 継義君 理事 阪上安太郎君       伊藤  幟君    宇野 宗佑君       大沢 雄一君    大竹 作摩君       仮谷 忠男君    久保田円次君       田川 誠一君    前田 義雄君       二宮 武夫君    松井  誠君       山口 鶴男君    門司  亮君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 水田三喜男君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局長)  石原 周夫君         大蔵事務官         (主計局次長) 谷村  裕君         大蔵事務官         (管財局長)  山下 武利君         自治政務次官  渡海元三郎君         自治事務官         (財政局長)  奥野 誠亮君         自治事務官         (税務局長)  後藤田正晴君  委員外出席者         自治事務官         (財政局財政課         長)      松島 五郎君         専  門  員 圓地與四松君     ————————————— 三月二十四日  新市町村建設促進法の一部を改正する法律案(  内閣提出第九三号)(参議院送付) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方財政昭和三十六年度地方財政計画)に関  する件      ————◇—————
  2. 濱田幸雄

    濱田委員長 これより会議を開きます。  地方財政に関する件につきまして調査を進めます。  昭和三十六年度地方財政計画に関する質疑を継続いたします。松井誠君。
  3. 松井誠

    松井(誠)委員 地方財政計画としうものについてきわめて初歩的な質問をいたしたいと思います。  最初に地方財政計画とは一体どういうものかということでお尋ねいたしたいわけなんです。そう申しましても、抽象的でお答えしにくい、だろうと思い事のでたとえば本年度の財政計画策定方針の中で一番最後に、いわゆる規模是正をしたことにからんで「決算に基いてその算定方法を適正化し、地方財政計画合理化を図る」。ここに書いてあります「地方財政計画合理化」というのは一体どういう意味なのかということをまず財政局長にお尋ねしたい。
  4. 奥野誠亮

    奥野政府委員 来年度地方団体全体でどれくらいの財源を必要とするかというようなことは、地方財政計画基礎として推定して参ってきておるわけでございます。従いまして、地方財政計画の現在の姿が実際の所要額を反映しておりませんと、これを基礎として将来の財源を見込むわけでございますので、自然見込み方が少なくなるという結果になってしまうわけでございます。現在の地方財政計画の姿が地方財政現実財源所要額に合っていない面がある、それを手直ししたい、それが今回取り上げました合理化の一番大きな点でございます。
  5. 松井誠

    松井(誠)委員 そうしますと、合理化一つの点は、実際の財源、実際の現在の地方財政状態というものと、この財政計画というものとをなるべく合わせようという、それが合理化ということの一つ観点だ、そういうことになるわけですか。
  6. 奥野誠亮

    奥野政府委員 そう考えていただいてよろしいのでございますが、ただ、決算数字財政計画数字とを形式的に合わせるという意味でないことは御承知と思いますけれども、御理解おきいただきたいと思います。要するに、一般財源所要額現実にこれだけのものを必要としているにかかわらず、また現在それだけのものを使っておるにかかわらず、地方財政計画の上では一般財源としてはすなおに見てないというような計算は穏当でございませんので、それは現実の姿に合わせていきたい、こういうようなことでございます。
  7. 松井誠

    松井(誠)委員 この財政計画というものが実際の決算とはいつもズレがある。ズレがあること自体財政計画というものの持っておるその本来の姿だということもいわれるわけなんですけれども、そうしますと、元来ズレがあるの、が財政計画というものの持っておる本来の性格でありながら、しかも実際の状態とそういうことで合致させようという、そういう二つの矛盾をした目的を持っておる、そういうものを持っておるということになるのですか。
  8. 奥野誠亮

    奥野政府委員 矛盾しておると言われるとちょっと語弊があると思うのであります。要するに、地方税とか、地方交付税とか、そういうふうな一般財源をどれだけ必要とするか、こういう点につきましては、原則的に決算の姿も地方財政計画の姿も合ってこなければならぬ、だろうと思います。ただ、御指摘になりましたように、標準的な税収入基礎にして財政規模を。考えておりますので、そういう点においては決算と当然食い違いがあってしかるべきだと思うのであります。そうじゃございませんで、ただ電力会社等の委託を受けて、そうして道路事業をやっていく、そういうものが財政計画にも決算姿通りに現われてこなければならないかと申しますと、それは現わしてこなくても何ら財源措置上には支障を来たさないわけでございますので、合わせる必要はない。しかし、なるべくなら合った方が世人の理解が得やすいわけでありますので、合わせた方がいいわけであります。しかし、合わせないから地方財政混乱をするというような性格のものではない、こう思っておるわけであります。当然合わないでよろしいというような考え方をもちろん持っておるわけじゃございませんので、できるなら合った姿において進める方がよろしいわけでありますけれども、一般財源所要額でありません限りにおいては、合わさないからといって混乱は起きない、こういうふうな程度考えておるわけでございます。
  9. 松井誠

    松井(誠)委員 そうすると、財政計画目的といいますか、役割といいますか、そういうことになるわけでありますけれども、今言ったような財源の手当ということが財政計画を作る目的の最大のものということになるわけですか。
  10. 奥野誠亮

    奥野政府委員 非常に重要な目的の  一つだと考えておるわけでございます。しかし、そのほかにも公共仕事をやって参りますのは、中央政府だけじゃなしに、府県市町村共同していろいろの仕事をやっておるわけでありまして、どちらか一つ財政だけを考えても、ものの実体は動いていかないと思うのであります。従いまして、中央政府予算案を編成いたしますときには、当然府県市町村財政がどういう姿になっていくかということを考えていかなければならないわけです。また、府県市町村財政運営につきましては、国の財政がどう運営されるかということを頭に置いていかなければならぬと思うのであります。要するに、中央政府地方団体市町村団体を通じまして財政運営計画的に考えられていかなければならない、その  一つの大きな柱になっておると思うわけでございます。同町にまた、個々の地方団体財政計画の姿を見て、中央政府財政運営なり、あるいは地方団体全体に期待されておる姿なりを予測して、その団体財政運営指標にしていく、こういうことになってくるんじゃなかろうかと思うのであります。これがまたそういうふうな姿でございますので、税制改正にあたりましても、地方交付税改正にあたりましても、この財政計画がどういう姿になっているかということと筈を合わせて計画されていく。地方債計画も同じことだと思うのでございます。あらゆる地方財政に関する計画一つ基礎になっていく性格のものであろう、こう思っておる。基礎になっていくのでありますから、また地方団体もこれを財政運営一つ指標としていくたろう、こう心得ておるわけであります。
  11. 松井誠

    松井(誠)委員 合理的ということは大体わかりましたけれども、先般も、多分山口委員質問に答えておる中で、財政局長は、地方財政のあるべき姿というものを一応想定して、しかしそれでは現実と非常にずれるから、一応現実から出発をしながら、そういうあるべき姿というところへ持っていきたいというような趣旨の発言をされておりましたけれども、そのあるべき姿というのは、具体的にはどういうことを意味するのですか。たとえば地方財政健全性とか、自主性とかいうことがうたわれておりますけれども、そのような健全性とか自主性とかというものを財政計画の中で貫いていくその中で、具体的にあるべき姿というものをどういうふうに想定されておるかということをお尋ねしたいのですけれども、そういうことは抽象的で、あるいはおわかりにくいかもしれませんので、もう少し具体的に言いますと、地方財政計画健全性自主性ということがうたわれておるけれども、その中でどっちが比重が重いかという質問自体が問題かもしれませんが、その点について一つ健全性自主性というものの比重といいますか、どういうようにお考えになっておりますか。
  12. 奥野誠亮

    奥野政府委員 健全性と、自主性とが相互関連を持っている部分もございましょうし、そうでなしに、別個に重要な要素になっている場合もあろうかと思うのでございます。健全な財政構造になっておりませんと、自主的に運営をしていくことが困難になろうかと思うのでございます。一般財源財源構成の中で相当なウエートを占めている。そうでありませんと、自分判断に基づいて財政運営していくことが困難になろうかと思います。そういう意味においては、両々相待った性格のものではなかろうかと思うわけでございます。しかし、もとより補助金行政が大きな割合を占めて参りますと、当該団体としては、判断の余地がそれだけ少なくなってくるということになろうかと思います。しかし、そのことは必ずしも健全性を害していると頭からきめてかかる必要はなかろうと私は思うわけでございます。そういうふうないろいろな意味で、どちらが重要かということになりますと、むしろ相互関連を持って考えていかなければならない、こうお答えするよりいたし方がないのではないか、こう思います。自治団体でございますので、ほとんど大部分補助金行政になってしまう、そういうことは考えられない。そういう意味においては、もとよりある程度自主性ということが非常に重要だ、こういうことになってくるかもしれない。しかし、同時にまた、今申しましたような意味で健全な姿になっておりませんと、財政運営について、自分が主体となって判断をしていくということが困難になってくるわけでございます。あたかも金融機関から借金をする、その元利の支払いに追われていく、そういうことでどうして自主性を保てるのか、こういうことにもなってくるのではなかろうか、こうも思うわけでございます。どちらかということよりも、むしろ相互に深い関連を持っている。こうお答えした方がよろしいのではないかと存じております。
  13. 松井誠

    松井(誠)委員 今実は私がそういう質問をいたしますのは、策定方針なんかを拝見しましても、健全性ということは非常に強調されておりますけれども、自主性という面が何か閑却されておるのではないか、そういう疑問を持っておるわけでございます。国の財政と違って、地方財政健全性というのは、やはり自主性というものに裏づけられた健全性でなければならぬと思うのですけれども、そういう財政自主性という場合に、自主財源というものがもとより必要でございましょうけれども、そういう歳入自主性たけではなくて、やはり歳出の面における自主性が確保されねばならぬと考えるわけなんです。たとえば財政のあるべき姿として健全性という面では、たとえば投資的経費一般行政経費との大体の比率がどういう程度のものを健全生考えるか、あるいは自主性としては、歳入の面、歳出の面で自主的な収入あるいは自主的な経費というものがどの程度比重を持てば、それが自主性及び健全性というものを満たすことになるか、そういうあるべき姿というものについて、何かお考えがあったらお示し願いたいと思います。
  14. 奥野誠亮

    奥野政府委員 自治団体でございますので、必ずしも実態が同じじゃございません。従いまして、一がいにどの程度と言うことは困難かと思うのでございます。同時にまた、行政の姿も、国民感情変化、あるいはまた経済実態変化等から相当に変わって参っていることも事実でございますので、従来と同じような気持地方自治考えることも穏当じゃないじゃないか、こういうような気持を持っておるわけでございます。そういうことは別にしまして、非常に大ざっぱなものの考え方で言いますと、自治団体なん、だから、半分ぐらいは一般財源がなければ困るじゃないか、自治団体だから半分ぐらいは自分判断仕事がやれるようにしなければいけないのじゃないか、こういう荒っぽいものの考え方はできようかと思うのでございます。しかし、税制経済運営のただいまの基本的な一つ条件にもなっておるわけでございますので、簡単にそういうものも抽象的な理屈から動かせるものでも。こざいませんので、徐々に改めていかなければならないと思います。その場合に、今申し上げますように、大きな気持としては、全体として半分ぐらいは自分判断だけで運営できるような姿が望ましいじゃないかとか、あるいは半分ぐらいの財源一般財源を持っていないと、そういう運営を困難にするのじゃないかということは言えるのじゃないかと思います。しかし、この姿というものは、団体によって非常に大きな差があるわけでございまして、どの団体でも独立税収入が半分くらいなければならぬというようなことを頭に置いて考えていきますと、何の税源もないところで苛斂誅求しなければならない、こういうことにもなって参るわけでございますので、あくまでも総体的な考え方地方財政を律していくより仕方がないのじゃないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
  15. 松井誠

    松井(誠)委員 自主性の点はそれで大体わかりましたけれども、健全性という面で、たとえば地方財政の健全さとは具体的にどういう姿を言うのかという点、たとえば投資的経費行政経費との割合とか、そういうものについてお考えがありましたらお示しいただきたいと思います。
  16. 奥野誠亮

    奥野政府委員 私たちが数年前の地方財政状況から考えまして、健全性というものを数年来強くとって参っておるわけでございます。それは年々元利償還額が激増して参ったわけでございまして、言いかえれば、従来までは必要な財源をさしあたり地方債収入でまかなってきたというところに大きな原因があったわけでございます。借金も、その年だけのことを考えますと、それで十分仕事がきるわけでございますが、いずれ後年になって、元金だけではなしに利息までつけて返していかなければなりませんので、非常な財政圧迫になってしまうわけでございます。そういうことから、地方財政の中に占める地方債ウエートを少なくしていきたい、また地方債のウェートを少なくしても必要な仕事かやれるような財政状態に持っていきたい、これが大きな念願であったわけでございます。そういうことから見ますと、三十六年度の地方財政計画歳入構成におきまして、地方債ウエートがむしろ減って参ってきているわけでございます。そういう意味健全化に向かって前進はしていっているんだ、こう思っているわけでございます。もちろん私が地方債と申し上げますのは、一般会計における地方債ウエートのことでございまして、準公営企業公営企業会計におきましては、むしろ地方債ウエートを積極的にふやしていきたい、こう考えておりますので、誤解のないようにしておいていただきたいと思います。なおまた旧債につきましても、将来元利償還額となって参るわけでございますし、また、元利を償還したからといって何ら仕事ができないわけでございません。従いまして、できる限り旧債負担は軽くしておく方が、将来思い切って仕事をしていくことが可能になっていくわけでございますので、旧債を少なくしていくことも、財政実態を健全にしていくという大きな要素になってくるのではなかろうかと思うわけでございます。そういうことのほかには、財源構成においてできる限り自分判断で使えるようなものが大きな割合を占め、国庫補助負担金のようなものが大きな割合を占めますよりは、むしろ地方交付税が大きな割合を占める方がいい、地方交付税よりは、なお自分責任感が強く出て参りますところの独立税収入が大きな割合を占めた方がよろしい、そういうふうなことで歳入構造においてはより健全にしていくのだ、こういう考え方を持っているのでございます。  歳出構成におきましても、今申し上げましたような意味から、国庫補助負担金を受けて行ないますところの公共事業がふえることも好ましいわけでございますけれども、さらに自分判断公共事業をやっていける、いわゆる単独事業と呼んでおりますけれども、単独事業ウエートがだんだん多くなってくる、その方が地方自治という立場から見た歳出構成健全化ということになるのではなかろうか、こう思うわけでございます。歳出構成旧債元利償還費でありますとか、あるいは人件費だけでありますとか、補助事業の裏だけでありますとか、そういうものだけで追われているという姿は、自治団体が自主的な判断に基づいてその地方発展に全力を尽くしていくという目的が達成できない姿になっておりますので、きわめて不健全だと思うのであります。歳出構成におきましては、今申し上げましたような構造の改善というようなことを健全化の重要な問題として考えておる次第であります。
  17. 松井誠

    松井(誠)委員 今の質問にも多少関係しますけれども、地方団体の中でいわゆる後進地域先進地域というものがあって、そのでこぼこを調整するのにいろいろな方法があろうと思いますけれども、その方法の中で、地方交付税による方法あるいは補助金に差をつけるという方法、大体二つ方法があるわけでございましょうけれども、その二つ比重といいますか、どれを主にしてそのような地方団体間のでこぼこを調整する手段、方法考えておられるか、その点を伺いたい。
  18. 奥野誠亮

    奥野政府委員 地方団体が活動していきます現実の姿において、後進地域においては独立税収入が乏しいものでございますので、どうしてもある程度その一般財源補強をしていかなければならないと思うのでございます。その役割地方交付税制度が果たしておるわけでございまして、全体の財源がふえて参りますにつれまして後進地域財源を手厚くしていくというような方向をとって参っておるわけであります。三十六年度においてもその方針をさらに強化しようと考えておるわけであります。これはあくまでも一般財源補強ということでございまして、それとは別個に、後進地域がさらに経済発展を遂げていきますためには、いろいろと立地条件整備していかなければならないと存じます。立地条件整備していくについては、ただ一般財源が多くなればよろしいというだけのものではないと思うのでありまして、後進地域でございますので、あらゆる施設がなおおくれている。そのおくれを取り戻さなければならない。そのことは単に立地条件の問題だけではございませんで、庁舎の設備一つとりましてもそういう問題があろうかと思うのでございます。しかし経済発展ということを考えますと、必ずしも庁舎の設備をりっぱにすることが立地条件整備に役立つのだ、経済発展に役立つのだ、こう私たち考えてないわけでありまして、あるいはまた給与費が低いとか、旅費が十分でないとか、いろいろな問題もあろうかと思います。そういう面については、やはり一般財源補強していく方法で解決さるべき問題だ、こう考えております。経済発展を直接ねらう立地条件整備というものは、それに必要な財源が手厚く与えられていかなければならない、こう思うのであります。そういう意味においては私どもはそれに関連する公共事業後進地域に重点的に投入していくべきだろう。しかし、投入したところで、それらの団体では一般財源が十分でないわけ、だから、なかなかそれを受け入れることが困難だ。そこで受け入れやすいようにそのことに使う財源を手厚くすべきだと考えております。そのことが今回の後進地域開発のための公共事業費国庫負担特例制度であります。でありますから、両々相待ってということであれば両々相待ってでありますけれども、観点が違っておる、こう私は申し上げたいのでございます。どちらがどうということじゃなしに、ねらいが違っておる。こう私たち考えております。それだけでは十分ではないのでありまして、自治省としては、さらに基幹都市建設に当たっていかなければならぬ、そういうような中心の都市計画でありますとか、あるいは今言いました立地条件整備あるいは工場誘致というような問題もあわせてやっていかなければならぬ。三本建で後進地域開発がほんとうにできるんだ、こういうように自治省としては考えておるわけでございます。
  19. 松井誠

    松井(誠)委員 次に、三十六年度の地方財政計画についてお尋ねをしたいと思います。例の、いわゆる規模是正というのが四百四十八億でしたか、これはこの前のお話ですと、まだ是正はしたいのだけれども今回はこの程度だというお話でございましたが、規模是正するとすれば大体まだどれくらいの数字になる、そういう見込みはお持ちでございますか。
  20. 奥野誠亮

