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岡本(隆)
委員 操作の基準はもちろん作っていただかなければなりませんし、そういうふうな点においての配慮をしていただかなければなりませんが、
ダム操作を、完全なものというと語弊があるかもわかりませんが、
ダム操作をうまくやるための
施設というものが、現在日本にはなさ過ぎるのではないかと思うのです。台風の警報が気象台から出ます。しかしながら、それは必ずしも予測された方向へはきません。そしてまた、現実に降ってみなければ的確な雨量というものはわかりません。しかしながら、至る
ところに山の中に雨量計を備えて、暴風警報が出たり風雨警報が強く出た場合に、そこに人を配置して、今日では手軽な無電の
施設もあるのですから、水防団員とかそういうふうな人たちが山へ入って、そこでもって雨量を絶えず測定しておる。その測定された雨量が一カ所にだんだん集約されて、この川の集水面積がどれだけ、そうするとここへはどれぐらいの量の水が出る。出た水は何時間でどこの
ダムへどれだけたまっていくかというふうなことは、電子計算機のある時代でありますから、すぐに計算が出てくると思う。そうすると、それに基づいて、この
ダムは予備放水して全部からにしても、
あとでたまってくるというふうなこともわかるわけなんです。予備放水をどれだけの量やるべきだということをきちっと
治水側から指令して、何千トンの予備放水をやれということを出すべきなのです。
ところが、現在は、降ってきてたまってこなければわからない。たまってきたから、しょうがない、出す。あるいは降りそうだから、ある
程度予備放水しておいた。予備放水しておいたが、どんどんたまってきて、今度あふれそうになったから、また水門をあけてしまうというようなことで、
ダム操作そのものに技術的なまずさがあると思う。しかし、それは技術的なまずさというよりも、設備の不足である。設備の不足が、結局貯留し得べき水を流してしまうというようなことも出れば、あるいはまた、相当豊水になってからどんどん
ダムを開きますために多くの災害が起こったというふうになったりして、結局山林地帯に対する
ところの降雨量に対する調査、またそれの通報機関、連絡機関、そういうものが十分行なわれておらない。そのことが今日災害をより大きくしておる。なるほど、ある
程度それは
費用の要ることかもしれません。しかしながら、これから後、日本が
水資源を
開発して、それでもって多くの水をできるだけ有効に使うんだという
考え方に立つなれば、そういうふうな機関の常備、ということは、同時に
施設を作るだけでなしに、その
ダムをいかに運営するかということに対する
ところの機関として私は非常に重要なものであるというふうに思うのでございますが、現在そういうふうな機関が、はたしてどの
程度整備されておるのか、またどういう機構によってそれが運営されておるかということを、これは
河川局長からお教え願わなければならぬと思いますが御説明願いたい。