○大原
委員 私がこれから
厚生大臣、
担当局長に御
質問したいと思いますのは、実は広島県の安芸郡府中町に静養院という社会福祉法人の
病院があるのであります。この静養院の問題は、当初は労働問題ではなかったわけですけれども、草葉隆圓
厚生大臣のときに、御承知のように
改善命令が出ました。そうして大別いたしますと、役員の人事の問題と財産
関係、それから決算の問題、これが中心に
改善命令が出ておりまして、衆参の社会労働
委員会もしばしば現地視察をいたしたところであります。私、ずっとこの問題にタッチいたしまして見ておりますと、精神
病院というのは大体もうかると言われておる。相手が精神異常者でありますから、
患者を送っている家族の人も、自分の子供や夫や妻や親を愛することには変わりはないのだけれども、しかし世間体をつくろうてこれを隠す、こういうふうなことであります。中へ入っている
患者もそういう特殊な条件でありますから、
患者が訴えたようなことはまともに取り上げてもらえない。あれは気違いだということになる。従ってそういう
患者の人権問題を含めまして、精神
病院は
政府は今年度は
結核対策と一緒に大きく打ち出していこうというふうなことなのでありまして、これは私ども社会党といたしましてもまことに賛成なんです。精神
病院は、やはり公的な性格を強めて参って、そしてその人権を尊重して、この精神異常者の下宿屋だというふうな
病院の汚名を一掃いたしまして、やはり治癒ができるように、快癒していくようにしなければならぬ。これはきわめて大切な問題であります。この問題につきまして、渡邊
厚生大臣のときにも私は御
質問いたしたのであります。そうしたら、私の
意見に対しまして、この静養院の問題につきまして、
改善命令以来の問題あるいは労働争議をめぐる問題等につきまして、渡邊
厚生大臣はどういう御答弁になったかというと、監督
機能を国としては強化をして、そのためにはやはりその裏づけになる行財政の
措置をとっていく、こういうことについては全く
意見は賛成である、こういう御答弁でした。広島県におきましても、あのような大県が公立
病院がないというふうなことは、やはり精神病
患者等を扱う行政上、
一つの公立
病院が
責任を持って
患者を扱っているということがやはり全部の
患者の人権を尊重することになるのだ、こういう意味において、当時の
局長も
大臣も御賛成になったわけであります。
そこで、私はお伺いしたいのですが、
大臣はこれはお聞きになっていただきたいと思うのですけれども、現状では、遺憾ながらもう静養院というのは社会福祉法人であって、その
経営者は逐年変わりましたけれども、今は非常に県
会議員の有力な人が
理事長になっておるわけです。社会福祉事業団体の
指導者でもあるわけだ。私はこういうことは党派とか、そういうことではない、
大臣もきわめて廉直な方だからその判断をされると思って、きょうはこの問題を出したわけでありまするけれども、そういうことであって、いわば巷間ではどういうことを言っているかというと、国立の
病院あるいは県立の
病院を作ると、自分が
経営している社会福祉法人の
病院の方の
経営が、
患者をとられて少し落ち目になるのじゃないか。今でも実際には広島県においては
私立の
病院が定員をオーバーいたしまして
患者を収容しておる。最近はやはりオートメーションその他の社会事情によりまして非常に精神病
患者がふえておる。そういう実情であるのに、そういう県政における、そういう一部のいわばボスというか、そういうのが——それは与党自民党の中でありまするが、自民党の中でも、それに対して反対しておる人が、県会の中におきましても半分以上ある。だから、これは党派の問題ではないと思いますが、そういうことが精神病に対する行政の進行を妨げているのじゃないか、そしてやはりそういう社会福祉法人を私しているのじゃないか、こういう批判が相当広く行なわれているわけであります。従って、草葉
厚生大臣がこの
改善命令を出されて、逐次その後ずっと
厚生省がタッチされて、最終
責任者といたしまして監督上の
責任を持っておられると思うのですが、まあそういう点でどういうふうに把握をしておられるか。これは全然とっぴな問題をここへ私が出して申し上げるのじゃない。この問題は前から
厚生大臣がタッチして、社会労働
委員会もタッチしている問題でありますから、どういう法的な権限と、そして、それに基づいてどういう監督をしてこられたか、あるいは
改善命令の履行
状況等についてどういう実態把握をしておられるか、こういう問題について、これは
担当局長から
一つ御答弁いただきたい。