○
木村(公)
協議委員 ただいまの総
局長の御
答弁、まことに親切な御
答弁で恐縮でございますけれ
ども、総
局長は国鉄の技術陣の最高峰だと私
どもは理解をいたしております。その総
局長が、今度の水は
下流の水はけが悪かったから冠水したのだ、五日間湛水したのだろうというような、そういうばかげた現地報告をだれがしたのか知りませんが、
しろうとのような御
答弁は、これはまことにわれわれを侮辱するもので、これはもちろん
下流の
排水機の馬力が弱くて、もっとこれを倍くらいに増強することも大事であります。増強することによって湛水の時間を短縮することもできましょうが、なぜ水が入ったかということが一番の問題だ。はけることも大事だが、なぜ水が入ったか、水が入りましたのは境川という川が破堤したのだ。なぜ破堤したかといえば、長良川の水位が高くて水がはけない、そのうらに
堤防が脆弱だったから破堤したのです。そこで、長良川と境川との合流点に強力な
排水機を作ることによって、先ほどの
河川局長の説明のように、長良の水位が高くならない前に境川の水を落とすということが技術陣の一致した意見である。その報告も聞いておられない。そうすると、路線は作ったけれ
ども、いつ水が入るかわからないということになる。五日間湛水したというが、事実は十日以上浸水しておるんですよ。桑原はなるほど一週間で水が引きましたけれ
ども、もう少し大垣方面に寄ったところは十日以上浸水しております。しかも、あなた方の新幹線の通る路線は、ひとり
岐阜県だけではない。愛知県においても湛水
地帯、いわゆるゼロ・メートル
地帯を選定されておる。しかも、その地点において、今度は二メートル以上の浸水が十数日湛水しておった。それは水はけが悪く、水が落ちていかなかったためであり、水が入ってきたのは
堤防の決壊である。しかも、決壊の
原因は、長良に落とすところの
排水機がなかったから境川が破堤したことは、専門家のひとしく認めておるところであり、ことに、これは
河川局の治水課長が認めておる。その
河川の専門家の意見も聞かないで、ただ、おれの方は汽車さえ通せばいいということではならないと思う。汽車をお通しになることはけっこうですが、もしもお通しになって、また三メートル、四メートル、場合によってはそれ以上の大きな水がきたときには、運行が不可能になるおそれがありはしないかということを私は
心配する。運行が不可能になるということは、その汽車に乗っておる人の生命がなくなるとか、あるいは危害を感ずるとかいうような問題ではなくて、世界に恥をかくということです。この新幹線は世界的な路線であるという非常な誇りをわれわれは持っておる。それが水浸しのために運行が停止される、人命に危険を及ぼす、乗っておるお客は外人がほとんどであるということになった場合に、世界に恥をかくのは
日本の国鉄の技術陣です。せめてこういう水がきた場合には、どこからこの水がきたか、どうして十何日も湛水しておったかということをお
考えになってしかるべきだ。それを、これから線路を敷こうという技術陣の最高峰であるところの大石総
局長が、このくらいの御報告でもって満足だということは、私はまことに奇怪千万だと思います。もっと事実を御
研究になることがよろしいと思います。水の多いときにはどのくらいきたか、
伊勢湾台風のときはどのくらいきたか、今度の集中豪雨のときにはどういう雨が降って、どのくらい水がきたかということをもっと調べて、湛水五日間という報告に満足することなく、
建設省と協力の上で
計画をお立てにならないと、六メートルの土盛りをするから大丈夫だろうと言うけれ
ども、六メートル以上の水がこないとは保証できない
地帯です。現に、
天竜川は、ところによっては十五メートルも水位が上がっているところがあるというのです。六メートル以上の水がくるかもしれないという危険があることは、
しろうとでも痛感することです。それを、六メートルの土盛りをするから大丈夫だというようなことでは、われわれは承服できない。承服できませんから、そこで、これを高架にするとか、路線を変更するとか、そういうことができないなら、水はけをよくするとか、
建設省と協力して
排水機を増強するとか、あるいは破堤しないように、あそこに直接水が入るならば、
堤防の強化を
建設省と協力してやるとか、とにかく、あそこは特別の低湿
地帯ですから、そのことは御
承知の上で御
