○太宰
政府委員 結核の後
保護施設は、現在全国に公立のものが二十三カ所、民間が三カ所、二十六カ所ほどのものがございます。年々二、三カ所程度の増であります。細々としたという御
意見もございますが、それはそれなりに相当の
成果を上げておりまして、大体そこで訓練をいたしまして
社会復帰をはかっておる中で、約七割ほどは復帰しておるというようなことでございます。なお十分でない点は、これはあると思いますので、私
どもさらに今後力を入れねばならない点だとは思っております。ただ最近いろいろ
結核の
治療技術なりあるいは薬等に相当な
進歩著しきものがありまして、大きな企業等におきましては、さらにそれにプラスして
健康管理、平素から
結核にならないようにという
管理もいたしております。病気になりましたならば、早期に
治療する、そしてまたなおりました場合においては、それをいたずらに首を切ったりしないで、自分のところの
施設の中において適当な職場というか軽い職場に回すというような、相当そういうふうな
施設の
健康管理その他の
対策もだんだんおかげさまで進んできたようであります。従いまして、この
結核患者になられた方で、その後やはりもとの職場に復帰される、あるいはその職場の系統において再び
社会に出られるというケースが相当多くなってきていると思います。これは私
どもは一番望ましいことでありますし、今後ともそういう方面に
施設経営者などが目を開いていかれるということが、これは一番望ましいことだと思っておる次第でございます。しかし何といたしましても、それにまかせっきりでは参りませんので、それとの
関連におきまして、不幸にしてそういうようないいめぐり合わせにあわない
患者の方で、ようやくなおった、なおったがもとの職場にも復帰できないというような方もおるわけであります。中には、もう一人前の職場にはちょっとむずかしいという、からだの弱られた方もお年寄りの中にはおろうと思います。そういう方々の
施策といたしましては、私
どもとしては今後さらに進めて参りしたい。これはもう
考えております。コロニーの件につきましては、これはただいまのところは国としてはまだ踏み切るまでに至っておりません。御
指摘のように民間の有志の方が二、三そういうことをやっておられるようでございます。これもはたして現実の
意味においてコロニーという実体をなしているかどうかも問題はあろうかと思います。これは私
どもさらに検討いたしまして、それがコロニーとしての機能を発揮できるようなものにお互いが力を合わせて持っていきたい。これはもうしばらく今後の問題として検討さしていただきたいと思うのであります。ただ、最近の
施設を整備して参るということにつきましても、実はこれは私
どもの方だけでできませんので、やはり
地方のそういう公共団体と十分連絡して進めて参るのでございますが、これは率直に私
どもの方だけから申しますると、なかなか話がスムーズにいかない場合が多いのでございます。この点は私
どもの方としてももう一ぺん
考えてみなければならぬ問題があるんじゃないか。これを伸ばしていくためにどうしていくか。それは全国の
施設の中でも非常に
希望者の殺到しているところもございますし、また比較的入所の希望がそう多くないというところもあるようでございます。この点は少し検討してみまして、そしてその辺の隘路を除きまして、今後進めるものならそれが合理的に進むようにこれをやらねばならぬ、実は少し検討してみたいと思っておる次第であります。
河野さんの御
指摘の方向というものは、私
どももそういう方向へ進まねばならない。それからかたがた民間の企業体あたりが、そこに雇用されておる人の分については、やはり国にも協力して今のような
健康管理なりアフター・ケアも
施設としても
考えていただくように、これは相待ちまして今後の
対策を進めて参りたい、かように
考えている次第であります。