運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1961-03-14 第38回国会 衆議院 地方行政委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年三月十四日(火曜日)委員会におい て次の通り小委員及び小委員長を選任した。  青少年補導に関する小委員       宇野 宗佑君    仮谷 忠男君       田中 榮一君    中島 茂喜君       前田 義雄君    吉田 重延君       川村 継義君    阪上安太郎君       二宮 武夫君    山口 鶴男君       門司  亮君  青少年補導に関する小委員長                 中島 茂喜————————————————————— 昭和三十六年三月十四日(火曜日)    午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 濱田 幸雄君    理事 田中 榮一君 理事 中島 茂喜君    理事 丹羽喬四郎君 理事 吉田 重延君    理事 太田 一夫君 理事 川村 継義君    理事 阪上安太郎君       伊藤  幟君    宇野 宗佑君       小澤 太郎君    大沢 雄一君       大竹 作摩君    久保田円次君       田川 誠一君    前田 義雄君       安宅 常彦君    佐野 憲治君       二宮 武夫君    野口 忠夫君       松井  誠君    山口 鶴男君       門司  亮君  出席国務大臣         自 治 大 臣 安井  謙君  出席政府委員         総理府事務官         (中央青少年問         題協議会事務局         長)      深見吉之助君         警察庁長官   柏村 信雄君         警  視  監         (警察庁保安局         長)      木村 行蔵君         文部事務官         (社会教育局         長)      齋藤  正君  委員外出席者         専  門  員 円地与四松君     ————————————— 三月十四日  委員渡邊良夫君辞任につき、その補欠として大  沢雄一君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 三月十三日  全日制市町村立高等学校教職員退職手当全国  通算に関する請願坂田道太紹介)(第一二  七三号)  中小企業等協同組合及び商工組合に対する地方  税免税措置の存続に関する請願高見三郎君紹  介)(第一二八六号)  同(濱田正信紹介)(第一二八七号)  同(神田博紹介)(第一三八八号)  同(有馬英治紹介)(第一四六七号)  長野県山口村神坂三部落の中津川市合併に関す  る請願下平正一紹介)(第一四〇四号)  質屋営業法の一部改正に関する請願(正示啓次  郎君紹介)(第一四一六号)  国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する  請願外一件(田口誠治紹介)(第一四七六  号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員会設置並びに小委員及び小委員長の選任  に関する件  警察に関する件(青少年補導に関する問題)      ————◇—————
  2. 濱田幸雄

    濱田委員長 これより会議を開きます。  警察に関する件につきまして調査を進めます。  青少年保護に関する問題について質疑の通告があります。この際、これを許します。阪上安太郎君。
  3. 阪上安太郎

    阪上委員 きょうは主として青少年対策について各省意見一つ伺いたいと思います。過般の嶋中事件、これの結論は率直に言ってまだ出ていない。それは事件責任問題というようなものもありますが、同時にその対策、こういう問題もあると思いますが、いずれもまだ結論が出ていないように私は考えておるわけであります。そこで、きょうは一つ責任問題はいずれ後刻また問題とすることにいたしまして、特に青少年対策について各省意見を伺ってみたい、かように考えるわけであります。  嶋中事件等に現われて参ります非行青少年共通病根、こういったものをわれわれはひしひしとつかむことができるのでありますが、しかし、この非行青少年共通病根というものと、これに対する対策というものが、率直に言って私は各関係省とも十二分にまだ立てられていないという考え方を持っておるわけであります。そこで私の考えとしては、非行青少年対策は、消極的な意味における非行青少年対策というものもきわめて必要であります。喫緊事であります。同時に非行青少年対策というようなものの考え方だけでは、こういった共通非行青少年病根をなくしていくということにはならない。この場合大事なことは、非行青少年対策という考え方よりも、一歩積極的に踏み込んだところの青少年総合対策というものが必要ではなかろうか、こういうふうに考えるわけであります。そのことによって初めてそれが非行青少年対策にもなっていく、こういう考え方を私は日ごろから持っておるわけであります。  そこで今、一つ考え方としまして、それではその青少年対策はどういう形で行なわれるべきか、ここで大事なことは、やはり国家社会のあらゆる機能というものを総合的に結集してかからなければほんとう意味青少年対策にはならない。こういう考え方を持っておるわけであります。それから、そういった総合的な青少年対策を行なっていくためには、総合的に扱うところの青少年対策部門というものが確立されていかなければいけない。今日のように各省それぞれ力を入れておりますけれども、ばらばらな形によって青少年対策が行なわれている、こういう向きが強いわけであります。なるほど中央青少年問題協議会というような一つの諮問機関的な、調査機関的なものはあるけれども、それを実施するところの機関というものがきわめて総合性を欠いておる、こういうことであります。こういった総合的な青少年対策というものを積極的に早く推し進めなければ、先刻申し上げたようなああいった非行青少年共通病根というものを除去することはできない、こういった考え方であります。当然そのことのためには青少年対策に対する思い切った予算計上が国としては必要である。また地方自治体も思い切った青少年対策に対するところの予算計上が必要である。こういうふうに考えておるわけであります。  そこで一つ最初自治大臣の方から、今まで自治省の中に青少年対策というものがあったのかないのかというくらい薄れた感じしか私は持っておりませんけれども大臣として、こういった青少年対策総合性がやかましく考えられなければならぬ段階において、自治省としていかなる対策をお持ちであるか、この点を一つお伺いいたしたいと思います。
  4. 安井謙

    安井国務大臣 お話しの通り青少年対策というものを現象的にだけつかんでいっておったのでは解決はつかぬだろう、こういうお説に対しては私ども全く同感であります。犯罪の趨勢から見ましても、犯罪全体の数はそう一、二年ふえておるというわけではないのでありますが、凶悪犯がふえておる。しかもその中に占める割合は、青少年中心にした比率がずっとふえてきておる。こういう状況でございますので、これに対しましては、かねがね全般的な青少年補導育成環境浄化、こういった問題を片づけていくのでなければなるまいというつもりで政府は全体的な施策の中でこれをやっておるわけであります。特にこれは総理府中心になって、中央青少年問題協議会あるいはPTA、社会福祉審議会児童福祉審議会、こういうものを中心に、また婦人団体青年団、こういったものをさらに外郭にして環境浄化補導に努めておるわけでございますが、それでは現在自治省の中でどういう具体的な施策を持っておるか、あるいは具体的な政策を打ち出して特別の施策をしておるかということになりますと、はっきり文部省あるいは厚生省がとっておりますような部門は持っていないわけでありまして、主として地方自治体に対する文教、あるいは自治団体に対する財政上、行政上の指導、援助をすることによってその目的を果たすように進めておるわけであります。
  5. 阪上安太郎

    阪上委員 ただいま伺いますと、現在の段階では自治省としてはそういう自治省独自の青少年対策というようなものは持っていない、また地方に対しましても、自治省としては青少年対策のための十二分な指導性というものは今のところ持っていない、こういうような御答弁のように承りました。しかしながら総合的な、あるいは実際的な青少年対策というものは推し進められなければならないことは必要なことだ、こういうことをおっしゃっておられるのであります。私はこれはほんとうに正直な御答弁ではないかと思います。諸外国の例をとってみましても、大体においてこういったものを扱っておるのは、二、三の例を考えてみても、内務省的な行政機関が大きな役割を果たしておる。それからいま一つ重大なことは、これはわれわれの問題でありますけれども国会自体が大きく青少年対策の問題を果たしておるようにわれわれは承知いたしております。ところが、わが国におきましては、これが簡単に文教政策であるというような割り切り方になっておる向きもありまして、国会の中におきましても、この扱い方がほとんど文部行政ワク内でやられておるというような傾向もあります。従って、わが国行政機構からいいまして、今一番大きな役割を果たさなければならぬのは、非行青少年対策としては警察庁でありましょうけれども青少年総合対策としての考え方に立つならば、やはり文部省に相当な責任があると私は思うのであります。そこで文部省に伺ってみたいと思いますが、文部省は今青少年対策としてどういうふうなことを現実におやりになっておるか、大体私は承知しておりますので、一つ簡単に概略を説明していただきたいと思います。
  6. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 文部省で担当しております青少年教育分野でございますが、私どもは、学校教育は一応別といたしまして、学校教育に恵まれない青少年等にできるだけ多く教育機会を与えたい、教育機会を拡充するということが一つであります。具体的な問題といたしましては、青年学級でありますとか、通信教育でありますとか、あるいは学校一種である定時制教育でありますとか、そういう部面を拡充していくということであります。第二は、教育制度以外に広い意味教育でございますけれども、何といたしましても、現在の青少年の実態あるいは青少年の持つ性格から見まして、学校教育あるいは家庭教育ということだけでは、青少年お互いに精神的、肉体的に陶冶していくということには不十分でございますので、青少年団体活動助成し、あるいはリーダーたちがそれぞれ励まし合って学びあるいは楽しむという団体活動を促進することが必要であろうと思いますので、青少年に対する基本的な対策分野におきまして二つ、団体活動助成と、それからできるだけ教育機会をふやすということを考えていく。なお、具体的には、それらのために団体活動をするにいたしましても、あるいは教育機会を与えるにいたしましても、その場所が現実に不足しておりますので、青少年のための教育施設の拡充、あるいはリーダー資質向上のためのリーダーの養成でありますとか、あるいはリーダー相互研修機会をふやすということを主眼に置いております。
  7. 阪上安太郎