    奥野政府委員 規模是正考えます場合に、一般財源をどれだけ必要とするかという意味における規模是正と、先ほどもちょっと申しましたように、なるたけ合わせられるものは決算と合わしていく、こういう規模是正二つあろうかと思います。なるたけ決算と合わせられるものは合わしていこうじゃないかという意味規模是正は今回はやっていないわけであります。これは完全に残っておるわけであります。そうでありませんで、一般財源の見地から申しますと、この規模是正のほかに税外負担解消の問題がございます。それは私たちはぜひ取り上げたいと思うのでありますけれども、その税外負担解消の問題を除きますと、さしあたり三十四年度の決算から拾いました規模是正はまずこの程度、なお三十五年度の決算等を見まして検討していかなければならぬわけでございますけれども、一応これでさしあたり必要なものは是正しているんだという気持でおるわけであります。もちろんこまかい点については、いろいろ問題はなおあるわけでございますけれども、あと幾ら残っておるかと言われる意味の点においては、そういうようにはっきり幾ら残っておると申し上げ得るものは今のところない、こう思うわけであります。しかし、税外負担状況などをさらに調査いたしまして、そういう意味是正はぜひ将来において取り上げたいという気持は強く持っておるわけであります。
  21. 松井誠

    松井(誠)委員 規模是正に見合う収入として雑収入での規模是正が二百九十三億、それ以外は交付税の増ということが百五十五億という計算になるのですが、この雑収入規模是正が二百九十三億というのは、今具体的な積算基礎はおありなんですか。
  22. 奥野誠亮

    奥野政府委員 単独事業財源構成を調べまして、それが一般財源雑収入とがどういう割合になっておるか、従来の財政計画上の財源構成、その割合で今度規模是正をいたしました歳出額財源構成をきめたわけでございます。従来の計画上の割合によって財源構成をふやしたということでございます。
  23. 松井誠

    松井(誠)委員 今の御説明で、私よくわからないのですが、もう少しそれを具体的に御説明願えませんか。
  24. 川村継義

    川村(継)委員 関連して。今質問があっております規模是正の四百四十八億ですか、それの積算基礎をはっきり説明していただきたいのです。何をどう見た、これをこう見たという数字を明らかにしていただくとわかるのじゃないかと思うのです。
  25. 松島五郎

    松島説明員 まず規模是正積算の内容から申し上げたいと思います。維持補修費普通建設事業という項目になっておるものについてでございますが、維持補修費では決算額が三百十六億円で計画額が四百十九億円でございますので、差引百三億円、計画の方が決算より上回っております。これは維持補修費の中には道路修繕費、橋梁、堤防修繕費というようなものが入っておりますので、地方団体におきましては、こういう道路関係の維持修繕費あるいは橋梁、堤防などの維持補修費はおおむね単独事業という項目で処理をいたしておるものが多いようでございまして、そういう関係から、決算上出てきた数字計画を下回っている。逆にいえば、計画維持補修費として見られているものが、決算上は単独専業の方に振りかえられて仕事がされているのではないかと考えられますので、普通建設事業維持補修費を差引で考えておるわけでございます。今申し上げましたように、維持補修費計画よりも決算の方が百三億円下回っております。それから普通建設事業では、補助金を受けます補助事業決算が二千三百五十九億円で、計画が一千八百九十二億円でございますので、これは逆に決算の方が四百六十七億円はかり上回っております。それから補助金のない、いわゆる単独事業でございますが、これの決算が一千三百十六億円で、三十四年度の計画が九百九十七億円でございますので、三百十九億円だけ決算の方が上回っております。合計いたしますと、普通建設専業では七百八十六億円、決算の方が計画よりも上回っております。逆に、先ほど申し上げましたように、維持修繕費では百三億円、計画の方が決算を上回り、差引をいたしますと六百八十三億円だけ決算の方が計画より多い、こういうことになっております。  そのうち三十四年には、御承知の通り補正予算がございましたので、その補正予算のときに計画の修正を一部やるべきであったのでございますけれども、そのとき計画修正をいたしませんでした関係上、かりに補正予算を基礎にして計画の修正を行なったとすれば、国庫補助事業等の追加がございましたので、どの程度になるかという数字を見ますと、百十二億円だけ補助事業がふえているという形になります。なお補助事業単独事業との割合から推計いたしまして、そのときに計画修正をやっていたとすれば単独事業がどの程度ふえたであろうかという推計をいたしますと、六十四億円ふえたであろうという推計が出るのでございます。そのほかに、この三十六年度の計画にもございますが、不交付団体における平均水準を越える経費というのがございます。これはいわゆる交付税の交付されない団体において、一般団体の水準以上の専業が行なわれているというものでございますので、一括して計上してございますが、中身は、あるものは人件費であり、あるものは一般的な行政経費であり、あるものは単独事業であり、補助事業であるわけでございます。これをそれぞれの項目別に按分を、いたしますと、維持補修費では七億円、それから普通建設事業では五十二億円程度がこれに当たります。そういったものを差引をいたして参りますと、結局計画決算との最終的な食い違いと認められますものが、維持補修費では百十億円、計画の方が決算よりも上回っております。それから普通建設事業では五百五十八億円、決算の方が計画よりも上回っている。維持補修費の百十億円と五百五十八億円との差引をいたしました四百四十八億円というのが、そういう交付団体関係の経費を再按分した後においても、なお決算計画との食い違いとして残っているものを推計いたしたものでございます。それを今回是正をいたすこととしたわけでございます。  それから歳入の中の雑収入はどういうふうにして出したかということであります。決算計画が違っております内容は、今申しましたように、計画に対応するものは一応計画に対応するものとして両者落として参ります。そうすると歳入計画に対応しない歳出というものが残るわけであります。その残りました経費の中で、たとえば昭和三十四年度には伊勢湾台風を初めとして大きな災害がございましたので、補正予算が組まれまして、災害復旧事業の追加が行なわれた。その追加が行なわれました際には、もちろん災害復旧に関する国庫補助金の追加が行なわれた。その計画歳出の違いの中で、その国庫補助金で行なったであろう事業というものを対応させて差引、差引を一つずつやっていったわけであります。非常にややこしい操作でございまして、中には、御承知の通り、計画決算とは、決算は実績でございますので、前年度から翌年度への繰り越しというものが入り組んでおります。そういうようなものを差引をいたしまして、この決算の食い違いに対応するこの歳出はこの財源で行なわれたというのを一つ一つ当てはめて参りまして、残りましたものを、今申し上げましたように一般財源雑収入とに求めて参りまして、その比率でもって、先ほどお話のこざいました雑収入是正をいたしたわけであります。
  26. 川村継義

    川村(継)委員 今規模是正の内容をこまかにお話がありましたが、その中で、維持補修費計画よりも決算の方が下回っている。つまり百三億ばかり違っているから、その維持補修費計画よりも下回っているという理由をもう少し詳しくそれから維持補修費の中身はどういう事項が多くあるのか、それをちょっと聞かせていただきたいと思います。
  27. 松島五郎

    松島説明員 維持補修費の内容は、庁舎あるいは学校建物などの維持修繕費並びに道路等の維持補修費でございます。このうち道路関係の維持補修費は、はっきりした数字を覚えておりませんか、約半額であったかと記憶いたしております。なぜ決算と食い違うかということでありますが、地方団体では、こういうことを申し上げてはどうかと思いますけれども、なるべく事業を多くやっているという形をとる方が何かと便利であるという面から、道路の維持修繕費というようなものは単独事業という形でもって決算をし、処理をされております。そういった関係から、計画上は維持補修費という別の科目にうたって見ていますけれども、地方団体では、それは単独事業としてやっているのだ、こういうふうに処理をいたしております関係上、むしろ決算の面では単独事業の方に載って出てくるという点が食い違いの最も大きな部分で、それ以外の理由は、いろいろ検討してみましたけれども、ちょっと私どもには考えられないというように考えております。
  28. 川村継義

    川村(継)委員 課長、それはちょっと見方が甘いのじゃありませんか。地方団体維持補修費というところでやるよりも単独事業という形で事業をやった方がいいという考え方からというお話があったのでありますが、そうではなくて、道路や学校の維持補修費というものは、結局大部分が住民の負担によってまかなわれて、それが全然伏せられておるという点が大きな原因ではありませんか、どうなんです。そこを見ておられませんということになると、私は問題が残ると思うのです。
  29. 松島五郎

    松島説明員 いずれにいたしましても、今のお話のように住民負担税外負担でやっておりますようなものは決算の面には載ってこないという形になります。載ってこないのをそのままにしておくのがいいか悪いかの問題は別といたしまして、少なくとも決算比較上の問題には直接なってない。決算比較上の問題としてなぜ維持補修費計画を下回っているのかという点につきましては、私ども実際に二、三の例に当たって調べてみました。また、私どもも地方にありまして、いろいろみずからも経験したことでございますけれども、道路の修繕費のようなものは単独事業で、やるというふうな処理を一般にいたしております。また実際各県について調べてみましても、決算上、道路維持補修費のようなものは単独事業の中で処理されている。こういった関係から、少なくとも決算計画との食い違いという形で出て参りますものは、そういう形のものではないかというふうに私どもは考えております。
  30. 川村継義

    川村(継)委員 今説明を聞いておると、その点は、私は何も否定するわけじゃありませんが、維持補修費におそらく相当の金が実は要っているわけですね。私の言っておることがとんでもない理由であったら指摘して下さい。要っておるわけだけれども、実際は決算上は出てこない、住民負担税外負担というような形で非常に支弁されておる。この事実をわれわれは見のがしてはならない、こう思うのですね。そこのところを考えておきませんと、税外負担解消だとかなんとかいいましても、問題はいつまででも解決できないのじゃないか。それを計画上われわれはやはり何とかの形でそういう住民負担を軽くする。つまり私が言っていることを申し上げますならば、維持補修費にもちゃんと必要な、使ったところの金が決算として出てくるというような方法をとる必要があるのじゃないか。その点はどうでございますか。
  31. 松島五郎

    松島説明員 御指摘の問題は、かねてから税外負担解消の問題といたしまして私どもも努力をいたしておるところでございます。先ほども局長からも申し上げましたように、今後とも地方財源の充実をはかりまして、そういった問題を解決するという方向に向かって努力して参りたいと考えております。
  32. 松井誠

    松井(誠)委員 今年度の計画歳入の構成や歳出の構成の調べが出ておりますが、先ほど申し上げました歳出における自主性というものを見るためには、この歳出の構成ではわからないわけですが、いわゆる義務的な経費と任意的な経費というものの歳出構成をここに載せておられないのは、そういう歳出における自主性というものについてあまり重要視されていないのじゃないかと思うのですけれども、その点はどうですか。
  33. 奥野誠亮

    奥野政府委員 歳出構成の第三表のところでは、投資的経費も単独部分公共的な部分と分けておりませんので、そういうような御批判を受けるわけだと思いますが、自主性を尊重していないからそういう表の作り方をしているということは毛頭ございませんで、それは一つ御理解をいただきたいと思います。  第一表をごらんいただきますと、御指摘のような点を相当はっきり判断していただけるのじゃないか、こう思うのでございます。第一表では給与関係経費、その給与関係経費につきましても若干の振り分けをいたしておるわけであります。さらに、その内容がこまかに説明書の中についておるわけであります。一般行政費につきましても、国庫補助負担金の伴いますものと伴わないものとの振り分けをいたしておるわけであります。さらに投資的経費につきましても、国庫補助負担金の伴いますものと伴わないものとの振り分けをいたしておるわけであります。従いまして、もし特別な御要求がございますならば、それに見合います歳出構成の表をお作りして、委員会に提出してもよろしいと思います。決して自主性を伏せる意味で表の作り方を考えているということはございませんので、御了解を願います。
  34. 松井誠

    松井(誠)委員 そこでこの歳出構成で増加率というものか出ておりますが、私自身の関心事は、やはりそういう自主的な歳出、いわゆる任意的経費というものの増加率がどうかということが第一の関心事であったわけですけれども、それがなかったということで、ただいまのようなお尋ねをしたわけでありますが、しかし、これはただここだけを私が何かあげ足をとろうとして言っているのではなくて、たとえば昭和三十四年度の決算の報告にも、そのような自主的な歳出というものがどういう変化があったかという、そういう説明は一番末尾に簡単に触れられておるだけなのであります。そこで私が財政自主性という面における歳出自主性というものをどう考えておるかということを冒頭にお尋ねしたわけなんですけれども、やはりこの歳出における自主性というものの増減の経緯というものを一つ資料として出していただきたいと思います。今お話しのように第一表から自分計算をすればわかりますけれども、そのようなここ数年のそういう経過というものを一つはっきり出していただきたいと思います。
  35. 奥野誠亮

    奥野政府委員 第一表をちょっとごらんいただきますと、たとえば投資的経費の中で、直轄事業の負担金と国庫補助負担金を伴うもの、これを両方合わせましても増加額は二割何分かだろうと思います。それに反しまして、規模是正をしました関係もございますけれども、国庫負担金を伴わない投資的経費におきましては六割近い増加に当たっているはずでございます。こういう点は、むしろ自主性を非常に尊重したため、逆に単独事業の規模がふえ過ぎているじゃないか、こういう非難があり得ると思うくらいでございます。しかし、過去の年度からどう変わってきているかということを、財政計画上の数字として資料を提出するようにはいたします。
  36. 松井誠

    松井(誠)委員 最後にお尋ねをいたしたいのでございますけれども、この財政計画というものが、具体的に個々の地方団体に対する財源措置の具体的な指標になるのだという説明がどこかにありましたけれども、個々の地方団体に対する具体的な財源措置というものまで、この財政計画でそれの指標になるというふうに具体的にお考えになっておるわけでありますか。
  37. 奥野誠亮

    奥野政府委員 給与費にいたしましても、あるいはその他の行政費にいたしましても、この財政計画基礎にして地方交付税の単位費用をきめていくわけでございます。従いまして、地方団体全体を合わせました姿がこの地方財政計画の姿だと思います。これを地方交付税の算定を通じまして個々の団体に反映させていくわけでございます。従いまして、地方財政計画がどういうような格好で策定されているかということは、反面自分団体について算定される基準財政需要額のある程度の見通しを得ることにもなり、基準財政収入額についても同様のことでございます。そういう意味におきまして、交付税の決定して参りますのは八月のことでございますので、それまでの間は大体の推定をこの地方財政計画基礎にしてやっていくということになろうかと思います。
  38. 松井誠

    松井(誠)委員 そのような指標になるということでありますと、この総合的な財政計画をもっと、たとえば府県市町村に分けるとか、交付団体と不交付団体に分けるとかという、そういう形でもう少し具体的に示された方かいいんじゃないかと思いますけれども、その点はいかがですか。
  39. 奥野誠亮

    奥野政府委員 御指摘のように、これをこまかく分ければ分けるほど個々の団体にとりましてはより的確に判定できると思うのでございます。私たちもそうしたいのはやまやまですけれども、いろいろなことがございまして、なかなかそこまで至らないのでございます。一番困難な点になっておりますのは、国庫補助負担金がどう配分されるかということでありまして、早くから府県分と市町村分がわかっておればそう苦労しないのでありますが、かなり大きな割合を占めるものがそういう振り分けがなかなかわからない、そういうようなことからやむを得ずこういう総体的な姿で国会に提出させていただいているわけでございます。私たちは、自分たちでは一応の姿を描かなければいけませんので、案としては持っているわけでございますけれども、相当大きく変わるものでございますので、資料として国会に提出するというような筋合いにはならないことを遺憾に思っているわけであります。将来御指摘のありましたような方向にはなお一そう努力していきたい、こう存じております。
  40. 濱田幸雄

    濱田委員長 午前の議事はこの程度にとどめます。  午後は大蔵大臣の出席を待って再開いたしたいと存じますが、特別の事情のない限り本会議終了のあととなっておりますので、あらかじめ御了承いただきたいと存じます。  これにて休憩いたします。    午前十一時四十三分休憩      ————◇—————    午後四時五十九分開議
  41. 濱田幸雄

