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石川委員 たただいまの
大量処分についての
質問が、
岡本委員、兒玉
委員の方から出ておりまして、大体要を尽くしておると思いますから、一、二簡単に御
質問をしたいと思います。
ただいまの松澤
委員の
意見に対しましては、私もこれに対する
意見がございますけれども、ここで論争してもどうかと思いますから、そのことには触れません。ただ一点申し上げますと、
労働争議行為それ自体ではなくて、それを逸脱した行為ということになれば、これはきょう取り上げた話とまた別の問題です。ただ、どこまで
労働争議行為の範疇に入るかどうかという点が問題になるわけであります。それをはみ出して、非常に人権じゅうりんの
行動があるとかいうような事実があれば、これは
処分の
対象として当然考えていい問題だろうと思います。しかし、それは労働法の
対象じゃなくて、これは刑法上の問題だということにはっきりなってくれば、問題は簡単であります。しかし、ここで問題にしているのは、そういうことまでいっていない範囲の
行動であるという点で、われわれは問題にしているわけです。
それはそれといたしまして、実は今度の
処分を見て、率直に受けた感じを申し上げますと、われわれとしては、この建設
委員会における論議は、イデオロギーの対立というものはほとんどない。産業基盤の強化ということで、与野党協力して、大いに
政府にも協力しようじゃないか、こういう態勢で臨んできたわけであります。ただし、こういうような冷酷な
処分というものを見ると、これはわれわれとしても、協力するという
考え方を変えなければいかぬのじゃないかというような、ショックを受ける
程度の過酷な
処分である。このことだけは、はっきり申し上げておきます。
それと同時に、馘首あるいはその他百二十九名に上る大量の
処分、こういうようなことは、法の威厳といいますか、また、使用者側の権威をもって、力をもって押えつけるという
行動に出たものだというふうに考えられるのだけれども、これは方法として、私、非常に拙劣だと思う。結果的に申しまして、首にしたからといって、
組合で役員につけないわけじゃない。これはILOの批准の問題ともからんで参りますけれども、こういうことを繰り返して参りますと、
労働組合の
行動それ自体が決して穏健な方向に行くのじゃなくて、労使が協力をするというふうな場じゃなくて、ますます対立をするという方向にだんだん行かざるを得ないという宿命を形作るような結果になる。そういう
処分であったというふうに考えざるを得ないのであります。この点は、よく考え直してもらいたいと思います。
同時に、この問題は、行(一)、行(二)の任用の問題、それから
共済組合の
掛金の問題 この
二つに大別して分かれるようでございまして、
共済組合の
掛金の問題については、当局側としても、協定を作ったということに若干の手落らがあったという点は、
大臣みずから認めておる。こういう点に対する
組合の不満があったわけであります。その点は一応論外といたしましても、行(一)、行(二)のこの任用の仕方の
考え方の問題——私は実は大会社の人事や総務を担当した経験もありますので、こういう
官房長の言われるような
考え方が正しいとする見方があるということはよくわかるのです。しかしながら、こと人事管理の問題というのは、ほかの問題と違って、非常にむずかしい。というのは、これは人事の問題だ。従って、理屈
通りになかなかいかぬという場合も客観的に見てあるわけです。そこで、この現場のいろいろな不満というものがどういう形で出てくるかというと、たとえば、この行政(一)表の方は五年くらいで任用されるけれども、行政(二)表の方は十年もたたなければ任用されないのだ、ということに対するうつぼつたる不満というものが、昨年までは何とか抑え切れたかもしらぬが、ことしになって押え切れなくなって、これが
組合という形で、
組合の場を通じて
一つのまとまった
意見として出てきた。だから、去年とことしと
意見が違うということは、これはあり得るわけで、今までの不満というものが一ぺんにせきを切って、
組合を通じてはっきり出てきた。というのが現実の問題だとすると、この
組合という機関を通じて出てきた現場の不満、現場の
意見というものには、やはり謙虚に耳を傾けるということがなければ、
愛情のある、そして労使が協力をするという、皆さん方の
立場に立つ
考え方に沿うような方向にはいかない。こういうことを
一つ考え直してもらいたいと思う。今も盛んに言われておりますように、
所得倍増の問題に関連して、どうしても産業基盤を強化していかなければならぬということで、建設の
仕事が非常にふえて参るわけであります。飛躍的にことしあたりから多くなって参る。ところが、人が足りないという問題があって、これに対応するいろいろ御苦心のほどもただいま伺ったわけでございますけれども、しかし、それだけでは、なかなかこの予算を消化するということが困難である。どうしても、現場の
人たちがほんとうにこれに協力をするという態勢が整わなければならぬというや
さきに、こういうような
大量処分ということで、協力の態勢に水をかけたということは、非常に私は残念だと思うのです。
そこで、
一つ伺いたいのです。農林省あたりでも、古い順から任用をするというようなことで、
組合との話もついておるようであります。
組合との話がつかない場合には、一応保留をするというようなことになっておるようでございますけれども、この点については、
官房長、どうです。