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1961-07-10 第38回国会 衆議院 災害対策協議会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    災害対策協議委員 昭和三十六年七月六日(木曜 日)次の通り災害対策協議委員の届出があった。   自由民主党       赤澤 正道君    内田 常雄君       遠藤 三郎君    小川 平二君       大森 玉木君    金子 一平君       川野 芳滿君    木村 公平君       北澤 直吉君    小山 長規君       佐藤虎次郎君    首藤 新八君       瀬戸山三男君    辻  寛一君       内藤  隆君    中野 四郎君       野田 武夫君    宮澤 胤勇君       柳谷清三郎君   日本社会党       加藤 清二君    勝澤 芳雄君       角屋堅次郎君    北山 愛郎君       久保 三郎君    五島 虎雄君       下平 正一君    楯 兼次郎君       中島  巖君    中村 英男君   民主社会党       佐々木良作————————————————————— 昭和三十六年七月十日(月曜日)    午後一時二十七分開議  出席協議委員   委員長 辻  寛一君    理事 遠藤 三郎君 理事 川野 芳滿君    理事 佐藤虎次郎君 理事 角屋堅次郎君    理事 下平 正一君 理事 中島  巖君       木村 公平君    小山 長規君       瀬戸山三男君    内藤  隆君       宮澤 胤勇君    加藤 清二君       勝澤 芳雄君    北山 愛郎君       久保 三郎君    五島 虎雄君       楯 兼次郎君    中村 英男君       玉置 一徳君  協議委員外出席者         厚生省大臣官房         長       高田 浩運君         農林省大臣官房         長       昌谷  孝君         建設省河川局長 山内 一郎君     ————————————— 七月十日  協議委員佐々木良作君辞任につき、その補欠と  して玉置一徳君が協議委員となった。     ————————————— 七月十日  辻寛一君が委員長に当選した。 同日       遠藤 三郎君    川野 芳滿君       佐藤虎次郎君    首藤 新八君       中野 四郎君    角屋堅次郎君       下平 正一君    中島  巖君 が理事に当選した。     ————————————— 協議事項  委員長及び理事互選  集中豪雨等による被害状況及び対策に関する説  明聴取      ————◇—————   〔宮澤協議委員委員長席に着く〕
  2. 宮澤胤勇

    宮澤協議委員 これより災害対策協議会を開会いたします。  委員長が選任されますまで、私が座長を勤めさせていただきます。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 宮澤胤勇

    宮澤協議委員 御異議なければ、しばらく座長の席を汚します。皆様の御協力をお願いいたします。  それでは、委員長互選を行ないます。
  4. 佐藤虎次郎

    佐藤(虎)協議委員 動議を提出いたします。  委員長互選は、投票によらないで、辻寛一君を委員長に推薦いたしたいと思います。御賛同願いたいと思います。
  5. 宮澤胤勇

    宮澤協議委員 ただいまの佐藤君の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 宮澤胤勇

    宮澤協議委員 それでは、辻寛一君が委員長に推薦いたされました。委員長辻寛一君、どうぞ。   〔辻委員長委員長席に着く〕
  7. 辻寛一

    辻委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。  ただいま各位の御推挙によりまして、本協議会委員長の重職をにたうこととなりましたことは、まことに光栄に存じます。  御承知通り、過般の昭和三十六年梅雨前線豪雨等によりまして、関西、中部、東海、関東その他各地方において甚大な被害発生いたしたのでありますが、これらの災害地に対しまして、早急に対策を樹立してその復興をはかることは、まことに緊急事であると存じます。ただいまお手元に差し上げております要綱に基づき、本院にこの災害対策協議会が設置せられるに至りましたゆえんのものも、これら被災地を初め、全国民要望にこたえんとするにほかならないものと存ずる次第でございます。  なお、本協議会は、次の国会召集日の前日まで存置され、今後発生せる災害についても、その対策について協議をいたすことになっておる次第でありまして、この機会に委員各位の格段の御協力をお願いいたしまして、一日も早く国民の負託にこたえることができますよう念願いたしてやまない次第でござい・ます。  何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)      ————◇—————
  8. 辻寛一

