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中島(巖)
委員 今の大胆の御
答弁で、非常に耳寄りなお話を承ったわけであります。これは
所得倍増計画に伴うところの、当然十年後におけるわが国の国土
計画、つまり
産業分布などはどうあるべきか、こういう青厚真をどうしても示していただかねばならぬ必要な段階に迫っておる。そのときにおいて、担当
官庁は、もちろん経済企画庁が
中心であろうということは、だれにもわかるのですが、経済企画庁そのものには事務局と申しますか、手足がないわけでありますから、当然われわれの常識として、
建設省が食うべきものであるというように考えるのです。さて、それが、ただいま
大臣からもお話のありましたように、
計画局が
都市計画の
関係の方が非常に強くて、それで国全体の十年後の国土
計画はかくあるべきものだというようなことが、はたしてできる能力があるのかないのか、こういうことに疑問を持っておったわけでありますが、ただいま
大臣の
説明によって、大体のアウト・ラインはわかったわけです。そこで、当然
建設大臣が、経済企画庁長官と一緒になって最高の方針を決定せねばならぬ責任のある重大な立場になるわけであります。
そのような観点から、
建設大臣に二、三お聞きしたいと思いますのは、私の手元に国民
所得倍増計画というのがありまして、これは十一月一日に総理
大臣の諮問機関である経済
審議会で発行したものであります。この
所得倍増計画によりますと、いわゆる四大工業地帯を
中心にして
産業を推し進める。それは
所得倍増計画の骨幹をなすいわゆる太平洋工業ベルト地帯とでもいうのでしょうが、こういうことを打ち出してあるわけです。それから、東北だとか、裏
日本だとか、中部地帯は、前期五カ年
計画のあとの五カ年
計画においてこれらの
開発をするんだ、こういうことをうたっておるわけであります。これは私は、とんでもない間違いだと思うのです。それは、現在の
所得倍増計画に織り込んであるところの京浜
地区だとか、中京
地区だとか、あるいは大阪
地区だとかいうところは、これはほうっておいても、立地条件がよくて、どんどん工業が盛んになるところであります。従いまして、いわゆる所得格差とか、あるいは農業が第二次、第三次に移行するとかいう観点、あるいは工業分散という観点からいきますれば、前期五カ年
計画におきまして、これらの
地方にいわゆる高速自動車
国道などを上げて立地条件をよくしまして、そして
所得倍増計画を推し進めぬ限りは、
地域格差の解消というようなことはどうしてもできなく、
地域格差がますます激増する、こういう
方向になるだろうと思うのであります。従って、
基本的な問題といたしまして、第一次五カ年
計画において
地域格差の解消をするような実際の大きな
予算措置をすべきであるということが、
基本的の問題であると私は考えるわけであります。ことに池田
内閣の
所得倍増計画に対して、国土
計画を担当する
大臣としてのあなたの御方針というものは、重大な
基本的な問題になると思うのです。従って、私は、自動車のものすごい激増によりまして、現在の交通
関係というものは一変しまして、将来は高速自動車道を交通の骨幹として、交通
政策は立てられるものだ、こう思うのです。これはヨーロッパ諸国へ行っても、アメリカへ行っても、もう現在、はっきりいたしておるわけであります。こういうような観点、それから毎日のラジオやその他でも、交通地獄であるとか、いろいろ言っておりますけれ
ども、動脈硬化したところの大
都市の工場その他を分散する、こういうような
計画も、ただいま申しました高速自動車網を骨幹としての
施策でなければならぬ、こういうように考える。
こういうや
さきにおきまして、先ほど申したような広域
都市法案というようなものがここに提出されるということは、私は非常に時代錯誤だと思います。かつて、東北
開発振興法という
法律のもとに、東北
開発に対しまして、これは
建設省の
計画局の所管でありましたけれ
ども、幾多の国策
会社をこさえましたけれ
ども、全部これは半身不随で、ボロ
会社になっておる。この原因はどこにあるかと申しますと、その
地域の
開発はしましても、交通網がないためにこうなったわけであります。この前もちょっと申し上げましたけれ
ども、私の長野県の諏訪郡は約人口十七万でありますけれ
ども、東京に非常に近いような
関係で、時計とかカメラというような精密工業が盛んになりまして、これらの工場に働いておるだけで三万五千くらいある。サービス業その他の国家機関の職員を入れると、三万五千世帯のうち約七万近い者がこれらの
事業に従事しておる。人手がなくて、長野県下だけの募集では足りなくて、東北や九州まで人を募集しておる。つまり、交通事情さえ備えさえすれば、その他の
施策はしなくても、こういう山岡地におきましてもどんどん発展する。これがいわゆる池田総理の言う農村人口の削減と
所得倍増論とかみ合わせたものだと思う。その
政策の骨幹となるのは、やはり将来の交通の幹線である高速
国道である、こういうように私は考えるわけであります。ことに
建設大臣は、
所得倍増計画並びに
地域格差解消の十字路と申しますか、土台となるところの政務を担当されておるのでありますから、御所見を承ると同時に、ぜひこういう御研究を十分されて、大方針を立てていただきたい、こう考えるわけでありますが、御所見を承りたいと思います。