    阪上委員 ついでに、総理府がおやりになっておる青少年対策の概要を伺ってみたいと思います。
  8. 深見吉之助

    深見政府委員 御承知通り総理府中央青少年問題協議会は、関係各省青少年行政の横の連絡調整をはかるとともに、その基本的な施策樹立に必要な種々の研究調査等をいたし、これを具体化していくという方向仕事をいたしておるわけでございます。ただいま行なっておりますことは、各省の行なっております種々なる青少年対策が円滑に参りますようにその連絡をはかる委員会を開催し、あるいは幹事会等を開催いたしまして、幹事は各担当局長がなっておりますが、横の連絡を密接にいたしまして、広範に、なるべく漏れのないように青少年対策の各面を充実させていくような方向努力いたしておるわけであります。なお、各省においてそれぞれ行ないます場合に、やや不適当であると考えられるような総合的な仕事につきまして、実は中央青少年問題協議会行政実施権は持っておりませんけれども、必要上の措置といたしまして、たとえば青年を海外に派遣する仕事であるとか、あるいは全国の各層の青年意見を聴取するための会合等を持っておるわけであります。従来農林省の主宰しておりました4Hクラブ、あるいは文部省の主宰しております青少年問題協議会関係、あるいは法務省の関係でやっておりますBBSの運動とか、あるいはYMCAとか、いろいろな青年団体一堂に会して意見を交換するという機会が少なかったのでありますが、中央青少年問題協議会は、それらの各省にまたがる青年団体一堂に会し、各省から係官が出席いたしましてこれらと懇談をし、青年団体運営等円滑化をはかる、かような仕事をいたしております。面接行政指導には当たりませんが、青年団体意見及び各省関係連絡調整というようなことを総理府立場においていたしておる次第でございます。
  9. 阪上安太郎

    阪上委員 文部省の中に青少年局はあるのですかないのですか。
  10. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 青少年局はございません。青少年の名前のついた課もございません。現在の行政組織でございますと、青少年学校教育及び直接学校の延長と申しますか、学校通信教育等のものは初等中等教育局で、それからただいま申しました青年学級あるいは青少年団体助成等仕事社会教育局で行なっております。
  11. 阪上安太郎

    阪上委員 総理府の中に中央青少年問題協議会がございます。このメンバーの中に青少年団体代表は入っておりますか。
  12. 深見吉之助

    深見政府委員 青少年団体代表という形におきまして、ボーイ・スカウトの総長の三島先生、それから従来は、最近までYMCA主事をしておりました永井先生——最近YMCA主事を交代されましたが、それがその関係青少年団体の権威として二人参加されております。
  13. 阪上安太郎

    阪上委員 そこで各省にお伺いいたしたいと思います。非常に妙な質問になるかもしれませんけれども、それぞれが青少年対策をやっていこうということ自体について——私は総合性を主張するものでありますけれども、同時に現在ばらばらにやっておる青少年対策、これについてそれぞれの青少年対策指導理念というようなものは一体どういうところに置かれているのか。これを一つ自治省警察庁文部省総理府、こういう順序でお答えを願いたいと思います。
  14. 安井謙

    安井国務大臣 青少年指導指導理念と申しますと、何と申しましても、青少年生活上の希望を与えるということが第一であろうと思うのでありまして、最近特に青少年粗暴凶悪犯罪が非常にふえております。その家庭環境を調べてみますと、何といっても暗い家庭出身者が多いということも事実である。あるいはまたもう一つは、社会的な風潮と申しますか、周囲の環境に支配される、極端に言えばマスコミ等の影響を受けているといったような面も非常に強いものでありますから、内部的には青少年自体社会生活に対するあるいは家庭生活における希望を与えるということと同時に、外部的な環境を浄化していく、この両方面から進めていくのでなければなるまいと思って、大体その方針をとっておるわけであります。
  15. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 青少年指導理念ということについてお尋ねでございますが、結局は、こうした民主社会において明朗濶達な健全な次代を背負う青年育成していくということであろうと思いますが、私ども警察仕事をいたしておる立場から申しますと、究極においてはそういうことを観点といたしましても、われわれの仕事の面からいたしましては、何と申しましても非行性ある少年早期に発見し、これを非行に追いやらないように予防措置を講ずる、あるいは犯した者についてはこれをたび重なるようなことのないように早期に発見して補導をしていくというような点に重点を置き、さらにこういうものを出していく有害な社会環境というものを排除する、さらに補導上必要と考えまする技術の向上についていろいろ検討をいたしておるわけでございます。御承知のように科学警察研究所におきまして青少年部門を新たに設けたのもそういう趣旨でございますし、数年来検討いたしておりました非行危険性判定法実施というようなこともいたしておるわけであります。さらに専門の少年補導係官——少年補導官というようなものを設置をするというような点に努力をいたしておるわけです。さらにもう少し広くいたしまして、非行防止地区運動というようなものを関係機関連絡をとりまして、すでに昨年末までに六百余地区防止地区を設定する活動をいたしておるわけです。またそういう非行少年補導いたしますための補導センターでありますとか、警察署におきまする特殊の環境という意味において補導室を整備するというようなことも考えておるわけであります。そういうようないろいろ身近なところに現在努力を重ねておるわけでございますが、先ほどの阪上さんのお話のように、非行少年というものだけにしぼってこれをなくすように努力するということ、これはもちろん必要でございますけれども非行少年が起こってくるという根本の原因にさかのぼって考えるならば、むしろ国施策としては健全な青年育成というところにやはり重点が置かれ、あるいは先ほど申し上げました有害環境の排除というようなことも一つのそういう面になると思いますけれども、さらに進んで積極的なスポーツの奨励であるとか、健全な娯楽施設を完備するというようなこと、さらにまた民主社会にふさわしい堅実な青年運動を促進していくというような面に力が向けられますならば、そういうことがなくて、世の中あるいは家庭というものに不満を感じ非行に追いやられる青年というものが、自然大きいワクからはみ出さずに健全な方向に向かうことにもなるのではないかというふうに考えております。しかし、あとで申し上げましたような点は、警察が先に立ってやる問題とは私考えておりませんが、各機関それぞれそういう方向考えつつ、警察警察分野において尽くすべきことを尽くしていく。ある程度警察自体活動よりもはみ出す面も、現在の段階においては警察としても必要なことではなかろうかというくらいに私は考えておる次第であります。
  16. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 青少年育成理念につきましては、これは基本的には学校教育考えておることと同じことでございまして、日本人としてりっぱな資質を得、しかもそれは国際的に信用を博し得るような人格を形成するということでございますが、社会教育の面でその取り上げます分野によって具体的な進め方はいろいろ違ってくると思います。  第一点は、学校教育を受けてない勤労青少年のために、何らかの形で中学校を卒業して高等学校に行けない者のために、実質的に一種後期中等教育役割を果たしてやるという仕事があるわけでございます。ことに現在は十五才から十七才までの青少年人口をとりました場合に、たとえば百万以上に上る何らの教育訓練機関からもはずれている人たちがおるわけでございますから、そういう人たちがりっぱに一種中等教育と同程度の資質を得るように、いろいろの教育機会を拡充していくという仕事一つでございます。  それから第二の団体助成の問題につきましては、これは青少年団体がやはり自分たちで守るべきおきてと申しますか、きまりを設けまして、そうして自分たち相互にそのきまりを守って、お互いに勉強し楽しむという責任共同義務というものを修得する機会でございますので、青少年活動分野ではそういうことが主になってくると思うのであります。また青少年現実の問題としては有害いろいろな材料があるわけでございますから、私どもとしては、視聴覚教育でありますとか、あるいは図書館活動という面で積極的にいいものを青少年に与えるようにしていきたい、さように考えておるわけであります。
  17. 深見吉之助

    深見政府委員 中央青少年問題協議会は、御承知通り発足当時の社会環境からいたしまして、昭和二十年代でございますが、主として非行対策を取り扱ってきたのでございますが、先ほど阪上先生からも御指摘がありましたように、今日は非行対策よりも健全育成という面に重点を置いて、健全育成面を通じて非行行為を減少せしめる、こういう方面に動かさなければならない。こう考えておる次第でありまして、青少協におかれましても、そのような線で健全育成面を最近は強化し、各地方の青少協に対しましてもそのような連絡をいたしておるわけでございます。特に最近の農村青年都市に急激に流入する状況におきましては、都市勤労青少年対策というものを重点的に扱わなければならぬということをわれわれ考え、そのようなことを指示をいたしております。なお指導理念と申しますか、われわれは、青少年ほんとう民主主義をからだにつけ、社会公共福祉に反しないようなりっぱな社会人となるということを目標とし、おのおのが責任を持って、自己の責任において国家社会のために尽くし得る人を作る。かようなことを指導考えといたしておる次第であります。
  18. 阪上安太郎

