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玉置委員 私は
民主社会党を代表いたしまして、
政府提案にかかります
水資源開発促進法案並びに
水資源開発公団法案に対し、遺憾ながら
反対の意思を表明するものであります。
今回
わが国における
産業の
発展、
都市への
人口集中及び
生活水準の
向上等は深刻なる
水資源の
不足をもたらしているものでありまして、なおその趨勢は年を追うごとに増大するものと思わねばなりません。
このような情勢に対処いたしまして、
政府におかれては本
国会初めより
提案の準備を進めておられたのでありますが、
水資源に関する各省間の
権限調整に困難を続けられ、ようやく本
国会末になって
提案を見るに至ったのであります。このことに関しては私
たちも、つとにその
必要性を強調してきたものでありまして、
水資源を
開発しようという
趣旨には賛意を表するにやぶさかではございません。しかしながら、この両
法案に示されました
水資源開発の取り上げ方におきまして、必ずしも十分とは言えないのであります。
すなわち、
水資源不足のうち、今日最も緊急を要するものは
工業用水であります。との
工業用水の深刻なる
水不足は、無
計画なる
工場建設の
集中と、
都市への
人口集中に由来するものでありまして、この点について根本的な
施策が講じられない限り、
水不足に対処して
水資源を
開発しようといたしましても、とうてい根本的な解決にはなり得ないのじゃないかと思うのであります。この点、本
法案は、
国土開発法案との関連をもう少し明らかにされねばならないと存じます。
第二に、
水資源開発にあたりまして私
たちが特に強調したい点は、水の
高度利用ということであります。
廃水の
還元回収、
下水処理による水の
利用、あるいは
海水の
利用等は、
欧米各国に見ます
通り、今後
わが国における
産業の
発展、
生活の
向上のためにはぜひともなくてはならない
施策でありまして、との点の
配慮のない
水資源開発は不十分なものと言わざるを得ないと思うのであります。
第三といたしまして、この両
法案のいずれを見ましても、
水利権の所在について必ずしも明確ではないと思います。特に
開発された水について最も効率ある
利用ができ得るよう、
水利権について明確な
措置がなさるべきだと存ずるのでございます。
最後に、われわれが深く心配をいたします点は、この
法案提出の経過にしても、
関係各庁間の
権限の
調整というものが必ずしも解決しておるようには思われないのであります。この両
法案が長らくの期日を要したにかかわらず、思い切った十分なものともなり得なかったのも、実はこういったところに原因があるのじゃないかと考えられるのであります。この点につきまして思い切った
措置をされない限り、今後ともこの弊害が続いていくように思います。
以上の
諸点にかんがみまして、私
たちはこの
法案の
提案の
趣旨には大いに
賛成しながら、遺憾ながら、その内容につきまして
十分審議ができますように
措置されることを常に要求をしてきたのでございます。
以上で、私のわが党を代表いたしましての本
法案に
反対の
意見を、簡単でございますが、申し上げた次第であります。