○福田
説明員 先般の
梅雨前線の影響によります豪雨による
被害につきまして、お手元に差し上げてございます
資料によって、簡単に
被害の概況を申し上げて、それについての
対策等を御
説明申し上げたいと思います。
まず、第一ページの
被害の概況でございますが、今回の豪雨によりまして、土砂の崩壊とかによる住居の埋没あるいは流失等によりまして、小中学校の児童生徒の死亡した者が、かなりの数に上っております。これは次の別紙一の折り込みの表でごらんいただきますとわかりますように、死亡が四十四名でございます。行方不明が四名、その他負傷が十三名というようなことになっております。そのほか、教職員で死亡いたしましたものは二名でございます。いずれも住居の埋没による死亡でございます。非常にお気の毒でございますが、そういう状況でございまして、そのほか、教職員
関係におきまして、居住建物の
被害を受けましたものが相当ございます。全壊、半壊あるいは床上浸水、床下浸水、こういうものを合計いたしますと、ただいまごらんいただきました別紙一の下の方でございますが、該当人員で三千八百八十名ということになっております。これらにつきましては、とりあえず、公立学校共済組合の組合員でございますので、至急共済組合を通じまして、規定の
災害見舞金並びに
災害貸付金を
支給いたしました。それらの
金額は下の欄に出ておりますように、見舞金では一千六百八十八万三千円というものが給付済みでございます。
貸付金といたしまして二千三百五十万円でございます。以上でございます。
それから物的な
被害でございますが、これも次の別紙二の折り込みの表をごらんいただきますと詳細わかりますが、概況を申し上げますと、
被害金額は、二枚続いておりますが、公立学校の
関係では四億六千九百十五万三千円となっております。
関係府県は二十二県、この中で大きな
被害のございました県は、
長野、
岐阜、静岡、愛知、兵庫の五県でございます。この
被害の中で、特に今回の
災害の特徴といたしまして、土地の崩壊、流失等によります土地、工作物に対する
被害がかなり多く上がっております。全体の四億六千九百万円の中で、小中学校の分につきまして土地、工作物の
被害が一億七千八百八十三万円、高等学校におきまして七千八百六十万一千円、こういうように
割合にそういう
被害が大きいようでございます。そのほか、全壊、半壊というようなものは、どららかというと、過去の
災害の場合よりも、
割合が少なくて、小
災害が多いように思っております。これも今回の
災害の一つの特徴であろうと考えております。
以上でございまして、その後、詳細に調査いたしました結果、
長野県等においては調査不十分な点もございましたが、
被害の
金額は、ここに掲げております
金額よりも若干減少いたしております。それらにつきましては、今月中に立会査定をやる予定になっております。
この表に載っておりませんので、つけ加えさせていただきたいと思いますのは、七月の集中豪雨によります北海道の
被害でございます。これは先ほど北海道の方から陳情もあったようでございますが、公立学校におきまして、土地工作物、
設備等の
被害あるいは教員住宅の
被害を含めまして、現在の
ところ一千九百三十三万六千円となっております。それはこの表に載っていないのでございますが、校数にいたしますと五十二校でございます。
それから国立学校でございますが、これは別紙三になっております。国立学校は
割合に
被害が軽微でございまして、全体といたしまして九大学でございますが、三千二百六十万一千円という
程度でございまして、建物自体にはほとんど
被害はございません。ほとんど校地の流失等でございます。
それからその次は、私立学校でございますが、これは特定の県に
割合に集中いたしております。神奈川、
岐阜、静岡、兵庫、この四県でございます。特に兵庫県の中でも、神戸市内の私立学校が
被害を受けております。これはがけくずれによる校地の崩壊と、それに伴う建物の
被害でございます。合計四千三百七十八万一千円、校数にいたしまして二十六校でございます。大部分は兵庫県でございます。
それから社会教育施設でございますが、これは
割合小さな
被害が多うございまして、公民館その他の社会教育施設でございますが、二千三百五十四万四千円、こういうことになっております。
それからその次のページになりますが、文化財でございます。文化財
関係もごく軽微な
被害がございまして、全般として、史跡その他を含めまして三百四十七万円
程度でございます。
それから給食
関係につきましても、脱脂粉乳の流失あるいは冠水等の
被害が若干ございまして、十六万八千円
程度の
被害でございました。これはそう大した影響はなかったのでございます。
それからその次に、教科書
関係でございますが、先ほど申し上げましたように、自分のうちが流失したとかというような
