○
藤井(貞)
政府委員 先般の
国会で本
法案の
審議に
関連をいたしまして
附帯決議がございました。この
附帯決議に対しまして、その後
政府としてはどのような
措置を講じてきたか、あるいは今後の見通しとしてどういうものを持っておるかということにつきまして
お答えを申し上げたいと存じます。
第一の点は「
復興計画の完全かつ効果的な達成をはかるため、必要な
予算措置を講ずること。」ということでございます。この点につきましては、現在十カ年
計画として策定をいたしておりますものは、
事業費にいたしまして百八十二億、
国費の
支出予定額といたしまして百二十一億という
計画になっておるわけでございますが、本
年度、三十五
年度までの
累計を見ますと、
事業費にいたしまして百四十八億、これはパーセンテージといたしまして八一%に
当たります。それから
国費といたしましては八十億
程度でございまして、これが六六%になるわけでございます。これに対しまして来
年度の
予算案の中には十三億七千万円さらに
追加をいたすことに相なりまして、現在
審議をしていただいておるわけでございますが、これを加えますと、
国費関係では三十六
年度までの
累計が七七%に相なるわけであります。そういたしますと、
国費関係では残ります分が二十七億になるわけでございます。あと今の
計画をそのまま進めて参るといたしますと、三十七、三十八両
年度残るわけでございます。そうしますと、
国費だけで見ますと、平均いたしまして十三億五千万
程度ということになりまして、大体本
計画に
関連いたします限りにおきましては、所期の
目的が達成されるのではないか、かように考えておるわけであります。必要な
予算措置の問題につきましては、今後ともさらに
特段の
努力をいたして参りたいと考えておる次第でございます。
第二の点は「
公共施設復興事業の
進捗状況に比し、
群島民の
生活水準の向上、
福祉の
増大等直接
民生に寄与する施策が著しく立遅れている実状にかんがみ、速かにその
充実強化をはかること。」この点については御
指摘の
通りであろうかと思いますが、やはり
公共施設がきわめて立ちおくれておる、この点と
産業基盤の造成、この両者を並行して進めて参らなければならないということで現在まで進んできておるのであります。
公共施設関係は
かなり目に見える事柄でもございますし、相当目ざましい
復興ぶりを示しておるように承知いたしておるのでありますが、
生活水準その他になりますと、まだまだ十分とは言えないことは、この
附帯決議でも御
指摘に相なっている
通りであります。
復帰以来
群民一人
当たりの
生産所得等は一応順調に伸びて参っております。
復帰直後と比べますと、
所得額等についても三倍
程度に上昇して参っております。ただそれでも全国一人
当たり平均に比べますと、まだ半分
程度にとどまっておる
状況でございまして、これらの点につきましては、さらに
努力を重ねていかなければならぬ面が多いことは当然のことであろうと思っております。
公共施設に比して
群島民の
生活水準なり
福祉の
面等について立ちおくれがありますことは、われわれもその
通りであると思っておりますので、これらの点につきましても今後さらに
特段の
努力を傾注して参りたいと考えておるのでございます。
第三は「
復興信用基金制度をさらに拡充強化するとともに、本
制度の
趣旨にかんがみ、
融資対象の
選定、
貸付条件等につき
群島経済の
復興に寄与し得るよう配意すること。」この点につきましては、先日の
委員会でも
川村委員の御
指摘に対して
お答えを申し上げましたところにおいてほぼ御了解がいただけるのではないかと考えておりますが、来
年度は八千万円の資本を
増大をいたしたい、かように考えております。まだそれで十分だとは考えておりませんで、今後さらにこの
追加について
努力をいたしますとともに、
融資対象の
選定なり
貸付条件等につきましても、御
趣旨の点を盛り込みましてできる限りの
努力を払って参りたいと考えておる次第でございます。
第四は「
群島の
基本産業たる
甘蔗糖生産の健全なる発展のためとくに原料き
びの適正価格保持について特別の
措置を講じ、
蔗作農民の
保護に万全を期すること。」この点につきましては、昨年
鹿児島県におきまして、
カンシャ価格の
決定の適正を期しますために、県あるいは
市町村、さらには
生産者の
代表、あるいは会社の
代表、
学識経験者、これらをもって組織いたしまする
調査委員会というものを
設置いたしまして、これを場といたしまして
適正価格の
決定ということについて配慮をいたしております。大体うまくいっておるのではないかと思いますが、一部伊仙村あたりにつきましては若干の紛争があったように聞いておるのでありますが、これらの
委員会等の運営を
中心といたしまして、今後とも
適正価格の
保持について
努力をいたし、農民の
保護に万全を期して参りたいと考えている次第でございます。
第五は「
大島本島に、
空港整備法による第三種
空港を
設置して
航空路を開設し、
航空運送の利便をはかること。」これにつきましては、昨年
調査費というものを百万円計上いたしまして、
適地の
調査にいろいろ
努力をしておったのでありますが、
大島本島の笠利村の
節団地区というところに
適地が見つかりましたので、ここに第三種
空港を
設置をするということに方針をきめまして、本
年度計画変更による
追加といたしまして、二千万円をまず計上いたしまして、現在
買収に着手いたしております。大体敷地の
買収は終わったようでございまして、来
年度からは具体的な
空港設置の
事業に着手をいたしたい、かように考えております。大体二年
計画くらいで、できるだけすみやかに
空港の
設置を完成いたしたい、かように考えておる次第でございます。
第六には、「
鹿児島県に対しては、
群島復興事業を一層広汎かつ積極的に
推進せしめるため、必要な
財源賦与の方途を講じ、あわせて
群島内市町村についても、
財政能力の増強をはかること。」県並びに
市町村といたしましては、そうでなくてもいろいろ
財政需要も多く、それに対して
財政力というものは貧弱でございます。さらに
群島復興を
推進をいたしまするために、国といたしましても、特別の
助成措置を講じておるわけでございますけれども、県といたしましてもさらに積極的な
努力が要請をせられるのであります。これらにつきましては、
現行制度の許す
範囲内において、
財政当局とも相談をいたしまして、できる限りの
措置をとっておるのでございますけれども、まだ十分でないことはもちろんでございます。何と申しましても、一般的な
経済力というものを
復興して、これに自力を与えて参るということが、ひいては
市町村並びに
県自体の
財政力を増していくということにもなるわけでございますので、それらの点とも並行いたしまして、今後ともさらに
努力を重ねて参りたいと思っております。ちなみに
鹿児島県自体におきましても、
群島復興については大へんな熱意を示しておりまして、その具体的な現われといたしましては、昨年
信用基金に
融資業務のために、県独自でさらに一千万円を
追加いたしまして、本
事業のさらに積極的な
推進をはかるというような
措置を講じておるのでございます。今後ともこれらの点につきましても、以上申し上げました点をあわせまして、さらに
努力を継続をして参りたい、かように考えておる次第でございます。