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石田説明員 耕作審議会の
組織の点につきましては、御
承知のように
生産者の
代表のほかに、
消費者と申しますか、輸出をやっているような
葉たばこの業者、その他
学識経験者というふうな
方々が入っておるのでございますが、
生産者がどういう人を
代表に選んだらいいかということにつきましては、
耕作者が
耕作組合ないしはその
連合会という
組織を作っておりますので、その
組織の中で最も適当な人を選んでいただきたいということから、私
どもの方で別にどういう人を
生産者代表としてくれということは申しておりません。その
組織の中から推薦して参りました
方々を私
どもは任命いたしております。従いまして、ただいま
お話しのようなことで、その
組織の中から推薦されます
方々が
出産者側の
代表として適当であるかどうかということは、むしろそういう
耕作組合なりあるいは
耕作組合の
連合会なり、そういう
方面において十分
検討して適当な方を選出していただければ、私
ども、決してこの人はいいとか悪いとかそういうことを申しませんで、
皆さんの御
意向に従ってそれを
委員に任命するというつもりでおります。
それから、今後の
葉たばこ生産の問題でございますが、先ほど、非常に
減反があったり
増反があったりしておかしいじゃないか、こういう
お話がございました。これは大体御推測がつくと思いますが、一番もとは、
販売の
見込みはどうなるかということが私
どもの
計画の基礎になるのでございます。この
見込みの立て方によっていろいろでございますが、現在までのところ、約十年間ぐらい見て参りますと、まあ年々多少の
変動はございますが、おおむね
販売の
見込みに対してほぼ実際の
需要が一致しているという点がございます。それに基づきまして、
製造計画なり
原料の所要の
計画なりを立てるわけでございます。ちょっと例を申し上げますと、非常に
増反なり
減反なりということで
変動が多かったのは、御
承知の
黄色種についてであります。これは
昭和二十四、五年のころまでは、
たばこが非常に足らなかったということで、しきりに増産に努めて参ったわけであります。
昭和二十六年が二万九千ヘクタール、それが
昭和三十年で
黄色種が四万八千ヘクタールになっております。それが三十二年、三十三年、この辺からずっと減って参りまして、昨年の三十五年は三万六千ヘクタール、こういうふうに減っておりますが、この間非常に
増反をやって、また
減反を始めたということになっております。私
どもの
原料の見方は、大体二年分、二十四カ月を
標準の
在庫というふうに考えて、常に
標準在庫になるように努めておるのでありますが、その間の変遷を見て参りますと、
黄色種の十アール
当たり、まあおおむね反
当たりの
生産でございますが、これの
生産量がその間に非常にふえております。たとえば
昭和二十六年は十アール
当たりの
生産が百六十七キロ、それが三十年になりますと百九十五キロ、三十二年、三十三年は二百キロをこえて参りまして、この
原因につきましてはこの百九十五キロくらいとれました三十年ころにおきましては、これは非常に近来まれな
豊作である。
農作物の
豊凶を見るにつきましては、
豊凶の
計数を見ながら一定の
算式を用いて
計算するわけであります。ところがこの近来まれな
豊作というのがずっと引き続いております。それで、
一つには
耕作技術がいろいろ進歩して参りましたこと、あるいは農薬が非常に発達して参りまして、そういうことの使用によって反
当たりの
生産量が上がってきたというふうなことがございまして、こういうふうにふえて参りますと
正常在庫を非常に突破して参ります。そのために保管の
経費とかその他いろいろの
経費がよけいかかりますので、一時ちょうど民間から民営にしたら、どうかというふうな声が起こった場合にも、こんなにたくさん要らない
原料を持っていてけしからぬじゃ、ないかというふうな
お話がございました。それに合うようにしてある
程度減反をしたわけでありますが、私
どもとしますと、これは、
皆さんの
お話がありますように、あるときはふやすのだ、あるときは減らすのだということでは、
耕作する方でも困ることは十分わかっておりますので、こういうことのないようにということで今後の
計画を立てております。
そこで、大体今後の
計画、まだこれから先五年くらいの
長期の
見通しのもとにいろいろな
試算をやっておりますが、なかなかうまい
計数がまとまって参りませんので、何べんも作り返しておりますので、まだ
皆さんに御披露する段階に至っておりません。しかし、大体の
見当を申し上げますと、三十六年度、今年度につきましては従来
通りの
反別でほぼよろしい、それから三十七年度以降になりましてはある
程度増反をしなければなるまいというふうに考えております。そこで、この
増反につきましては、ただいま
監理官からも
お話がありましたように、
収納価格も
一つの問題であろうと思いますが、私
どもいろいろ産地の
状況などを調べておりますと、どうも最近
たばこの
耕作につきましては非常に
手数がかかるのでありまして、これは私
どもの方で
試算した
数字でありますが、たとえば
水稲ですと、一日八時間として反
当たり家族労働の
日数が一九・三日、ところが、
たばこになりますと十二三・三日、非常に
労働日数がかかるわけであります。そのために、最近農村の若い
人たちの間では、こういう
手数のかかるものはもういやだというふうな風潮がかなりあるように聞いております。従いまして、私
どもはここを避けることが一番大切だ。それで、おもしろい言葉を使っておりますが、
省力栽培ということをやったらどうだろうかということで、試験場な
ども動員していろいろ研究を進めております。一部はすでに着手しておるものも、ございます。そのほかに反
当たりの
収量をふやす。それには
品種の
転換をはかるというようなことから、すでに昨年もある
程度の
品種改良をはかっております。
黄色種につきましては、従来米のものを第一
黄色種と言っておりますが、第二
黄色種の新しい種を入れまして、これがかなり成功する
見込みのようで、そういたしますと、
反別はある
程度そうふえなくても、反
当たりの
収量がふえるということで
原料の補給がつくというような、各
方面からいろいろ考えて、今後の
増反もやり増収もはかるというふうに考えて、なお具体的な方策について
検討している最中でございます。