    辻委員長 ただいまより理事互選を行ないます。  理事の員数は本協議会要綱によって八名になっておりますが、その互選の方法についてお諮りいたします。
  9. 佐藤虎次郎

    佐藤(虎)協議委員 動議を提出いたします。  理事八名の互選につきましては、投票によらないで、委員長において指名せられんことを切望いたします。
  10. 辻寛一

    辻委員長 ただいま佐藤委員より提出せられました動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  それでは、    遠藤 三郎君  川野 芳滿君    佐藤虎次郎君  首藤 新八君    中野 四郎君  下平 正一君    角屋堅次郎君  中島  巖君以上八名の諸君を理事に指名いたします。  暫時休憩いたします。    午後一時三十三分休憩      ————◇—————    午後一時四十五分開議
  12. 辻寛一

    辻委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続き、政府より、主として昭和三十六年梅雨前線豪雨による被災状況及び災害対策実施状況等について、説明を求めることといたします。  まず、建設省当局から説明を求めます。建設省河川局長山内一郎君。
  13. 山内一郎

    山内説明員 それでは、お配りしてございます資料に基づきまして、被害概況並びに応急措置について御説明いたします。資料は縦に長い資料でございます。  一ページ、二ページは、各地の豪雨状況が書いてございまして、特に説明は省略をいたします。  三ページに参りまして、公共土木施設の、現在までに、直轄災害は各地方建設局から集まりました被害の額、それから補助災害は、都道府県から集まりました額がここに計上してございますが、三ページの上の方に、総括いたしまして直轄災害三十四億四千五百万円、こういうふうに相なっております。その内訳が、河川砂防道路とおのおのありまして、河川が三十一億二千七百万円、砂防が一億五千二百万円、道路が一億六千六百万円、補助災害が、現在のところ三百三十四億六千二百万円、合計いたしまして、三百六十九億七百万円と現在のところ相なっております。なお調査中でございますし、七月に入りました雨によりまして、まだ被害が増加する見込みでございます。  この内訳は五ページに書いてございますが、五ページには直轄河川被害状況が記してございます。左から地方建設局、その次に河川名、その次に水位関係が、いろいろ計画、警戒、今回の最高、既往の最高、こういうふうに分類して書いてございまして、一番右に、被災状況として個所と金額が書いてございます。  このうち、非常に出水のひどかったところ、それから被害の大きいところを申し上げますと、関東地建では富士川、これが二十六カ所で三億四千二百万円、こういうふうに相なっております。  一つおきまして那珂川、久慈川、これは計画高水位と今回の水位を比較していただきますと、相当出水を見た河川でございます。ただ、被害は比較的軽微でございました。  次は、北陸地建に参りまして、信濃川でございますが、これも相当出水を見まして、長岡市の地先におきまして、ほとんど堤防が切れかかったところがございましたが、その報告額は七千万円、こういうふうに相なっております。  次は、一つおきました千曲川でございますが、一億二千万円、こういうふうになっております。  次は、中部地建の狩野川に参りまして、大仁の水位をごらんいただきますと、計画よりも約一メートル低いところで洪水が流下しております。ただ黒瀬、これは沼津市内でございますが、ここは計画以上の出水を見ている、こういうふうになっておりまして、被害は一億二千万円、こういうふうに相なっております。  六ページに参りまして、中部地建の長良、揖斐、簸川、木曾川、牧田川でございます。いわゆる木曾三川の水系でありますが、相当出水を見まして、大体伊勢湾台風に近いような洪水になっております。被害合計が百十カ所、七億一千四百万円、非常に危険な個所もございましたが、水防でやっと食いとめたという状況でございます。  その次、一つおきまして、天竜——「竜」がちょっと違いますが、天竜川の上流でございます。これが三十二カ所、十億三千九百万円、これが、今回の災害で、直轄河川としても一番被害が激甚でありまして、相当延長の破堤を見ている次第でございます。  次は、ここにしるされた通りでございますが、九州地建管内は、七月に入りましてからの豪雨による出水、総計いたしまして三百二十二カ所、三十一億二千七百万円というふうに相なっております。  七ページは、直轄砂防被害状況でございまして、ここにやはり地方建設局名河川名が書いてございますが、総計いたしまして三十一カ所、一億五千二百万円というふうになっておりまして、まだなお調査中でございます。  次は、八ページでございます。これは道路局関係でありますが、一級国道——「一」があるいはプリントで抜けているかもしれませんが、一級国道指定区間被害状況でございます。これも地建名路線名、次に県の名前、個所が書いてございますが、総計いたしまして一億六千六百万円というふうになっております。  九ページ以降がいわゆる補助災害でございまして、各都道府県から、いわゆる公共土木道路河川、橋梁、砂防というような施設被害報告がございます。その結果をまとめたものでございますが、総計いたしまして、県は約三十八都府県に上っております。