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河野(正)
委員 私は必ずしも今
局長から御
答弁願ったような方向にはならぬと思うのです。というのは、これは支払基金についてもやはり事務量がふえるわけですから、やはり人員増加するとか、いろいろな面が出てくるだろうと思うのです。なるほど現在
都道府県の衛生部でやっておりますが、そういう
一つの
ワク内でこういう作業量のふえたことをやらせれば、それはやはりある程度支払い事務の遅延ということになろうと思うのです。それから先は
都道府県のことですから、私は必ずしも
局長が今
答弁された方向になるというふうには限らぬと思うのです。これは
都道府県の
職員をふやしてやればできるわけです。それは
都道府県の問題ですから、何も
厚生省がとやかくおっしゃる問題ではないのですから、私は必ずしもそういうことにはならぬと思うのです。ただそういうことのために、
改正されたために、たとえば少ないとおっしゃったけれ
ども、一部の者が非常に不利をこうむるということが私は必ずしも適切じゃない、そういう点から御
指摘を申し上げたのですから、そのように御理解をいただきたい。
それから、この診療
方針が今度は健康保険並みになるわけですが、そこで私は、きのうの
委員会でも問題になりましたように、やはりこの
精神科領域における単価の問題、単価と申しまするか、点数の問題と言った方が適切だと思うのですが、これはまた当然関連をしてくるわけですね。なぜ私はこの問題を取り上げたかと申しますると、最近この
精神病院の
ベッド数が非常に不足しておる。そのために
精神病院の経営というものが、
言葉が適切であるかどうかわかりませんけれ
ども、企業化される。要するに科学技術を尊重するというよりも、営利に走るという傾向が生まれてきているわけですね。たとえば経営者というものが、一般の場合は
専門家がそれぞれ
医療施設を作るという傾向というのが非常に強いわけですね。外科のお医者さんが外科の
病院を作る、婦人科のお医者さんが婦人科の
病院を作るというのが常識だ。ところが
精神病院の場合は、しろうとが経営する。それはもちろん
医師は雇いますけれ
ども、ところがさっきも
局長からちょっと
お話がありましたように、
専門医が非常に不足しておる。そこで実際には専従というよりも、要するにパート・タイムというような形で、実際の経営というものがしろうとに一切まかせられている。そういう意味の企業化という傾向が非常に最近強くなってきている。そのことから、やはり今の
精神科領域における技術というものが非常に軽視されておる。これは
患者一人
診察するにしましても、非常に長い町間がかかるのです。これはやはり何年かそういうような
精神医学というものを専攻しなければ、なかなか的確な診断を下すことが非常にむずかしい、そういう
実情にあるにもかかわりませず、この領域におきまする技術というものが非常に軽視されているという傾向が私はあると思う。そこでやはり私は、どうもそういうふうな国学、科学というよりも、経済というものが重要視されるという
一つの不純な傾向にだんだん移行してきたのじゃないかというように思うのです。やはりこれは人権問題にも
関係してきますが、この
精神病院の
内容というものを
充実させていく、経営の水準というものを高くしていく、このために
精神科領域における技術というものを重視していかなければならぬと思う。それには今度の
措置入院が健康保険に準ずるということになりますると、非常に点数というものが低いのですね、これは大体御
承知だと思うのです。この点はいかがお
考えになっておりまするか、御所見を
お尋ねしておきたいと思います。