    阪上委員 大体各省青少年指導理念というものの考え方を伺ったわけででありますが、率直に言いまして、私も少しへそ曲がりかもしれませんけれども、どうもぴんと来ない。自治省ではよい青年を作る、その方法として環境の整備に特に頭を使っておるということであります。警察庁は特殊な建前でありますので、これはまた同じように健全なる青少年育成するのだという抽象的な問題です。しかし手段としては、非行青少年対策であるとか、科学警察研究所青少年研究、あるいは少年補導官、まあ補導等についてもかなり問題があると思います。もっともっと知能の高い者を持っていかなければならない。そのためには給与の問題もつきまとってくる問題ではなかろうかと思います。モデル地区の問題、これも取り上げておられます。しかしながら、言われる指導理念はやはり健全な青少年文部省に伺ってみても、よいものを与えて、しかもそれは学校教育あるいは教育を通じてやっていくのだ、しかしその理念としてはよい青年を作るのだ、こういうことであります。総理府では、これまた健全な青少年育成、しかもここに理念が出て参りまして、民主主義というものを指導理念として持っておる。こう言われるのですが、このことは私はけっこうであると思いますけれども、あまりにも青少年に対する指導理念としてはばく然とし過ぎているのではなかろうかという感じがいたします。これは多少的はずれかもしれませんけれども、やはり世界各国青少年指導理念というようなものはわれわれは大いに参考にしていいのではないか、こういうように思います。正しい愛国心を養成するのだというような建前をとっているものもあり、あるいはまたもっと突き進んだ考え方で、いわゆるシチズンシップの見地に立ってよい市民を作るのだというふうに、きわめて割り切った考え方を持っているところもあります。市民というと、農民が含まれないようでありますが、彼らが言うシチズンというものは一切のものを含めたものであります。それからまた世界人類への奉仕というような、崇高な世界観樹立青少年がするように指導していくというような考え方も持っておる。もちろん平和の確立というような高い指導理念を持って、それに青少年を奉仕させるのだというところまでいっているところもあります。先ほど言われたよい青年であるとか健全な青年、こういった中にはそういうものが含まれておる、こういうように私は思うのであります。そこで私の考えとしては、そういったことをやるために、そういった指導をやっていくための指導理念といいますか、それは一体どこにあるか。これは私が申し上げるまでもなく、児童憲章にはっきりしているのではないかと私は思うのであります。今おっしゃった青少年を扱っておられる皆さん方の頭に児童憲章が全然ないということは、私は非常に遺憾に思うわけであります。児童憲章にははっきりと、当然青少年指導の根幹になっていくようなものが出ておるわけです。そういうものを満たしてやることによって、初めて青少年というものは完全に育成されていくのじゃないか。そこで私一つ一つ伺っていきますが、児童憲章の中には、児童は人として尊ばれるということが強く強調されておりますし、社会の一員として、先ほど申し上げましたシチズンシップの問題がここに出てきておる。それからさらに先ほど言われたよい環境の中で育てなければならぬというところの環境整備の問題が、やはり児童憲章にはっきり出ておる。もっと集約して参りますと、家庭に恵まれない児童には、これにかわるような環境が国なり地方自治体の手によって与えられなければならぬ、こういうことまで突き進んで集約されております。それから文部省が先ほど言われたすべての児童は就学の道を確保され、十分整った教育環境の中で教育されなければならぬ、こういうこともはっきりここに出てきておるわけであります。それからすべての児童は職業指導を受ける機会が与えられなければならぬ、こういうことになっておる。  そこで私お伺いしたいのは、特に文部省に伺ってみたいと思いますが、すべての児童が就学の機会ほんとうに現在の文部行政の中で与えられているかどうか、きょうおいでになっているのは社会教育局長さんですから、なかなかこれまた範囲が違ってくるかもしれませんけれども、実際問題として、端的にいって金のない子供というものは学校に行けないじゃないですか、今の学校教育の中で。しかし諸外国の例を見てごらんなさい。ほんとう青少年問題と取り組んでおるような学校教育というものは、完全に、能力のある子供については学校に行くところの一切の保障がされているのであります。高等学校に入学したい子供が半分近くまで入学できないというような、学校整備の観点から見て子供の入学を拒否しているという面もあるけれども、私は、そのことよりもさらに大事なことは、貧乏人の子供は学校に行けないという、この簡単な事実であります。こういうところから非行青年が出てきているのです。こういった児童憲章一つすら守られてないところに、現在の非行青年というものが出てくる共通病根があるのであります。私を文部大臣にしてごらんなさい、私は即座に、全部の子供を金がなくても能力のある子供は学校にやるだけの、予算措置を講じなくたってそんなことはできますよ。きょうは文部大臣がおりませんので、あまり大きな声を出してみたってしょうがないのですが、諸外国の例を見ても、いまだに寄宿舎制度というものがちゃんと確立されておって、そうして上級の学校に行く子供はその学校に入って、在学中の学資というものは全部その学校財団がこれを出してくれる。そうして卒業して就職して二十年、三十年の間に、就職した給料のうちから千分の一なりずつを返すことによって、完全にどの学校へも入ることができるということになっている。こういう簡単な金も要らぬような施策すら考えることができないような貧困な頭で、文部省教育行政青少年対策がどうのこうのと言っていること自体が、私はおかしいと思う。一体文部省として、ほんとう青少年に対して就学の機会均等を与えておるかどうか、このことは大きく反省しなければ、青少年問題は解決せぬと私は思います。こういった点で、きょうは社会教育局長さん、えらくわずらわしてめんどうですけれども文部省代表してあなたの意見一つ伺っておきたいと思います。
  19. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 能力に応じて学校教育を受けられるようにしなければならないというのは、お話しの通りでございます。そこで義務教育段階におきまして、義務教育でございますから、すべての者が就学の義務があるわけでございますけれども、経済的な事情で実質的に義務教育の就学を阻害されるような要因があるわけでございますから、これにつきましては本年度の予算におきまして、生活保護法以外の準要保護児童の教育援助につきまして、教科書、学用品、それから学校給食、そういう面で前年度二%でございましたのを四%に引き上げました。それから従来ございませんでした学用品につきましての補助の考えを新たに出したのでございます。それから今度は義務教育から上に行きまして、上の問題でございますが、高等学校、大学に、能力がありながら経済的な事情のために入学できないという者に対しましては、今回育英事業を大幅にふやしまして、従来の一般的な育英のほかに特別奨学制度のワクを広げまして、高等学校につきましては従来六千人でありましたものを第一学年一万二千人の特別奨学制のワクに倍増いたしました。それから大学につきましても、育英奨学の単価の増大をいたしたわけでございます。そういうように能力のある者につきましては育英事業の拡充、それから義務教育で実質的に行けない者につきましては要保護児童、準要保護児童の対策を進める。それでもなおかつこれは経済的な要因だけでなく高等教育を受けられない、あるいは後期の中等教育を受けられない人というのが出てくるわけでございますから、それにつきましては、私ども文部省といたしましては、学校教育の面では定時制教育、それから社会教育の面では青年学級あるいは通信教育という面を逐次拡充をし、内容を充実していく。そして将来は高等学校に行けない者の勤労青少年教育の制度というものを現在の実績を見ながら基本的に検討して参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  20. 阪上安太郎

    阪上委員 御専門ではないから、あまり議論しても仕方がないと思うのでありますけれども、そういった義務教育面におけるところの就学率というものは、かなり高い程度であって、これは世界一かもしれないということはよくわかっているのです。しかしながら、それでもなお不就学児童があるということも御承知だと思います。私が言いたいのは、そのことばかりではなくて、今日の高等学校の問題です。これらにおきましてはかなり優秀な府県においても、やはり五二、三%じゃないかと思うのです。あとはやはりどうしても学校へ行けないのです。行けない理由の一つとしては学校施設が不足だということははっきりしております。国も非常にその点については熱意が欠けていると思いますけれども、本年度あたりは多少措置しているようです。地方自治体においても単独事業としてでもこんなものはどんどんやっていくべきだとわれわれは思うわけでありますけれども、それも熱意がない。国の認可なり補助がなければやっていけないというものの考え方に陥ってしまっているということは事実であります。同時に私が言いたいのは、先ほど言ったように、そういうような不完全な状態であるということが一つ問題であると同時に、半面において上級学校へ行きたくても行けないという子供が山ほどあるという事実、そして自分が学校へ行けないということでもって、学校へ行く子供をよそ目に見ながらぐれていく青少年というものが、あの世代の子供としては非常に大きな痛手ではないかと思う。そういったことがめぐりめぐって非行少年を作り上げているという事実は、私は数限りなく実例があると思うのです。そういった面に目を注がないで、そして観念的な青少年対策なんということを幾ら言っても役に立たぬと思います。この問題についてはさらに別の機会で要求してみたいと思います。  次に環境の問題でありますけれども文部省青少年に対してよい環境を与えるというその環境の実際面は、これは社会教育面でやっておられると私は思うのでありますが、どういうようにおやりになっておりますか。先ほどちょっと伺ったのですが、もう少し具体的に伺ってみたいと思う。気のきいたぱりっとした青少年ほんとうに飛びついていくような環境の中に、青少年が入り込んでいくようなものを作るための努力をしておられるかどうか。努力しておられるなら、具体的にどれとどれをやっておられるか、こういうことを一つ伺いたい。
  21. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 青少年がいろいろな団体活動をいたします場合、あるいはいろんな合宿活動をいたします場合の場所を提供するということが一つの大きなねらいでございます。その一つといたしましては、青年の家、これは国立のものは一つございますけれども、現在文部省が補助いたしました青年の家が大体大小取りまぜて七十ございます。これは府県内に二ないし三カ所くらいは作るという年次計画で進んでおるのでございます。それから青年のための施設だけとは言えませんけれども、現在各地で拡張しております最近の公民館活動の実態を見ますと、青少年のいろいろなグループ・ワークの場所として公民館の整備ということをいたしておりますので、この施設につきましては、本年度約前年度の二倍程度の施設の補助を考えておりますし、それから公民館におきまするところの視聴覚資材等の設備につきましても助成して参りたいと思っております。それから青少年の図書のたぐいは、館に対しまして、青少年向けの巡回文庫のための図書の補助等をいたしております。それから視聴覚の材料といたしましては、青少年の学習のための録音の教材でありまするとか、それからいろいろな活動で使いまするところの教材あるいは劇映画等の材料をそろえまして、府県に巡回をして、その選択の道を与えているということがございます。それから若干ではございまするけれども教育放送を利用いたしまして、青少年向けの番組を年間を通じて実施いたしております。
  22. 阪上安太郎

    阪上委員 そこでちょっとこまかいことになりますが、あなたの方でおやりになっているいわゆる青少年の家と、労働省がやっている労働青少年ホームと、運輸省がやっているユース・ホステル、これはどういうふうに相違があるのか、おわかりでしたら御説明願いたいと思う。
  23. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 青年現実団体活動あるいは宿泊訓練をいたします態様は、これはいろいろでございます。たとえば農村を多くかかえている府県におきましては、農業技術ということを兼ねましていろいろな団体活動をいたすものがございまするから、そういうものは比較的職業教育に関するような資材をもって訓練をいたしておるものもございます。それから野外活動の拠点として利用されるようなものにつきましては、これた野外活動の場所として利用されるものがございまするので、青年の家の具体的な活動はいろいろでございます。ユース・ホステルあるいはいろいろ農林省等でやっております研修館等は、それぞれ固定した目的を持っておりますので、私ども青少年活動に即していろいろなプログラムがとれるような拠点というものが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。
  24. 阪上安太郎