    濱田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和三十六年度地方財政計画に関する質疑を継続いたします。  なお、大蔵大臣及び主計局長が出席されておりますので、質疑はなるべく大蔵省当局に対し集中して行なわれますようあらかじめ御協力をお願いいたします。  それでは久保田円次君。
  42. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 前回の地方行政委員会におきまして、三十六年度におきましての地方財政計画につきまして、私はおもに自治省関係に行財政の面から一応御意見を伺ったわけでございますが、もちろん裏づけとなりますのは資金の面でございまして、かような点から、あるいはこの前お伺いいたしました点と重複するかもしれませんが、裏づけの大蔵省といたしましてどんな工合の考えを持っておるか、その点を  一つお尋ねしておきたいと思うのでございます。   まず、地方財政計画を一べついたしまして、この前、特に地方団体におきましては給与費が非常に加算をされまして、事業費がだんだん食われてくる傾向がある。そういうふうな中で、地方団体は苦しまぎれにこれを地方債に求めなければならない。必然的にそういう結果が現われておるのでございます。その地方債の問題でございまするけれども、いろいろ先進国におきましての全体的な考え方から見ると、地方債におきまして、日本が一番低いような感じがあるわけです。大体五年から二十五年と、こんな程度で、長期にわたるものがいっておるように感じておるわけでございますが、特にフランスあたりでは七十年というのがあるわけです。非常に長期にわたっておる。もちろん日本の経済が非常に成長しておる、こういうふうな中に立って、さらに地方団体に対しましてその裏づけをさしてやるためには、地方債の償還年限を思い切って延ばしたらどうか。これは私が常に考えておるわけでございますが、この点に対しましては、もちろん自治省としましても、大蔵省当局と折衝はしておると思いますけれども、少なくも現在の五年から二十五年というこれを、一つ大幅に大蔵省として延ばしていくというような考えがあるかどうか、これをお尋ねしたいと思います。
  43. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 私の考えでは、今最高三十年まであると思うのですが、結局国の財政資金の弾力性をなくするという問題で、できるだけ早く償還させれば、次の問題にこれが資金源になるわけでございますので、どこに使うかというものによって、いろいろ年限を延ばしたり縮めたりすることがあったとしても、今の三十年くらいが最高限で、これ以上延ばす必要というのは私はないのじゃないかと思います。
  44. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 そこでたまたま後進地域開発というような強い線が政府として打ち出されているわけですが、この後進地域につきましては、地方団体におきましていろいろ段階があると思うのです。そういう段階の中で考えられるのは、地方債のいわゆる事業種別の問題でございます。たとえば公共事業的なものはどうするとか、あるいは公営企業的なものはどんな工合にしてやるか。同じ地方債におきましても、そういうふうな事業別に段階をつけて延ばすとか、それから後進地域というようなことを考えたときには、最も低い地域、財政力指教が非常に悪いというふうな地域に対しまして特に何か考えてやることがありましたら、一つ大臣からお聞かせ願いたい。
  45. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 後進地域の問題については、格差問題からは、やはり交付税の配分方法の考慮とか、国の補助率の問題とか、そういう点で十分考えることにいたしておりますが、今言った起債という問題では、むろん事業種別によって長短というものは考えていいと思いますが、それにしても今言われましたような最高限という問題になりますと、これは今後国の財政資金が全部固定してしまうという問題も考えられますので、この点は今以上延ばすという措置をとらなくとも、少なくとも後進地域問題には対処できるのではないかと思っております。
  46. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 だんだん後進地域の問題に移ったわけでございまするが、国の施策といたしまして、特に財政力の低いところにおきましては、財政法の問題だとか、あるいは土地の問題だとか、いろいろ特例を設けまして地域開発をさせてやろう。ところが、後進地域におきましてもその段階が非常にあるので、最低の後進地域、そういう地域はおそらく山間地帯というふうに私は判断するわけでございますけれども、そういうふうな地域には中央の産業を——今申し上げましたいろいろの特例を設けて恩典を与えてやる。そんな工合にしても、条件のいいところは行く会社、工場があると思うのですが、条件の悪いところはなかなか理屈通りにはいかない。だからその行けないところのそういう後進地域におきまして考えられるのは、その地域ならその地域の工業というものを、第二次産業というような形になりましょうが、そういうふうなものを振興させてやるためには、どうしても裏づけの財政が非常に必要だと思います。この問題につきましては、もちろん所管があるいは農林関係というような形にその地域においてとられようと思うのですけれども、しかしながら、大蔵大臣としまして、特に国の財政を持っておる大臣といたしましては、そういう非常に財政力の低いところの地域につきましての考え方、工業がなかなかそこのところへ分散していかないというような地域には、では予算を大体このくらいとって何かやらせようというような考え方があるかどうか。
  47. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 どの地域にどういう方法をとるかというようなことは、これから国がいろいろ総合的に計画するということになっておりまして、各省に対してそういう計画の調査費を今年度みな計上したというところでございますので、自治省、農林省、通産省、建設省、それぞれ今そういう後進地域開発計画立地条件の検討とか、いろいろなものを今から始めて、そうして各省別の計画が大体できたら、これを企画庁において統合検討して、そうして国としての統一した開発計画を立てようということで発足しているばかりでございますので、そういう計画に基づいて、実際に即する対策をわれわれが考えるよりほかには仕方ないと思います。一般論としては簡単にちょっとお答えできないと思います。
  48. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 それでは一つ私は特に要望しておきたいと思うのですが、やはり中央にあるところの産業は地方に、条件のいいところへ必然的にとにかくだんだん行くようになってくると思うのです。ところが条件の悪いところへはなかなか行けない。行けたい地域に一体どうするか。中央にあるところの産業の分散ということができないのであるから、その地域はその地域によって一つ第二次産業を育成する。それには大きな資金が要ると思うのです。あるいは加工工場を作るとか何か。これには農業近代化資金が今度新しく計上されまして、相当の資金が流れるとは思いますけれども、特にそういうふうな非常に条件の悪い地域に対しては特別な措置を講じて、そうして思い切った資金の裏づけをしないと、なかなかその地域は前進しない、こういうふうに判断するわけでございますが、この点は一つ、要望項事として申し上げる次第でございます。  それから後進地域におきまして、その地域の全体の状態を見ると、結局土地がよくても池の中へ石を入れたみたいにだんだん悪くなるわけです。それをさらに分析してみますと、第一次産業部門というものが非常に恵まれない。農業関係になりますと、ただ持っているものは自分の土地だけで、現金というものはほとんど今持っておらないわけです。そういうふうな観点から何か一つ発展的な一まあこれは関連したいろいろの法律の改正という問題もありましょうが、私の考えとして一つ申し上げると、農地銀行というようなものを作りまして、そうして国の方で農地を担保にとってしまう。それでそこのうちにしてみますと、資金がそこでできます。今までの生産というものは、反収において平均が大体三万円か、多くても四万円くらいにしかならないのです。これをいたずらに繰り返していたのでは、生産がさらに上がらない。それにはフレーム農業をやるとか、あるいは特殊的な農業政策に移らなければ、農家の経済というものはなかなかよくならないと思いますけれども、そういうふうにしてほかの企業においては担保物件がどんどん動くわけでございますから、農業に限っては持っているものが固定しておるので、これを動かすためには、今申し上げましたような農業銀行とか農地銀行、名前はいずれにいたしましても、そういうふうな一つ考え方によって、企業的に考えて融資をしよう、こういう考え方があるかどうか、一つお伺いいたしたいと思います。
  49. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 昔、農工銀行というものがあったときには土地抵当の金融というものをやったのですが、今は御承知のように農地法というものによって制限されておりますので、そういう面の改正とかなんとかというものと関連しなければこれは簡単にいかない問題ですし、かりにそういう要望に応ずる金融機関ということになれば、現行の農林金融の機関をどう改善すればできるかというような問題もございますので、そこらを総合的に検討しなければむずかしい問題だと思います。農業関係の金融機関のあり方を今のままに置いて、もう一つ新たにそういう銀行を作るということは、実際問題としてはなかなかむずかしいと思います。
  50. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 大体後進地域ということになりますと、結局農業地帯というのが中心になるわけですが、先ほどの特に財政力が悪いという地方団体、そのうちでも特に取り上げてやらなくちゃならないと思うのは、私は義務教育の問題だと思うのです。この問題については、差をつけるということはなかなか至難だと思いますけれども、これは差をつけてもいいのじゃないか。差をつけるということは、そういう地域においては全額国が負担をしてやるというところまで発展的に考えてやる必要もあるのじゃないか。山間地に行くと、私どもよく知っておりますけれども、実に生活が悪いです。もちろん体育の問題にしても、いろいろの問題におきましても、そういうところには僻地教育の振興というような法律もできておりますけれども、学校の給食というようなものは一応今度は国が全体的に一つ持ってやろうとか、教材費というようなものも相当考えなくちゃなるまいと思いますが、住民の財政力というものがないのですから、そういう地点においては、義務教育という面にしぼったときに、国の方で一つ全額国庫負担をするというところまで発展的に考える必要もあろうかと思いますので、この点のお考えを聞かしていただきたいと思います。
  51. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 地方団体財源調整の問題とからんでそういう構想を考えたこともございましたが、なかなか実際問題としてはむずかしい問題で、現在国が二分の一を補助するということになっておりますので、これはこのままにしておいて、そうして実際の後進府県の、財政力のないためのいろいろな問題を解決する方法は、別の方法でやれる。交付税の配分とかいろいろなことでやればその方が合理的じゃないかというふうに思われますので、一ぺん考えたことはございましたが、ことしそういう構想をわれわれきれいにやめたいきさつもございますので、今後すぐそういう方向でやれるかと言われましても、なかなかむずかしいと思います。
  52. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 先ほど、この地方財政計画につきましてのいろいろ検討の中で、非常に給与費が加算されておる。これをいろいろ分析していくと、最も合理的に、地方団体が同じ給与の比率というものが一〇ということならば、能率的に運営をするためには、いわゆる行政面と財政面と並行して考えていったときに、あまり高給者は遠慮してもらうというわけじゃございませんが、いわば定年制という形になるわけですが、年をとってくると必然的に給与も加算をしてくる。また反面には非常に事務能率が−私は決して悪くなるということは申し上げないのです。しかし政治が老退化されることだけは、年令からいっても明らかなことでございます。ところが現在におきましては定年制がありませんので、それぞれの大学を出ました希望を持った若い者が、とにかく就職をしてみよう、学校の先生の例をとってみると一番よくわかってくるわけですが、群馬県は、私なんかが県会におりましたときに、この問題なんかも強く取り上げたわけでございまするが、希望者がとにかく千四、五百人もあって、実際に就職できるというのは二百人か百五十人かそこらになっているわけです。そうするとあとの者はふらふらしているということになると、いろいろの問題、嶋中事件みたいにつまらない考えを持ってくる。結局社会をのろってくるという、若い青年が結局そういう考え方を持つということは、そこらにも原因があると思うのです。  そこでもちろん定年制は必要だが、当然考えられまするのは、すでにこれは昭和三十四年度でございますか、地方制度調査会でございますか、一応答申をいたしまして、地方公務員に対しましての年金という問題が強く取り上げられておるわけでございますけれども、これは聞くところによると、ことしは自治省におきまして相当強い意見のように承っておるわけです。ところが大蔵省の方になかなか難色が出た、こういうことで、地方公務員退職年金の制度につきましての問題が立ち消えになっているような感じになっておるわけですが、これはいつかやらなくてはならないと思うのですけれども、ここらの点を大臣の方からやる必要があるのかないのか、お聞かせ願いたいと思います。
  53. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 国家公務員に準じて地方公務員の共済年金制度を整備することは、私は必要だと思っております。三十四年の答申に基づいて自治省でもいろいろ研究されておりますし、私の方でもこの問題の検討をしておりますが、今回はそれぞれ意見の一致しない問題もございましたし、もう一年検討しようという結論になったわけでありますが、問題は国が金を惜しむというものではなくて、この共済年金制度の数字の問題でございまして、この掛金を国が負担するということの問題を中心に、いろいろの問題が出ておることは事実でございますが、かりに実施するとしても、地方財政計画地方団体負担を計上して見る方法もございますし、国が負担するという問題は、ひとり公務員だけの問題じゃなくて、他の国の機関そのほかも持っておりますし、ほかに大きく波及する問題があります。しかし現在においては、全部の国の機関が国に掛金を持たせておるわけではございませんし、公務員も同様であって、国がこれを負担しなければならぬかという問題については、数字の問題としてわれわれの方には検討すべき問題がございます。これはできた方がいいので、やろうと思えばやる方法はあるのでございますが、国の負担ということが一番問題になって、この点で私どもはもう一年検討したいと思って今年度は実施できなかったといういきさつでございます。
  54. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 地方に行くと、特に財政力に恵まれない団体ですが、役場の吏員も優秀なのが行かなくなってしまうのです。これは現われておる。そうなったときに、事務能率を上げろといったってなかなかそんなわけにいかない。やはり国家公務員並みに地方公務員といたしましても何らかよりどころのある、はっきりした年金制度というような問題を法律によって裏づけをしていく。吏員につきましても、一つの誇りとでも申しましょうか、またいろいろ年をとってきてからというような考え方も、国の方でめんどうを見てくれるのだ、こういうふうな考え方を持っておる吏員は相当多いわけです。この点につきましては、先ほど大臣からこれは一年研究というのですが、私は一年後におきましては、来年度は実施する、こういうふうに感じといたしましては受けたわけでございます。そういうふうに承知をしてよろしゅうございますか。
  55. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 一年検討しようということになっておりますから、この検討の結果、来年度より実施しようとすれば私は可能だと思っております。
  56. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 地方団体が一番困っておる問題につきましては、やはり自主財源を相当与えてやる、こういうことが最も大切でありまするが、国といたしましては、もちろんこれにつきましては地方税改正というような問題もありますが、何といっても住民にいわゆる所得が伸びるような政策を与えてやることが一番大切なことなので、この点につきましては、いわゆる後進地域開発という問題について、結論は、私は予算の問題だろうと思うのです。お金がなければできないので、幾らりっぱな法律を作りましても、予算の裏づけというものが並行しなかったならば、あとの実が結ばない。特に政府といたしましても、この後進地域の問題につきましては強く取り上げておりまするので、予算裏づけにつきましては重点的にその措置をできるように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  57. 濱田幸雄

  58. 川村継義

    川村(継)委員 今この委員会では地方財政計画を中心とした質疑をいろいろ行なっているわけですが、なお後進地域国庫負担率の問題の法案、地方交付税の問題等が出ております。どうしてもゆっくり大蔵大臣の御意見を聞いておきたいというようなことで来ていただきましたのですが、何か時間が非常に少ないそうでございますので、私もそのつもりでお尋ねをいたしたいと思います。  お聞きしたいことは実はたくさんあるわけでありますが、まず第一に、財源調整の問題について大臣のお考えを承っておきたいと思います。  私たち地方の行財政をこの委員会で扱っておりますが、毎年予算編成期に、大蔵省と自治省の間で財源調整等の問題をめぐって相当難航しておるように承っております。ことしも実はそういう状態があったようでありますが、この点について大蔵大臣としては一体どうお考えになっておるのか、少し明らかにお聞かせおき願いたいと思うのです。私が申し上げるまでもなく、今いろいろの財源調整がなされているわけであります。義務教育国庫負担の政令による制限、これも好ましい状態でありませんけれども行なわれておる。あるいは地方税でありました入場税が国税に移管されて、それが譲与税、あるいはさらにその譲与税を制限するというようなことが行なわれておる。また法人専業税の分割基準の改正による税収の減額等もあるわけであります。また地方道路譲与税の譲与額の制限ということも行なわれ、こうして地方団体の立場から見て参りますと、いろいろと制限を受けているようなことが行なわれております。ところが、これまでやはり少し税収の多いと申しましょうか、富裕団体とでもいいましょうか、そういうところのお金を削って、力の弱い団体に回すべきであるというような論議がよく予算編成期に行なわれるのでありますが、一体やるべきものであるかどうか、そういう点について一つ大臣のお考えをぜひ聞かせておいていただきたい。
  59. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 最近地方税の自然増収は相当大きうございますが、この自然増収の主要な部分は、法人系統の地方税収入の増加ということでございますので、どうしてもその財源は、現行法でいきますと、富裕団体に集中してしまうという傾向が非常に顕著でございまして、今後この傾向はもっと激しくなるだろうということが予想されます。従って地方財政における財源調整というものがどうしてもここで必要だということで、数年来この問題が言われておりますが、なかなかむずかしい問題でございますので、まず地方交付税によってこの財源調整をやるということが行なわれておりまして、これによって地方団体財政格差というものは私はある程度調整されていると思います。しかし交付税による傾斜配分というようなことをやっても、まだ地方団体財政の均衡化ということは非常に十分とはいえませんので、そこで私どもが考えておりますのは、やはりこれは地方税のあり方について考えなければならぬ。地方税制の検討をやって、中央、地方を通ずる財源の配分の合理化ということを考えなければならぬと考えまして、今税制調査会に対してこの問題の全面的な検討を願っておりますので、この結論が出ましたら、税制改正によってもこの地方財政力の格差調整というものはある程度できるのではないかと思っております。それと、もう一つは、地方財源として地方税地方交付税と並んで、国庫の支出が地方に対しては非常に多うございまして、五千億円をこえている。この支出のあり方というようなものも当然検討の対象にしなければならぬ。この三つを総合調整して地方財源の調整をやりたいというのが私どもの考えでございまして、交付税によるやり方は今やっておるし、それから税制の全面的な検討というものは、これから今年度中にやりたいという問題で、今間に合いませんので、そういたしますと、国からの支出の仕方についてやる方法はないかということを考えて、今年度いろいろなことを私どもは考えましたが、実際問題としてはなかなかむずかしい問題でございましたので、この問題ももう一年関係の当局において検討しょうということになって、今年度はこの調整工作をやめまして、とりあえず後進県に対する補助の仕方、この法案だけを御審議願うことにいたしまして、富裕県に対する財源の削減というようなことは今年度やらないことにしましたが、しかし今後のいろいろな趨勢を見ますと、私は、やはり地方財政全体の財源調整というものを考えなければ、後進県との格差調整という仕事はなかなかむずかしいことと思っております。従来のやり方を見ますと、後進県は財政力が弱いから、できるだけ起債を認めてやるから借金でやっていかんかというような方向の指導をやりまして、富裕県は金があるのだから、起債はしなくても自分でやれというような指導をして参りましたために、現在の姿を見ますと、財政力のない県は債務が多くて、予算に対して九十何%という債務も持っている県があると同時に、富裕県は反対に三十何%という借金しか持たぬというようなことになっていますが、これは地方財政の指導の仕方としては逆であって、できるだけ後進県には補助金そのほかを多くして、起債を少なくさせるように持っていくべきでありますし、富裕県は将来の財源が非常に多くなるという予想がついている以上は、必要な仕事を起債でやらせるということも必要で、その方が本筋であります。国から直接支出する金の力の調整をやって、起債でいろいろ仕事をしてもらうということも必要で、こういうふうにしなかったら地方財政のバランスというものはとれてこないと思いますので、私は、地方財政計画全体としましては、やはり合理的な財源調整方策をここで考えるべきだと考えております。
  60. 川村継義

