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久保田(円)
委員 とにかく借金をして運営していかなくちゃならないというのが、現在の
地方団体の非常な悩みとなっておるわけでございます。この点をわれわれとしては将来何とか救ってやらなければならないだろう。そこで、一応低
開発地域さらに
後進団体につきましては、国の補助金にいたしましても
負担割りをたくさんしてやろうということはけっこうなことだろうと思うのです。問題は、
地方債を真剣にやる
施策が私はちょっと欠けておるように感じます。たとえばこういうふうな
一つの行き方をとったらどうかと思うのですが、一応
後進団体におきましても非常に
段階が出てくるわけです。特に一番低い
地域、こういう
団体に対しましての起債の見方をどうするか。これは現在におきまして、
事業費におきましても、起債のそれぞれの性質によりまして画一的で変化がないんですね。そこに非常に矛盾があるのではないかと思う。たとえば
後進団体において学校を作る、道路を作る、それから環境衛生において簡易水道を
一つ作るんだ。都市の方ではとにかく水道が引かれておるけれ
ども、山間地におきましては非常に不便なところまで水を汲みに行かなくちゃならない、そこが非常に違っておるわけでございますが、さあそれで学校を作ってみたときの起債の償還ということになると、やはり一定の年限におきまして
計画を立てている。こういう点を是正するためには、起債に対しまして、あるいは補助金に対しましての積極的な
段階をつけるということが
一つと、それから償還年限をこの際思い切って延ばしてやらなければならぬと思うのです。とにかく、これだけの累積されたところの起債に対しましての償還というものは、
自治体の非常に大きな悩みになっておるわけです。だから償還年限を大幅に延ばしてやる。起債の償還年限という問題につきまして、主要国の償還が大体どのくらいになっておるか、これはお聞きする前に、私が
調査をしてありますから申し上げたいと思いますけれ
ども、フランスでは融資期間が三十年から七十年なんですね。それから
社会保障制度の非常に先進国でございますイギリスでは六十年、これは長期のものです。それからアメリカでも五年から三十五年、
日本では一番最高が大体二十五、六でございましょう。そういうふうなことを
考えると、大体におきまして、今の倍くらいはいいんじゃないかと思う。現在の
日本経済は成長しておるのですから、この際思い切ってものを言わずにとにかく二倍にする。五十年、こういう勘定が出るわけです。起債の性格をよく見てみるのに、たとえば学校を作り、いろいろの道路を作っていく上におきましても、なるほど起債を受けたときは、私
どもの
考え方からしますと、非常に苦しいわけですが、その反面には利益を受けておるわけです。しかし、われわれの子孫というものもその恩恵にはやはり浴していくのですから、これは五十年たったって決して不足なものではない。私はこう判断する。そういうふうな点につきまして、とにかく
後進団体におきましての補助金の率というものと、それから起債の年限を延ばしてやる。それからでき得るならば利子補給もしてやるぞというようなところまで突っ込んでやってみるのが親切な指導ではないか、こういうふうに
考えるわけでございます。
ここで選挙のことを言っては工合が悪いけれ
ども、昨年の十一月に——私は群馬なんです。群馬といえば、とにかく利根川の奥の方まで行くわけですから、何にしても山間地です。利根村というところで、私の同志がいるからそこへ行って頼もうというので行ってみたところが、橋が落ちていて行けなかったのです。これは弱ったものだ。それで、片品川という利根川の支流ですけれ
ども、こっちからおおい、おおいとどなってから帰ってきたのですが、たまたま新聞が私の宿舎へ届いたので、真実な叫びでございますから、ちょうどいいからこれを切って持ってきたわけですけれ
ども、これはやはり
地方負担があるわけです。それからその
地域の
負担というものが、とにかく地元
負担がないと作ってやらないぞというふうな
一つの慣習があるわけです。利根村全体に対しましても、それが村道でございますから、一応その部落の
負担金を持ってこなければ作らないぞと、こういう形なんじゃないかと思うのです。しかしそれに対しましては、この河川の
災害のためにできたのだから、あるいはいろいろ手続上において不備な点もあるのではないか、こう思いますけれ
ども、非常に奥地のそういう
地域において、
財政が非常に困っておるために実現できない。その部落はすでに二年半にわたって、これが四十何世帯という工合にここには出ておりますけれ
ども、非常に困ったものだ。こういうふうに私は痛切に
考えましたので、今
一つの例として申し上げるわけですが、こういうふうな例が全国におきましてはいわゆる
後進団体の
地域において数限りないだろう、これは現実の問題でございます。そういうふうなところへ学校を作ってやる。それでは起債というような問題、
地方債という問題に対してもやはり同じにやっていくとすれば、一体それのしわ寄せはどこへくるかというと、これは借金を累積して、しまいにはどうにもならない。それができなければ
事業をやらないことだ、こういうふうな
関係に私はなるのではないかと思います。この切り抜きはちょっとあとで見て下さい。
それからやはり関連はしておるわけでございますが、たとえば学校の給食の問題なんかを
一つ取り上げても、こういうふうな問題は特に僻地の
地帯におきましてはなかなか容易じゃないです。だからそれは全額国の
負担でもってやってやるぞ。こういうふうにして、大体
段階をつけるということがいわば公平な
一つの政治だろう、民主政治というものはやはりそういう
方向からも真剣に
考えてやらなくちゃならぬ。私はそういうふうに
考えるわけでございますが、結論といたしましては、この起債につきましてはいわゆる
後進団体の
段階をつけて、できるならば傾斜的に持っていく。ほんとうの富裕
団体にはまさか起債を許さないというわけにもいかないでしょうから、それは年限を短くしてやる、補助金もとにかくその分だけは
後進団体の方へ向けてやる。こういうふうな
考え方があるかどうか、これは重大なことですから
次官、各局長からもお
考えを聞かしていただきたいと思います。