    阪上委員 そうすると、文部省がおやりになっている青少年の家というものは、教育目的は持っておるけれども、どこにでも融通性のあるところの青少年の宿泊所であり、その他のものはそれぞれ独自の省の建前から見た教育といいますか、養成といいますか、練成といいますか、そういった機関である、こういう意味ですか。
  25. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 青年の家の実態を見ますと、研修を主とするものが三十カ所くらいございます。野外活動を主とするものが十七カ所、その他のものが二十三カ所くらい、大ざっぱに事業を分けてみますと、そう言えると思います。私どもは、青少年活動の実態から見て、一つに固定してしまうことが果していいかどうかということは、私自身は疑問を持っております。これは私見でございます。それほど青少年活動というものは簡単に固定できるものではないと思っております。もう一つユース・ホステル等と違いまするのは、青年の家は、団体宿泊訓練というチームを作ってお互いに泊まる、個々の旅行者が利用するという施設も必要でございまするけれども青少年活動から見て、団体でお互いに研修し合うということが必要でございまするので、その面で私は青年の家の特色があると思うのでございます。しかし青少年の健全な旅行というもの、これが青少年育成の上にきわめて有意義でございまするので、私どもはそういう面だけがあればいいとも思いませんけれども、ユース・ホステルのように会員が個々に証明書を持って、環境のいい土地に宿泊して、随時旅行できるという施設もまた必要だろうと思うのでございまして、私は両方とも必要なものだ、かように考えております。
  26. 阪上安太郎

    阪上委員 青少年団体活動の拠点として青年の家というものを作っていくという文部省のやり方は、私は正しいと思います。しからば文部省では、青年の家で青少年団体活動のために何を与えておられますか。
  27. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 私どもは国立青年の家を一つのモデルとして、これを地方青年の家の活動に及ぼしていくというふうに考えております。その例をとってみますと、相当の職員を置いて、民間の団体が利用される場合であっても、相当サービスをしてやらなければいけないと思います。その設備といたしましては、スポーツに関する体育館でありますとか、水泳場、競技場等を備えて、それから職業教育をやります場合には、たとえば内燃機関に関するいろいろなものでありますとか、そういうものも備えてやる必要があるというふうに考えております。
  28. 阪上安太郎

    阪上委員 映画はあの中で与えていますか。それから読書は、これはもう当然あると私は思うのです。スポーツの施設としては、何か今水泳場と体育館くらいなことをおっしゃっておりますが、それだけのものであるかどうか、もう少し詳しく言ってみて下さい。
  29. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 視聴覚器材及び読書の施設は一般的なものでございますので、おそらく欠いているところはございません。現在の状況を見ますと、視聴覚器材につきましては、青年の家たると公民館を問わずかなり普及して参りました。十分ではございませんけれども、映写機その他は普及して参りました。むしろこれからはそこで上映すべきフィルムというものがどういうものがあるかという選択の材料を提供してやるということが非常に必要じゃないかと思っておりますので、その面に力を入れているわけでございます。図書につきましては、先ほど申しましたように、青少年の巡回文庫がありまして、青年の家でなくても、公民館等に順次県内を巡回をする。必要によりますればブック・モービルで巡回をするというような建前をとっております。それから国立青年の家等では、スポーツのための施設といたしましては、自転車でありますとか、あるいはスキーの用具でありますとか、それからスポーツではございませんけれども、音楽室でありますとか、ピアノでありますとか、およそ青少年団体活動に基礎的に必要なものは一応整える仕事が終わったところでございます。
  30. 阪上安太郎

    阪上委員 青少年の家を作られても、はっきりした企画を持っておいでにならぬというふうに私は思うのでありますが、もっと科学的に調査して、青少年が何を望んでおるか、何を欲しておるか、もう少し文部省社会教育局努力されて、映画の好きな子供もあれば、音楽、ダンスの好きな子供もあれば、あるいはスポーツの好きな子供もあれば、あるいはまた手芸をやりたい子供もあるでしょうし、そしてしかも旅行をしたいという子供が数多くあるのです。金がないからできないだけのことなんです。総合的にそういったものを青少年に与えていくという考え方青少年の家だと私は思うのです。一つの目的のためにやっておるというのも、これはある程度必要でありましょうけれども、今日ほんとう青少年によい環境を与えていくためには、青少年が望んでおり、ほんとうに横目に見ながら自分のものにならないところのものを公の力で与えてやるということが一番大事なことなんです。そのために青少年の家というものが世界各国でも数多く作られてきております。今どき世界の文明国の中で、青少年の家が国内に七十や八十しかないような国は——ヨーロッパをお歩きになったらおわかりだと思う。アメリカに行かれてもわかると思うのです。そんな国は一つもありゃしない。小さな面積の国でも、たとえば西ドイツのような国でも四千カ所もそういったものが作られておる。しかも子供のための施設だからちゃちなものでよいという態度でおとなはこれを放置していない。堂々たるものを作っておる。しかもその根拠には、施設の配置につきましては科学的な調査をして、一体今の自分の国の青少年は何を望んでおるのだろうか、レクリエーションとして何を考えておるのだろうか、そうしてそれから拾い上げたりっぱな必要欠くべからざる施設というものを青少年の家の中に集約する、そういう形でこれが行なわれておるわけなんです。ところが日本では、いまだに七十カ所しかない、こういうことであります。総理府もこういった点については、中央青少年問題協議会を通じてそういった意見を多く握っておられると思います。ところが今年の青少年対策のために使われた予算というものは何ぼでありますか。こういうことではとても今の日本の青少年対策を推し進めていく一つの拠点である青年の家ですら満足にできはしない。ここで問題になるのは、国がもっと力を入れて青少年の家の建設に、乗り出すということじゃなかろうかと思うのであります。先般淺沼事件のときの連合審査で池田総理にも私はその点を強く要望しておいた。思い切って来年はやりますと言ったのですが、この予算を見たらわずかな額しか出ていない。しかも青年の家なんか作るための金はわずかに三、四億じゃないかと私は思う。この際、もっと地方自治体等に対しても働きかけ、そうして日本の国内に少なくとも三千カ所くらい作り上げていくだけの考えでなくちゃ、とても青少年対策は推し進められません。そういう意味におきまして一つ自治大臣にお伺いいたしたいのですが、これは公共事業として、そうして思い切った融資の道なり起債の道なり補助の道なりを講じていく、こういう考え方をこの際大胆不敵に押し出していく、こういうことについて自治大臣はどうお考えになっておりますか。
  31. 安井謙

    安井国務大臣 お話しの通り環境浄化のためには、それに必要な施設を十分しなければなるまいという御意見には賛成でございまして、確かに三十六年度の予算におきましては、交付税につきましても、あるいは地方税につきましても、かなり増収も期待されておりますので、今度の予定計画といたしましては、いわゆる一般的な公共投資をうんとふやしております。その中にそういった地方単独で自由裁量のきく予算額というものは八百四十八億程度のものを見ておるわけでありまして、そういうものででき得る限り指導して持っていくように、今後も行政指導の面でやっていきたいと思っております。
  32. 阪上安太郎

    阪上委員 そうしますと、青少年の家建設のために各地方自治体から起債の申請がありました場合には、思い切ってこれは認可されますか、どうでしょう。
  33. 安井謙

    安井国務大臣 起債をはたしてそこで直ちに認めるようにするかどうか、私は今の青少年の家等も非常に大事なことではあろうと思いますが、私は、政府ではそれじゃなぜやらないかと言われると困るのでありますけれども、一番大事なことは、大々的な国民運動を起こすのでなければ、青年の家とかそういうもので収容し得る限度というものは、幾らふやしてもしれておるのじゃないかという感じもいたしております。従いまして今の御指摘のような問題については、今後も地方の実況とにらみ合わせて十分検討はしていきたいと思いますが、今直ちに起債をここで認めるというふうな御返事はちょっと保留しておきたいと思います。
  34. 阪上安太郎

    阪上委員 おっしゃるように、国民運動を展開しなければならぬことは事実であります。労働組合も青少年の家を作らなければならぬ。あるいはまた場合によりましては、国も、文部省がやっておるような指導者養成の意味もかねた役目を果たす青少年の家をどしどし作っていかなければならぬ。また警察庁におきましても、その他の各省におきましても、できるだけ総合的に話し合いを進めて、そういった面で協力をしてどんどん建てていく。こういう行き方が必要であろうと私は思うのでありますけれども、何さまこれは大臣自治省が少し本腰を入れないとだめだと私は思うのであります。強く主張すると、いまだ義務教育すら完全に施設ができ上がっていない段階において、こういうレクリエーション施設というものを作るということは、国家としてはなかなかそこまで踏み切れないというような議論をいつまでも繰り返しているようなことではだめじゃないか、こういうふうに思うのであります。起債などもう少し思い切ってこういったものに充当していただくということが私はぜひとも必要だと思うのでありますが、今のところ即答はできない、こういうことであります。  そこでこの際伺っておきたいのでありますが、もし民間団体で——民間団体だってたくさん私はこういった問題に同調するところがあると思うのでありますが、どんどん財界等からも寄付して家を建てて、そして青少年にこれを提供しているというような場合が非常に多うございます。そういった場合の税金の取り扱い方について、一つそういったものに施設を提供したものについては、やはり税金の対象から引いていく、非課税の措置をこれに適用していくというような考え方について、大臣はどういうようにお考えになっておりますか、これを一つお答え願いたいと思います。
  35. 安井謙

    安井国務大臣 なかなかこれは限界がむずかしい問題だろうと思うのであります。公益法人というような形でそれができ上がります場合には当然免税措置もとれるかと思いますが、今の一般の営利会社、営利団体が、ただ自分の片手間にそういう施設をやった場合につきましては、これはそこの市町村自体あるいは自治体自体の判断にまかせなければ、今のところ政府はこうやるというようにきめるのは少し問題であろうかと思います。
  36. 阪上安太郎

    阪上委員 地方税法等の改正というような点について、まだ税法が出てきておりませんけれども、そういう面の非課税規定というようなものについてはまだお考えになっておらないのですか。
  37. 安井謙