    川村(継)委員 いろいろお話がありましたが、起債の考え方にはいろいろあると思います。ただ、今大臣が言われたように、これまで地方財政の中のいわゆる起債のやり方が悪かったのだとあなたの方できめつけていただくと、やはり問題が残るのじゃございませんか。起債でもつけてやらねばならないという地方財政実態であったということ、つまり国の財政施策がそこまで手が及ばなかったということであります。地方でも仕事をしたい、住民の福祉向上のために何かやらねばならぬ、また国からはいろいろな仕事が押しつけられている。それに応じてやるためには、金がないときには起債をやむを得ず必要とする、そこでそういう政策がとられてきたということであって、これは、何年か前のいわゆるそういう政策をとられてきたことについては、私はやむを得なかったものであったと言わねばならぬと思う。それが悪かったと大臣が一がいに昔のことを押しつけられるということは問題が残る。この後は起債をどんどん無鉄砲につけて、地方財政に大きなマイナスを来たすようなことは、十分考えていかねばならぬと思います。しかし、かといって、それでは起債をつけないで潤沢にやれる財政力があるかというと、まだそういうものがない団体が多いのでありますから、これはいろいろ検討しなければならぬと思いますが、ただ起債のつけ方、地方財政のあり方が悪かったときめつけていただくことだけは、この際遠慮をしていただかなければならぬと私は思います。  なお、交付税の問題につきまして意見がありましたが、これは交付税の趣旨からして、今のように財政力の弱いところにある程度交付税の傾斜配分を高めて、そして見ていくということはあり得ると思います。ただ、交付税の配分の中で、ことしも問題になって参りましたようでありますけれども、私も一つの問題として考えておるのですが、交付税のワクをちゃんと押えておいて、そのワクの内部で傾斜配分を考えるということは、やはりまた地方財政考えるときには問題が残ると私は思います。これは地方財政実態をよく見きわめて、交付税の限度ということを考えていきませんと、あなたが今おっしゃったようなことで、一つのワクがあったのを上げ下げするだけで財政力の弱い地方団体財政を立て直す、あるいはいろいろな大きな仕事をしていく場合の財源として有効であるかどうかということも問題があると思いますから、よく考えていただかなければならぬと思います。  なお、国庫負担等の問題がありましたが、お考えはわからぬではありません。ただよく、ことしも問題が出たようでありますが、義務教育国庫負担のいわゆる政令による制限をなおきびしくしていこうというような考え方があるようであります。これはどうもそのまま考えるわけにいかないのじゃございませんか。国がいわゆる義務教育を進めているときに、金があるからといってどんどん削って、そうして地方財政の責任で義務教育だけをやらせようとするその考え方は、私はそのまま考えるわけにいかない、こういうように考えるわけであります。財源の調整にいたしましても、ただ大蔵省の、ほんとうに地方団体財政運営を十分考えていただかないで、地方の持っておる金をあちらこちら手直しをするだけで運営なさろうとする考え方は、これは十分検討していただかなければ大問題になるだろうと思います。先ほど地方税の問題におきましてもお話がありましたが、これは皆さんの方では、地方税の根本的な改革をして再配分等を考えようとおっしゃることは、もう何年続いてきておるのかわかりませんが、今日までほとんど手がつけられておりませんし、来年度あたり一つ考えたいというお話で、ございますけれども、これはちょっと今のところわれわれは当てにして考えることはできないと思っております。  三十五年度の、富裕団体と申しますか、そういうところのいわゆる超過財源あるいは余分の金は、自治省の方では百三十五億くらいあるという、大蔵省の方では百八十五億くらいあるという、いろいろつかみ方が違っておるようでありますが、それはそれといたしまして、一体富裕団体といわれるところに超過財源がある、こういうのですが、その金はほんとうにあり余った金と見ておられますか、その点大蔵大臣に一つ考えを承っておきたいと思うのです。
  61. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 あり余った金という意味ではございません。一定の基準から計算して財源の不足を見るというその見方によっての超過ということですから、あり余った金という意味ではありません。
  62. 川村継義

    川村(継)委員 そうしますと、これはやはりその団体に必要な金だと私は思います。その金をなるたけ少なくしてこちらの方に回してくる。たとえば義務教育国庫負担法をさらに削ってこちらに持ってくる、あるいは譲与税等を制限してこっちに持ってくる、あるいは交付税等をもっと制限してこっちに持ってくる、こういうような考え方はよくない考え方じゃございませんか。やはり少しお金のある、富裕団体といわれるような財源力の強い団体でも、それ相当にそれに応じたいろいろな仕事があることは、私がここに例示するまでもなく、大蔵大臣よく御承知の通りであります。そういうようなその地域の住民の必要にこたえるために、その行政体が必要とするものの各種の仕事をやっていかなければならない。そういう場合には、たといそこに少しくらいのあなたがおっしゃったところの超過財源というものがあったとしても、それでは足らない。そういうものはうんと必要とするものである。こう私は見ておるわけでございますが、その点はいかがでございますか。そういうものは多いからといって、そちらの方のものを押えて低い方に流すというような財源調整の、やり方というものは、これはやるべきものではないのじゃないかと私は思うのですが、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
  63. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 余裕があるかないかというものを見るのには、一定の基準をもって見るよりほかに仕方がないと思います。ですから、その基準によって、その団体財源の余裕があるか、あるいは全然余裕のない県はどこであるかというようなことがわかるわけでございまして、その基準によって余裕があるといわれたところが、その財源がむだなものであるかどうかということになりますと、今言ったように、これは必要な余裕であるとは思いますが、しかしその場合、たとえば大都市というような場合には、また当然大都市特有の仕事がございますし、それに要する経費というものが多いのでございますから、大都市なら大都市固有の必要経費が要るのだということは言えると思いますが、しかしその場合でも、いろいろ分析して考えられることでありまして、上下水道とかいうような収益事業であっても、こういう仕事は、大都市は大都市並みに他の府県とは違ってもっと大きい仕事をやっていかなければならぬという場合には、こういうものはその都市の税金でやるというべきものじゃございませんので、これは起債によってやっていくのが妥当だというようにも一考えられますし、大都市が経費が必要だといっても、分析すれば、必要ではあるが、これは起債によってやれるものと、あるいは一般財源でやっていくものといろいろありますので、これを他の地方の実情と勘案すれば、大都市の余裕というものと貧弱県の格差というものは、やはり一定のものさしによってはっきり私どもは出てくると思います。しかも東京都は市と都が一緒でございますが、たとえば大阪というようなところになりますと、そういう費用というものはもっぱら市が負担して、市が必要とする財源になっておりますが、府の方は、これはまた別でございまして、市の財源がふえると同じに、やはりそれにつれて府の財源も非常に多くなってくるのでございますから、府の財源地方財源との比較というようなものをやりますと、各地方団体財政力というものが一応はっきりして参ります。はっきりした場合にどうするかという問題でございますが、今まで政府で考えておった財源調整策としては、すでに不交付団体にも渡っている既定の財源を減らそうというようなことを考えましたので、これはなかなか摩擦が多くてむずかしい問題で、これはできませんでした。やはりそういう考え方はあまり感心したものではないと私どもも思っておりますが、今後いろいろ国から支出するものは年々大きくふえていくのでありますから、すでにくれてあるものを取るという考えではなくて、今後支出するものについて財源調整の方法はないかということを私どもは考えていろいろやったわけでございますが、これもなかなかむずかしいので、もう一年検討するということになったわけでございますが、大都市は多々ますます弁ず、だからこれは調整すべきではないという考えは、やはり間違っていやしないかというふうに私は考えております。
  64. 川村継義

    川村(継)委員 何かお話が途中でわからなくなっちゃったのですが、国庫支出金、そういうもののあり方を検討していただいて、なるたけ弱い団体に高めていく、そのかわり、そうなりますと地方負担分というやつがまた増加をする。これに対してどう対処していくかというようなこと、そういう点で施策を配慮していただければ、私は何もそう不都合な点は起こらないというようにも考えます。ところが交付税なら交付税の配分にしても、二八・五%、別に〇三%あるようでありますが、この配分率というものはこのまま押えておいて、出てくる交付税額をいつまでも押えつけておいて、そうしてその配分を傾斜的にならす、それがそのまま不都合だとは言いませんけれども、そういう考え方にこだわっておったならば、あなたがさっきおっしゃったように、財政力の強いところは、自分の持っている一般財源と、それから起債等の力によってどんどんどんどん仕事が進んでいく、それだけ行政水準は高まる。ところが財政力の弱い団体では、大蔵大臣の意見によれば、そう起債も思う存分くれないということになると、やりたい仕事もやれないというような状態が出てくる。そうなると、やはり交付税の配分というものは、これは十分考えていかなければ、そのような力の弱い団体行政水準を高めていくことにはやはり問題が存するわけですね。そう考えて間違いございませんでしょう。そうなりますと、今たとえば地方の義務教育の国庫負担金のそれを、富裕団体のやつは削るというような考え方でなくて、国庫支出金のあり方、それに地方負担がどうこたえ得るかという施策、そういうものがやはり先決であって、地方団体のお互いの中のものをあっちへやったり、こっちへやったりするようなことだけは、やはり差し控えていただかなければ、先ほども申し上げますように、富裕団体あるいは財政力の高い団体といっても、これはやはりそれに相応する仕事をどんどん、やっていかなければならぬ。東京は富裕団体ではありますけれども、私たちがいなかから出てきておって見ておっても、あの自動車のはんらん状況、あるいはそのほかきたない町、これは上下水道から何から、やらなければならぬ仕事はたくさんあると思います。そういう点からいうと、それ相当の高い金が要るわけですから、金を持っているところを引きさいて弱いところにやるという考え方には賛成しかねるという考えを私たちは持っておる。私が申し上げるような考え方で、これはやはり国としても方向づけてもらうことが、真に国の施策を完全に実行させ、地方団体財政力を高めていき、地方行政水準を高めていくところの方向でなければならぬと考えているわけです。  きょうはちょうど自治省の大臣がお見えになっておりませんが、次官にちょっとお聞きしておきたいと思います。実は、今度の予算編成で、今のような財源調整の問題とか、あるいは退職年金の問題とか、後進地域の高率適用の問題とか、ずいぶん自治省と大蔵省とでは意見の相違があったと聞いております。ところが、その場合に、これは次官もお聞きになっておられたと思いますが、安井さんは財源調整の必要なことは認めるという言質を大蔵省に与えておられるようである。一体安井さんはどういう形で財源調整が必要だという言質を与えられておるのか。そこで一年間検討するという約束ができたわけであります。これは三十七年度の予算編成にはまた大問題になるだろうとわれわれは心配しているわけです。実はきょうは大臣がおられぬが、大臣にはっきりこれらの点を聞いておきたいと思うのですが、またこれはいずれ聞くこともあると思いますが、今大蔵大臣があんなお話をしておられますから、この際次官から一つ聞いておきたい。
  65. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 今川村委員の御質問の中に、財源調整は必要であるということを大臣が述べられたというような話でございましたが、いかなる場所でいかなる形でそういうふうなことを申されたか、私記憶がございません。ただ、予算折衝の際におけるいわゆる大臣折衝のあの場合で大臣が申された言葉でございましたならば、幸い私同席しておりましたので、考えてみますと、私たちは、各自治体間に均衡ある財源を付与するという点につきましては、これは当然自治省としまして考慮しなければならぬ問題であるし、このためにもまた国と地方との財源のあり方ということについても根本的に考えなければならぬのじゃないか、かように考えております。従いまして、一昨年以来政府といたしましては調査会を設けまして、本年結論を得る予定で国、地方を通ずる財源の配分方というものを考究しておるような次第であります。私は、この問題の解決の際には、それをいわゆる大蔵省の言っておられるような財源調整という意味で大臣が必要を認められたのではなくして、それらの点を検討するという意味で申されたことが今川村委員が指摘された点ではないか、かように考えております。
  66. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 私からもその問題についてお答えいたします。  今政務次官が言われた通りでございます。この問題が閣議にかかりましたときも、全閣僚の意見として、地方税、国税のあり方、それから今言った交付税の配分の仕方、国の支出金の仕方、そういうものを総合してこの際検討する必要がある。財源調整の問題も含んでそういう総合的な根本的な検討をする必要がある。一年、間を置いて、関係当局でそれはやってくれということで、私どもはそうしますということで了承したのが実際でございますので、今政務次官が言われたような趣旨で安井大臣が承知した、こう御了承になっていただけばけっこうだと思います。
  67. 川村継義

    川村(継)委員 昨年、本年度の補正予算が組まれたときに、交付税の増額がありまして、ああいう特別の法律まで作って三十六年度に繰り越したわけであります。このことも一つの大きな問題であると私たち考えておりまして、この点を今ここでいろいろ論議はいたしませんが、ただもう一つ、どうしてもことしの財政計画地方財政運営からして、問題としてぜひ明らかにしていただかなければならぬと思いますことは、先ほど久保田委員からもちょっと出ておったようでありますが、地方公務員の共済年金制度の点について、自治省はいわゆる一般財源として百六十億程度考えており、大蔵省の負担ということを強く要求しておったようであります。それがどうしても見通しが立たないので、ことしも見送った。これが何といっても一番大きな原因たと私は見ているわけであります。ところが、百六十億のこの取り扱いについて、結局金を浮かすという考え方に立ったようでありますが、こういうふうな交付税の年度間の調整とでも申しましょうか、こういうやり方が一体妥当なのかどうか、ちょっと疑問になるのであります。これは大蔵省と自治省の両方から意見を聞いておきたいと思いますが、しかもこのやり方は、三十七年度に償還すべき地方債を繰り上げて償還する、百六十億程度繰り上げて償還をする。そのかわり、その財源交付税の中で見る。しかもその百六十億程度の金は来年の共済年金制度の財源として温存しよう。こういう考え方に立っているようでありますが、退職年金制度の必要なことは皆さん方も認めている通りであります。  第一に大蔵大臣にお聞きしたいのは、国家公務員に準ずるあらゆる取り扱いを受けておる地方公務員の退職年金制度実施について、なぜそれに必要な財源負担ができないのか、これが一点。それから自治省にお聞きしたいのは、私がさっき申し上げたような百六十億の金をいわゆる地方債償還に繰り上げさしておいて、来年出てきたところの金を共済年金制・度の金にしようという考え方でありますが、一体、三十七年度以降返すという地方債を繰り上げて償還させるということができるのかどうか。もしも私なら私が、おれはいやだ、おれは約束通りにちゃんと三十七年度返す、あるいは三十八年度返す、こういうことに償還の契約ができているならそういうふうにする。こう言ったらば一体どうなるであろうか、この点を自治省は少し明らかにしていただきたい。
  68. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 さっき申し上げましたように、共済年金制度ができることは望ましいことであって、反対しておりません。ただ、各種のそういう年金制度のあり方から見ましても、公経済の主体である地方が——一方地方公務員が分担し、公共団体負担するということによってこの制度が作らるべきものであって、なぜ国が一部を持たなければならぬかということは筋が通らないということが問題でございますので、この点が解決したら少しも私どもは反対でもございません。国が出すことは筋が通らぬと私は思います。
  69. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 ただいまの川村委員の御質問は、地方がやらないということであったなれば、これは強制することができるかどうかという御質問でなかったかと思っておりますが、私たちは、もし繰り上げ償還をされる場合はそれに必要な額を基準財政需要額の中に算入することによって財源を付与する、もし実施されない場合においては、当然基準財政需要額の増加を見ないという方法をとって参りたい、行政運営で円滑にやって参りたい、かように思っております。  なお、百六十億の財源を、そのように年度間において使うことができるかどうかという点については、御指摘の通り議論のあるところであろうと思いますが、御承知の通り、国家公務員の共済年金制度がすでに実施されておりまして、当然地方公務員におきましてもこの制度を行なわなければならぬ。私たち財政計画を組みます当初におきまして、そのことをあらかじめ予定しておったのでございます。ところが、これがただいま申しましたような事情で一年間なお検討を続けるということになったのでございまして、来年度におきましては必ず実施しなければならない状態になっております(このためにも一たん地方財政計画をふくらましてしまいますと、来年、度相当自然増収がございましても、はたしてこれを消化し得る状態になるかどうかということを考えましたときに、この額は、当初予定しておりました年金制度の計画を、どうせいつかは払わなければならない金でありますので、地方財政の将来の健全化のためにも、この際地方債の繰り上げ償還の方法をとるのが適切であろうと考え、そのように決定した次第でございます。  なお、ただいま大蔵大国が、一部国が負担することは筋が通っていないというお話でございました。この間なお政府間の調整はついていないのでございますが、私たちは、社会保障制度の一環としての立場で年金制度が行なわれる以上、当然国に一定割合負担をしていただくものである、かような見地に立っておる次第でございます。この点、大蔵省の言い分といたしましては、同じ公的経済であるという立場に立って、その分は地方が公的経済だから見たらよいじゃないかという観点でございますが、私たちは三千五百の自治体のそれぞれの公的経済と見るということに対しましても、この地方自治体の実情からながめ、やはり国がこれは社会保障制度というものは持つべきものである。このような観点に立って、将来とも折衝を続けていきたい、かように考えておる次第であります。
  70. 川村継義

    川村(継)委員 基準財政需要額に百六十億見られる、これはまあ交付税の審議のときにいろいろお尋ねしたいと思います。ただ私が指摘しておきたいと思いますことは、基準財政需要額のときに見込まれる、交付税は配分される。そのあとで、結局おれたちは三十七年、三十八年度に地方債元利償還をすることになっているからことしはだめだ、こういったときにどうなるか。全部の団体じゃありませんよ、ここでそういう団体が出てきた場合にどうするかという問題が残るのじゃないか。それは結局行政指導でうまくやられる自信があるのかどうか、そういう疑問が出てくるということです。今の点、これは奥野さんから……。
  71. 奥野誠亮

    奥野政府委員 基準財政需要額に算入いたしますものは、二十八年以後の災害復旧債元利償還額しか算入しない、こういうような法律改正を今回提案しているわけであります。従ってかりに繰り上げ償還をいたしませんと、将来その元利償還額当該団体負担しなければならないわけでありますが、基準財政需要額には算入してもらえない、こういう事態になってしまうわけであります。
  72. 川村継義

    川村(継)委員 先ほど大蔵大臣は、国が負担することは筋が通らない、こうおっしゃった。ちょっと私よくわかりませんがね。これはどうして筋が通らないのでしょうか。自治省の政務次官でもいい、あなたの方から先に答えて下さい。
  73. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 そこが予算編成の際の論争の問題点でございます。私たちはこれこそ筋が通っておる、かように考え、今なお折衝を続けておるような次第であります。
  74. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 しかしこういう問題は、国が出すのは社会保障制度としてという理論から出すということでしたら、これはもう民間会社でも、国鉄、電電、三公社五現業、政府関係の特別会計というもの全部そうで、社会保障という意味から出せというのならば、これは全部出してもいいと思うのですが、そういう立場に立った共済年金制度を今国がやっていないのですから、それから考えても、これ一つに国が出さなければならぬということは、今までの立場をくずすことでもありますし、問題が多いので、私どもはできないと言っているので、社会保障制度として出すべきだということでしたら、地方公務員だけでなくて、日本国じゅうこの種の退職年金制度みたいなものや何かみな国が出したらいいという議論になるので、議論としては問題にならぬと思っております。
  75. 川村継義

    川村(継)委員 大蔵大臣、地方公務員は給与におきましても国家公務員に準ずる。御承知のように現在の共済制度等の制度も国家公務員に準じてやっておる。身分にいたしましても、あるいは給与にいたしましても、すべて国家公務員に準じて取り扱われてきておるわけであります。特に私が指摘したいのは、あなたは地方公務員というと何かよそごとのようにお考えでございますが、国の予算執行の大部分、特に地方財政計画一兆九千億以上に上るその財政計画のお金の九割以上は、これは国の施策を受け持つわけです。その地方行政の実際の仕事に当たっているのが地方公務員であります。それを民間会社の方にも出さなければならぬというような考え方地方公務員を処置されるということはおかしいのじゃございませんか。私が申し上げたような一つ二つの点を指摘しただけでも、ちゃんと筋が通るのじゃありませんかね。それを国が持つということは筋が通らぬというお考えは、どうしても納得がいかないんですがね。くどくなりますが、ほとんど地方財政地方行政の大部分は、御承知の通り実は国の施策をやっているのと同じなんですよ。それを地方公務員がやっておる。その点一点考えても、これは国家公務員並みにお取り上げになっても何も不都合なことは起こらないわけでしょう。地方公務員にやったらば民間会社の方も持て、そういう議論を持ってくる者がおりますか、私はいないと思う。大臣いかがですか。
  76. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 それぞれ独立している公経済の主体が負担するという立場になっておるその現在の建前から考えて、とにかく問題がございますので、そこが今いろいろ議論の中心になって、今年度解決しなかった問題でございますから、なおこの一年間十分両省においてわれわれは検討したいと思っております。
  77. 阪上安太郎