関係で、子供で教科書をなくしたものが相当ございます。教科書
関係として、そこに上がっております茨城、神奈川、
長野、
岐阜、静岡、兵庫、この六県の教育
委員会で調査いたしまして、
手当をいたしました教科書の冊数は九千九百七十九冊、こういうようになっております。
以上が
被害の概要でございますが、文部省といたしましては、
被害の
対策といたしまして、さしあたり応急に
対策としまして特に急ぎましたのは、教科書
関係の
補充の問題と、それから教職員の
罹災者に対する見舞あるいは
貸付等であります。それらを急ぎまして、そして、学校の再開を一日も早くやるというように
手当をいたしたのでございます。大部分の学校は、現在の
ところそういうこと女
長野県のごく一部を除きまして、授業も大体平常
通り行なわれておるようでございます。
そこで、今後の
対策といたしまして、文部省としていろいろ研究いたしておりました問題は、先ほど申し上げました公立学校施設の
復旧についてでございますが、これは過去の狩野川台風あるいは伊勢湾台風の際には
特別立法をいたしたのでございますが、今回の場合におきましては、地元各
府県におきましても、高率
補助という希望はございますが、とにかく特別に早くこの査定をやって、
補助金の交付を早くしてもらいたいというような希望も相当強いのでございます。従って、先ほどちょっと申し上げましたように、今月の初めから月末までに、
関係府県の
災害の大きい個所を大蔵省との立会査定をやりまして、その結論を待ちまして、早急に
国庫負担金の交付をやりたい、こういうようなつもりでおりますが、その際問題になりますのは、小
災害でございます。これにつきましては、自治省といろいろ相談をいたしまして、十方円以下の小
災害につきましては、町村の財政力等も十分勘案いたしまして、起債その他によって小
災害の
復旧を迅速にやるというような方向を考えているわけでございまして、この点につきましては、自治省の方も、他の公共土木その他との
関連を見まして、これについて特別な何らかの
措置をしたい、こういうようなことで今日まで来ておるわけでございます。これも立会査定の結果を十分見きわめまして、それらに対する
措置もきめたいと考えております。
それから社会教育施設につきましては、特に取り上げるほどの
金額でもございませんが、これらの問題につきましても、起債等で
措置する場合には、その中でこれらの
復旧についても考えていってはどうかというようなことで考えておるわけでございます。
それから私立学校でございますが、これは先ほど申し上げましたように、ほとんど土地、工作物の
被害が多うございまして、過去の実例から申しますと、早くこれを
復旧することが必要でございますので、私立学校振興会の中に
災害の場合の特別融資
ワクが設けてございます。従って、今回の場合も、この特別融資の
ワクを運用いたしまして、四千万円
程度でございますので、なるべく早くその融資を決定して、それによって
措置していきたい、こういうような考えで進めております。
それから被災教職員に対する
措置につきましては、先ほど申し上げた
通りでございます。
それから教科書の補給は、先ほど申し上げましたように、九千九百七十九冊というものにつきましては、大体の手配を完了いたしまして、
補充は済んでおると思っておりますが、今後なお必要な部分につきましては、就学困難な生徒、児童に対します就学援助の
法律も改正されまして、こういった面についての
ワクも広がっておりますので、それの運用によって教科書、学用品の補給は実施していきたい、かように考えておるわけでございます。
それから給食も、特に申し上げるほどのことではございません。
それから授業料の減免の問題でございますが、国立大学に籍を置く者につきましては、これは当然文部省で全免または半免というようなやり方をいたしております。それから公立の高等学校につきましては、これはすでに初等中等教育
局長から各
都道府県の教育
委員会に対しまして、授業料減免の指示をいたしております。該当者についてはそういう
措置がとれるようになっております。
それから育英
資金の貸与でございますが、これも現在の育英会の
貸付資金の
ワク内で十分できると考えておりますので、これらも、希望者に対してはできる限りそれを取り扱って、十分貸与できるようにしたい、こういうように考えております。
大体、以上申し上げましたように、特に今回の場合は、中心は公立学校の施設でございますが、小
災害を除きましては、一応現行の公立学校施設
災害負担法に基づきまして、すみやかに
国庫負担の決定を行なって、それを進めていくことが、さしあたり必要ではないかというように考えておりまして、これにつきまして特別な
立法は、ただいまの
ところ、私
どもとしては考えていないのでございます。
以上でございます。