従って、大体全国にわたって被害を受けたということが言えると思います。  このうち、相当被害の激甚な県だけを申し上げてみますと、茨城県が九百七十五カ所で、十一億三千四百万円というふうになっております。それから千葉県がやはり十億円近い被害でございまして、九億九千八百万円、十ページに移りまして、山梨県が十五億一千二百万円、長野県がやはり一番激甚でございまして、三千九百三十八カ所、九十億七千三百万円というふうに相なっているわけでございます。石川県がやはり十億近く、九億一千九百万円、岐阜県が二十二億一千六百万円、十一ページに移りまして、静岡県が二十六億六千五百万円、愛知県が二十億四千六百万円、それから三重県がやはりひどうございまして、十六億九千四百万円、次は滋賀県が大体十億近い、こういう数字になっております。十二ページに参りまして、兵庫県が十六億三千六百万円、それから島根県が、七月に入りましてからの豪雨による災害でございますが、十一億九千二百万円というふうになっておりまして、合計いたしまして、ただいまのところ三百三十四億六千二百万円というような数字でございます。  十三ページは、都市災害で、計画局所管でございますが、都市下水路、公園、街路等災害がここに書いてございまして、三億一千八百万円でございます。  十四ページは、住宅被害の戸数を集計したものでございまして、全部で、全壊が一千百六十八戸、流失が六百八十七一尺こういうような状況でございます。  十五ページ以降は応急措置でございますが、二十九日に、さっそく建設省といたしましては災害復旧促進本部を設けまして、いろいろ対策を講じているわけでございますが、二十七日から、建設政務次官三重岐阜愛知静岡の各県に行かれております。それから、六月三十日に建設事務次官——プリントは「政」になっておりますが、事務次官が、住宅局長と一緒に兵庫県に行っております。七月の一日に技監長野県に、七月の一日、二日に住宅局長神奈川県に、四日以降建設大臣長野県に行かれまして、それぞれ対策を講じております。  一番最初やらなければいけないことは、直轄災害の手当でございまして、直轄復旧費は、予備費から支出する以外に現在手持ちはございませんので、とりあえず応急費といたしまして、この直轄災害河川砂防のところに書いてございますが、予備費から四億二千六百万円を支出いたしまして、緊急復旧工事に着工いたしております。道路につきましても同様でございまして、予備費から八百万円を支出して、緊急復旧工事を実施いたしております。  次は、補助関係でございますが、補助関係は、応急復旧工法指導に重点を置きまして、災害実態調査とあわせて、現在、激甚な県に査定官を出して、いろいろ指導をやっている最中でございます。これによりまして、緊急査定準備を急がせまして、できるだけ早く緊急査定をして、予備費から復旧費を出す、こういう目標で、現在やっている最中でございます。  十六ページの上の方にはそういうことが書いてございまして、十六ページの上から三つ目の、(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の(ニ)でございますが、これは緊急砂防事業費関係でございます。現在建設省手持ちがございますが、これでは不足することは明らかでございますので、緊急に実態調査をいたしまして、この手持ち並びに予備費を早く出すような準備をいたしております。  都市関係住宅関係につきましても、いろいろここに書いてある通りでございます。  それから、4は対策でございますが、今までも対策に多少触れましたが、公共土木施設といたしましては、直轄災害予備費支出をはかって緊急復旧工事を行なう、補助災害につきましては、つなぎ資金の要請があればこれをあっせんをする——現在のところまだございませんが、したい、こういうことでございます。  それから、ロは、緊急査定を行なって、予備費早期支出をはかりたい、こういうことでございます。  ハは、地すべり、崩壊が非常にはなはだしい県が多かったのでございますが、この処置につきましては、先ほど申し上げました緊急砂防以外に、三十四年のときにとりました特殊緊急砂防事業、これを取り上げまして、ぜひやりたいというので、大蔵当局協議中でございます。  それから次は、非常に被害のはなはだしい個所緊要工事につきましては、極力復旧をはかりまして、特に天竜上流直轄につきましては、来年の出水期までに完成をいたしますように、特別の進捗をはかりたい、こういろ目標で現在進んでいるわけでございます。  なお、十七ページに移りまして、被害のはなはだしい個所復旧は、再度災害を防止するために、一定計画に基づいて改良復旧を実施する、こういうふうに、現在査定の方針をきめて、実施する予定でございます。  なお、小災害につきましては、いろいろ各県からの要望がございますし、地方財政上の必要な措置について、大蔵、それから自治省と協議をしている段階でございます。  なお、水防資器材の問題でございますが、今回の災害で、非常に水防活動いたしまして難を免れた個所がたくさんございますし、水防資材相当量使っておりますので、これをぜひ補助をしたいということで大蔵当局と折衝している段階でございます。  住宅については、ここに書いてあります通りでございますし、宅地造成規制についても、ここに書いてございますように、造成規制に関する立法措置を早急に検討中でございます。これは、まあ住宅局関係でございますが……。  以上、簡単でございますが、概況と、とっております処置について、御報告を終わります。
  14. 辻寛一