    ○阪上委員 ただいまの問題、一つ関連してお伺いしたいと思うのです。  先ほど大臣は財源調整理論をるる述べられたのであります。それによりますと、われわれの察するところでは、最初は高いところを削って低いところへ回すというような考え方もあったが、それは間違いであるというふうに反省されておるのであります。一体法律的な解釈として、地方財源を高いところを削って低いところへ回すというような勝手な考え方自体を持つことが私はおかしいと思うのであります。そのことと、これと関連いたしまして、あなたのお考えになっておる財源調整ということ、そういったことがある程度かまわないと考えておるその根拠に立って考えたならば、地方公務員の退職年金に対して国が財源調整的な見地からしてでもこれに対して一定の負担をしていくという考え方を持つことは、決して不当じゃないと私は思うのです。これが筋が通らぬ、というおはどうも納得ができない。この点もう話一度大臣の所信を承っておきたい。
  78. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 ですから、たとえば全体の地方財政計画の中で、公共団体負担がもし重くなるとすれば、それを見る見方というものもございましょうし、この年金制度の数字を通して実際にやろうとするなら、ほかに合理的な方法考えられると私どもは思っております。財源調整とからんで群っているわけではございません。
  79. 阪上安太郎

    ○阪上委員 自治体が地方公務員の退職年金で百六十億程度のものを負担してほしいという考え方、この考え方には、明らかに現在の地方自治体の財政が非常に財源不足であるという考え方に立ったものである、こう考えてもいいと思うのです。必ずしも社会保障制度というような考え方でなくてもいいと私は思う。そういう意味考えていくと、財源調整とからんで考えても差しつかえないじゃないか、こういうことを申し上げるのです。この点はどうなんですか。
  80. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 結局、実体的には地方財政が余裕があるかないかというような問題にも関連してくること、だと思っておりますが、私は地方財政というものは、今十分ではございませんが、今後の見通しをつけますと、財政収入もだんだんにふえていくという趨勢にあるときでございますから、それらとあわせ考えて、地方財政計画の中でも、この年金制度を発足したいというなら、どういう負担ができるかというような問題の解決も、そうむずかしい問題ではないじゃないかとすら思っております。
  81. 川村継義

    川村(継)委員 きょうの本会議で、後進地域工業開発の趣旨説明を企画庁の長官がなされて、わが党の阪上委員がこれに対して質疑をいたしました。なかなか重要な法案だとわれわれは考えましたけれども、きょうはちょうど大蔵大臣も大臣席でお聞きになっておられたようでありまして、政府の考え方、それからわれわれがどう考えているかということも聞いていただいたと思いますが、これについて、ここで財政を担当しておられます大蔵大臣のお考えをいろいろとお聞きしている時間はないかと思いますけれども、ただ後進地域の工業開発というものに関係の深いものとして、この地方行政に、後進地域開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案というものの提案理由の説明がなされております。これは基準財政収入、基準財政需要、それらの財政力指数によって負担の率をかさ上げしていこうという考え方に立っておりますが、この点について大蔵大臣に御所見を聞く前に、自治省の方にちょっと一、二点お聞きしておきたい。また詳しくはその法案審議のときにお聞きいたしますが、第一にお聞きすることは、いわゆる財政力指数を〇・四六で押えられたその理由、それから対象事業は政令で定めると規定しておられますが、政令で定めようとしておる事業、特に現在の九州開発、あるいは東北開発、四国開発、あるいは再建団体に適用されておる特例、こういうものの対象事業とどうなっておるか、その点をまず自治省の方で明らかにしていただきたいと思います。時間が非常にございませんから、要点だけ明確に一つお答え願います。
  82. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 〇・四六は三十三、三十四、三十五の過去三カ年間の全国の基準財政需要額と収入額率の平均をとりました数字でございまして、これによって基準を設けた次第でございます。  なお第二点につきましては、局長から御説明いたさせます。
  83. 奥野誠亮

    奥野政府委員 開発指定事業として法律に列挙いたしましたそれぞれの事業について指定をするという考え方をとっておるわけでございます。非常に大まかな言い方をいたしますと、開発促進法に規定されておりました重要事業、それからまた地方財政再建促進特別措置法でかさ上げの対象といたしておりました指定事業、その中間的なところが開発指定事業ということになろうかと存じておるわけでございます。
  84. 川村継義

    川村(継)委員 それでは奥野さんの方にちょっと聞いておきますが、いわゆる開発関係の事業、再建関係の事業、それは全部今度の指定事業の中には含まれない、こういうことでございますね。
  85. 奥野誠亮

    奥野政府委員 問題は後進地域開発の促進でございますので、現在あります開発促進諸立法、その関係の対象事業は当然取り上げるべきだろう、こう思うのでございます。それよりもさらに広い範囲で開発指定事業を取り上げたい、こういう考え方を申し上げたわけでございます。もちろん地方財政再建促進特別措置法の取り上げております対象事業は、赤字財政を救い上げるということでございますので、いろいろな事業を取り上げておるわけでございます。必ずしも後進地域開発促進ではございませんので、この事業が全面的に開発指定事業に入ってくるということにはならない、かように考えておるわけでございます。
  86. 川村継義

    川村(継)委員 その点につきましては、また法案審議のときにお聞きしたいと思います。  政務次官にもう一回お伺いいたしますが、今政務次官は財政力指数の〇・四六は三年間の平均でとったと言われるが、たとえば私がお聞きしたいのは、〇・五〇とか〇・六〇というところで押えられる、あるいはもっとよくいくならば〇・七〇というところに高めていく必要はなかったのかどうか。それを〇・四六で押えられたという理由は一体何だ、こういうことであります。
  87. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 御意見の通りでございまして、どこへ持っていくかということについては種々の御議論があろうと思います。しかしながら、政府部内におきまして決定いたしました過去三年間の全国の平均指数〇・四六で見まして、大体対象団体の三十五都道府県を網羅することができますので、この程度の指数が妥当でなかろうか、かように思いまして決定いたしたような次第でございます。
  88. 川村継義

    川村(継)委員 それではもう一つ聞いておきますが、かりに三重なら三重は一%のかさ上げになっておるようですが、一番下の鹿児島とか鳥取は二五というかさ上げ指数がでておるようであります。この場合に、もしも三重がこの基準収入と基準需要とのそれが高まっていったらばずれていくということはあり得るわけですね。三重がはずれ、その次がはずれ、だんだんはずれていくということもあり得るというわけですね。
  89. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 お説の通りでございます。
  90. 川村継義

    川村(継)委員 これはまたいろいろ御意見を聞きたいと思いますが、問題として残しておきたいと思います。  それからもう一つは、三重なら三重を一、鹿児島なり鳥取を二五に押えていくという計算をいたしておる。そうすると、これは公共事業の事業量の増大に伴ってその負担を緩和するという考え方には立っておりませんね。
  91. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 公共事業が増加するほどスライドして補助率を引き上げていくという考え方ではございませんが、後進地域の後進性ですか、それが強ければ強いほど多くなっておりますので、これらの地帯における公共事業の消化が円滑に行なわれるように処置できる、かように考えております。
  92. 川村継義

    川村(継)委員 公共事業の事業量の増大に伴ってその負担を高めていくという形ではない。そこでその後進地域に事業がきた場合には、あるいは二三とか二五のかさ上げにはなる、こういうことですね。——そうなりますと、もう一つ問題として考えてみたいのは、もしも鳥取なら鳥取が二五をかさ上げせられるように一応思っておる。ところが、これは極端な例でございますけれども、鳥取県の方はこの仕事もほしい、この仕事もほしい、これは自分のいわゆる地域開発のためにぜひともと、こう願っても、国の方で、あそこは貧乏だ、だからそんなにたくさんやったって困るというので、国から配分される事業量が非常に少なくなったら、その要望にこたえられぬということはあり得ますね。
  93. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 国の方が鳥取に対します配分をいかにするかという点に問題があろうと思いますが、とうてい消化し切れないからこれを与えないのだ、そういった意図での配分の仕方が起こらないように、私たちはこのたびの後進地域の補助率の引き上げを、後進性の強い県ほどスライドしてやりまして、大体二五%というのを限度といたしておりますが、この程度のかさ上げであれば、ある程度の——幾らでも消化できるというのではございませんで、この点は一応公共事業負担を一部見ていただくということの必要性もあろうと思いますので、二五%で押えた次第でございますが、ある程度の消化は可能である、かように私は考えておる次第であります。
  94. 川村継義

    川村(継)委員 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、これは非常に極端な、失礼な質問かもしれませんが、かさ上げの率を持たない京都、兵庫、こういうところには公共事業はいっても、特別かさ上げを負担をする必要はない。ところが鹿児島とか鳥取とか、こういうところには、公共事業をそれだけやれば、二五%の負担を見てやらなければならぬ、こういうことになるわけですね。そうなりますと、今次官が言われるように、国の施策の上において、そんなばかなことはないと思いますけれども、公共事業の事業量をつけるときに問題の出てくることがありはしませんか、どうでございましょうか。
  95. 石原周夫

    ○石原政府委員 ただいまの点でございますが、自治省の政務次官がお答えになりましたように、貧弱県に対しまする補助並びに負担の手当が厚くなりまするので、御指摘のようなことではなくて、これは無制限に公共事業をつけるということは事実上あり得ないわけでありますから、常識上考えられる意味におきまして、格差解消ないしは後進地域開発という意味におきまして、公共事業をできるだけ重点的に後進県につけることがますますそれによって容易になるというのがねらいでございます。非常に極端なことを考えません限りは当然消化ができると考えております。
  96. 川村継義

    川村(継)委員 主計局長にちょっと聞きますが、公共事業の伸びは昨年度に比べてことしは何%でございましたか。
  97. 石原周夫

    ○石原政府委員 公共事業全体といたしましては二四%程度だと思います。
  98. 川村継義

    川村(継)委員 そうしますと、これは企画庁の方に聞かなければならぬのではないかと思いますけれども、主計局長おわかりだと思いますので、わかっておったらちょっとお知らせいただきたい。今のかさ上げの適用を受けるところをブロック別に一応見てみますと、九州は六県受ける。四国は全県受ける。中国は三県受ける。近畿は四県受ける。東北は全県受ける。中部は愛知、静岡を除いて七県受ける。関東は四県受ける。こういうような状態になるわけであります。そうしますと、今公共専業の国の伸びからして、大ざっぱに、公共事業を含めてかまいませんけれども、一体九州の開発関係の事業量がどれくらい伸びているか、東北は一体開発関係の事業量はどれだけ伸びるか、これは公共事業に限定しなくてもいいのですが、どれだけ伸びているか、これがおわかりでございますか。
  99. 石原周夫

    ○石原政府委員 御承知のように、公共事業府県別の配分がまだ確定をいたしておりません。従いまして、御指摘の九州がどうである、東北がどうであるということについては、手元に今資料はございませんが、建設省、運輸省あたりにおきましても、まだこれが最終の数字であるということをきまりがついて申し上げる段階に達していないと思います。ただ御指摘になりました地域は、いずれにいたしましても開発の促進を必要とする地域でございますから、全体が二四%ということでございますれば、少なくともその程度には相なっていると思いますが、それよりもどの程度高いかということになりますと、これは最終的に府県別はきまりませんと申し上げておきます。
  100. 川村継義

    川村(継)委員 私は今、九州開発関係のあなたの方で最終案と申しますか、予算折衝の場合に作られたもののちょっとした率を持っておりますが、これはおそらくおっしゃるように、まだ最終的なものじゃないと思います。これからいよいよそういう開発関係、公共事業関係等、すべて最終決定はなされると思います。これを見て参りますと、たとえば河川改修にしても一〇八という数字が出ている。国の平均公共事業だけ見ても一二四、河川改修を見ても一〇八、これはいろいろとり方にも)問題があると思う。あるいはそのほかの道路、港湾等にしましても、国の開発関係の全体からすると大へん低い。同様なことが四国やあるいは東北についても察知できるのではないかと思います。もちろん私も無制限に、まだまだ財政力に問題があるところにつけられるとは思いませんけれども、あなたが今おっしゃったように、少なくとも全国平均、あるいは国の伸びに見合ったものはつけられるとか、あるいはそれよりもやはり考えていくというような点からすると、非常に劣っているわけです。そうなると後進地域開発、所得倍増、地域格差の是正経済の高度成長などといっていろいろと皆さん方の方で言われても、こういうような形で仕事がどこか進んだところにずっと中心が落ちていくということになりますと、やはりわれわれが疑問としているようなことが残るでこざいましょう。たとえば地方開発でも、ダムのごときは山口県に集中している。こういうことになりますと、やはり問題がそのままで了解できないところが出てくるわけです。そこで大蔵大臣にお聞きしたいのは、そういうような状態でございますから、これをただ二五%つけた、一〇%かさ上げするんだというようなことだけでは解決できない問題が残るじゃないか。あなたたちが、ほんとうに地域の経済開発、産業の発展あるいは住民の福祉向上、行政水準の引き上げ、各種の所得倍増計画考えておられるような、その政策の実現をなさろうとするならば、財源調整でありませんけれども、そういう考えにお立ちになっておるならば、少なくともこのかさ上げするところの適用団体をもう少し五十なら五十、五十五なら五十五に引き上げて、下の方に手厚くかさ上げの率を見てやる、そういう財源手当が必要になってきはしませんか。あるいはそれがどうも工合が悪いということになれば、その必要とする事業量に見合ってかさ上げの率を考えて、しかも低開発促進法などというような法律が出て参りまして、どこを工業開発の指定地域にする、こういうことになりますと、それがもしもほんとうにきまるということになると、適地であるということになりますと、財政力の弱いとかなんとか言っておられないことですからね。そこに工場を持っていく、それに伴ってあらゆる施設ができていくとなりますと、これはおれのところは金がないからそういう仕事は引き受けられぬというふうに考えられませんね。そうすると、その必要は事業量に見合った負担増を考えてやるというふうなことがいいのじゃございませんか。これは大蔵大臣いかがでございましょう。
  101. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 さっき申しましたように、全国のそういういろいろな開発計画とかというようなものは、今後政府でどうしても作らなければならぬと思っておりますし、そういう計画が具体化した場合に、それと見合っていろいろな必要な措置の再検討は当然行なわなければならぬと思っています。今度の場合も、先ほど四六%という問題が起こりましたが、日本全体が未開発地域だといえばそういうようなもので、全部に適用するということは望ましいかもしれませんが、財政の問題もございますので、私どもは特に低開発地域に厚くしたいという考えでこの法律を作ったわけでございますか、その際問題になりましたのは、四十何県のうちで三十何県もみんな適用するというようなばかな低開発県の補助政策というものがあるか。もっと厳密にしぼって、少なくとも四十何県あるのなら、最も悪いと思われる二十何県なら二十何県というふうにそこに限って厚くすることがほんとうの政策ではないかという批判も非常に出てきました。しかしできるだけ多く私どもはこれを各県に適用したいと考えまして、いろいろな考慮からここに線を引いたといういきさつでございますが、本来なら低開発県の開発援助ということでしたら、財政支出が平均以下というのじゃなくて、もっと低い、悪いというところに強化するのが政策としてはほんとうじゃないかと思っていますが、今度のようなことになりましたそういういきさつに顧みましても、今後開発計画というものが総合的に具体的になってきた場合には、それに応じた検討を私どもは十分したいと思っております。
  102. 川村継義

    川村(継)委員 お考えはわからぬことではありませんか、現行法による各種の負担の増加率を見ても、大体百二、三十億は私はあると思う。ところがこれは結局、あなたは今そういうふうに一つの理論をおっしゃっているのですけれども、大蔵省が上やっぱりどうも金を出すのを非常に惜しんでおられるから、こういう結果になるのではありませんか。よし、引き受けた、二百億出せ、こういうことになりますと、これは下の方は三〇%でもできますよ。また少し上の方に、なるほど真に低開発——理屈は言いようですけれども、実はどこでも困っているわけでしょう。あなたの方の国の施策をやっていくのに、これは大へんなことになりますよ。そこでどうしてもこれはやはり、大蔵大臣からいろいろ御高説をいただきましたけれども、結論は、あなたの方でお金を出さぬということがこういうことになっているんだと思いますね。私はそのほか公共投資の問題等につきましてもお聞きしたいのですが、一時間私がとってしまっておりまして、あとお二人だけ質疑者がおられますので、またいずれ大蔵大臣おひまのときに来ていただいて、いろいろ御高説を伺いたい。これで私は終わります。
  103. 濱田幸雄

    濱田委員長 門司亮君。
  104. 門司亮

    ○門司委員 どうせきょうは当面の問題だけを聞きますから、一つ大臣も率直にお答えを願いたいと思います。  最初に聞いておきたいと思いますことは、今の低開発地域問題等に関連性を持とうかと思いますが、一体大蔵省は地方財政というものをどう考えているのですかね。問題はここに私はあるんじゃないかと思います。税の配分から見ましても地方は非常に少ない。そうして国家財源に依存度が非常に高い。これでは憲法がどんなに地方自治を保障しましても、地方向治にはならぬのですよ。地方自治を完全にやっていこうとするには、どうしても地方住民の負担が直接やはり自分たちの仕手に目に見えて行なわれるというところに、郷土を愛する心が出てくるのです。一切が国から補助を受けて、やっているのだ、国の交付金でやっているのたというようなことでは、どんなことをしたって地方自治なんというものは発展はしないのです。この議論はきょうは私どもはしようとは思いませんから、それを前提にしてお話を申し上げたいと思います。  そこで最初に率直に聞いておきたいと思いますことは、国有財産の所在地の市町村交付金というのがございます。これは自治省にちょっと聞いておきたいのたが、ことしは去年とどれたけ差がありますか。どれだけを予定いたしておりますか。
  105. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 税務局長からお答えいたします。
  106. 後藤田正晴

