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滝井委員 古井さんともあろうものが、どうも筋を曲げた議論だと思うのです。
審議会が何と言おうと、正しいことはいつも
政府は自分の所信に従っておやりになるのです。
審議会が何と言おうと、
政府は
審議会の言う
通りにやったためしはないのですよ。昭和二十五年に
社会保障制度
審議会が答申したけれども、
政府は
一つだってその
通りにはやっていやしない。だからこの場合にだけ、それも大していい理論でもないのに従わなければならぬということはないのです。それから
整備計画ができれば同じたというけれども、
整備計画というやつはだだっ広いもので、窓口を
一つぴちっと抑えておけば、その方が最も簡単で合理的なんですよ。
医療金融公庫という窓口を通じて、
利子は、それは
年金福祉事業団と同じように事業主なりあるいは事業主団体に安くやらなければいかぬというのならば、安くおやりになったらいいのです。その分は特別安くいたします。ないならば金は出す、こういうことでいいと思うのです。私はむしろそういうことはおかしいと思うのです。これは
私的医療機関だって健康保険の被保険者、船員保険の被保険者のための施設なんですから、皆保険になったら
公的医療機関だって
私的医療機関だってみな同じです。だからこの
利子を変えることもまたおかしいのです。これはどっちも六分五厘ですから、
利子は同じなんです。そうすると理論的に今度はそれだけ
人件費とあれが要らなくなるのですから、その分だけ
病院がよけいできるわけですから、
医療金融公庫を一本にまとめたら、同じものを
二つ作るよりは一本の方が能率が上がるのです。これは三つ子だってわかることなんです。だから窓口の点からいってもその運営の点からいっても、これはおそらくあの人たちがこういうこまかいところまで気がつかなかっただけです。答申にこういうことが書いてない、私も読んでみたが書いていません、だからこれは労働者をそこに参加させたらいいのですよ。この十七億の金がこれからだんだんふえていきますから、これは
医務局長が全局を
把握しておれば私は文句を言いません。ところが
一体それじゃ九十五億のこの
病院を建てる
還元融資、
特別融資の中から、
病院の建設費の中から、
一体幾ら結核の療養所ができて、
幾ら精神病床ができるかといったらさっぱりわからぬのです。これは事業主の恣意によることになる。その恣意によるところを、今度は貸し出すときに、
医務局が
医療金融公庫を押えておけばきちっといくわけです。そればかりではありません。もう
一つ大臣の知らないところを私は御
指摘しなければならぬ。それは午前中に私が船員保険会、これは船員保険特別会計から
病院の建設費が出ておる。それを委託して同会でやっておるわけです。ところが同会の
病院の運営の仕方を調べてみると、実にでたらめが多いのです。架空請求をしている。しかも
医療の基準の
通りのことはやっていない、こういう
状態が出てきているわけです。そうしてその
病院の運営の主体である船員保険会は、森本
保険局長が顧問、船員保
険課長は
理事、昔の船員保
険課長が専務
理事、こういうように入っていっておるわけですから、館林君か
幾ら監督しようと思ったって監督できない、こういう
実態が出てくるのですよ。だからもしこれは
保険局の中に
病院を置いて、
年金福祉事業団でやらせていると、またこういう二の舞になると思うのです。これは船員保険会だけではないのですよ。全社連も同じです。給料が安くて
ストライキが解決しない。調理婦なんか一カ月四千四百円で使っている。役所が金を
出しているところの
実態がこうなのですから、これはやはり移さなければいかぬですよ。監督と現業との分離です。まず隗より始めよ、まず
大臣の足元から始めなければいかぬです。
年金福祉事業団を作って同じことをやっておったら、これはもう悪の積み上げになるのです。こういう意味からも私は変えなければいかぬと思うのです。これは私
実態を全部調べた。船員保険だけではない。全社連だって私はかつてここで問題にしたことがあるのです。全社連の方はやはり
厚生省から入っておりますよ。だからそういう点があるので、運営とあれを別にするという意味からも、これは
医務局にお移しになる方がいい、こういうわけなんです。あなたはいろいろこだわっておりますけれども、私はこれは過去の実績、
現実の運営の仕方、
病院の運営の
状態――
大臣参考までに言っておきますけれども、まるきり職員かいないのに十人くらい
病院に計上しているのですよ。この金は
一体どこに
出しておるか知らないけれども、
出しておるわけです。これは
厚生省の
保険局の中にその
病院があるからこういう形になるのです。みななれ合いでできるのですよ、監督も手かげんをするし。それではほんとうの
病院行政ができないですよ。乗り込んできた
厚生省が
病院行政を正そうというならば、まずこれから正さなければうそです。これをもしあなたが正すことかできないなら、あなたが
幾らここで言ったって、百日の説法へ
一つです。あなたの
行政はこれでわかるのです。だから私が調べ上げた結果を今あなたに御報告をして、私はあなたの裁断を得たいのです。私は
安藤政務次官にも与党の人にも聞いたが、君の言うことが正しい、その
通りだ、これはやはりやってもらわなければいかぬとみな言っていますよ。あなただけがこだわる必要はないのです。現業とあれとは分離するということは、与党だってちゃんと
医師会に約束している。ここからやっていく、これは現業と監督を分離する
一つの道ですよ。これをもしあなたがおやりにならずこのままお通しになれば、あなた自身も今までの旧弊に加担をしたことになるのです。私は割合こういうことを強勉したので、その欠陥をついて、あなたの
行政が正しい道を歩むことを進言をして、そしてここであなたに踏み切っていただきたい、こういうことから私は
質問を特に残しているわけです。どうですか。