○春日
委員 六大銀行の宣伝広告費が実額幾らの
ものであると思う、ではいけませんから、資料として御提出願って検討いたしたいと思います。
それから、大久保政務次官に私一言申し上げたいのでありますが、本
委員会は予算
委員会との関連がございまして、現実にはこういう重要な政策問題について大臣の御
答弁が得がたいのでございます。そういうわけで、本
委員会におきまする政務次官の役割という
ものははなはだ重いのでございます。この十年間さまざまな政務次官が参られまして、山中君にいたしましても、
足立君にいたしましても、あるいは藤枝君にいたしましても、何かやろうという熱意を持って
質疑応答にも立たれ、その趣意に基づいてとにもかくにも真剣に誠実に取り組まれたと思うのでございます。大久保さんの御
答弁を伺っておりますと、なるたけそつのないようにという御
答弁。しかし、聞いておるわれわれの印象は、何となくさりげなく、事務的な御
答弁に終始されておるきらいなしとしないのでございます。本
委員会は、大臣に聞かなければならないが、聞こうにも予算
委員会の
関係があって聞けない、大臣を通じて国政に反映せしめなければならないのに、これを次官を通じてなさなければならない、こういう困った
立場に置かれておる事情も十分御認識願いまして、ただいまの御
答弁、あれはあれで
答弁かもしれませんが、あなたの言葉の中に秘められておる決意というか情熱というか、何かそんな
ものを
一つ省内で炸裂させていただきまして、とにかくも何かしようという気魄に満ちて取り組んでいただきたい。何だかのれんに腕押しみたいた
もの、気に入らぬ風もあろうに柳かなみたいな
もので、どうにも手ごたえがないので、たよりなく不安に思います。この一点を十分お
考えいただきたいと思います。
さて、本論ではありまするが、信用取引の問題でありまするけれ
ども、実はこの問題については昭和二十九年の本
委員会において深く論じた経緯がございます。三十四年には
投信問題を論じました。けれ
ども、そのつど大蔵当局の
答弁はヒョウタンナマズみたいな
ものでありまして、どういう
立場にあられるのか、
責任ははなはだ重いにもかかわりませず、
証券業界の圧力に屈せられたのか、あるいはどうも問題が大き過ぎて取りつく島がないということであるのか、とにかくそのつど問題の処理を根本的になさることなくして、万事が本日に持ち越されておるのであります。かくて、数日来論ぜられておりまする
通り、
証券行政の面においてさまざま不安なきざしが見え始めて参っておること、御承知の
通りであろうと思います。従いまして、私は、これらの問題は総合的に
証券取引審議会で権威ある答申が出され、それに基づいてあなたの方の執行がなされるとは期待はいたしておりますが、特に信用取引についてもここ数年来の懸案であるのでありますから、十分
一つ御考慮を願っておきたいと思うのであります。そこで、この信用取引
制度という
ものは、
市場に仮需要を導入いたしまして
市場の規模を拡大し、これによって価格の形成を公正にいたしまして、かつその流通を円滑にする、こういうために設けられた
ものであるのであります。けれ
ども、現在行なわれております信用取引は、さまざまな欠陥をようやくに露呈しようといたしております。すなわち、現在の信用取引は
金融市場との有機的な結びつきが薄いということ、同時に、
金融の繁閑あるいは金利水準、こういう
ものと直接の
関係を持つことなくして運用が行なわれておること、こういうようなさまざまな事情が錯綜いたしまして、このために
証券金融が現在きわめて不円滑な
状態であることは、御承知の
通りであろうと思うのでございます。従いまして、この際、
証券市場のこのような驚異的な成長と
発展の現状にかんがみまして、信用取引としての
機能を十分に果たさしめるためには、何事かがなされなければ相ならぬでございましょう。従って、これを救済する、その欠点を補完するためには、一部には今定期取引再開の要望がなくはないのでございます。信用取引を拡大することによって、一部実力者に偏在しております
市場支配の傾向を是正するというような方便等も当然
考えられるでありましょうし、さらには、
市場を拡大して、拡大された規模の中で需要供給を統合して公正なる株価の形成をはかっていく、こういうような趣意からも、戦前に行なわれた定期取引のようなあの投機性を相当抑制する方向において、なおかつ目的を達し得るの手法もあると思うのでございます。二十九年に深くこの問題を論じたのでありますから、
政府においても当然専門的な検討があってしかるべきだと思うのでありますが、本日の段階までにおいて、この問題について検討されたところは何であるか、なお本日の時点において
考えられておりまする
ものは何か、この点について
一つ御所見を承りたいと思うのであります。