    ○後藤田政府委員 国庫納付金すべてを合わせまして、三十五年度が百十八億、三十六年度が百二十三億でございます。
  107. 門司亮

    ○門司委員 今お聞きしますと、三十五年度が百十八億で三十六年度か百二十三億ということになりますと、結局去年よりも五億ふえているということですね。そうしますと、問題になるのは、地方自治体が非常に財政が困難であるということは大蔵大臣も知っておいでになると思うのです。この国有財産の所在地の交付金について、一体大蔵省はどういうふうに考えてこれを交付されておりますか。その大蔵省の算定の基礎一つここに示してもらいたい。
  108. 石原周夫

    ○石原政府委員 固定資産のございまする市町村に対します交付金の計算基礎は、毎年度、前年の三月三十一日現在におきまする国の国有財産の台帳価格に基づきまして算定をいたします。御承知のように公社の納付金が同趣旨のものがございまするか、これの基礎になりまするものは、固定資産税の評価方法に準じた方法によって計算をいたしております。
  109. 門司亮

    ○門司委員 そういううそを言っちゃだめです。そんなことがこの中にありますか。法律にそんなことが書いておりますか。国有財産の施行令の二十三条の規定に基づいて、価格改定は五年ごとに行なわなければならないというのが一般国有財産でしょう。その他、企業財産については適当な時期に大蔵大臣と相談をして行なえ、こう書いてあるでしょう。そうすると前年度とは違うでしょう。前年度を追っていくという理屈は成り立たぬでしょう。私の聞いておりますのは、この法律に基づいて一体国がやっておるかどうかということです。地方の固定資産税については三年ごとにこれを改正しなければなりません。ようございますか。ことしは改正年度です。実施上の指示価格は土地については大体五%、五大市については七・四%を指示いたしております。これは改定されております。国の方は、この法律に基づいても、一般財産については五年ごとにこれを改定せよということを書いている。これも非常な大きな開きですよ。国民から税金をとるときは三年ごとにどんどん上げてとっておいて、国が地方に出すときは五年ごとでよろしい、こういうことを国が事実上やっているでしょう。それのみならず、企業会計に属したものについては、私ははっきり言っておきますが、国有林野事業特別会計昭和二十九年四月一日現在でしょう。これ以後やっておりませんでしょう。その次の郵政事業会計については昭和二十七年三月三十一日現在、二十七年にきめたきりでしょう。二十七年と今日どれだけ価格が相違していますか。あなた方なぜ一体これをきちんとやって地方に交付しないのですか。造幣印刷が辛うじて昭和三十一年の三月三十一日、アルコール専売が三十一年の四月一日、こういうことになっておる。私は時間がありませんから、私の言い分だけを先に言っておきますが、昭和三十三年度における国有林野の土地にかかわる反当価格は、四百四十五円に対して山林としての政府の指示価格は千八百二十一円でしょう。指示価格が千八百二十一円で帳簿価格が四百四十五一円、二五%でしょう。この事実に基づいていきますと、今日の国有財産の所在市町村の交付金は四倍にふえなければならぬことになっているのですよ。これはどういうわけですか。一体あなた方は何をさぼっているのです。地方の僻村は非常に困っておる。財政的に困っている実情を私は申し上げましょうか。このこともあなた方の方に資料があるだろう。私の持っている資料よりもあなたの力の資料があるいは詳しいかもしれません。個々に各自治体の持っております税収と年度の公債費、これは三十四年度の決算であります。決算の公債費、同時に地方債の残高というものを調べてごらんなさい。各府県別に全部調べてごらんなさい。どういうものになってくるか。はなはたしいところは税収入の半分以上がその年度の公演費で払われておる。税収入の三倍あるいは四倍の起債残高を持っているところもありますよ。いずれも僻村であります。もう地方財政計画でどんなにめんどうを見ても見切れない地方自治体に、この再建整備法をどんなに適用してもどうにもならないのです。そういう団体がたくさんある。こういうところはほとんどと言っていいほど大きな林野を持っておる、山林を持っておる。この交付金は、あなたの方から出た書類ですよ。私の今申し上げたのは、どういう本にどう書いてあるということを、ここに本がありますから申し上げてよろしゅうございます。四分の一しか出していないじゃないですか。一体大蔵省は地方をどう考えているのです。地方の自治体を責めるなら、やはり国自身がやるべきことは当然やって、なおかつ足らないところをお互いがめんどうを見合うということなら話がわかる。ところがこれを怠っておる。これはやりますか、やりませんか。郵政で昭和二十七年というと、十年近いですよ。十年前の価格が帳簿に残っておって、それで交付されておる。予算書をひつくり返してみると、郵政省がどれだけ地方に配分しておるかというのはすぐわかる。農林省にしてもそういうことでしょう。しかもそれはいずれも大蔵大臣に相談してこれをきめると書いてある。それを大蔵大臣が知らぬと  いうから私はいけないと思う。この点は、どうですか。住民から取り立てるのはむやみに取り立てますが、国が地方に出すのは怠っておって、これで一体いいですか。
  110. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 私は、国有財産の評価がえを今年の三月三十一日にするというふうに聞いておりましたが、今までがどうなっていましたか、事務当局から説明させます。
  111. 石原周夫

    ○石原政府委員 先ほど私のお答えのしようが、言葉が足りなかったのでございまして、毎年三月三十一日と申しますのは、国有財産そのもののあり方につきましてのなにでございまして、その値段は今門司委員御指摘の通り、五年ごとに改定をいたすことに相なっておるのでございます。また御指摘になりましたように、企業会計の所属資産につきましては、この五年ごとという規定からはずれておりまして、これは物価の変動が著しい場合にいたすということになっておるわけでございます。このおのおのの会計の所管につきまして、物価の変動が著しいという判断をいたしまする場合におきまして、評価がえをいたす。ただいま御指摘のように、国有林野につきましては昭和二十九年においていたしたわけであります。この一般の国有財産と企業会計所属の財産の評価がえのいたし方につきまして違いを設けておりますのは、これはたとえば国有林野のように非常に大きなものであるということがございますとか、あるいは作業用の資産でございますので、なかなか評価のし直しをいたしまするのに手数もかかり時間もかかるというようなことがありまして、現在の国有財産の施行令から別の例外規定を設けた趣旨かと存じますか、このおのおのの所管におきまして、今の建前におきましては、物価の変動が著しいと考えました場合に、その会計所管の官庁におきまして評価をいたすということでございます。門司委員御指摘のような年度の食い違いがございますことは事実であります。現在の建前がそうなっておるものでございますから。あるいはさらに現在の状況におきまして評価がえいたすべきものもあるかと思います。私どもといたしましては、向こう側からの相談を受けまして出す立場にございますので、おのおのの会計の事情につきましては、大蔵省からお答えをいたすことはできない、その点は一つ御了承をいただきます。
  112. 門司亮

    ○門司委員 大蔵省からできないというなら、この委員会一つ総理大臣に来てもらって、各所管にわたって一々本年度の予算書に基づいて私は質問してもよろしいと思います。各省各庁の予算書には全部これが出ております。一応私のところにもこまかい数字で累計したものも、ございますから聞いても差しつかえありませんよ。一つ委員長、この次の委員会にはぜひ総理大臣に来ていただきたいと思うわけであります。これは非常に大きな問題です。国有財産の価格がわからない。十年も前の価格でそのまま置いてあるという不都合な話はない。これは財産管理の上からいっても私は非常に大きな問題だと思う。実際よく会計検査院もそのままで過ごしたものだと私は考えます。これは一つの大きな問題として、もし大蔵省がそれ以上答弁ができないというなら、私は総理大臣にこの次にぜひ一つ来ていただいて、この問題の解決をしておかなければなりません。これは地方の自治体の問題だけではございません。従ってそれに基づいて同じような問題でございますが、今度の政府の予算の中にあります、いわゆる国有資産の提供をしております所在市町村、いわゆる基地の関係であります。これについては一銭もふえておりません。昨年度十億であって、ことしも十億である。会計年度からいきますと、ことしは大体改正する年度だと私は思います。三十二年に改正をいたしておりますから、かりに五年ことに改正するといたしましても、大体ことしか来年は改正しなければならぬということになっている、しかも固定資産税の方はことしそういうことで指令が出ております。そういたしますと、国有提供施設等所在市町村の助成交付金というようなものも、やはり十億よりも本年度は当然ふやさなければならない年度だと私は思います。また五年も前で、私はこのまま見過ごすわけにはいかない。これは大蔵省はどうしてふやさなかったのですか。自治省はこれを見のがしていないと思います。必ず請求していると思います。しかも最近の土地あるいは建物、ことに土地の上昇というものははなはだしいのである。基地財政というものがどういうものであるかということを私が……で説明する必要はないのでありますが、特につじつまが合わぬから大蔵省に聞いておるわけです。去年とことしで同じでよろしいという理屈はどこにありますか。一体、どうしてふやさなかったか、理由はどこにあるか、大蔵省は今日の地価その他の上がっておるということを認められないのかどうか。
  113. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 もし正確を欠くようでしたら、あとから主計局長に答弁してもらいますが、予算折衝のとき、私の知っている限りでは今年の三月三十一日に評価がえをする。それに基づいて予算の増額は三十七年度から増額されるというふうに私は聞いております。
  114. 門司亮

    ○門司委員 そうすると、今まで損をしたのは、そのまま待っておれということですね。普通の地方交付税の方は三年でずっと変えていく、固定資産税は三年で変えていく。国の方は五年ごとに規則がなっておるから仕方がないんだ、それまで待っておれ、こういうことですか。それでは自治省に聞いておきますが、大蔵省がそういう意見だとすると、地方自治体は、当然自分のところを基地として提供されていなければ、固定資産税というものが上がってくるわけなんです。今の価格で、たとえば五年前の価格で据え置かれていないで、私は当然上がってくるはずだと考えております。そうすると、その差額は一体どうするのです。これは自治体が損をしておけ、こういうことですか。何らかほかの形でこれは出しておるのですか。
  115. 渡海元三郎

    ○渡海政府委員 基地交付金を作りましたときの状態そのものによりまして、性格そのものによりまして、私たちも今年度要求はいたしたのでございますが、財政その他の事情によって前年度と同額でとどまったのであります。ただいま大蔵大臣の御答弁にもありましたような状態でございます。ぜひ三十七年度からは増額していただきたい、かように考えておる次第であります。
  116. 門司亮

    ○門司委員 私は三十七年度からじゃないんですよ、差額をどうするか。
  117. 石原周夫

    ○石原政府委員 ちょっと、先ほど大蔵大臣からお答えいただきましたのは、国有資産の所在市町村に対します交付金です。これはちょうど五年前でございます。三十六年三月三十一日現在におきまして評価がえをいたしまして、それに対する増加額。基地交付金のお話は、前々から門司委員にも申し上げておりますように、これは沿革のある経費でございまして、最初に、初年度が五億でありましたが、平均八億でありましたか、十億でありましたか、そういうようなきめ方をいたしまして、その後におきまして、御承知のように相当接収解除もあったわけであります。そういうような財産の増減にかかわりませず、十億という金を押えておきまして、この金でまかないをして参るということでやって参った特殊な沿革を持っている金であるということは、御承知の通りであります。ただ御承知のように、基地の所在市町村におきます財政需要が多いという点は、これは仰せの通りであります。これにつきましては、特別交付税の配分におきましても、三十五年度でございますが、一億数千万円の増加をいたしたのでございまして、あるいは調達庁の金の方に計上をいたしました。そういうような全体を通じまして、基地の所在市町村財政に対しますやり方というものは、全体として、できるだけ実情に即したやり方にいたしたいということでいたしておるわけであります。
  118. 門司亮

    ○門司委員 とにかくそういうごまかしでは困るのです。地方の基地を持っておる自治体というものは、費用はたくさんかかります。だから当然費用のかかる分は、国がやはり見てやるということが正しいやり方たと私は思うのです。何も地方自治体が好きこのんで飛行機の基地を貸しているわけじゃないんですよ。これは国の一つの大きな犠牲ですよ。その犠牲に対して、正確な数字をはじき出さないで、何か涙金みたいな、つかみ金のようなものでもって大蔵省がやるのはおかしい。算定の基礎がおかしい。来年の三十七年から出すということも、これもおかしいですよ。地方税の固定資産税は、ことしの四月一日にはっきりきまるのですよ。そうすると、国民はみんな上がってきめられた価格で三十六年度からずっと取られるのです。国の方は、きめた価格は翌年回しでなければ払わないというようなことを、よく言えたものだと思うのです。それはどういうわけです。ことし三月三十一日で改定したら四月一日から出したらいいじゃないですか、それに見合うだけのものは。一般住民の方はちゃんと取るでしょう。だから国民から取り上げる方はきわめて峻厳に法律通りにおやりになるのだけれども、国の方から出すやつはどうもいいかげんだということは少し工合が悪いですね。大臣、これはどうお考えになりますか。私はぜひそういうふうにやってもらいたいと思います。
  119. 石原周夫

    ○石原政府委員 現在の法律の建前といたしまして、前年度の三月三十一日というところで押えまして、その時点におきます評価がえをいたしまして、それを翌年度から実施をいたすということに相なっているわけでありますから、三月三十一日その現在をもちまして、直ちに翌年度予算案に計上いたすという筋合いになっているわけであります。
  120. 門司亮

    ○門司委員 法律がそうなっているといって逃げるなら、法律を直す必要がありませんか。国民の負担と国の負担が違っておっては、これは基地を持っているところは災難です。私はこういう点は大蔵省として考えてもらいたい。時間もございませんからその次の問題に移りたいと思いますが、ここで念を押しておきたいと思いますことは、今私が申し上げましたような、こういう国有財産の所在地の市町村というものは非常に財政的に恵まれないところで、しかも国の処置よろしきを得れば、当然現在よりも倍なり、三倍なり、これによると約四倍になりますが、二五%しか出しておりませんから、四百四十五円と千八百二十一円というと、そういう計算になります。だから、私は必ずしもその数字をそのままあなた方に出せと言いませんけれども、これは考えておいて下さい。そして私請求したいのは、まごまごしておれば、今まで損している分を実際はさかのぼって請求をしたいのです。そうしなければ地方借金はなくなりませんよ。国の施策だけがよろしくないのじゃない。国の財政措置がよくなくて借金ができているということを考えれば、国の財政措置でその借金を払ってもらわなければ困る。これはさかのぼって請求したいと思う。自治省の諸君は一つしっかりしてもらいたいと思います。そして十分国の責任というものを明らかにしてもらいたい。  その次に聞いておきたいと思いますことは、税外負担の問題を一体大蔵省はどう考えるかということであります。税外負担の総額は、税金に対します大体一割五分から多いところはもっとあろうかと思います。これはあなたの方から、農林省の方から出ている数字で、全国平均を見ますと、各都道府県別に見ればいいのですけれども、一応書いておきましたが、これをここで全部しゃべっていると大へんですから、全国平均だけを見ておきます。全国平均の農村における三反未満の農民の負担しております租税の総額は一万二百二十八円という数字が出ております。これに対して、税外負担として市町村の寄付並びに部落の協議費まで入れて参りますと、農林省の持ってきた調査によりましても、千三百円という約一割五分の税外負担というものが出てきております。そのほかの公課を入れて参りますと税金よりも多いのであります。公課の総額は一万一千四百四十五円、こう書いてありますから、これが私は実情だと思う。これを各階層別にずっと分けてごらんなさい。大体最も多いと考えられる五反から一町の農民、これは全国平均でありますが、その農民にとってみますと、租税が、これはこまかい租税も全部入っております。国民健康保険から家畜及び牛馬の税金、果樹の税金、その他都道府県の税金、こまかい税金全部入れて二万二千七百四円、それが税外負担の方は大体二千円をこえているんです。それで最後の方に参りますると、これがはるかに税金額を上回るというような数字がちゃんと出てきている。農林省が三十四年度の分として統計書に出しておる数字がこうなんです。これは全国平均なんです。これを地方別に分けてみますると、非常に大きな開きがこの中でも出てくる。南関東であるとか、近畿であるとかいうところは割合よろしいのでありますか、南九州であるとか、北海道というところは、この割合はもっとひどい。そういたしますと、約七千億円の税金の中で一割五分ないし二割が税外負担たといたしますれば、千四、五百億が地方自治体の財政を維持するために地方住民が負担しておる額だということが言えるんですね。国にそういうものがありますか。国税を行なわれまする限りにおいて国民が税外負担として出したものが何かありますか。地方の住民は、自分の土地である、自分の村だ、自分の学校だ、自分の道路だということでこういう負担をさせられておるのではないですか。こういう税外負担に対して一体大蔵省はどう考えているんですか。地方財政が豊かだとか、地方行政の水準が上がったとかということがこれで言われますか。もし大蔵省がそういう意見だとするならば、これはなくしてもらいたい、私はこう考える。この地方住民の税外負担実態について、大蔵大臣はそれでよろしいのだとお考えになるか、遺憾だとお考えになるか。同時にそれにどう対処されるか、あわせてこれについてここで伺っておきたいと思います。
  121. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 いや、よろしいとは考えません。この税外負担が幾らあるかのつかみ方はなかなかむずかしいのですが、いずれにしろこれは逐次解消していかなきゃならぬということで、交付税の配分方法を通じてこの解消に今努めておるところでございますので、まだ相当の税外負担はあるとしましても、今のところはそういう方向でだんだんに解決するよりほか仕方がないんじゃないかと思っています。
  122. 門司亮

    ○門司委員 この税外負担の調査はむずかしいと言われるけれども、私の持っているのは農林省から出ているものですよ。これははっきり言いますと、農林省も最近はずるくなりまして、あまり詳しく書いてないのです。昔はもっと詳しく書いてあったけれども、このごろは大まかなものしか書いてない。大まかなものでもこういう数字がちゃんと出てきているのです。大臣は非常にむずかしいと言われるけれども、大蔵省はつかみにくいかもしれませんが、農林省はちゃんとこういう数字をつかんでいるのです。だから、そういうことを考えると、ぜひ一つこれも考慮に入れて地方財政を見ていくということにしなければ、地方財政を私がここでどんなに議論しましても、地方住民の負担は軽くならぬのですよ。所得の倍増なんていったって、所得の倍増どころの騒ぎじゃない。こういう大きな税外負担があるのです。あわせて私は聞いておきますが、いつごろまでにこういうものをなくそうというお考えがありますか。
  123. 石原周夫