    安井国務大臣 これは将来の問題として、当然今後起こってくる問題であると思います。このことと直接関係はございませんが、地方へ工場を誘致した場合に、そういった非課税の問題をどうするかというようなことも当然考えていかなければならぬのであります。しかしこれを今直ちに一方的に、たとえば免税するような財政措置政府で見るというようなことになりますと、また一方からいって弊害というものも相当考えられますので、その点今慎重に扱い方を検討中で、今度の地方税の改正案には直ちにはこのことを具体的に取り上げておりません。
  38. 阪上安太郎

    阪上委員 租税特別措置法の中でも取り上げておらないのですか。
  39. 安井謙

    安井国務大臣 特別措置法の中になりますと、むしろ合理化をしたというような問題が多いものですから、減税にもかかわらず、今まで非課税になっておったものがむしろかかるとかいったような場合の方がかえって多いんじゃないかと今思っております。
  40. 阪上安太郎

    阪上委員 次に、一つまた文部省ですが、職業補導を受けるということでありますけれども、時間がかかりますので、率直に私の意見を申し述べてあなたの意見を聞いておきたいと思うのですが、私は日ごろから定時制高校という制度につきましては相当疑問を持っております。普通高等教育はやっておるのでありますけれども、そのことも大事でありましょうが、それはそれなりに昼間の学校に切りかえて、そしてだれもが通学できるような状態に持っていくことだと思うのであります。同時に国民職業学校を義務教育として作り上げていくというような思い切った考え方にならなければならぬ段階に来ているのじゃないか、こういうふうに思うのであります。最近一連の地域経済開発理論が各方面に出ておりまして、当然地域経済開発に伴うところの学校教育というものが考えられるわけなんであります。その場合に、現に就職している人の配置転換も行なわなければならぬという見地から考えてみても、あるいは同時によい市民を完全に作り上げていくという見地から考えてみても、青少年対策として考えていく場合に、ああいったきわめて狭い範囲内の職業補導じゃなくして、日本の国内にあるあらゆる職業補導を一手に引き受けてやっていくところの再教育機関としての国民職業学校、こういった学校制度というものが取り上げられなければならぬのじゃないか。こういうふうに私は思うのですが、この点あなたの方の見解はどうなんでしょう。
  41. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 先ほど高等学校の問題についてお話がありましたが、それに関連する問題だろうと思います。現在中学校を卒業いたしまして高等学校に入学いたしますのは、正確ではございませんが大体六〇%近くなっている現状でございます。文部省といたしましては経済の十カ年計画に即応いたしまして、一応試案として、現在の趨勢で参りますれば十年間に七二%程度の高等学校入学率になるのではないかと予測しております。その場合に、後期中等教育をできるだけ国民のすべてに及ぼすという方法を考えました場合にも、全日制の学校の限界というものは、経済的な要因だけでなくかなりあると思うのでございます。能力の問題、性格の問題、青少年に付随するいろいろな要素を考えなければなりません。そこで私どもは、現在の定時制高校にいたしましても、青年学級にいたしましても、これで高等学校へ行けない者の教育制度として十分であるというようなふうには考えておらないのでございます。高等学校へ行けない者が、働きながら、あるいは働いた後に、ほんとう意味の定時制的な教育を受けるという制度を今後検討して参らなければならないという点では、お話しの通りでございます。  それからもう一つ職業教育という面では、私どもは単に青年だけでなく、一般成人につきましても、働きながら、あるいは働いている途中でいろいろな簡単な職業上の技術を修得する機会が必要でございますので、その点につきましては成人教育という形で、今度の予算では成人学校というようなものを実験的にやってみて、将来日本の国情としてそれが発展していくものかどうかということを検討してみたいと思いまして、本年度新たに、単に講義を短い時間聞くということでなく、年間一定の時間をさいて、一人の人間がそれぞれのコースをきめて学ぶという体制も検討してみたい、かように考えております。
  42. 阪上安太郎

    阪上委員 私がこういうことを執拗に承っておるのは、あとで青少年の小委員会ができますので、できるだけこの機会に問題点を出しておきたいという考え方なんでありますが、今の場合におきましても、やはり成人教育というふうに切り離して考えておられる。ここに非常に大きな制度なり施設なりのむだが出てくるのじゃないか。成人教育考えると同時に、その施設がまた逆に青少年が利用するところの施設となっていく、青少年が利用する施設が成人教育になっていく。押しつける意味ではございませんけれども、職業学校を作って、しかも労働時間の短縮が行なわれてくる、余暇利用の問題が出てくるという段階になれば、ますますそういった施設が土、日等においては完全な成人教育になっていって、今あなたの方で考えておられるような成人教育の量をはるかに超過するような大きな働きをするということは、これははっきりしておるのであります。そういう意味で、国民職業学校の制度というものを文部省はいよいよ考えなければならぬ段階に来ているんじゃないか、こういうように私は思います。そこでそのこと自体青少年に利用の非常に大きな機会を与えていくのだということであって、だから私は、こういった問題は総合的に取り扱わなければならないのだ、こういうことを申し上げているわけなんであります。  そこで最後に総理府一つ伺っておきたいと思いますけれども総理府中央青少年問題協議会、これは調査機関、審議機関といいますか、としては非常になくちゃならぬ機関である。またいろいろな青少年対策の調整機能を持っておると私は思うのでありますけれども、ここで大事なことは、先ほどあなたもおっしゃったように、自主性によって青少年生活を打ち立てていく方向、こういったものを考えてやらなければならぬということなのでありますが、実際問題として、あなたの方では、青少年計画というような実施計画をお持ちになってないように私は思う。持っておられても、それじゃそれをだれが実現するかということになると、だれも実現するものがいないんじゃないか。青少年問題協議会の中に青少年団体代表者を——ああいった特定の方も必要でありましょうけれども、系統だった各種団体の積み重ねられた頂点の人々が出てくるような、やはりそういう人が中央青少年問題協議会の構成メンバーでなくちゃならぬ。それが欠けているところに大きな中央青少年問題協議会のあり方としての問題点が一つあるということと、青少年にも自主的に動かせていく、こういう建前で協議会はプランを立ててやる。プランというよりも、善良な助言をしてやるというような程度であって、実際問題として青少年計画が、五年計画なり三年計画なりというものが立てられて、それの予算措置等についても中央青少年問題協議会がめんどうを見てやるというような、いわゆる青少年の自主性にまかしたところの青少年計画の樹立、そういったことをここにやらないと、これは何かおとなが一方的に押しつけてきたところの青少年対策であり、あるいは地方でもって勝手にやっているのは、地方自治体青少年問題協議会で勝手にやっているのだ、おれたちと全く無関係なことであり、場合によってはおれたちを監視するところの機関にすぎないのだくらいのことしか考えていない。青少年みずからはちっともその中に入ってきて動いていない。これは荒木文部大臣のことを言うとおかしいですが、あの人は話し合いがきらいだそうですけれども、今日青少年にいろいろな意見を聞いてみる、あるいは警察がしている非行青少年調査の資料等々見ましても、青少年は話し合いの場所がほしいということを盛んに言っておる。団体活動に入っていきたいのだけれども、なかなか入れないのだ、こう言っておる。私はこのこと自体青少年対策として取り上げなければならぬ重要なポイントがあるのじゃないか、こういうふうに思うのです。そのためには青少年みずからの手で青少年計画を樹立させ、そういった樹立役割中央青少年問題協議会が持つ。ここまでいかないと私はほんとうの日本の総合的な青少年対策には入っていかないと思うのですが、総理府建前としてどういうふうにお考えになりますか。
  43. 深見吉之助

    深見政府委員 ただいま御質問のございました点は、一々われわれもごもっともと存じます。青少年運動は、なるべく自主的に自分たちがその計画を立て、しかもその方向を誤らないようにしてもらわなければならぬ、かように考えております。中央青少年問題協議会といたしましては、昭和三十二年だったと存じますが、一応総合的な青少年計画というものを広範に作文をいたして持っておりました。ただいま主要な部門につきまして逐次分科会あるいは専門委員会等を開きまして、これの具体化を進めておるような次第でございます。さらに分科会等において、その最初に作りました総合計画とは方向の変わる場合ももちろんございますけれども、そういう一応基礎になります計画は所持いたしておるわけであります。  それから青年団体との交流をいかにするかということでございますが、私どもの方では、委員会は、各省との連絡建前もありますので、青年団体代表委員にはいたしておりませんが、その下に専門委員会というものがございまして、その専門委員会で地域問題の検討あるいは職業問題の検討とかいうようなものをいたします際に、それぞれ関係青年団体代表者をその方に加えておる次第でございます。それからまた年に一、二回、関係——私たちは十八団体と申しておりますが、健全育成非行化防止その他産業活動をいたします青年団代表者を総理大臣官邸に集めまして、これらの人々の意見を総合的に聴取いたしまして、それを施策の上に具現するようにする。その際には各省から課長、局長等の出席を求めておりますが、特に今までその際に総理大臣の出席をいただいたことも二、三回に及んでいるわけでございます。そういうような会合におきまして、青年たちの自主的な声を聴取するということをいたしております。また十五才から十八才までの若い層の声も聞きたいと存じまして、全国的に毎年問題を出しまして、その問題について、たとえばマスコミから受ける影響を自分たちはどういうふうに排除したらいいか、青年団体は、自分たち若い者はどういう団体がほしいかといったようなテーマを与えまして、それを地方で研究討議させて、各県から男女一名ずつ、計二名の代表者を中央に集めまして、中央と申しましても、大阪でやったり名古屋でやったり、あるいは富士の青年の家でやったり、各地に持ち回りますが、中央に集めまして、それらの意見交換をして、若い者がどういう感覚を持っているかということをわれわれは聞く機会を持っております。その他機会あるごとに青年の声を聞く方法は考えて、なるべくただいまおっしゃいましたように、青年問題は青年たちの誤らない自主的な進め方を立てていかしたい、かように考えておる次第であります。
  44. 阪上安太郎