    辻委員長 次に、厚生省にお願いします。厚生省官房長高田浩運君。
  15. 高田浩運

    高田説明員 今回の災害に関しまして、厚生省としてとりました応急措置を中心として、お話し申し上げたいと思います。お手元資料を差し上げてございます。  まず、第一に、災害救助法適用関係でございますが、御承知のように、たき出しあるいは被服、寝具の給与あるいは医療の給付、そういった当面の救済対策を、災害救助法によって実施いたすわけでございますが、この災害救助法適用いたしました市町村につきましては、最後から二枚目の表に掲げておきました茨城県、千葉県、神奈川県、富山県、石川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、兵庫県、島根県、都合十三県でございまして、適用いたしましたのは、三十六市二十三区五十五町村に及んでおります。  なお、それらの地域におきます人的被害あるいは住家被害につきましては、下の欄に記載いたしておりますので、詳細は省略させていただきたいと思います。  この災害救助法適用につきましては、さっそく係官を現地に派遣いたしまして、現地の実際の状況に適応した措置が行なわれますように、連絡を緊密にいたしまして、万遺憾なきを期しますと同時に、これに関しまする費用は、いわば本質的には生産補助の形をとるわけでございますが、被害の大きかったところにつきましては、とりあえず概算交付措置をとって、救助活動が円滑に行なわれるように措置をいたした次第でございます。  なお、そのほか、物資につきましては、CAC物資、あるいは日本赤十字社から衣料、特に乳幼児の衣料等を急送いたしまして、現地需要に応ずることにいたしました。  それから、また、との救助法に基づきましては、一応たき出しの期間は何日にするとか、いろいろ制限がございますが、特別の必要に応じまして、この給水、たき出し期間延長等を認める措置を、岐阜県、愛知県、長野県、茨城県等につきましてはいたしたのでございます。  それから、今回の災害特質と申しますか、水に起因しますそういう特質からいたしまして、伝染病発生を非常に憂慮いたしたのでございます。この伝染病対策あるいは防疫対策、こういったものについては、万全を期するというような考え方に基づきまして、さっそく専門家現地に派遣いたしまして、そうして消毒その他の指導に当たらせたのでございます。なお、この防疫班活動につきましては、現地活動を補充し、万全を期する意味からしまして、ほかの県からも防疫班を急派いたしますと同時に、なお、いつでも出動できるような態勢を各県に対して整えておくようにいたしたのでございます。  そういうような結果といたしまして、一番最後の表にありますが、現在までのところ、赤痢その他伝染病発生状況は、きわだって憂慮すべき状況にはないのでございます。なお、今後とも十分気をつけて、間違いのないようにいたしていきたいと考えております。  そのほか、いわゆる福祉対策として、世帯更生資金のワクの増大でありますとか、そういったことについて措置をいたしたのでありますが、なお、今後の問題につきましては、防疫の問題あるいは災害救助対策の問題、そのほか環境衛生施設でありますとか、あるいは社会福祉関係施設対策でございますとか、さらにまた、福祉対策としての母子福祉資金でありますとか、あるいは世帯更生資金でありますとか、あるいは保育所関係の経費でありますとか、そういったいろいろな面について、現地需要に応ずべく、目下鋭意検討いたしておるのでございます。  以上、簡単でございますけれども、御説明申し上げます。
  16. 辻寛一

