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堀委員 そこで、今おっしゃるように四十一年までは、皆さんの方で
計画をお出しになっておりますから私もわかります。しかしこの四十一年までについても、実は私は少し問題があると思う。途中の経過の中で、少し
供給量よりも需要量が伸びておるところが
——これは
大阪府の方が出しております要望量総括表で見ますと、少しギャップのあるところがある。これはダム
建設の
関係あるいは農業用水転換という部分が、年次別に見ますと
昭和三十八年に二トン、三十九年に五トンというふうに機械的に書かれているわけですが、はたしてこれができるかどうか、農業用水の問題は相当に今後話し合いをしていかないとつくかどうかわからない不
確定要因だと私は
理解するわけです。ですから、もしこの二トンがうまくいかないと、
昭和三十八年には十トンしかできないということになる。それ以後の三十九年も十トンしかできないということになりますが、片方で見ると三十八年には十三トン、三十九年には二十トンくらいはどうも需要の方はということで、ここらあたりで、すでに相当大きなギャップが生じてくるのではないかという感じがしているわけです。そのことはさておきまして、今この
法案との
関連で見ますと、さっきの行政指導をなさる場合には十五万トンの水の
見通しが立つ時期、それがはっきり出るか出ないかということがきまる時期が将来あると思います。琵琶湖
開発の
関係でいろいろと検討が進められて、これが正式な
計画として湖琵琶
開発計画というものができて、
年度別の給水状態なり
工事との
関連で、
昭和何十何年度には大体何トンの水が
——二十トンくらいは出てくるでしょう。そうなった暁には、その
地点においては十五トンの
工業用水も可能であるということを逆算していきますと、この問題は少なくともそういう
見通しが立つまでは、行政指導によって、そういう
土地造成は、今後の全体の
関連において少し控えるべきではないか。特に私がそれを取り上げておりますのは、地盤沈下という問題に対する
政府側の見解が率直に言いますと少し甘いという感じがするからであります。今尼崎は
工業用水六万トン
供給をすることになりました。そこで一番沈下の激しかった西部地帯は、大体年間十八センチくらい沈下しておりましたのが、六、七センチくらいのところまで少し沈下は少なくなりましたが、中央部においては、
昭和三十五年度でも依然として十八センチ下がっている。中央部は皆さん一回ごらんいただけばわかりますが、運河のような格好で
土地はコンクリートの壁によって支えられておる。大体水面一メートル以上に水がきておるというのが中央部の実態です。それが毎年十八センチずつ下がりつつあるというのが現状なんです。
大阪市におきましても最近の地盤沈下は非常に著しくて、私は
大阪大学の卒業生でありますが、われわれの卒業した
昭和十六年に、堂島川の水位というものは、その川の横に踏み段のようなものがありまして、そこから魚釣りをすることができたという状態、これば二十年前のことです。今はそれよりはるか上にきて、大体一メートル五十センチくらいは全体として沈下をしておる。それはマクロで見ただけですが、最近大学に行ってみると、そういう沈下をしておる。新規の
工業用水の問題の前に、すみやかに代替
工業用水を補給しなければ、地盤沈下というものは、一般に皆さんが考えられておる以上に実は深刻な問題です。これによって失なうところの国の経済的な損失というものは莫大なものだと思いますけれ
ども、それが不十分な状態で置かれていて、ややもすると今問題は、新規の方に焦点がかかりつつあるという
段階にきておる。実は私に言わせれば、
工業用水問題については、地盤沈下の著しい地帯では新規の問題よりも、尼崎が今やっておりますような代替用水の
段階に現在あるときに、
土地造成によってどんどんと新規需要が今生まれつつあるということは、
工業用水の点から見ると、問題がある時期だと思う。そこで新規需要の問題と、代替
工業用水との優先度の問題、これを
通産省は一体どういうふうに考えておられるかをちょっと承りたい。