    阪上委員 文部省にさらにもう一言伺っておきたいと思いますが、時間の関係でもう理由は言いません。おわかりだと思いますが、科学遊園地を作る計画というものをお考えになったことがありますか。たとえばアメリカのデズニーランドのようなもの、こういったものを国立で、少なくとも日本に数個所作られていくという考え方、計画、そういうものをお持ちになっておりますか。
  45. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 お話のような点を計画したことはございません。ただ私どもといたしまして、青少年の科学思想の普及のために中央にあります国立科学博物館の理工学館の増設を今計画中でございますので、それもお話の一つ役割を果たすかと思います。なお、児童文化センターというものを中都市くらいのところで補助をして作っておりますが、その内容を見ますと、これは科学だけに限っておりませんけれども、科学展示室というようなものを中に入れまして計画して、設置しているようなわけでございます。
  46. 阪上安太郎

    阪上委員 私が言っているのは、そういう博物館的なものの考え方ではないのです。日本の博物館というものは、ガラス張りでもって何もかもさわるべからず式の、芝生の中に入ってはいけないのと同じ形式の博物館です。今ごろそんな博物館というものはあちらには見られない。日本だけがそういうことをまだやっているのではないかと思います。実際子供が出かけていって、自分で実験してみる、動かしてみるという博物館ならまだ少しはいいと思いますが、今私が言っている科学遊園地というものは、あらゆる科学を集中したものである。農業科学まで中に入ってくるという広範なものである。もちろん植物園、動物園もある。そういった広大なもので、しかも自然に子供たちがそこに引きつけられてくる。ブランコ遊び式のいわゆる遊園地ではなくして、そういったものこそ今日国の力で作り上げていく必要があるのではないかと思うのです。そういったものの計画を一つ文部省は持ってもらえば非常にけっこうだと思っております。大体一カ所十億から十五億くらいかかるだろう、こう思うのです。ある地方によっては、そんなものをやろうというところもあるようであります。そこで問題になっているのは、いつも問題になる起債の問題です。大臣、そういうものが出てきたときには起債を許可しますか。
  47. 安井謙

    安井国務大臣 非常に興味のある問題で、興味といいますのは、有益なる問題だ、こういう意味でありますが、これは十分検討いたします。
  48. 濱田幸雄

    濱田委員長 川村継義君。  川村委員にちょっと申し上げますが、自治大臣は十二時四十分ころに退席をしたいということでございますから、そのおつもりで御質疑を願います。
  49. 川村継義

    川村(継)委員 青少年補導に関する問題については、あまりにも広範で重要な問題を持っているわけでありますが、きょうは時間もありませんので、いろいろお尋ねすることができないかと存じますが、幸い当委員会としては、小委員会設置される予定でございますので、またそのおりに皆さん方といろいろと意見の交換をして、この目的を達したいと考えております。  今私、警察庁及び警視庁あたりからこれまでいただいた青少年関係の資料をたくさん持っておりますが、この資料を見て参りますと、だんだん青少年犯罪が年若い方に増加しておる。しかもその犯罪の種類が凶悪犯を初め、なかなか重い犯罪を構成しつつある、こういうようなことが分析されているわけであります。これはまことに猶予すべからざる問題だと思うのでありますが、私たちがいただいておる資料は、大体昭和三十三年度までの資料がおもでございます。昭和三十四年度、三十五年度、この辺の青少年犯罪等の傾向は、どういう状況になっておりますか、一つ簡潔に御説明願いたい。
  50. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 青少年犯罪は、大体戦後おとなの犯罪より一、二年おくれて山を作っておるわけでございます。おとなを含めた全刑法犯の非常に多くなりましたのは、昭和二十三、四年くらいでございますが、それにおくれて少年犯罪が山をなし、それからずっと下がって参りまして、おとなの犯罪はまた二十九年ごろから上昇傾向をたどり、少年犯罪は三十年ごろから上昇過程をたどって、逐年増加しておるような状況でございます。   〔委員長退席、中島(茂)委員長代理着席〕 ただいまお話しの犯罪の増加、さらに凶悪化という傾向は依然として続いております。ただ三十五年におきましては、粗暴犯において三十四年よりやや減っておるということで、その他はふえておるという状況でございます。特に窃盗犯などにおいてふえておるということも言えるわけであります。また、ただいま御指摘の年令、いわゆる低年令層に増加の傾向が多いということも、これは依然として続いておるように見受けられるわけでございます。
  51. 川村継義

    川村(継)委員 三十四年、三十五年の傾向も、大体増加の傾向にあるということが大ざっぱに言えると思います。おそらく当局には精細な資料があると思いますが、そういうことが言えると思います。そこでちょっとお尋ねいたしますが、わが国の人口と犯罪数、大体昭和五年、つまり満州事変前の人口と犯罪数の比率、それから太平洋戦争に入る前、昭和十五年ころを見て、その付近を考えて人口と犯罪数の比率、それから現在の人口と犯罪数の比率、これを三段階くらいに分けて、どういう状態にあるか。それと同時に、同じ年次、三段階くらいに見て参りまして、青少年の層と青少年犯罪の比率、こういうのは一体どういう移動傾向を持っておるか、それがおわかりでございましたら、一つ簡単にお話しいただきたい。
  52. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 私、ただいま正確に数字的に承知いたしておりませんので、いずれ正確なものを差し上げたいと思いますが、大体の傾向としましては、最近が一番多い、人口比にしても多い。それから戦時中は非常に減っているということは言えると思います。詳細の点につきましては、いずれ統計によって正確にお手元に差し上げたいと考えております。
  53. 川村継義

    川村(継)委員 今長官のお話の中にありました、人口比に見てもやはり犯罪の率が高くなっているということは、これは非常に重要な問題だと私は考えるわけです。そこで先ほどから阪上委員の質疑に対して、協議会の事務局長さん、あるいは文部省の社会局長さんからいろいろとその対策について努力しているというお話がございましたが、はたしてそれらがどのように実を結びつつあるかということが、私としては一番関心事であります。青少年問題を考えるときには、当然学校教育というのも重要な問題を内包するわけであります。ところが、これは社会局長さんに申し上げてもせんないことかもしれませんが、たくさん問題がある中で、今度の文部省予算を見てごらんなさいませ。今まであの気の毒な子供に教科書の補助をしておった。今まで八割補助であった。それを半分の補助に打ち切ったわけでしょう。そうなると、半分は地方団体が負担しなければならぬ。地方団体は、はいといって喜んで負担するかというと、そうではないですよ。問題があるのです。ということは、こういう負担がかかってくるならば、結局自分の村から、自分の学校から、その要保護児童といわれるような、教科書のめんどうを見てやらなければならぬような層をなるたけ押えていく、そういう傾向にあるのです。そうすると、その中からはみ出していくところの気の毒な子供というものが出てくる、こういうことが考えられるわけです。こういう点を一つ考えてみても、今の文部行政の中にやはり考えなければならぬ非常に大きな問題があるということを私たちは見のがしてはならぬと思うのであります。なお、社会教育の中にも大きな問題がたくさんあると思います。これは社会局長さんの担当部面でございますけれども、これも非常に重要視しなければならぬ問題が多いと思います。ところが、先ほどの御質問でいろいろと施策をお聞きしましたが、たとえばあなたは青少年対策として、青年の家を作っておるとか、あるいは地方の団体の活動を正しく伸ばしていくために努力しておるとか、このようなお話がありましたけれども青年の家の整備の補助にしましても、あなたは全国に幾らか作るとおっしゃったが、去年よりも減額になっているでしょう。予算が減っておる。そうなると、あなた先ほどのお話とは違うのじゃないか。なぜ減額されるか。各県に二カ所も三カ所も、こういうものをどんどん増加していこうというお考えであるならば、ことし、去年よりもそういう青年の家の整備費が減るというのはおかしい、私はそう思う。なお、あなたは地域青年活動というようなことも非常に強調しておられますけれども、ことしの予算と去年の予算と比べても、わずかに百六十万程度しか増額になっていないでしょう。私たちも、青少年を正しく指導するには、いわゆる子供を、青少年を孤独に落としてはいかぬ、一人ぼっちにさせてはいかぬ、やはりそれぞれの地域に適するグループ活動というものが中心にならなければならぬし、非常に大事なものである、こう考えておるわけです。そうなると、この地域青年活動あるいは先ほどから出ておりますような各種のこういうような団体活動、こういうものをもっともっと重視する必要があるということは、これは私が申し上げるまでもないと思うし、皆さん方の頭の中にあると思うのです。ところがそれを予算的に見てみても百五十万か百六十万程度の増額で、一体何を進歩的に考えて積極的におやりになさろうとしておるのか、それも疑問だ。こうなると、こういうことをずっと考えていきますと、どうも皆さん方のおっしゃっておることと、われわれが受け取っておることと違う。視聴覚教育にしましても、なるほどあなたがおっしゃるように、ことしの文部省予算にはだいぶ出ておる。しかし、それは大部分は学校に設備されるところの子供のためのものが多いのじゃないか、これは私が間違っておるかもしれないが、私はそう受け取っておる。学校に四百だけテレビを買うてやるのだ、テレビの番組をよくするために三千万円程度出すのだ。こういうようなことでありますと、はたして地域青年、この大事な、あなたがおっしゃったような中学校を出て高等学校に行けないようなそういう青年、最も非行の道に陥りやすい境遇にある青年を育てるための視聴覚教育として、はたして役立っておるかどうかということを疑わざるを得なくなる。こういうように、社会教育活動考えてみても、どうも不十分だとわれわれは受け取らざるを得ないのであります。先ほど申し上げましたような青少年団体活動というこの重要な問題につきましても、非常に大きな問題があるわけです。まあこういうこまかな点につきましては、さらにまた小委員会等で皆さん方とゆっくり意見の交換をしていきたい、このように考えているわけであります。  そこで、こまかな青少年福祉の問題あるいはそのほかいろいろの問題は後日に譲るといたしまして、最も私たちが今胸をいためるものは、何といったって青少年非行の状態です。犯罪を犯すところの状態です。先ほど青少年問題協議会の事務局長さんは、われわれは初めに非行防止を対象として考えてきたけれども、今日はそれよりも、いわゆる健全な青少年育成するために重点を置いておりますとおっしゃった。その考え方も、私は決して否定するものではございませんけれども、先ほど柏村長官が申しておりますように、非常に犯罪が増加しておるときには、ただ青年の家を作って指導者を養成したり、何も非行の道に陥るおそれのないところの青少年層を集めて指導するというような考え方にだけ重点を置いては、何か道はずれるものがあるのじゃなかろうか、私はこう思うのでありますが、青少年問題協議会としても、やはりこの非行少年をどうして救っていくか、どうして防止していくかということにもう少し重点を置かれる必要があるのじゃなかろうかと、私は先ほどのあなたの答弁を聞いて考えるわけですが、この点事務局長さんいかがでございますか。
  54. 深見吉之助

