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堀江参考人 お答え申し上げます。
農業の問題につきましては、全く平岡さんのおっしゃるところが
現状であり、将来にわたっても長くこの問題は解決がむずかしい問題であろうかという
意味で、ごく一般的に平岡さんの御発言は私も異議がございません。
アメリカも現実にその
政策をとっておりますし、また
ガットにおいても、農業については一種のエスケープ・クローズがあるわけであります。
日本におきましても、おそらく私などは全然のしろうとでございますが、
日本の農業をどういうふうにするかということは国の最大の問題であって、そのためにたくさんの農業関係の雇用を圧迫するということはできないわけでありますから、現実に審議会におきましても、農業問題については、ほとんどの
委員が一種の特殊なジェネラスな態度でこの問題は扱っていたと思う。また農業を代表する農林省の御
意見をたびたび伺ったわけであります。ただ、それらの
お話によりますと、
日本の農業も
現状ではいけない、だから、相当手数をかけることを前提にして、また
準備はきめこまかく長くやることを前提にして、
日本の農業の近代化、あるいは国際分業の役割を考慮するようなことが
考えらるべきだ、というようなことも伺ったわけでございます。現実にこの
関税税率をきめる場合は、農業の問題は重大な
配慮が必要だということは、全然同感であります。ただ、
現状がいつまでも維持されるということは、これまた、国民
経済全般の上からいって、必ずしも賢明でないという点も事実であろうかと思います。
先進工業国のバスに乗りおくれないということが第一原則ではございませんで、私はもし
日本にとってそれがより賢明であるなら、乗りおくれても差しつかえないということも
考えますけれども、いろいろなむずかしい諸
要素がございますから、おのずからこれは
自由化促進の
配慮になっておる。御
指摘の従来
自由化率四四%、これが四月以降六五%になる。ここまでは非常にやさしいわけであります。これから先が農業を初め非常にむずかしい諸
輸入物資に相なって参りますので、六十五までは楽にきたが、これも七十五ぐらいまでは割合に楽にいく。また
影響が比較的少ない物資であります。しかし、率が上になるほどむずかしくなると同時に、おっしゃるような類似の考慮や
配慮や
政策は十分
考えながら進めていく必要があろう。その
意味で、私最初にちょっと申しましたけれども、ゴルフの例にたとえれば、一九五八年までがバック・
スイングで、六〇年までがダウン・
スイング、それからフォロー・スルーというわけです。フォロー・スルーはそんなにむずかしくはないわけですけれども、
自由化の問題については、これからがかえって率が、効果が上がらないで、むずかしいというふうに
考えております。