○
中島(巖)
委員 実は、
予算委員会なんかにおける
総理大臣の
答弁、それから
施政方針演説、これらの
内容を伺ってみますと、
所得格差をなくするために、
愛知揆一君の
質問に対しても、くどく言っておるのですが、
工場分散政策をとるのだ。
工場分散の
政策に対する具体的な
方針としては、
固定資産税を免除するのだとか、あるいはその他税制の上において
工場がそちらに向くようにするのだ。こういうようなことを
総理ば言われておるわけです。
総理は
財政畑の出身の方で、そう言われるのも、もっともだと思いますけれ
ども、それ以上に必要なことは、そういうところへ
立地条件を作成するということが一番重要な問題であって、この
立地条件の作成はどうしても
公共事業費を大幅に取り扱っておるところの
建設省なんかで基本的な
方針を立てていただかないといけないと
考えるわけであります。私はまずもってお断わりしておきますが、別に
政府の
施策をここでもって非難するとか、攻撃するとか、こういう
立場ではなしに、非常に建設的な
立場でいろいろと
大臣に御考慮を願いたい、こういう
考えで申し上げておるわけであります。
大胆の耳には大へんお聞き苦しいかもしれませんけれ
ども、
大臣がたびたびかわられるのですね。従って、腰を落ちつけて
池田内閣の
政策なんぞを
予算の面に現
わしていくということが今までも非常に少なくて、ただ、在任中事なかれ主義でいけばいいというふうにわれわれとしては見えてしようがないのです。しかし、強力な
政策を遂行するのはやはり大尉でなければいかぬわけでありますから、そこで、特に
中村建設大臣に申し上げるのです。
自民党としても大幅に
政策を転換しまして、
所得格差の
解消というような
言葉は、今までの政界に、
経済界にほとんどなかった
言葉であって、これが
施政方針の中で五たびも六たびも出てくるということは非常にいい傾向だと思うのです。しかし、問題は、それを実際に
政策の上に、
予算の七に現
わしていくかどうかということが一番の問題なんです。そこで、今の
大臣の御
答弁は、
初年度だからこれというあれもないけれ
ども、
広域都市計画なんかを始める、こういうことを言っておられる。そこで、私は
初年度であってもこれだけの大幅な
道路予算が組まれたのであるから、ぜひ踏み切っていただきたいと思う。
広域都市計画というような
お話がありましたし、それから、かつて
大臣は
沿岸工業地帯開発促進法ですか、あの
法案の
説明にもこの席で立たれたことがあったように私、記憶しております。それから、これは主として
建設省の
計画周と
経済企画庁の
関係だと思いますけれ
ども、名前はちょっと忘れたのですが、
東北開発法案なんか4出まして、あれによって幾多の
国策会社を樹立したわけでありますが、これらがほとんどボロ
会社になっちゃって、収拾のつかないような
状態に現存あることは御
承知の
通りだと思う。そういうように、
東北の
一部分を開発しても、それが有終の美をなさぬ、目的を達せぬという原因はどこにあるかと申しますと、これは
交通政策の問題だと思います。たとえば、
山形なりあるいは
秋田なりの
一部分にそういうものをこしらえても、
山形、
秋田そのものが中央と直結するような高度な
交通政策を立てねばならぬ。たとえば
広域都市法を施行するにあたりましても、そういうような
施策のない限りはだめだ、こう思うわけです。
一つの例をあげてみますと、私のところに
諏訪郡というのがありまして、上
諏訪、下
諏訪、岡谷の三市になっておりますけれ
ども、ここは
東京にわずか四時間くらいで来れるようなところです。
諏訪湖の湖面は
海抜七百メートル以上あります。従いまして、八百メートル、九百メートルというような高いところに、今カメラだとか写真だとかいう、非常な
精密工業の、千数百人もおるような
工場が数多くできまして、そしてそこへ
農村の
子弟は通う。それから、
海抜約千メートル近くに原村というのがありますけれ
ども、これも
工場へ
子弟が通う。それから
高原野菜を栽培する、あるいは冬は寒天をやるというようなことで、軒並み百万以上の預金を持っておるというような
状態で、現在は長野県下の各地から
工員を募集しても、
諏訪にはもちろんありますけれ
ども、それでも足りなくて、九州や
東北の方で
工員を募集しておる。こういうような
状態であるわけです。従いまして、これがいわゆる
池田さんの言う
所得格差あるいは
農村人口を削減するという
方向の姿だろうと思うのです。それは、ただいま申しましたように、税の上の恩典とかいうことでなくして、
交通機関が非常に
東京に近い、こういうような
関係で、そういう現象を見ておるわけであります。
従って、どうしても
交通政策の上から、いわゆる
所得の
地域格差の
解消、これはどうしても
建設省が踏み切らぬとできぬ問題なんです。従いまして、本
年度増額されたこの
道路予算において、どうしてもこの
方面へ踏み切っていただきたいということと、それから五カ年
計画はこの
地域格差の
解消の線によって策定すべきである、こういうように私は
考えるのでありますが、
建設大臣の御
意見はいかがでありますか、お伺いしたいと思います。