    深見政府委員 お答えいたします。先ほど私が健全育成重点を置いてと申し上げましたのは、健全育成重点を置きながら、非行対策におきましてももちろん手を尽くしていこう。こういう意味合いであったのでありますが、あるいは言葉が足りなかったかとも存じます。ただいま御指摘のように、われわれは今日の非行青少年の増加という問題はゆゆしい問題だと考えておりますので、決してこの問題をおろそかにしておるわけではございません。各地においてわれわれが懇談会を開催し、あるいは先ほど申し上げました青少年の協議の議題を提供いたしますとき等には、必ず非行問題というものに重点を置いておるのです。たとえば三十六年度の全国青少年育成運動の目標といたしまして、勤労青少年育成と、非行防止のための地域活動の強化ということと、それから映画、テレビ、出版物等、マスコミによる影響の是正、これの健全化、この三つを大きな柱として、本年の青少年育成運動を展開したい、かように考えておる次第であります。御指摘の点は十分心得ております。
  55. 川村継義

    川村(継)委員 それでは、本年の青少年問題協議会考えておられますそのようないわゆる非行少年に対する対策、あるいは青少年の不良化防止とでも申しましょうか、そういうような対策費としてはどれくらいお組みになっておられますか。またどういう形でお組みになっておられますか。
  56. 深見吉之助

    深見政府委員 私の方では直接これらの問題につきまして行政的な措置はいたさないことになっておりますが、ただこの問題を総合的に推進いたしますために、中央青少年問題協議会予算といたしまして、一千万円のモデル地区設定費を持っておりまして、これをもって全国に五十七カ所の青少年育成モデル地区を指定いたしまして、ここに関係省庁の種々な施策をなるべく総合的に投入して、りっぱな地区をたくさん作っていただきたい。その地区と申しますのは、いろいろの意味において問題を持っている、経済的な問題、あるいはたとえば立川市のごとき進駐軍との関係のある地区であるとか、農業地域あるいは漁村地域等の地域を選んで、そういうことを一ついたしております。それからまたその他一般につきましては、警察庁の方の予算等でもいろいろ御配慮を願い、また文部省におきましても、先ほど来説がありましたような点を総合してこれを加えていきたい。また厚生省におきましても、ことしは特に精薄対策等において若干の配慮がされておる。総合的に各方面でこの非行対策の推進をしていただく。こういうようにして、われわれは協議をいたしておる次第でございます。
  57. 川村継義

    川村(継)委員 まあいろいろそういう関連してお考えになっており、対策はおとりになっておるようでありますが、率直に言うと、こういうような青少年非行対策というようなことは、結局警察庁の中にある青少年の取り締まりというようなことでしかない、こういうようにわれわれは理解せざるを得ないようであります。申し上げるまでもなく、警察青少年補導についてはずいぶん苦労もしておると思いますし、苦心があると思うのですが、ただその警察の方は、ただ取り締まりだけでなくて、補導の面にも十分力を尽くしておられると思いますけれども、要するに警察行政の上から考えると、これは取り締まりということが中心にならざるを得ない。ところが青少年をただ取り締まりの対象として街頭に放り出しているだけでは、決してこの青少年問題あるいは青少年非行を防止するというようなことはでき上がらないと私たちは考える。そこで私は、もう少し青少年問題協議会皆さん方中心となって、もっと大きな観点から、この非行少年をどうして防いでいくか、青少年の不良化をどうするかということを総合的に研究していただく、そういう対策を真に樹立していただくことが必要じゃないか、こう考えられてなりません。さらにこういう問題につきましても、小委員会等で一つ十分御意見を伺いたいと思うのでありますが、大臣は何か非常にお急ぎのようでございますから、実はきょうは大臣にいろいろと問題をお聞きしたかったのでありますけれども、もう時間もありませんし、また後日に譲りたいと思いますが、ただ、今私たちがお尋ねしておるのは、いわゆる一般の青少年非行問題、ところが当面しておるものにいわゆるテロ問題というのがあるわけです。青少年が犯しましたところのテロ行為という、これまた一つ特別のケースがあるわけであります。これをいかにしてなくするかということは、もっともっと大きな問題だと思います。そこで大臣にちょっとお聞きしますが、今日のテロ行為について、どうも集団暴力行為と同じような立場において論ぜられる風潮がある、このことも御存じの通りであります。淺沼さんを刺殺いたしました山口二矢君の犯行、その原因というものは、最後はどうも突き詰めてできていないようでありますが、あなたは国家公安委員長としてそこをどう判断し、分析しておられるか、それを聞かせていただきます。
  58. 安井謙

    安井国務大臣 私は、淺沼委員長を刺殺いたしました山口少年というのは、最近連続して起こっております政治的テロ犯というものの中では一番純右翼的な思想に近いのじゃないかという感じがいたしております。しかし同時に、やはり少年期の一般にいわれる激動的な気分を相当注入されて起こっておる現象でもあるのじゃないかというふうに思うのでありまして、私は、たびたびこの委員会あるいはその他の委員会でも問題になりましたこのテロと一般暴力とは峻別して考えるべきものだ、これはお説の通りだと思う。一般の集団的な暴力あるいは個々の暴力と、政治信条を異にするがゆえに相手を殺すというものとは、性格上非常に峻別して考えるべきものであるし、その対策もおのずから変わっていかなければならぬという一般原則につきましては、私も確かにそうだと思うのであります。最近河上さんの事件、あるいは岸さんの事件、岸さんは違います、少年じゃございませんが、淺沼さんの事件あるいは嶋中事件、また小林日教組委員長を襲おうとした事件、そういった一連のものを考えてみますと、正直に申しまして、なるほど思想的な傾向が根底にあることはありますが、それと同時に、青少年の気分一般にわたっておる何とはなしにすぐすれ合えば火花が散るといったような、発火点に達しておるような一部の青少年の気風が非常にあるのじゃないか、それがたまたまああいう形で出ておるという傾向も、私は見のがせないのじゃないかという感じが非常に強くいたしておりまして、そういう意味からも、青少年の矯正の問題というものは、非常に慎重にまた本腰で取りかからなければいかぬじゃないかというふうに考えております。
  59. 川村継義

    川村(継)委員 今、委員長おっしゃったようなお考えもあると思いますけれども山口君の犯行というものは、ただ単に集団的な陳情行動、あるいは労働組合の集団行動、そういうものが直接の原因であるかどうかということなども、もう少し分析していただかなければ、こういうような行為を根絶することはできないのじゃないか。もうここでくどくど申し上げる必要はありませんけれども山口君のおい立ちそのものに大きな原因がある、こう見ることが正しいのじゃないか。もしも山口が正常な家庭環境に育ち、学校一つ学校で学友たちと一緒に六年間なら六年間、中学の三年なら三年というように学業に励むことができたならば、私はああいう道に入っていくことはなかったのじゃないかということを考える。ところが、御存じの通りに、小さいときから高等学校を退学するまで七つの学校を転々として移っておる。また山口学校で接した先生やらあるいは友だちの諸君が話しておる言葉を聞いても、山口自身の性格あるいは家庭環境、そのおい立ちの中にああいう行動に走っていくというようなものがやはりあったということを考えなければなりません。私はそう思うのです。そうなると、ただ私たちが目の前に現われたところの行動、現象というものだけで対策を立てていこうとしても、これはむだであって、やはりその根本にさかのぼって全般として考えなければならぬ。そういうところで学校教育あるいは社会教育、あるいは先ほどから各関係皆さん方が話しておられたような施策考えられなければならないのじゃないか、こういうふうに思うわけです。またいずれこういう問題について委員長からも十分御意見を聞きたいと思います。きょうは一応保留しておきたいと思いますが、また一つ考えなければならぬことは、先ほども申し上げましたように、集団的な行動がこういうものを挑発しておるというような論法で右翼テロを賛美したりあるいは肯定するというようなことがあってはならぬと私は考えるわけです。ところが、あなたに所属しておられる国家公安委員の中に、これは氏名を申し上げますと、小汀さんなどは、淺沼事件があったときに堂々とそういう意見を公開しておられる。ほんとうに重要な国家公安委員というような地位にありながら、そういう意見を軽々しく述べられるということは、これは言論の自由かもしれませんけれども、そういう意見を国家公安委員として述べられるということは、それがこういうふうな右翼テロをさらに助長する因ともなりかねない、こういうことを考えます。この次は小汀さんの言われた言葉等について委員長としてどうお考えになるか、これもぜひ聞かしていただきたいと思います。委員長は時間が参りましたからよろしゅうございます。  それから警察庁長官にちょっとお聞きしておきますが、岸さん、河上さん、淺沼さん、こういう人たちを刺したところの犯人、もちろん山口君は自殺しております。嶋中事件の犯人はおそらく現在取り調べ中であると思うのですが、河上さんを刺したような犯人は今どうなっておりますか。なお岸さんを刺した荒巻というあの年配の人はどうなっておりますか、ちょっと聞かしていただきたい。
  60. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 山口二矢はお話しのように自殺してそのままでございますが、河上さんの事件、それから岸さんの事件につきましては、それぞれ刑事訴訟手続によりまして起訴され、たしか判決があったというふうに私記憶いたしております。今ちょっとその詳細はここで空で覚えておりません。
  61. 川村継義