    ○石原政府委員 私から、今までのいきさつについて若干先ほどの大臣の御答弁を補足して申し上げたいと思いますが、御承知のように、三十五年度の地方財政計画におきまして九十億の金を盛りまして、教育費を中心といたしまする税外負担解消のための費額といたしまして計上いたしたわけであります。その後、本年度におきましても、御承知のように財政需要の見方につきまして、相当大幅な改善を加え、財源的にも、地方税交付税を合わせまして二千四百億というような金額にも相なっております。御承知のように単独専業は、公共専業、公共事業以外を合わせまして千億をこえる単独事業の増加に相なっております。結局税外負担の生じまするのも、全体の財政計画財政の立て方によるのであります。従いまして、一方には御承知のように地方財政法を改正いたしまして、工事費につきましての負担をさせてはならないという趣旨の規定を入れていただいたわけでございます。それと今申し上げました財源上の措置と両方あわせまして、漸次と申しまするか、解消化をはかって参るということに相たるかと思います。
  124. 門司亮

    ○門司委員 今の答弁ではわからぬのですが、私の聞きたいのは、減税々々と言うなら、片方ではこういうところに負担させておいて、そうして片方では減税だと言っても、追つかぬですよ。所得税の減税をしましても、農村では、ことに北海道であるとか、東北であるとか、南九州であるとかいうようなところは、農民で所得税を納めておる者はきわめてわずかです。一%とか、二%まではないと私は思います。残余の人は所得税の減税の恩恵にはちっとも浴さない。そうしてこういう税外負担で取られているということです。これで一体減税になりますか。私は一般論を言うわけじゃありませんが、そういうところに地方自治体の今日の苦しさというものが全部あるのです。事実をはっきり申し上げますと、砂利だけは市で買ってあげるが、まく方はそっちでまきなさいというので、トラックに積んで持ってきて、そこへざあっとまいてそれでさようなら、あとは町内の人が出かけていって、自分の歩く道路だから仕方がない、やっている。自分の歩く道路でなかったら、そんなことはだれもやりません。自分の子供のいっている学校だから、ガラスが一枚破れておっても、みんなが出し合って何とかしてやろうという気になるのですよ。こういう自治体の窮状というものを大蔵省はわかっていない。大蔵省がそういうことを知っておれば、こういうことはやらぬはずです。こういうことについては、ここで大蔵省をいじめて文句を育っても始まりませんが、一つ大蔵省には気をつけてもらいたいと思います。来年度の予算の折衡の場合には、特にこういうものを解消するという思い切った措置をとってもらいたいということです。  それで、もう一つ二つ聞いておきたいと思いますことは、さっきの御答弁の中で私のふに落ちないことが一つありますから聞いておきますが、大臣は、地方起債の償還年限の延長について、大体それを認めないような御答弁をされております。これくらいでよろしいのだという答弁であります。ところが、地方財政法を読んでごらんなさい。どう書いてありますか。地方財政法には、第五条の二に、地方債は耐用年数をこえて償還計画を立ててはならないと書いてありますよ。そうすると、地方債の基本になるものは、やはりおのおのの物件の耐用年数というのを大体中心に考えるべきだということが私は考えられる。そこで今日の地方債状態を見てみますと、七年から三十年ぐらいになっておりますが、鉄筋コンクリートの寿命は、どこへいっても大体六十年から七十年、八十年でしょう。そうすると、鉄筋コンクリートの学校を建てることのために起債をしたのは、六十年でも七十年でもいいはずなんです。それをこえて償還計画を立ててはならないと、こう書いてあるのだから。木造建築にしましても、今二十五年ですが、二十五年で償還期限を切って返せといっておいて、その木造建築の学校を建てかえるときの老朽校舎としての文部省の指定は四十年でしょう。四十年たたなければ老朽校舎としての取り扱いをしない。償還は二十五年でやれ。しかも財政法には、耐用年数をこえて償還計画を立ててはならないということをちゃんと書いてある。一応耐用年数の範囲で償還をせよと明確に書いてある。この三つをあわせ考えてみますと、さっきの大蔵大臣の答弁は、はなはだ当を得たものではないと考えておる。少なくとも鉄筋であったら、早く返せれば早く返した方が、それだけ利息が少ないからそれでよろしいのでありますが、しかし、地方財政はそうはいかない、公共建物はそうはいかない。そこで、どうしても耐用年数と見合う償還年限にすることが最も正しい理論だと考えるのだが、大臣はさっきの答弁で正しいとお考えですか。
  125. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 私は、この起債というものの償還が必ずしも償却に対応しなければならぬというふうには考えていませんでした。民間の金融のあり方を見ましても、耐用年数に応じた金の貸し方をしているというところはどこにもございませんし、そういう意味でそれを縛った地方財政の規定があるということは知りませんでしたので、調べます。
  126. 石原周夫

    ○石原政府委員 門司委員が御指摘になりました地方財政法第五条の二の規定の問題でありますが、自治省からお答えをいただくのがほんとうかと思いますが、若干大臣のおっしゃいましたことを補足して申し上げますと、償還年限の限度をきめておるわけでございますので、それを限度とするということでありまして、その限度まで償還年限を見ろという趣旨では、申すまでもないことでございますがないわけであります。従いまして、限度の範囲内におきまして地方財政計画を立ててみまして、その償還の計画の立つというところで当該の事業をするべきだということかと考えます。
  127. 門司亮

    ○門司委員 私は、はなはだ不穏当だと思うのです。おもしろくないのです。ことに大臣の答弁の中には資金繰り云々のことがありましたけれども、資金繰りなんというのは、民間で考える場合はそうでしょうし、それから資本主義政党でありますから、なるたけ資金を早く取り上げて、そうして大資本に財政投融資として出したいというあなた方の気持はわかります。わかりますけれども、それでは公共団体としての地方の自治体は非常に迷惑をするということです。地方の住民の負担ですから、地方の住民の負担地方の住民の犠牲において国が財政投融資の資金繰りが非常に便利になって、そして大産業あるいは大企業に対する金融を円滑にするという考え方は私は誤まりだと思う。やはり少なくとも地方の自治体については、耐用年数に見合うことがちゃんと法律に書いてある。何のためにそれは地方財政法に書いたかということです。限度を示したものでありまして、限度を示したということは、その限度まではよろしいという反面解釈が必ずできるはずであります。そうしなければ、地方財政はさっき申し上げましたように何年かかっても借金の方が多くて、建て直す見込みのないようなものがたくさんありますから、そういうものについてどうしても耐用年数だけは一つ考えてもらいたい。英国の例を見てごらんなさい。大体鉄筋コンクリートが六十年から八十年でしょう。あそこには無期限というものがあります。返したいときに返せということになっておるかと思う。ほとんど期限がついてないものもある。のみならず、地方の自治体に対します起債については、利息は非常に安いのであります。日本の場合は利息は割に高いでしょう。ことに日本の場合で、いろいろ理屈はくっつけられておりますが、地方一般銀行から借り入れたものは八分五厘を払っているでしょう。国から借りたものは六分三厘か六分五厘である。こういう地方財政に対する国の財政措置というものの誤まりを一つ正してもらいたい。そして少なくとも建物等については、耐用年数に見合うだけのものにぜひしてもらいたい。そうしませんと、地方は非常に苦しいのである。二十年、二十五年で全部返さなければならぬ。学校を建てかえるときは、四十年たたなければ文部省がこれを老朽校舎として認めないという形が出て参りますから、その間一体どうなるかというと、やはり耐用年数を四十年にしなければ老朽校舎とみなさぬというならば、それまでのうちに払ってしまって、そしてまた新しい起債で建てかえていくという方法をとってもらわなければ、地方の自治体は困るのです。だから今のような大臣の答弁では非常に不満です。金繰りが忙いしからそうするのだという答弁はけしからぬと思う。こういう問題についてここではっきりしておきたいと思うことは、どうですか、大臣はその気持を変える御意思はございませんか。もう少し耐用年数に近いところまで妥協して、償還年限を延ばそうという考え方はございませんか。
  128. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 私は、耐用年数まで必ず償還期限を延ばさなければならぬという規則があるというのは知りませんでしたし、また事実問題として耐用年数と必ずしもからむ問題じゃないと思っておりますが、しかし起債の対象によって年数の考慮というものは検討されてしかるべきだということはさっき申しました通りでございますので、こういう問題は今後検討いたします。
  129. 門司亮

    ○門司委員 もう少しはっきり検討してもらいたいのです。  それからこれはこまかい問題ですが、同じようにたびたび問題になりますので申し上げておきたいと思いますことは、国が地方に出します金の中で、きわめてわずかな八億か十億の金でありますが、御承知のようにとん税の問題が残されております。これは三十二年の地方税改正のときに、外航船舶についての固定資産税を大体三分の一に下げたのであります。その見返りの一応の資金というような形でとん税を制定をいたしました。そうしてそのとん税の中の一部を地方に配分する、こういう形ができております。ところがその後、ちょうどその当時だと思いますが、御承知のように港湾法ができて参りまして、港湾の維持管理は地方公共団体が行なう、なお公共団体だけでなくて港務局においても行なうことができるという港湾法の改正が行なわれております。そうしますと、港湾の維持管理というものは、従来の大蔵省の所管でなくして——これは税関だけ大蔵省は持っておりますが、港の維持管理というものは地方公共団体が行なうようになっておる。そういたしますと、この固定資産税の見返りのものと考えられた外航船舶に対するとん税というものは、これは私は地方に委譲するのが正しいと思うのです。国がわずか八億か十億の金を持っておっても大した使い道はないと思いますが、港の施設を持っておる地方団体にとりましては、八億あるいは十億の財源というものは非常に大きな財源でありまして、港の維持管理にはかなり大きな役割を果たすものだと考えられる。従ってこの金は、港湾特別整備ですか、五カ年計画というようなことで、貿易の伸長をはかられようということが政府の一つ考え方のようでございます。そうだといたしますならば、なおさらこのとん税は全額地方に委譲をしてもらいたい。いわゆる地方が十円で国が八円とっておるはずであります。この十八円を全額地方に出すということを、一つ大臣からはっきりここで御答弁を願いたいと思います。
  130. 石原周夫

    ○石原政府委員 とん税は、御承知のように入港料とは違う建前の、入浴という事実に関連してとります一種の流通税ということに相なっておりますから、従って港湾の使用料というような意味におきますものとは別の趣旨のものであります。従いまして、国際的にもいろいろな協定の内容として規定せられることもありますし、関税行政の一環としての統一を保つという問題もございます。従いまして港湾関係の維持費、港湾関係の経費というものをどうするかというような問題とは、その税の性質上違うんじゃないかという趣旨から、これを地方に委譲いたすということは、この税の性質上いかがであろうかというように考えております。
  131. 門司亮

    ○門司委員 税の性質論を、それじゃこれから議論することにいたしましょうか。これも時間が非常に長くなるかと思いますが、税の本質論というよりむしろこの税のできたときのいきさつというものは、今申し上げたように三十二年に外航船舶に対する固定資産税を三分の一に下げたことは、これは事実であります。それはなぜ下げたかというと、ほとんど半分は国策に基づいてであります。従ってことし問題の出てきたのは何が出てきたかといえば、御承知のように内航船舶に対して六分の一に下げたらどうかという意見が出てきたでしょう。税制調査会であったでしょう。ないとは、私言わせませんよ。税制調査会でちゃんとそういうことをやっているはずです。外航船舶に対してこういう処置をしたら、内航船舶に対してもこうすべきだという議論が立てられておる。これは税制調査会の報告書を読んでみると、ちゃんと書いてある。従ってこのとん税は、私がさっき申し上げたように、できたときのいきさつからいえば、地方自治体は外航船舶に対して全額かけないで三分の一に減らす、その船価の三分の一に課税するというようなことになって、そうして非常に税収が少なくなっているということである。同時に、これは外国貿易を伸長するという国策に基づいてできた一つのいきさつを持っておりますので、従って入港税とは違うというお話でありますが、入港税をそれなら地方自治体がかけたら一体どうなりますか。これがもし許されるとすれば、国の施策であった外航船舶に対する税金をできるだけ軽くしてやろうという意味がなくなりやしませんか。固定資産税相当額を今度は別な方法で入浴税でとってもいいのですか。私は、自治省が払う腹があればとってもいいと思いますが、しかしそれではやはり国策に反するという形が出てきやしませんか、私はその点を聞いている。
  132. 石原周夫

    ○石原政府委員 ただいま門司委員の仰せられまする外航船舶の固定資産税を減税いたしました補てんの問題といたしましては、特別とん税を委譲いたします。これによりまして、当時で七億でありますか、現在におきましても、外航船舶の固定資産税の軽減額が五億円程度。従いまして、三十二年に特別とん税を地方に委譲いたしましたときに、門司委員御指摘の固定資産税の減収の見合いというものは一応できておるわけであります。とん税はそれとまた別の筋合いになるかと思います。入港税をとったらいいじゃないかということを申し上げましたのは、それをとれということを申し上げたわけじゃございませんので、それは入港料というようなものもございますから、もし港湾関係の経費ということでございますれば、それはとん税の委譲ということでない別途の方法もあるということでございます。門司委員御指摘の固定資産税の減収の見合いということにつきましては、特別とん税をもって処置いたしております。
  133. 門司亮

    ○門司委員 それじゃ、その算定の基礎一つはっきりしてもらいましょうか。船舶はかなりふえておるはずでありますが、従来これがちっともふえていない。ふえていないでしょう。自動的に多少ふえておりますが、十八円ですから、地方が十円で国が八円という形をとっておりますから、船舶がふえれば、これも自動的にふえるという形が出てきておると私は考えておりますが、基本になる問題は、国がとっておる八円が、今申し上げましたようないきさつからいえば、税相当額だと言われておりますが、一体相当額に当たるのかどうかということについても、私ら、実際は疑問があるのでありますす。これはあたりまえの船価に見合う税金としてとった場合にですよ。この税金は、はっきりいえば徴収が非常に困難であります。船があっちに入りこっちに入りするものですから、課税が非常にめんどうで、徴収が困難だ。函館から大阪までとりに行かなければならぬということはできないものでありますから、便宜上、三十二年当時においてはとってきたものと私は考えております。しかし、いずれにしても、固定資産税の身がわりであったということは間違いがないのでありまして、その前にこの税金はなかったのであります。はっきり言っておきますけれども、その前にこの税金はありましたか、なかったでしょう。そのときにとん税というものをこしらえて、大蔵省がそれに便乗した。その前にとん税というものはなかったはずだと思いますよ。これは形の上で、外国船が入ってくる場合の関税その他の問題はあったかもしれない。しかし、とん税としてあなたの方でこれに便乗した金でしょう。それでなければ、十八円の中で十円お前の方にやって、八円をおれの方でとれるのだという数字は出てこないはずです。これはどうなんですか。
  134. 石原周夫

    ○石原政府委員 とん税というのは私、専門でございませんが、これは古い税でございますから、これは今おっしゃるようなことではなくて、昔からある税でございます。なお、三十二年度におきます計算を申し上げておきますと、固定資産税の軽減額五億二千五百万円、それに対しまして特別とん税の委譲いたしました額が五億八千六百万円、現在の特別とん税の三十五年度におきまする見込みは八億四千三百万円ということに相なっております。
  135. 門司亮

    ○門司委員 私は、これはもう少し聞いておきたいと思いますが、そうすると、国は一体この特別とん税をどういう根拠でおとりになっているのですか。港の維持管理はだれがしているのですか。私は、国がとるというのを、ただばく然と外航船舶だからお前たちから出せという——これは船に税金をかけているのでしょう。しかも、この税金はさっきから申し上げておりますように、一面固定資産税の性格を持ち、一面には例の港の維持管理が新しい港湾法によって地方の自治体に委譲されたという形、それに対する財源というものは国がほとんど出していない。あの港湾法の改正をいたしました後に、お前の方に維持管理権を渡すから、これだけ国が財政措置をつけてやろうと書っておるが、それをつけていないじゃないですか、何かつけていますか。私は、とん税については政治的にそういうことが言えると思うのです。港の維持管理は、従来はこれは国の港でありましたから、国がやっておったことには間違いない。しかし、維持管理は地方の自治体がやれということになっている。しかも、さっき申し上げましたように、地方公共団体で港湾使用料をとってよろしいということが法律に書いてある。そうなって参りますと、港の維持管理としての最も大きな財源であるでものは、やはり港としては、この船舶の出入りに対する税金に依存することが私は正しいと思う。この二つの点、固定資産税の身がわりであるということ、港の維持管理は地方がやるということ、この二つの点からいえば、この金は当然地方に委譲すべきである。そして、なおこういうことを言うと大蔵大臣に怒られるかもしれないが、地方に委譲するのよりも国の方は少ないはずでありますから、八億内外のものが国にあったところで大して大きな財源措置にはならないと思う。地方の自治体がこれを持てば、かなり大きな港の改良が行なわれる。いわゆる財源の効率的な使用からいっても、これは地方に委譲すべきじゃないか、こういうことを申し上げておるわけであります。それに対するお考えをもう一度お聞きしておきたい。
  136. 石原周夫

    ○石原政府委員 先ほど申し上げましたように、とん税と申しますのは港に船が入るという事実をつかまえましての流通税でございますから、従いまして、港の維持をいたしますそういうような経費の関係とは一応別のことに相なっております。現在港湾法におきまして、先ほど申し上げましたように港湾の使用料をとれるようになっておりまするが、あるいは門司委員御指摘のように、この当該地方団体考え方からいたしまして、むしろ港湾使用料をとらないでも、港湾ができることによりまする一般の増収をむしろ考えた方がいいという立場もございましょう。あるいはそういう政策的な立場から、港湾使用料というものでは必ずしも港湾の維持経費をまかなえない場合もあるかと思います。しかしながら、そういう性質から申し上げますと、今申し上げましたように、とん税の方は流通税、それに対しまして港湾の使用というような問題は、これは当該公共団体全体の財政でまかなう、あるいは港湾法の認めるところによりまして地方公共団体が港湾使用料をとる、こういうことになりますか、いずれかの方法があるかと思います。なお、港湾の修築につきましては、御承知のように国が一定の率をもって補助をいたしておるわけでありまして、これは今のお話とは別のお話でございまして、港湾の維持管理につきましては、なお港湾には上屋、倉庫等のある程度の収益財産もございますし、そこら辺全体を見まして、港湾経費地方公共団体でまかなう、こういうことに相なっております。
  137. 門司亮