計画になっておる。しかも、この東海道新幹線の路線の決定は、鉄道建設審議会の知ったことではない。鉄道建設審議会にはこれはかけておりません。あなた方技術者の責任において、あなた方におまかせしたことなんです。あなた方の責任において運輸
大臣が判を押していらっしゃる以上は、運輸
大臣の責任もある。これは大丈夫だということで路線決定をされた。鉄道建設審議会の関知したことではございません。あとから報告を受けて、何も知らないで承認しただけです。それが、もしも運行不可能になる、あるいは生命を脅かされるというような危険があると知りながらも、なおかつ、その路線というものを固執されるとするならば、事は重大でございます。私は、路線の変更をしなさい、そういうようなことを言っておるのではございません。万策尽きれば、路線の変更もやむを得ないけれ
ども、路線の変更ができないとすれば、次善の策として、六メートルで安心という工合に私はいかない。現に木曾山系の水位をお調べいただきたい。そうしてあのゼロ・メートル
地帯をお調べ願いたい。そうして今度の降雨量をお調べ願いたい。これ以上の、かりに六メートル以上の水が出た場合には、運行停止である、あるいは乗客がひょっとしたら全部流れるかもしらぬ。このようなことが万一にも予想されながら、この路線にどこまでも固執するということであれば、それは偏狭である、あるいは無責任である、あるいはこれは面子ばかりにこだわるところの好ましからざる態度だと
考えざるを得ないのでありますから、もしも路線の変更ができないとするならば、運輸
大臣の責任においてこれを高架にして、絶対に千ミリの降雨量があっても大丈夫、万全を期しておるという確信ある御
答弁をいただきたい。そうでなければ、このようなあぶない路線に対して、愛知県の一
部分、
岐阜県の一
部分、滋賀県の一
部分のものは、おそらく非常な民心の安定を欠かざるを得ないと思うのでございます。
ちょうど御
出席でございますから、高野
道路局長にも同じような質問を申し上げたい。
東海道の新幹線に並行して、いわゆる名神国道、弾丸
道路が今や着々と
工事を進めつつありますが、この
地帯もやはり海抜二メートルの
地帯である。そうして非常にその土壌ば脆弱で、もとは沼、だったのです。そこを通る。だから、その工法といたしましては、コンクリートぐいを打つとかいうような
方法をもっておやりになっておるそうです。しかし、そういうような
方法でおやりになっても、なおかつ浸水の危険がございますから、これまた路線の変更ができないとするならば、高架にするとか、あるいは八メートル、九メートル上を通すとか何とかという
方法をお
考えにならないと、これはまた非常な大きな責任問題が惹起される
心配があると思います。というのは、先般申しましたように、国道二十一号線、
岐阜と大垣の間の鶉というところ、日置江というところが二十日間も湛水しておる。それならかさ上げすればいいじゃないかという御
答弁があったのでありますが、かさ上げすれば、
上流の水が
下流に流れませんから、
上流が
承知するわけはない。そうすると、あの道はかさ上げができないとすると、永久に湛水をする、水浸しで、大きな水の場合には、二十日も二十五日も交通途絶である。トラックも通らない、自動車も通らない、人馬も通らないということになり、全く遮断される。しかも、国道二十一号線は、またの言葉でいいますれば一級国道です。
日本の誇る一級国道のわずか二キロほどの
地帯でありますけれ
ども、それが二十日間も通れない。それがために全部迂回して、自動車のガソリン代だけでも大へんなことです。視察にこられた諸君も、絶対に私のそばへこられない。
岐阜まで行けるけれ
ども、それ以上は行けない。とうとう私の
地帯は衆議院の先生方に見ていた、だくことができなかったような
状態。それも国道二十一号線を湛水
地帯にわざわざ作ったからです。だから、あの路線を今さら変更せよというようなことは、申してもとうてい不可能なことであるとするならば、第二の策としてかさ上げをする、それもできない。できないとすれば、水がはけないから大騒動になる。これもできないとするならば、第二の二十一号道を作るということをお
考えにならないと、地元民としては承服することができないと思うのでございますが、この点にも触れて、運輸
大臣、総
局長、
道路局長から御
答弁いただきたいのであります。