    川村(継)委員 これは今ここで柏村長官にいろいろお聞きするあれじゃないかもしれませんが、法務省から聞くべきだと思いますからそれでよろしゅうございます。  そこで最後に、こういうようないわゆる青少年非行の防止のためにあるいはその犯罪をなくするために、あるいはこういう右翼のテロ行為を根絶するために、政府の方ではいろいろと対策考えられておるようであります。私たちも新聞でちらほらその対策を見たわけであります。これは国家公安委員長にお尋ねすべきかと思いますけれども、その中で四本か五本かの対策があったと思うのでありますが、長官、御存じでございましたら、それが今どういうふうに進行しているか、つまり政府で決定されたものがどう進んでおるか、御存じでございましたら一つお知らせいただきたい。
  62. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 政府におきまして暴力犯罪防止対策要綱なるものを決定いたしまして、これについて具体的な立法措置あるいはその他の行政措置を講ずるように目下鋭意検討中であるように私は承知いたしておるわけでございます。ただ、この暴力犯罪の防止対策要綱なるものは、私の知る限りにおきましては、必ずしも今回起こりましたいわゆる右翼テロのみを対象としているというものとは考えないのでありまして、そういうものももちろん含めてはございまするけれども、広く暴力対策、たとえば暴力団の暴力あるいは青少年の暴力というようなものについての対策考えて決定されておるように私は承知いたしておるわけであります。
  63. 川村継義

    川村(継)委員 私もまあ、そういうことではなかろうかと考えて新聞を見たのでありますが、どうも残念なのはそういう一般的な、たとえばえらく酒を飲んだときにこれを同行するというような法律案を用意したり、あるいは刃物を持ち歩くのはこれをうんときびしくするというような法案を考えたり、それはそれなりにあるいは理由があるし、けっこうなことだと思いますけれども、何といってもこのテロ行為を根絶するところの対策というものが考えられなければならないとわれわれは思っております。われわれも政府がそういう態度であれば、さらにこの点について私たちといたしましても努力をしたいものだと考えます。  そこで私は、いろいろ考えられておる法案の中に、私の頭に浮かんでくるのは、警察の方では街路灯、防犯灯、こういうものを促進するというお考えがあるそうでありますが、実際今度の国会にお出しになるつもりでございますか、どうでございましょうか。
  64. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 先ほどちょっと言葉が足りなかったかと思いますが、私の承知いたしております範囲におきましては、今度の対策要綱は、あの右翼のテロ事件嶋中事件というものが起こって急速にきまったように世間で印象を受けておるかもしれませんけれども、相当前から与党内部において検討されて、いわゆる暴力取り締まりとして考えてこられたものを、たまたま嶋中事件後において決定を見たというような状況でございますので、非常に広い範囲にわたっておるわけでございます。  ただいまお話しの防犯灯の設置ということにつきましても、これは警視庁初め警察におきましては、刃物を持たない運動と同時に町を明るくする運動ということで、民間その他関係機関の協力を得て促進するように努力をしてきたところでありますが、法案につきましては、たしか社会党の議員の方からすでに国会に提出されて継続審議になっておるように聞いておるわけでございます。そういうことでありますので、これを政府提案として新たに出すべきであるか、あるいは与党もそういうことに御賛成ならば、社会党の御提案になっているものにまた若干の修正を加えることが望ましいというふうにお考えであるならば、お話し合いの上に何か措置をされるということも一つの方法として考えられるのではないかと思いまするし、社会党の議員の方が出しておられるものを骨子として、これを国会で継続して論議されることも一つの行き方ではなかろうかと思うわけでございます。警察庁としては、このことについての法案を提出する用意を現在はいたしておりません。法案として成案を得ておりません。
  65. 川村継義

    川村(継)委員 聞きますと、あなたの方で考えられたということであります。新聞の報道を見ると、いわゆる防犯という立場からお考えになっておる。ところが街路灯ということになりますと、ただ犯罪を防ぐということだけでは少し考え方が狭いのではないかとわれわれは思っております。だから私たちの方で出しております街燈整備促進法案は、その主目的は犯罪防止である。と同時に交通の円滑、安全ということが目的になっておる。これは街灯を道路の付属物と見ていろいろ研究したあげく建設委員会に一応かけておるわけでありますけれども、これは一つぜひ成立させてもらいたい、成立させたいものだと強く考えております。今、長官のおっしゃったように私たちは何も社会党案そのものを固執しておるわけではありません。政府の方でこのような趣旨で街路灯設置についての法案をお出しなされば、われわれとしては私たちの案を下げて協力するにやぶさかでないわけであります。なお、与党の皆さん方が社会党案に賛成いただければ、これはまたわれわれの案を下げて与党と一緒になって議員提案で出しても差しつかえない、このくらいの考えでおります。この街路灯については大きな国民の要望でもありますし、ぜひ一つ努力をしたいものだと思っておりますが、当局も一つそういう意味でぜひ協力をいただきたい、このように考えておるわけであります。  いろいろお尋ねしたいこともたくさんあるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、残された問題あるいは対策の進め方等につきましては、いずれ小委員会等で十分意見を交換をしたいと思いますので、一応私の質問をこの辺で閉じておきます。
  66. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 私、ただいま防犯灯と申し上げて非常に狭い効用をねらっているとお聞き取りになったかもしれませんが、私ども考えておりますのは、犯罪防止と同時に交通の安全、円滑化ということを考えて、ぜひとも町を明るくしていきたいという趣旨でございます。今後どういう形で、あるいは政府提案ということを考究することになるかもしれませんが、どういう形にいたしましても、こういうものを実現することをわれわれは強く望んでおる次第でございますのでよろしくお願いいたしたいと思います。
  67. 門司亮

    門司委員 ちょっと一つだけ聞いておきたいのですが、聞いておきたいというより強い希望なんですが、今までの経過を聞いておりますと、右翼のテロに対する警察考え方というものはないように思うのです。幾つか考えられておるものは、一般の犯罪防止としてのものの考え方に立って法案の立案をされておることは事実なんです。しかし、右翼のテロと一般の犯罪とは違うということです。白昼堂々と日比谷公会堂でやるんですからね。だから一般の犯罪と同じようなものの考え方で右翼の犯罪行為をなくしようということ自身がおかしいのです。私は、この際むしろ警察ははっきりして、右翼をどう取り締まるかというものを一つ成案として出してみたらどうですか。踏み切れませんか、このくらいのことは踏み切れるでしょう。一般犯罪でごまかされちゃかなわぬですよ。だからその辺を一つ。きょうは答弁もごく簡単でよろしゅうございますけれども、本会議の予鈴が鳴ったから長くは申し上げませんが、私は、政府の決意が右翼テロに対してはきわめて緩慢だと思うのです。一般犯罪とすりかえたような法律ではしようがないですよ。右翼テロをどうするつもりなのか。それからこの次の機会でもよろしゅうございますからお答え願いたいのは、麻薬との関係であります。麻薬の密売をやって、それが右翼の資金になっておったということがあるはずだ。そういう問題もあわせてはっきりしてもらわぬと、右翼の問題は片づかぬですよ。だからそういう問題を一つはっきりしてもらいたい。  それから委員長にお願いしておきますことは、そういうことが政府の今の考え方ではちっとも考えられておりませんので、これをどうするかということを真剣にお互いが相談するためには、国家公安委員の諸君を呼んで下さいませんか、そして真剣になって相談をする必要があると思うのです。何も一人々々の行為を攻撃するとかなんとかいうことでなくて、委員長だけでなく、あれは合議制ですから、なかなか委員長の適宜に負えない会議だということがしばしば言われておりますので、委員長の適宜に負えない会議なら、委員の方にみな来ていただいて、そしてお互いが相談して右翼テロをなくするという方針を立ててもらいたいと思うのですが、これは長官どうですか。
  68. 柏村信雄

    ○柏村政府委員 先ほど来申し上げておりますのは、政府考えておりますものがいわゆる暴力の対策であるということを申し上げたので、ございまして、これをもって万事終わったとして、右翼テロについての方策は、これにすりかえたという考え方ではございません。ただ私ども考えておりますのは、これを特殊の立法で考えるべき問題であるか、あるいは私ども特に淺沼事件以後におきまして右翼の取り締まりについて非常に注意を払い、力を入れておるわけでございます。そういうことで実際の警察の監視、取り締まりの措置によって防いでいくという方法を現在とっておるわけでございます。今後さらに検討はいたさなければならぬと思いますが、現在のところ右翼のテロだけに対して立法をするという考えは私どもは持っておりません。
  69. 中島茂喜

    中島(茂)委員長代理 青少年補導に関する本日の議事はこの程度にとどめます。      ————◇—————
  70. 中島茂喜

    中島(茂)委員長代理 小委員会設置に関する件につきましてお諮りいたします。  すなわち、青少年補導に関する諸問題を調査するため、本委員会に小委員十一名よりなる青少年補導に関する小委員会設置することとし、その小委員及び小委員長の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任を願いたいと存じます。  以上につきまして御異議、ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 中島茂喜

    中島(茂)委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。  それでは小委員に    宇野 宗佑君  仮谷 忠男君    田中 榮一君  中島 茂喜君    前田 義雄君  吉田 重延君    川村 継義君  阪上安太郎君    二宮 武夫君  山口 鶴男君    門司  亮君を指名いたします。  小委員長には中島茂喜君を指名いたします。  なおお諮りいたします。すなわち、ただいま選任いたしました小委員及び小委員長から辞任の申し出がありました場合には、そのつど委員会に諮ることなく、委員長においてこれを決することとし、またその補欠選任につきましては、委員長の指名に御一任願っておきたいと存じます。これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 中島茂喜

    中島(茂)委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。  次会は来たる十六日開会することとして、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十五分散会