    辻委員長 次に、農林省当局からお願いいたします。農林省官房長昌谷孝君。
  17. 昌谷孝

    昌谷説明員 今回の集中豪雨台風六号の被害につきましては、お手元に、今日までに判明をいたしました被害概況をお配りしておりますので、まず、それの御説明からいたしたいと思います。  今回の被害を、農林関係施設関係被害の点から見ますと、今日までに府県その他からの報告に接しましたものの累計は、二百六十八億ということになっております。二百六十八億の被害と申しますと、過去の災害例等から見ますと、もちろん、関係県の数等は相違がありますが、けたはずれに大きくありました伊勢湾、また、山梨長野集中豪雨を伴いました被害、これが四百五億でございますから、それに次いで大きな被害を受けたことになります。  被害のおもだったものは、農地農業用施設関係でございまして、農地関係で六十一億、農業用施設で百四億ということになっております。それから、国有林を除きました林野の関係で七十六億、水産の関係は、内水面が主でございまして、これは幸いに少なくございましたが、五千八百万、それから、共同利用施設関係で二億七千万円、それから、その他と申しますのは、註に書いてありますように、畜舎堆肥舎、鶏舎、サイロ等でございますが、これらが約三億、そのほかに、国有林関係が十四億、愛知用水関係で約六億というようなものを含めまして、二百六十八億というふうな被害報告に接しております。  これらにつきましては、現在、それぞれ農地事務局あるいは林野庁の出先等を通じまして各県と連絡をとりまして、今後の復旧事業のための早急査定に着手いたしておりますので、それらによって、なお詳細判明いたすものと思います。  以上が施設関係被害でございますが、作物関係被害は、一応別表の二に、今日まで各関係府県から報告のありましたものを取りまとめておきましたが、これにつきましては、御承知のように、農林省は各県統計調査部を持っておりまして、統計調査部が目下農作物被害調査中でございます。本省からも、被害の大きかった県には担当官を派遣をいたしまして、早期被害把握をやるための指導あるいは督励に当たっております。今日の段取りでは、この十五日ごろまでに第一次的な農作物被害概況報告が中央に集まるように、そういうめどで、目下せっかく督励中でございます。それを待ちますともう少し詳細がわかるわけでございますが、とりあえず、水をかぶった田畑という意味冠水面積の総合計は、七月八日現在で、約二十四万ヘクタールという報告に接しております。もちろん、これは短時日の冠水を全部含んでおりますが、先ほど申しました十五日にまとまりますときには、三日以内とか、四日ないし五日とか、一週間以内とか、あるいはそれ以上というような冠水程度別に、なお詳細な調査に仕上げるつもりにしております。  以上が被害概況でございますが、そういった被害でございまして、なお、これにつきましては、山陰その他比較的あとになって雨をこうむりました地域は、なお相当移動があるものと思われます。そういった点もお含みの上で、一応今日の段階の仮の数字としてごらんいただきたいと思います。  農林省といたしましては、こういった集中豪雨被害報告を受けまして以来、現地に、両政務次官を団長として関係局の参事官、課長のチームを派遣いたしました。一班は山梨長野静岡、一班は岐阜以西というようなことで、先般、一通り現地の問題やら現地機関指導に当たったわけでございます。なお、統計あるいは作物関係で技術的な指導を必要といたしますところは、随時担当官現地に派遣しております。  