    ○門司委員 私は、その辺はおかしいと思うのですよ。もともと、さっきから何べんも申し上げておるように、固定資産税の身がわりであることには間違いない。だから、これを流通税だというのはおかしいと思う。これは現状のままではそうであるけれども、その点について、きょうはもう非常におそいですからこれ以上質問はいたしませんが、もう一つ、大蔵省に、これはほんとうに一問一答でよろしゅうございますから、大蔵省の腹だけを聞いておきたいと思いますことは、われわれは、地方の自治体の財源とそれから自治体の住民の利益を守ることのために、今市町村負担をいたしております消防に対して、非常に負担をいたしております。さっき申し上げました住民の税外負担の中にも、消防に対する寄付金というものはどこでもたくさんあります。PTAの学校の費用に次ぐ、その次は大体消防の費用であります。地方住民は税金によりましても、税外負担によりましても、消防にかなりたくさんの費用を使っております。従いまして、消防施設税を設けたらどうかということがこの委員会でもしばしば問題になっております。また、自治省でも一応そういうことを考えたことがございます。ところが、この問題については大蔵省が一体どう考えておるかということが非常に大きな問題になろうかと私は思います。保険会社を監督いたしておりますから、その建前上、大蔵省がこれでよろしいという腹をきめるか、あるいは大蔵省ではそんなものをこしらえられたら迷惑だという考え方があるということが、こういう新しい税金をきめる場合に非常に大きな問題となろうかと私は思うのであります。従って、大蔵省がこの消防施設税について、いわゆる消防のため各損害保険会社の実際の保険収入に対する何%かの税金をかけていくということを私ども考えておるのでありますが、これは私が考えているのではない、長い間この委員会で問題になっておるのでありますが、それについての大蔵省の見解を、この際はっきりしておいていただきたいと思います。
  138. 石原周夫

    ○石原政府委員 消防施設税につきましては、従来から御議論があるわけでありますが、御承知のように、日本におきまする火災保険の普及率は比較的低いわけであります。従いまして、その低い普及率を前提といたしまして、いわゆる消防施設税という形で税をかけますることが、負担の関係におきましていかがなものであろうかというところから、従来から大蔵省といたしましては賛成をいたしかねるという立場で参っております。
  139. 門司亮

    ○門司委員 従来からそうだと私は思います。だから今までできていないのだと思いますが、これからどうするかということを私は聞いているのであって、今までは自治省はどんなに考えても、われわれがどんなにお話をしても聞かなかった。ところが今申し上げましたように、実態は、地方公共団体の施設あるいは住民の税外負担等によって火災はかなり大きく防止されているんですね。火災が防止されることによってもうかるのはやはり保険会社なんです。そうなるでしょう。一軒類焼を食いとめれば、もうかるのはだれかというと、やはり保険会社がもうかるのです。保険会社は損するわけはない。だからその利潤の中から地方公共団体に割り戻しをするということは、道徳的に考えても当然だと思うのです。そうしてお互いが協力してできるだけ火災を未然に防いでいくという、あるいは被害を少なくしていくということの施設は私は当然だと思う。これは私はそれでなければいけないと思うのです。もしそれができないというならば、今阪上さんもちょっと言いましたように、公営火災保険でもやって、そうして国民みずから自分のものは自分で守るという建前をとっていく方がよろしいと思うのですが、これはどっちかですよ。われわれの考え方の消防施設税の方は——火災共済を各自治体がやれるという、自治法にそれだけ書けばいいのですから、大してむずかしい問題ではないですよ。自治法の改正をやればいいのですから。そこまでいくことはあるいは行き過ぎるかもしれない。それならば、まず前段の段取りとして多少は損害保険から出してもらったらどうか、これは決して損害保険会社のためにならないのではないのでありまして、かなり大きな利益をもたらす施設だと思います。喜んで応ずることが至当だと考えております。それを監督官庁の大蔵省がどうも賛成しかねるというものだから、なかなか保険会社でしりを上げない。これはどうですか、一つ大臣のお考えもこの際聞いておきたいと思いますが、私は当然のことだと思うのです。もうその時期にきていると思うのです。
  140. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 今主計局長が言ったように、火災保険の普及率が多いときならともなく、普及率の少ないときに、もしこの保険に余裕が出るというのでしたら、これは保険料を減らすということの方がほんとうであって、普及してないときに、結局、最後に原契約者のみに負担させるということが税の問題としていいか悪いかということは、私はやはり相当検討を要する問題だと思います。
  141. 門司亮

    ○門司委員 もう私はこれ以上言いませんが、とにかくおかしいですよ。それじゃ普及率はどのくらいになっているのです。そうして今保険会社の資産はどのくらいあるのですか。戦後損害保険が政府から金を借りて、そうしてどうにか生きておったときと、現在損害保険の持っておる資産はどのくらいですか。これが一番大きな資産ですよ。損害保険は一番金を持っているのではありませんか。もう私はこの辺で、大蔵省もそう金持ちの肩ばかり持たないで、住民の負担を軽くしてもらうことに頭を切りかえてもらった方が私はよろしいと思いますが、これは今の大蔵大臣の答弁では私どもは納得がしがたい。従って、ここで資料だけ要求しておきますが、あとでまた聞きたいと思います。保険の普及率並びに契約の総高、損害保険の持っておる資産、これを一つ明らかにしてもらいたいと思います。
  142. 石原周夫

    ○石原政府委員 わかりますことだけをお答え申し上げまして、あとは資料で差し上げたいと思いますが、普及率は大体五割見当かと存じております。  それから、これは議論に相なりまするが、おっしゃいますように、消防施設が充実いたしますと火災が減ることはおっしゃる通りであります。しかしながら、この場合におきましては保険料の問題を考えるべきかと思うのでありまして、保険料と火災の発生、被害の状況というものとの間の関係にあるかと思います。  なお、つけ加えて申し上げておきますが、今門司委員がおっしゃいましたような趣旨もございまして、消防関係施設につきましての起債は、損害保険会社におきましてある額を引き受けをいたします。その金額をちょっと今手元に正確なものがありませんが、これはまた申し上げたいと思います。消防施設全体といたしましては、補助金を三十六年度六億八千万円ほど計上いたしております。地方交付税の単位費用におきましても、御承知のような増額をいたしておるわけであります。
  143. 門司亮

    ○門司委員 そんな考え方ではしようがないですよ。もうけの中から起債に貸してやる金ばあるけれども、どうですか、そんな理屈は理屈に合わないですよ、どう考えたって。金はお持ちになっているでしょう。その金を持っているから、地方自治体の消防施設については、おれの方は金を貸してやる、それで消防施設をしろというような、これはもうかるから投資ですよ。恩を着せて起債を引き受けたというのではなくて、保険会社からいわせれば一つの投資ですよ。こういうことを大蔵省が平気で言っている。そして当然われわれが考えられるこの消防施設税については、大蔵省自身が反対することはおかしいですよ。この点は資本主義政党である限りは、そういうことを言わないと、ほかからまた圧力がかかるかもしれないから、あるいははっきり言い切れないかもしれませんが、しかしいずれこの点については、自治省との話し合いも進めたいと思います。  そのほかいろいろまだ聞きたいことはございますが、いずれ財政あるいは税制の審議の過程におきまして、大蔵大臣にも一つ来ていただいて、さらに大蔵当局にも来ていただいてお聞きをすることが、もう二、三あろうかと思いますが、きょうは非常に時間がおそいものですから、一応私の質問はこの程度で終わりたいと思います。
  144. 濱田幸雄

    濱田委員長 次に阪上安太郎君。  阪上君にちょっと申し上げますが、大蔵大臣が初めに七時半ぐらいまでというお話でございましたけれども、少しおくれておりますので、それでもしきょう八時ぐらいまでのうちに質疑が全部終了しなければ、次の機会にまた継続をお願いするようにおはかりを願いたいと思います。
  145. 阪上安太郎

    ○阪上委員 委員長から御注意がありましたので、実はきょうは大蔵大臣にお目にかかっていろいろとお教え願いたいと思っておったのでありますが、約束の時間のようでございますので、きわめて簡単に御質問いたします。  そこで一つ、私が申し上げることについて、大蔵大臣が御存じであれば御存じである、ないならないと端的に二、三お答え願いたいと思います。  先ほどの財源調整部分の中で、大蔵大臣は富裕県という言葉を再三口にされております。私はどうもこの一富裕県、富裕団体というものの考え方について非常に疑念を抱くものであります。そこでお伺いをいたしますが、この東京、大阪の地盤沈下の現状、これをどういうようにお考えになっておるか、そしてこれに対して一体どれほどの事業費が必要であるというようにお考えになっておるか、この点まずお伺いいたしたいと思います。
  146. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 この地盤沈下の問題が重要な問題になっておることは承知していますが、その金額の点は今手元に資料を持っておりませんから・…。
  147. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私の調べたところによりますと、大体総事業費で百八十億は要るのではないか、こういうことであります。  それから二番目にお伺いをいたしますが、東京の道路でありますけれども、これは御承知の現状であります。そこで東京都の道路事業について国は一体どの程度の支出をしてきたか、これは公共事業に対する単独事業の関係で、その比率等御存じでございましたら、一つお答え願いたいと思います。
  148. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 道路の部分ははっきりしておりませんが、首都圏を中心にした公共事業につきましては、国の補助は昨年は九十何億でありましたが、ことしは二百十億前後、百二十億前後を今年度の予算で強化しているはずになっております。
  149. 阪上安太郎

    ○阪上委員 もう三年あとにはオリンピック大会が開かれるわけであります。東京都で考えられておるところの、どうしてもやらなければならぬそれらの道路関係事業の総額を考えてみまするに、概略五百六十億円から五百七十億円ぐらい必要である、こういうふうに考えております。  それからもう一つ、先ほども門司委員から御質問がありました税外負担の問題であります。これにつきまして東京や大阪で相当額の税外負担があるわけでありますが、この数字は御存じでございましょうか。
  150. 石原周夫

    ○石原政府委員 今手元に資料がございません。
  151. 阪上安太郎

    ○阪上委員 ないはずであります。これは前々からやかましくわれわれが大蔵省に要求してきた数字でありまして、国全体としてもわかっていないのでありまするから、大阪や東京といういわゆるあなた方が考えておられる富裕県の税外負担というものは莫大な額に達しておると思うのでありますけれども、これはおそらく御存じないと思います。あるいは知っていて知らぬ振りをしているのじゃないかと私は思うのであります。  なおいろいろ御質問申し上げたいのですが、これは先ほど大蔵大臣からそういったものは交付税で見ていきたい、配分の場合に考えたいという御答弁があったようでありますが、一体地方交付税というものは国の財源でありますか、地方財源でありますか、この点大蔵大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
  152. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 今、国と地方財源を合わせますと、財源全体で国税の部分地方税部分ということになりますと、大体七、三という形になっていると思います。反対に支出の方から見ますと地方が七、国が三というふうに支出と収入が逆というふうな形になっておると思います。ですから財源のあり方としてもいろいろこれは検討しなければならぬ問題だと思います。税制調査会においてこれを検討してくれることになっておりますが、従来からもなかなかむずかしい問題でございまして、地方が必要なものを全部地方財源として確保できるようにするためには、税制でなかなかむずかしく、いわゆる貧弱府県というものから独立税を設定しましてもこれは大へんな問題になりますので、結局地方と国の調整をするために交付税というものができておるわけでございます。これはそういう意味の税でございますから、地方税か国税かと言われても、実際はこれは性質として国税だと思っております。
  153. 阪上安太郎

    ○阪上委員 今お伺いいたしましたように、小さな問題を突っ込んだのでまことに大臣として御不快かもしれませんけれども、大体地方財政に対する大臣のお考えはその程度のお考えなんです。それで先ほど申し上げたような、富裕団体とあなたがお考えになっております団体でも、当面これだけの大きな財政が必要なんであります。従って超過財源などでもって処理できるような性質のものじゃないのです。でありますので大臣、富裕団体というようなことをもう頭に置いてもらっては困るじゃないですか財政計画が出ててくる前、あるいは予算折衝の段階におきまして問題になるのがこの財源調整の問題でございますけれども、先ほど大臣からもお話がございましたが、高いところを削って低いところに持っていくようなものの考え方というものは、ぜひこの際やめていただいて、もうこういう論争は本年限りで終止符を打っていただきたい、こういうふうに思うのでありますが、いかがでございましょうか。
  154. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 財源がいわゆる富裕府県に今後集中するであろうという傾向は、はっきりわかっておりますので、その地方財政力の格差をどうこうしろという方策を立てるというときには、この財源の偏在傾向というものに全く目をおおうては合理的な解決というものはなかなかむずかしいと思います。問題はやり方であって、これが不当なやり方であるということでしたら、これは問題があると思いますが、たとえば大阪で例にとりますと、都市的な経費を特に必要とするというのは大阪市でございまして、道路の負担においても、そのほかの負担においても、事業は市が負担するということでございますので、市が非常に財源を必要とすることはわかりますが、市と府との問題はまた別でございます。府の財源の問題を他の府県と比べた場合には、これは全く違った要素を持っておりますので、そういう点も考慮して財源調整の全体のやり方について、やはり国としてはここで検討する必要があるだろうと思います。
  155. 阪上安太郎

    ○阪上委員 こまかいものの考え方になりますが、私は財政調整と財源調整というものを考えてみると、はたして財源調整ということが適当であるかどうかということ自体疑問に思います。しかしながら広い意味における財源調整の中には、財政調整の問題も出てくると同時に財源の培養の問題がある、こういうように思うのであります。今ここで憲法論を引き出そうとは思いませんけれども、憲法九十二条によると、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」こういうことになっております。そこでその自治体が作り上げたところの現在のこの財源を、簡単に財源調整という名目のもとに切り取ってしまう。そして低いところを埋め合わしていくというような法的根拠は、交付税以外に端的に言ってないのじゃないかと思います。にもかかわらず、大蔵省の方でそういった高いところを削って低いところへ持っていく、こういうようなものの考え方を今まで持ってこられた。これはどう考えてみましても、憲法違反の疑いが起こるのじゃないか、はたして地方自治体の財源というものはそういうようなものの考え方で削り取っていいだろうかというように私は思うのであります。こういう論議につきましては、一ぺん大臣の方でも御考慮願いたいと思うのであります。  そこで大事なことは、この際そういう行き方じゃなくて、しかも今までのように財政論議からいろいろ対立してなかなか解決のつかない問題についても、一つそれはそうしておいて、そしてきょうも提案説明がありましたような地域間の格差是正のための低開発地域の開発に乗り出していくことによってこの問題を解決するのがほんとうの道じゃなかろうかと思うのであります。ところがきょう出て参りました法案を見ておりましても、ああいうきわめて粗雑なものでありまして、そういった意図を実現するような内容を持っておりません。私の方といたしましては、こういった問題につきましては、直接都市開発の問題、農村開発の問題、産業経済に立脚したところのそういった取り扱い方等をやっていくことによって初めてできるのじゃなかろうかと思っておるのであります。自治省では御案内のように基幹都市建設促進法というものを出してくるようであります。一つこの際大蔵大臣の御援助を願って、ああいう法案が早く出てくるように御努力を願うとともに、大臣の方のお考え財源調整の理論というものも、やはりそういったところに私は求めていただきたい、こういうふうに思うのでありますが、御所見はどうでありましょうか。
  156. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 さっき申しましたように、ただ国が国庫からの支出金のやり方を考えるだけでは解決いたしませんし、やはり根本は、税制のあり方というものが一番大きい問題をなすと思っておりますし、そういう点からの総合検討をする以外に、地方財政問題の根本的な解決はむずかしいと思っております。今政府は、ただ富裕団体から削ることばかりを考えているわけではございませんで、全体の政策の一環として検討したいということで、いろいろな角度からやっているときでございますので、十分そういう点も考慮いたします。
  157. 阪上安太郎

    ○阪上委員 先ほどちょっと関連で御質問申し上げようと思ったのでありますが、消防施設税の問題でございますけれども、御承知のように、全国平均で普及率が五割というのは、そこまでいっているかどうか私も疑問でありますが、低いことは事実であります。諸外国に比べて、アメリカあたりでは動産、不動産を入れてやはり二〇〇%になると私は思うのであります。日本がなぜそういう低いところに押えられているかというと、その原因というものは、損保の経営、運営のあり方それ自体に私は問題があるのではないか、こういうふうに思っておるのであります。地方自治体は一生懸命なけなしの金を充当して消防施設を拡充し、そして消防活動に完璧を期するあらゆる努力をしておる。こういう段階におきまして、普及率がその程度にとどまっておること自体が私は問題だと思う。普及率が低いから消防施設税などをとるべきでないという考え方じゃなくして、普及率が低いところに問題があるというふうにお考え願わなければ、これは国の政治としては完璧じゃないと私は思う。そういう意味で、消防施設税をとらなければ、一方において先ほどお話がありましたように、思い切ってこの際公営火災保険でもやろうかというような声が出てくるわけであります。こういった点を一つ考えいただいて、消防施設税について賛意を表してもらいたいと思うのでありますが、重ねてお伺いいたします。どうでありますか。
  158. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 これはなかなかむずかしい問題でございまして、消防の問題が問題になるということは、結局地方財政の力が弱いということでございますので、この根本的な解決策としては、地方財政をどうよくするかということで解決するのが本筋だろうと思います。一方損保の問題でございますが、もし損保に余裕が相当ある、そして普及率が少ないのだということになりますと、私どもの監督行政としましては、余裕があるならなぜ損保の掛金をもっと少なくしないか、そして一般に普及させないかということになってくるかと思いますが、消防を充実するという方法の本筋の行き方は、国の補助が少ないというならこれを多くするし、地方財政力をもっとつけろ、あるいは交付税の配分においてそういうものを特に見るような方法を講ずるとかということがやはり先であって、すぐにこれを損保に対する税というもので解決するのが本筋の行き方かどうかということについては、私はまだ若干検討を要する問題じゃないかと思います。
  159. 阪上安太郎

    ○阪上委員 いろいろと御質問を申し上げたいことがございますが、お約束の時間でございますので、ぜひこの際大蔵大臣はあまり地方行政を敬遠なさりませんで、ときどき出てきていただいて、われわれの質問に答えていただきたい。お願いを申し上げまして私の質問を終わります。
  160. 濱田幸雄

    濱田委員長 次会は来たる三十日開会することとして、本日はこれにて散会いたします。    午後八時五分散会