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広瀬(秀)
委員 大蔵省の
考え方は、課長が今おっしゃった
通りに相違ないとすれば、そのようにあらためてここで了解をいたしたいと思います。しかしながら、
昭和二十六年のこういう通達が出ましてから、
職員の給与の実態がしからはどういうようになったかということが非常に重大な問題なんです。二十六年にこういう通達が出た後、二十八年当時のベースを見てみますと、大体一万九千何百円かであったはずです。二十八年当時一万九千円ベースというと、全産業に比較いたしまして高いランクに位置したと思うのです。ところが、現在のベースを見てみますと、三十六年三月現在ですが、二万三百七十円で、この八年間にほとんど五%
程度しかふえていない、こういう現実が出ているわけです。出時一万九千何百円かのベースで全産業の比較において高い方にあったものが、現在これを比較してみますると、全生保
関係の平均賃金は二万三百七十円くらいである。なお、金融保険業、これは損害保険
関係、銀行
関係、証券
関係、こういうようなものを平均しますと二万四千三百七十刑。全生保は二万円ですから、ほかはよほど高い。
人数構成も比較的生命保険の方が多いということになりますと、ほかは四、五千円は高いと言うことが、金融での比較においてもできると思うのです。運輸・通信業が二万三千六百九十八円、電気・ガス・水道
関係二万八千、不動産が二万五千、鉱業二万三千、建設業が二万六千、パルプ一紙二万八千、化学二万八千、石油・石炭製品三万円、鉄鍋三万二千円、ゴム三万二千円、こういうことになっているわけです。これは一部ですが、重要な産業の賃金べースは大体出ていると思うのです。こういうように非常に低くなってしまっておる。もちろんこれはこの八年間に人員、年令構成というようなものの変化はありましょうけれ
ども、しかし、それは全産業が同じにあった
状態だと見ていいわけでありますから、従ってこの銀行局の通達がやはり相当に響いている。しかも、全生保の
組合というのは、比較的ストライキをやるというような強い
組合ではない。それで非常に各社の競争が激しいというような実情から、
組合もできるだけ愛社精神に徹して、賃金要求な
ども、大蔵省から言われているのだ、少しがまんしてくれ、そうですかといって引き下がるというようなことになる。そうなりますと、ほとんど賃金
決定というものは、大蔵省の事前連絡を受けた際における、これは少し多いんじゃないか、こういう一言が賃金ベースをきめてしまう、こういう効果というものが実態の姿の中で出ているのじゃないかということが言えるわけであります。そこで、健全な保険業界の
発展ということは、特に人の金を預かるわけでありますから、この
人たちの給与が今日まで――若干の問題は常にあることでしょうけれ
ども、賃金ベースが著しく低くなってくるということになりますと、やはり不祥事件というようなものがそういう中から発生しないとも限らない。そういうことになりますと、これこそかえって信用を落とし、保険というものに対してその
発展を阻害する条件にもなるだろうと思うのです。むしろ、今日の
状態は、
経理面をよくするという方向はあとで申し上げますけれ
ども、非常に順調に堅実に、しかもかなり飛躍的に伸びている。国の経済成長なんかから比べまして、雇用、契約高あるいは
剰余金の額においてもどんどん伸びておるわけです。これは去年あたりの異常な経済成長なんかよりもむしろはるかに上回っておるということも出ているわけです。そういうようなことを
考えますと、やはりあなたがお
考えになっておるものと、あなた方がやっておられることとの結果の差というものは、まるっきり違うものになっているのだということを一つ
考えていただきたいと思うわけなのです。今申し上げたように、こういう低い実態にあるということをお認めになられますか。