そこで、応急の問題といたしまして、食糧関係でございますが、食糧は、幸いにして、ただいままでのところ、政府手持ち食糧の直接被害報告はきわめて僅少でございます。なお、県庁の機能その他も比較的順調に動きました関係もございまして、応急食糧手配その他については、事なく経過いたしたように承知いたしております。米または乾パンの市町村に対する応急手配等も若干ございましたが、さして混乱もなく終始いたしました。  出水後の指導措置といたしまして、恒例の通り、たとえば家畜につきましては畜舎その他の消毒農作物については緊急の消毒等について、通達をもちましてそれぞれ手配をいたしております。なお、種もみその他の手配あるいは流通飼料現地における値上がり防止等についても、それぞれ関係のものに指導を重ねております。  金融措置につきましても、当面被害が確定をいたしますれば、当然天災融資法の発動ということになるわけでございまして、それも、今週末の被害状況を見て、直ちにその手段に移るわけでありますが、当面系統資金のつなぎ融資の円滑化あるいは条件の緩和等につきましては、口頭あるいは文書をもちましてそれぞれの機関に通達をいたしました。  応急復旧用材の手配につきましても、各営林局に、それぞれ関係府県市町村連絡をとって、円滑に参るようにという指導をいたしております。  今後の問題といたしましては、当面天災融資法あるいは公庫資金の主務大臣指定等が、なるべくすみやかに行なわるべきことはもちろんでございますが、農業災害補償法によります共済金あるいは保険金の支払いにつきましても、早期支払い、特に家畜につきましては、行方不明になりました家畜の特別認定の措置等、過去の例も徴しましてやって参りたいと思います。概算払いを必要とするような地帯が生じますれば、もちろんその手配に入るわけであります。  それから、施設復旧につきましては、先ほど申しましたように、早期査定ということを主眼に置きましてやっておりまして、農地関係は、今月中くらいには一通りいくのではなかろうかと思います。林野の関係は、場所が交通不便の奥地になる関係もありまして、若干それよりも日時を要するかと思います。そういった状況を見た上で、なお対策を講じて参りたい。  なお、今回の災害の特殊な事情にかんがみますると、平坦部の田畑の冠水が、先ほど申しましたように、かなり広面積かつ相当出水に当たるようであります。これにつきましては、しかるべき排水手配を必要とすることになるわけであります。また、いわゆる小災害が今回の場合にはかなり多いようであります。これにつきましても、なお実情がもう少しはっきりいたしますれば、対策を講ずべきものであろうかと思います。  以上、まだ被害実態的な把握に努めておる段階でありまして、対策を具体的に設定し得るまでに至っていない問題が多いわけであります。逐次そういった情勢の確定を待ちまして、必要な手配をいたすように準備をいたしております。
  18. 中村英男

    中村(英)協議委員 島根石川など、七月の災害地区について、政府なり国会なりの調査はないのですか。
  19. 昌谷孝

    昌谷説明員 一連の災害として考えておりますが、まだ、もちろん、全県に漏れなくということではないかもしれません。統計関係は、先ほど申しましたように、本省から直接担当官を派遣しながら、現地統計事務所の機能の指導に努めております。なお、作物関係、畜産関係、その他随時必要に応じて派遣する態勢で準備を整えております。
  20. 辻寛一

    辻委員長 本日はこの程度とし、明十一日午前十時より開会し、引き続き関係各省から説明を聴取することといたします。  これにて散会いたします。    午後二時十九分散会      ————◇—————